2024/05/24

🟧胎児に奇形の恐れある薬を服用して性交渉、女性が妊娠 多発性骨髄腫の治療薬「レブラミド」で初事例

 厚生労働省は23日、胎児に奇形を引き起こす恐れのある薬を服用した男性が避妊をせず性交渉をし、相手の女性が妊娠した事例があったと明らかにしました。この薬はがんの一種、多発性骨髄腫の治療薬「レブラミド」。かつて薬害を引き起こした「サリドマイド」に類似することから、服用手順が厳格に管理され、これまで妊娠事例は確認されていませんでした。有識者検討会で報告しました。

 男性は服用前の化学療法の際に、医師から生殖能力が失われる可能性があると説明され、妊娠しないと誤解したといいます。出産に至ったかどうかは公表していません。

 今回の事例を踏まえ厚労省は14日「深刻な事態を生じかねない重大な問題」として、男性患者の避妊を徹底するよう医療機関向けに通知しました。

 レブラミドは2010年7月に販売開始。サルの実験で胎児の奇形が確認され、妊婦の服用は禁止されています。

 2024年5月24日(金)

2024/05/23

🟧マダニ感染症、長崎市の80歳代女性死亡 長崎県内今年初、経路わからず

 長崎市に住む80歳代の女性がマダニが媒介するウイルスの感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」にかかり、5月17日に死亡していたことがわかりました。

 マダニは、例年、春から秋にかけて活動が活発になるため、長崎市は草むらなどに入る際には肌の露出を少なくするなど注意するよう呼び掛けています。

 マダニが媒介するウイルスの感染症SFTSにかかり死亡したのは、長崎市に住む80歳代の女性です。

 市の発表によりますと、この女性は5月15日から発熱などの症状が出て翌日から入院していましたが、5月17日に死亡したということです。

 その後、女性の血液を調べたところマダニが媒介するSFTSを引き起こすウイルスに感染していたことがわかりました。ダニに刺された痕は見付からず、感染経路は不明。

 医療機関からSFTS患者の死亡報告があったのは、長崎県内で今年初めて。長崎市内での感染確認は今年3件目。県内では12日までに6件が確認されています。 

 マダニは、例年、春から秋にかけて活動が活発になるため、長崎市では草むらや薮などマダニが多く生息する場所に入る際には、肌の露出を少なくすることや屋外で活動した後は、マダニにかまれていないか確認をすることなど注意を呼び掛けています。

 2024年5月23日(木)

2024/05/22

🟧食パン「超熟」に混入のクマネズミ、工場外の巣穴から侵入か 製造ラインの再開時期は未定

 敷島製パンの食パン「超熟」に異物が混入していた問題で、専門事業者の鑑定の結果、混入していたのは「クマネズミ」の子供だったことがわかりました。

 名古屋市に本社を置く敷島製パンが「パスコ東京多摩工場」で生産した「超熟山型5枚スライス」に異物が混入していた問題で、21日に敷島製パンは専門事業者の鑑定の結果、混入していたのは体長約6センチのクマネズミの子供だったと発表しました。

 敷島製パンによりますと、4月末の定期点検ではなかった巣穴が工場の外で見付かり、そこから侵入したネズミが焼く前の生地に混入したとみられるということです。

 敷島製パンは該当の製造ラインを休止し清掃・殺菌したほか、巣穴と工場建屋の隙間をふさいで、新たに監視カメラ12台を設置するなどの再発防止策をとりました。

 問題が起きた製造ラインは稼働を停止しており、再開時期は未定といいます。

 同社は、同工場で生産された「超熟」シリーズの一部商品約10万4000個の自主回収を進めています。問い合わせは、専用フリーダイヤル(0120・001・781)へ。

 2024年5月22日(水)

2024/05/21

🟧和光堂ベビーフード5商品9万5076個を自主回収 フッ素樹脂混入の恐れ

 アサヒグループホールディングス傘下のアサヒグループ食品(東京都墨田区)は20日、「和光堂」ブランドのベビーフード「栄養マルシェ」シリーズ5商品計9万5076個を自主回収すると発表しました。岡山工場(岡山県里庄町)で製造中、一部にフッ素樹脂が混入したため。現時点で健康被害の申し出はないといいます。

 回収するのは、いずれも「牛肉とほっくりじゃがいもの煮物」を詰め合わせた賞味期限2025年6月の「栄養マルシェ 鮭のまぜごはんランチ」「栄養マルシェ 牛肉おこわランチ」「BIGサイズの栄養マルシェ 田舎風弁当」。

 このほか、「西松屋」専用のセット商品「栄養マルシェ12か月セット」(賞味期限同年6月)、「トイザらス」向け「栄養マルシェ10個セット 12か月」(同5~6月)も対象。

 今月10日に購入者から問い合わせがあり、同社が調べたところフッ素樹脂の混入が確認されました。フッ素樹脂は製造ラインの部品の一部だったといいます。

 返品すれば代金相当のクオカードを送るといいます。問い合わせ先はアサヒグループ食品「栄養マルシェ係」(0120)223076。

 2024年5月21日(火)

2024/05/20

🟧高齢者施設での服薬は昼1回に 老年薬学会提言、飲み間違いや飲み忘れ防止へ

 日本老年薬学会は17日、高齢者施設の入所者の服薬について、可能なら昼の1回にまとめることを医師や薬剤師らに求める提言を発表しました。薬の飲み間違いなどのミスを防ぐ狙いがあります。

 高齢者施設の入所者は、複数の薬を飲んでいるケースが多いため、提言では、服薬の回数が多く、組み合わせが複雑だと、飲み間違いや飲み忘れにつながると指摘し、服薬回数が1日1回になると入所者も介護する職員も負担が減るとしました。

 具体的な方法として、服薬のタイミングを変更できる薬は職員の多い昼にまとめること、効き目が長く続くタイプの飲み薬や貼り薬に変えることなどを挙げました。

 薬によっては、服薬の時間が起床時や就寝前に決まっているものもあります。薬の安全性や効果に影響が出ないかなどを確かめた上で、進めるべきだとしています。

 学会によると、高齢者施設では処方薬が多い上、認知機能や運動機能の低下から服薬の介助が必要な入居者が多くなっています。

 学会の秋下雅弘代表理事は同日、開いた記者会見で、「服薬回数を減らす取り組みは、すべての高齢者に必要だ。今後、医療機関や在宅介護に携わる人にも呼び掛けたい」と話しました。

 2024年5月20日(月)

2024/05/19

🟧WHO、対策急務の薬剤耐性菌15種公表 2019年に495万人死亡か

 世界保健機関(WHO)は17日、既存の抗菌薬が効きにくく世界の医療現場で深刻な脅威になっている薬剤耐性菌15種について、対策の優先度順で3グループに分類したリストを公表しました。致死性や感染力などが評価基準で、対策の必要性が高い細菌を明示し、政府や民間の研究開発資金投入を促す狙いがあります。

 WHOによると、耐性菌に絡む死者数は2019年に495万人に上ったとの推計があり、新たな抗菌薬や治療法の開発が課題となっています。

 分類リストは緊急性が最も高い第1グループとして、いずれも難治性感染症への切り札として使われる抗菌薬カルバペネムに耐性を持つ「アシネトバクター・バウマニ」と「腸内細菌目細菌」、肺炎などの感染症治療に広く使われる第3世代セファロスポリン薬が効かない「腸内細菌目細菌」、結核患者の第1選択薬の中でも特に強力なリファンピシンに耐性がある「結核菌」の4種類を挙げました。

 今回は2017年に公表したリストを更新しました。WHOの中谷祐貴子事務局長補は、「抗菌薬耐性の脅威は増している」と警鐘を鳴らしました。

 2024年5月19日(日)

2024/05/18

🟧緊急避妊薬の試験販売、薬局数増加へ 利用者の8割以上が今後も処方箋なし服用を希望

 厚生労働省は10日、望まない妊娠を防ぐ緊急避妊薬を医師の処方箋(せん)なしで試験販売する研究事業の結果報告書を公表しました。緊急避妊薬の販売実績は、事業開始後の2023年11月下旬からの2カ月間で2181件。利用者への事後アンケートでは、82%の人が今後も処方箋なしで服用したいと回答しました。

 緊急避妊薬は排卵を遅らせる薬で、性交後72時間以内に服用すると8割の確率で避妊できるとされます。購入するには医師の処方箋が必要で、近くに受診できる医療機関がなかったり、受診に心理的な負担を感じたりする人が薬を使いづらいことが課題になっていました。

 事業は、処方箋が不要な「OTC医薬品」にするためのもので、厚労省からの委託で日本薬剤師会が実施しています。全国145の薬局で試験販売し、購入者へのアンケートを通して、薬局で適正に販売できるのかを検討しています。

 報告書によると、利用者の27%が土日に利用しました。午後9時台~午前7時台に利用した人は全体の1・5%でした。

 薬剤師が販売可能と判断した人は92・6%で、販売するものの避妊指導が求められたり、性感染症の可能性があったりするなどして受診が必要と判断した人は6%でした。妊娠の可能性があるなどして販売できなかった人は1・4%。

 購入者へのアンケートでは、面談した薬剤師の対応や説明のわかりやすさについて、「とても満足」や「おおむね満足」の「満足」と回答したのは、95%以上でした。

 さらに、今後、緊急避妊薬が必要になった場合に、「医師の診察を受けずに、薬局で薬剤師の面談を受けてから服用したい」が82・2%に上りました。「対面で医師の診察を受けてから服用したい」は8・4%、オンラインで医師の診察を受けてから服用したいは6・1%でした。

 日本薬剤師会は、問題なく試験販売ができているとして、より多くのデータを集めるために今後、試験販売を実施する薬局数を増やす方針です。

 2024年5月18日(土)

🟥医療機関の受診、原則マイナ保険証の利用に 従来の保険証も3月までOK

 12月2日から、会社員やその家族が加入する健康保険組合の健康保険証に代わって、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」の利用が原則となった。1日までですべての健康保険証の有効期限が切れたため。厚生労働省は患者が期限切れの保険証を提示しても、来年3月末まで...