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2022/07/20

🇫🇷モントゴメリー腺

妊娠中や産後に、乳頭の周辺に目立つようになるブツブツと小さく隆起した突起物

モントゴメリー腺(せん)とは、乳首、すなわち乳頭の周囲を取り囲む輪状の部位である乳輪の中に、にきびやいぼのようにブツブツと小さく隆起した突起物として認められる皮脂腺。モンゴメリー腺、乳輪腺とも呼ばれます。

呼称は、これを最初に定義したアイルランドのウィリアム・フェザーストーン・モントゴメリー産科医にちなんでいます。

このモントゴメリー腺は、一種のアポクリン汗腺であり、男性、女性を問わず誰(だれ)にでも10 個ほど存在し、乳頭と乳輪を乾燥や刺激から保護するための皮脂を分泌しています。皮脂腺にしては非常に珍しく、表皮に近い位置に存在するので、その大きさや数の多い少ないに個人差こそあれ、多くの人に目で見てわかるくらいのブツブツとした突起物として認められます。乳頭を刺激すると、モントゴメリー腺はより隆起し、突出します。

妊娠中や産後の授乳中の女性では、今まで気にも留めていなかったのに、いきなりブツブツとした突起物が目立つようになるということが、よくみられます。

妊娠すると、女性の体は少しずつ、産後の授乳のための準備を始めます。乳房や乳頭もそれに伴い、変化していきます。乳輪の中にブツブツとした突起物が目立つようになるのも、授乳のための準備の一つです。

個人差もありますが、特に妊娠初期から妊娠中期は、卵巣で分泌される女性ホルモンの影響で母乳(乳汁)を作る乳腺が肥大し、乳腺を支える脂肪組織も増えて乳房が次第に大きくなっていきます。乳房が大きくなるとともに、モントゴメリー腺も大きくなります。

出産後の授乳中には、モントゴメリー腺から分泌される皮脂がにおいを発して、視覚がまだ未発達で明暗を認識することができるだけの新生児に、乳頭の位置を知らせる役割を果たしているといわれています。

このようにモントゴメリー腺は機能的にも本来必要なもので、授乳期が終わると自然にブツブツとした突起物が目立たなくなることもありますので、気にならなければ何もしなくて構いません。しかし、女性ホルモンの分泌が過剰になると、モントゴメリー腺の働きが促進されて皮脂が多く分泌され、かゆみが出ることがあります。

また、分泌された皮脂を、にきびのような感覚で無理やり絞って押し出したり、つぶしたりすると、白い皮脂が出ることがあります。その際に手についていた細菌に感染してしまうと、炎症を起こして痛みを感じたり、膿(うみ)が出てきたりすることにつながります。

分泌された皮脂の薄黄色の残りカスが乳頭や乳輪に付着した場合は、ガーゼやタオルで優しくふき取りましょう。風呂やシャワーの際に、そっと洗い流すだけでもかまいません。洗浄した後は、保湿をしましょう。乳首専用のケアクリームなどを塗って保湿することで、かゆみ対策にもなります。

モントゴメリー腺が必要以上に発達して、乳頭より大きくなったり、乳輪が膨らんで見た目が気になるなどの症状がある場合は、健康上に害がない範囲で目立つものだけ除去することができますので、乳腺外科、形成外科、整形外科、あるいは美容整形外科を受診し、手術によって整えることを考えてみてもよいのではないかと思われます。

モントゴメリー腺の検査と診断と治療

乳腺外科、形成外科、整形外科、美容整形外科の医師による診断では、視診、触診で判断します。

乳腺外科、形成外科、整形外科、美容整形外科の医師による治療では、いぼやほくろを除去するような手術で、モントゴメリー腺を切除します。入院の必要はなく、30分程度の通院手術で取り除くことが可能です。傷跡もほとんど残りません。切除手術はモントゴメリー腺1個ずつの治療となり、大きさや数によって費用は異なります。

手術後、麻酔が切れると若干痛みが出る場合があり、痛み止めの薬を内服します。患部はガーゼで保護しますが、その上から締め付けの少ないブラジャーを使えます。

患部を保護するガーゼは手術の翌日に外し、以後、せっけんを使いシャワーで洗い流すことができます。微量の出血が数日程度続く場合は、シャワー後に交換用のガーゼを患部に当てます。湯船の入浴は、1週間後から可能です。

日常生活や家事、事務仕事は、翌日から可能です。飲酒や運動は1週間控え、激しい運動や乳首への強い刺激は1カ月間程度避けます。1週間後に抜糸の通院があります。

切除縫合した部分が一時的に感覚が鈍くなる場合も、傷がいえるにつれて元の感覚に戻ります。モントゴメリー腺を切除した後でも、妊娠や授乳には影響はありません。

2022/07/19

♎門脈圧高進症

腸から肝臓につながる血管内で、血圧が上昇

門脈圧高進症とは、腸から肝臓につながる門脈から枝分かれした血管内で、血圧が異常に高くなる状態。これに伴って食道静脈瘤(りゅう)、胃静脈瘤、脾腫(ひしゅ)、腹水など、二次的な症状が現れます。

大静脈である門脈には、腸全体を始め、脾臓、膵臓(すいぞう)、胆嚢(たんのう)から流れ出る血液が集まります。門脈は肝臓に入ると左右に分かれ、さらに細かく枝分かれして肝臓全体に広がります。血液は肝細胞との物質の交換を行った後は、末梢(まっしょう)の肝静脈に流れ出して、大きな3本の肝静脈に集められ、さらに下大静脈を介して体循環に戻り心臓へと向かいます。

門脈の血圧、すなわち門脈圧を上昇させる原因は、2つあります。門脈を通る血流量の増加と、肝臓を通る血流に対する抵抗の増大です。欧米諸国では、門脈圧が高進する最も一般的な原因は肝硬変による血流抵抗の増大で、その一番の原因はアルコールの過剰摂取となっています。日本でも、原因の90パーセント以上が進行した慢性肝炎を含む肝硬変によるものです。そのほかの門脈圧高進症を来す疾患としては、特発性門脈圧高進症、肝外門脈閉塞(へいそく)症、肝静脈の閉塞するバッド・キアリ症候群、日本住血吸虫症などがあります。

門脈圧の高進により、門脈から体循環に直接つながる静脈の発達が促され、肝臓を迂回(うかい)するルートが形成されます。この側副血行路と呼ばれるバイパスによって、正常な体では肝臓で血液から取り除かれるはずの物質が、体循環に入り込むようになります。

側副血行路は特定の部位で発達しますが、食道の下端にできた場合は特に注意が必要で、血管が拡張し曲がりくねって、食道静脈瘤を形成します。拡張した血管はもろくなって出血しやすく、時に大出血を起こし、吐血や下血などの症状が現れます。側副血行路はへその周辺部や直腸で発達することもあり、胃の上部にできた静脈瘤も出血しやすく、時には大出血となりますし、直腸にできた静脈瘤もまれに出血することがあります。

脾臓は脾静脈を通じて門脈に血液を供給しているため、門脈圧の高進はしばしば脾臓のはれを引き起こします。脾機能高進による血球破壊のために、貧血を生じることもあります。蛋白(たんぱく)質を含む体液である腹水が肝臓と腸の表面から漏れ出して、腹腔(ふくくう)が膨張することもあります。

門脈圧高進症の検査と診断と治療

門脈圧高進症の基礎となる疾患が不明な場合には、肝機能検査を始め、超音波検査、血管造影、CT、MRIなど各種の画像検査により診断を確定します。基礎となる疾患が明らかになれば、食道静脈瘤、胃静脈瘤の有無と、その静脈瘤が出血しやすいかどうかを診断する必要があるため、内視鏡検査が最も重要で、早急を要します。

脾腫では、触診で腹壁越しに、はれた脾臓が感じられることから、腹水では、腹部の膨らみや、軽くたたいて打診を行うと鈍い音がすることから診断されます。ごくまれに、腹壁を通して肝臓や脾臓に針を挿入し、門脈内の血圧を直接測定することがあります。

治療では、門脈圧の上昇から生じる二次的な病態である静脈瘤、脾腫、腹水、脾腫などに対する対症療法が主体となります。中心になるのは食道静脈瘤、胃静脈瘤に対する治療で、予防的治療、待機的治療、緊急的治療があります。

予防的治療は、内視鏡検査により、出血しそうと判断した静脈瘤に対して行います。待機的治療は、静脈瘤の出血後、時期をおいて行うものです。緊急的治療は、出血している症例に止血を目的に行う治療です。緊急的治療では、出血している静脈を収縮させる薬を静脈注射で投与し、失われた血液を補うために輸血をします。大出血に際しては、内視鏡的に静脈瘤を治療します。

静脈瘤の治療は、1980年ころまでは外科医による手術治療が中心でしたが、最近では内視鏡を用いた内視鏡的硬化療法、静脈瘤結紮(けっさつ)療法が第一選択として行われています。

内視鏡的硬化療法には、直接、静脈瘤内に硬化剤を注入する方法と、静脈瘤の周囲に硬化剤を注入し、周囲から静脈瘤を固める方法があります。どちらも静脈瘤に血栓形成を十分に起こさせることにより、食道への側副血行路を遮断するのが目的です。静脈瘤結紮療法は、特殊なゴムバンドで縛って静脈瘤を壊死(えし)に陥らせ、組織を荒廃させ、結果的に静脈瘤に血栓ができることが目的となります。

これらの治療には、側副血行路の状態をみるために、血管造影や超音波を用いた検査が行われます。胃静脈瘤に対しては、血管造影を用いた塞栓療法も用いられます。また、門脈圧を下げるような薬剤を用いた治療、手術が必要な症例もあり、手術では側副血行路の遮断や血管の吻合(ふんごう)術が行われます。

出血が続いたり再発を繰り返す場合は、外科処置を行って、門脈系と体循環の静脈系の間にシャントと呼ばれるバイパスを形成し、肝臓を迂回(うかい)する血液ルートを作ることがあります。静脈系の血圧の方がはるかに低いため、門脈の血圧は下がります。

肝硬変を起こしていたり肝機能に障害がある場合は、こうしたバイパス形成手術によって肝性脳症を起こすリスクが高くなりますので、手術の代わりに、皮膚から注射針を直接肝臓に刺し、注射針を通してワイヤとカテーテルを挿入し、門脈と体循環の静脈系とを結ぶシャントを形成することもあります。

脾腫を伴う場合はハッサブ手術や血管内治療、腹水を伴う場合には利尿剤の投与などが行われます。

2022/07/16

🇦🇨門脈血栓症

腸から肝臓につながる門脈が血栓で閉塞

門脈血栓症とは、肝臓に血液を供給する門脈が血栓でふさがれて、血液の流れが悪くなった疾患。

門脈は胃、小腸、大腸、脾臓(ひぞう)、膵臓(すいぞう)などの血液を肝臓に送る静脈の最終ルートで、その後、血液は肝臓部の下大静脈に入り、心臓に流れ込みます。この門脈内の血液が、固まってしまうことがあるのです。

原因となるのは、血液凝固疾患や、肝静脈の閉塞(へいそく)するバッド・キアリ症候群、慢性心不全、慢性収縮性心膜炎などです。肝硬変や肝臓がん、膵臓がん、胃がん、胆管炎、膵炎、肝膿瘍(のうよう)が、原因となることもあります。また、新生児では、へその部分からの感染が門脈血栓症を引き起こします。妊婦では、特に子癇(しかん)という発作性の全身けいれんが門脈血栓症を引き起こします。

しかしながら、門脈血栓症発症者の半数以上は、原因不明です。

門脈が血栓で閉塞すると、門脈とそこに流れ込む他の静脈の圧力が上昇し、門脈圧高進症と呼ばれる状態を来します。そして、行き場のなくなった血液は食道静脈へと流れ、静脈瘤(りゅう)という拡張や屈曲を生じ、これが破裂して出血し、吐血の原因となります。脾臓もはれ、腹に水がたまる腹水も出現します。

門脈血栓症の発症者の約3分の1では、閉塞が徐々に進行し、閉塞部の周りに、側副血行路という別の血液の通り道が形成されます。門脈が再び開通することはごくまれで、再開通しても門脈圧は下がらないこともあります。

門脈血栓症の検査と診断と治療

門脈血栓症は、上部消化管からの急な出血や脾臓のはれといった診察時の所見から、まず疑われます。診断を確定するために肝生検を行うことがあり、組織の一部を採取して顕微鏡で調べます。門脈圧が高く、肝生検で組織が正常ならば、門脈血栓症の可能性があります。閉塞部分の確認には、超音波検査やCT検査が有効で、造影剤を門脈に注入して静脈の血管造影検査を行うか、MRI検査によって診断が確かめられます。

治療の目標は、門脈の圧力を下げ、門脈の血栓を修復し、食道静脈瘤の出血を防ぐこととなります。

門脈の圧力を下げるためには、門脈と下大静脈を結ぶシャントと呼ばれるバイパスを形成して、肝臓を迂回(うかい)する血液ルートを作る手術を行います。肝硬変を起こしていたり肝機能に障害がある場合は、こうしたバイパス形成手術によって肝性脳症を起こすリスクが高くなりますので、手術の代わりに、皮膚から注射針を直接肝臓に刺し、注射針を通してワイヤとカテーテルを挿入し、門脈と肝静脈系とを結ぶシャントを形成することもあります。

門脈の血栓を修復するためには、腹を開けて、固まった血液を取り出したり、血液のうっ滞で腐りかけている腸を切除したりします。最近では、首の静脈からカテーテルを入れ、肝臓の組織を越えて門脈に至り、機械的に血栓を壊したり、吸引したり、血栓溶解剤を直接病変部に高濃度で流したりします。

食道静脈瘤を修復して出血を防ぐためには、特殊なゴムバンドで縛る方法や、内視鏡を挿入してそこから刺激性の化学物質を注入する硬化療法が行われます。

原因となっている疾患や発症者の病状によっては、肝臓移植が最も有効な治療法となる場合もあります。

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 警察庁は、自宅で亡くなる1人暮らしの高齢者が今年は推計でおよそ6万8000人に上る可能性があることを明らかにしました。  1人暮らしの高齢者が増加する中、政府は、みとられることなく病気などで死亡する「孤独死」や「孤立死」も増えることが懸念されるとしています。  13日の衆議院...