2026/02/04

🟥「オプジーボ」などのがん免疫薬、午前の投与が効果高く 中国の研究

 中国の中南大学を中心とする国際共同研究チームは、「オプジーボ」や「キイトルーダ」といったがん免疫薬の投与は、午前中など早い時間帯に始めると効果が高いとする結果をまとめた。午後3時以降に投与した場合より、がんの増殖を抑えられていたという。他の研究でも同じ結果が得られれば、医療費を抑えながら治療効果を高められる可能性がある。

 研究成果をイギリスの科学誌「ネイチャー・メディシン」に発表した。

 患者自身の免疫細胞を活性化させてがんを治療するオプジーボなどのがん免疫薬は「免疫チェックポイント阻害薬」と呼ばれる。がん細胞によってブレーキをかけられた免疫の機能を解除し、強力な免疫細胞を覚醒させる。ただ非常に高い治療効果が出る患者がいる一方で、効果がみられない患者も多い。より多くの患者に効果が出るよう改良することが課題とされる。

 研究チームは標準的な化学療法とがん免疫薬を併用する肺がん患者210人に対して、午前7時から午後2時までにがん免疫薬を投与する患者群と、午後3時から午後9時までの間に投与する患者群を無作為に振り分けた。約2年半にわたって治療効果などを追跡したところ、早い時間帯にがん免疫薬を投与する群のほうが、がんの増殖が抑えられ、患者の生存期間が長い傾向がみられた。

 がんの増殖や進行を抑えられた期間は、早い時間帯に投与した患者群がおおむね11・3カ月程度、遅い時間帯に投与した患者群では同5・7カ月だった。がんが縮小した患者の割合も早い時間帯に投与した患者のほうが多かった。

 患者の免疫細胞の状態を調べると、午前7時から午後2時までに治療を始めた患者では、がん細胞を攻撃する「キラーT細胞」が活性化している割合が高かった。他の研究でも、がん免疫薬の治療効果が高い患者では、血液中にキラーT細胞の数が多いことが知られている。

 午前中に治療を開始するには病院の治療体制を整える必要があるが、研究チームは「医療システムに追加の負荷をかけず、簡単に治療効果を高められる可能性がある」としている。

 ただ今回は中国内の患者を対象にした臨床試験のため、欧米や日本でも同様の結果が得られるか検証する必要もある。

 免疫の活動が時間帯によって異なることはよく知られている。インフルエンザワクチンでは、午前にワクチンを接種したほうが午後に接種した場合よりも強い免疫がつきやすいという報告があるほか、花粉症やぜんそくなどのアレルギー症状も時間帯によって変わるとされる。

 2026年2月4日(水)

2026/02/03

🟥緊急避妊薬を扱う薬局検索サイト公開 地図で表示、第一三共ヘルスケア

 望まない妊娠を防ぐために性交後に服用する緊急避妊薬「ノルレボ」が処方箋不要の市販薬として全国で購入できるようになったことを受け、第一三共ヘルスケアは3日、販売する薬局やドラッグストアの検索サイトを公開した。薬の入手を急ぐ女性を念頭に、現在地や住所から最寄りの店舗を探すことができるようになっている。

 位置情報のほか、駅名や住所を入力すると、地図上に緊急避妊薬を取り扱う薬局の場所が示される。電話番号や営業時間、ついたてや個室などプライバシー確保の方法、時間外対応の有無も確認できる。

 第一三共ヘルスケアは在庫や、薬剤師が対応可能な時間は変わる可能性があるため、来店前に電話で相談することを勧めている。

 2026年2月3日(火)

2026/02/02

🟥大規模災害の救助活動、「必要な人員」「救急車の台数」など数値化へ 「実践に即した想定」に向け交付金創設

 南海トラフ地震など大規模災害発生時の被害想定や必要な態勢などのシミュレーションをより実践に即した詳細なものにするため、政府は来年度、自治体向けの交付金制度を創設する。市町村ごとに、救助活動に必要な人員や救急車の台数、搬送時間などを数値化し、地域防災計画の実効性の向上につなげたい考えだ。

 新たに創設するのは、「防災力強化総合交付金」。来年度当初予算案に35億円を計上した。初年度は、特に発生が懸念される南海トラフ地震と日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の被害想定地域から対象自治体を選ぶ方向だ。

 現在、市町村が策定する地域防災計画では、国の被害想定などをもとに、域内の死者・負傷者数や建物倒壊数などを算出している。今後は、発災後に必要となる救助や救急搬送の要員、負傷者のトリアージ(優先順位判定)や応急処置を行う医療救護所の態勢などの数値化を目指す。道路が損壊している場合に、負傷者の搬送にかかる時間も割り出す方針だ。

 こうした結果と現在の各市町村の態勢を比較することで、それぞれの行政機関や災害拠点病院の人手・資機材が被災時にどれだけ不足するかを詳細に把握することができる。災害対応の「弱点」をあぶり出し、防災計画や備蓄の見直しを促す狙いがある。政府は近く有識者会議を設置し、自治体ごとにバラツキが生じないよう、数値化の具体的な手法を議論する。

 今年中には、防災対策の司令塔機能を担う「防災庁」が新設される予定だ。同庁は「事前防災」の強化を進め、こうした自治体の取り組みを促進する。担当する政府の職員も、現行の内閣府防災担当の約220人態勢から、防災庁は発足時の定員352人へと大幅に増員する。防災庁内で自治体ごとの担当者を決め、伴走支援する。各地域の災害拠点病院を所管する厚生労働省を含め、省庁間の連携も推進する。

 2026年2月2日(月)

2026/02/01

🟥消費者庁がエステサロンに一部業務停止命令 うその説明、しつこい勧誘

 消費者庁は1月30日、エステサロン大手「スリムビューティハウス」(東京都港区)に対し、特定商取引法違反(不実告知、迷惑勧誘)で3カ月の一部業務停止、西坂才子代表取締役に3カ月間の一部業務禁止を命じたと発表した。処分は29日付。

 スリムビューティハウスは、2024年10月から2025年3月にかけて、1回限りの体験エステを受けるために来店した客に対して、エステの複数回施術プランを契約するよう、客が拒否しているにもかかわらず執ように勧誘を行っていた。

 またその際、販売するダイエット食品の購入が必要だとして併せて購入を求めていたが、クーリング・オフはできないものと事実と異なる説明をしていた。

 同社に関しては2023年4月~2025年12月、全国の消費生活センターなどに170件の相談があった。

 スリムビューティハウスは、「今回の処分を真摯(しんし)に受け止めて信頼の回復に努めてまいります」とコメントしている。

 2026年2月1日(日)

2026/01/31

🟥脳死者の臓器移植に診療報酬加算へ ドナーコーディネーターの働きも評価、報酬を手厚く

 厚生労働省は、脳死者から提供される臓器の移植手術を実施した病院に対する診療報酬を手厚くする方針を固めた。院内の人員や設備不足を理由に移植が見送られる問題が起きる中、病院が体制を整えて移植をスムーズに行えるようにする狙いがある。2026年度の診療報酬改定での加算の新設を目指しており、28日の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)に提示した。

 移植を手掛ける病院は、外科医らが臓器提供者(ドナー)がいる病院に赴き臓器の摘出を行い、自院に運んだ臓器を患者に移植する。移植には、多くの人員と手術室の確保が必要となるが、これらが不足し移植を見送る事態が相次いでいる。厚労省によると、2024年に脳死者から提供された臓器に対し、院内の体制を理由に、移植が見送られた患者は延べ662人に上った。

 厚労省は、脳死者からの臓器の摘出と移植の手術を行った場合に、実施病院に支払う診療報酬を加算する新しい仕組みを設ける。肺、心臓、肝臓、 膵臓(すいぞう)、小腸、腎臓の摘出や移植の手術料に、一定割合を上乗せする。

 外科医らの移動、人員や手術室の確保に加え、急な移植手術に対する普段の準備などにかかる手間を評価する。加算によって移植を行う病院に人員や設備の充実を促す。加算額は2月までに決める。

 また、臓器提供が行われる病院で、ドナー家族の対応などに当たる認定ドナーコーディネーターの働きにも診療報酬で評価する。厚労省は、看護師らを認定する仕組みの構築を進めており、改定後は認定者が家族に臓器提供の同意取得を行った場合に、報酬を手厚くする。

 現行では、臓器あっせん機関の日本臓器移植ネットワーク(JOT)が同意取得を担っているが、業務の逼迫(ひっぱく)による手続きの遅れが問題視されていた。厚労省は、各病院に認定者を配置しやすくし、臓器提供の手続きが滞りなく進むようにしたい考えだ。

 近年、国内の脳死下の臓器提供件数は増えているものの、国際的なデータベースによると、2024年の人口当たりの脳死と心停止ドナーは米国の44分の1、韓国の7分の1で、先進国の中で最低水準となっている。

 2026年1月29日(木)

2026/01/30

🟥百日せき、昨年少なくとも赤ちゃん7人死亡 ワクチンでの予防が重要

 昨年、大きな流行となった「百日せき」で、昨年1年間に少なくとも7人の赤ちゃんが亡くなっていたことがわかった。これは過去20年で最も多いとみられる死者数で、専門の医師はワクチンでの予防が重要だと呼び掛けている。

 百日せきは激しいせきが続く細菌性の感染症で、特に生後6カ月以下の赤ちゃんで重症化や死亡のリスクが高いとされている。

 昨年春ころから患者が急増して大流行となり、1年間に報告された患者数は8万9387人で、現在の方法で集計を始めた2018年以降最も多くなった。

 さらに、全国およそ100カ所の赤ちゃんの治療の基幹となる病院に尋ねたところ、昨年1

年間に百日せきで入院したのは延べ480人以上で、このうち少なくとも7人が治療を受けたものの亡くなっていたことがわかった。

 厚生労働省の人口動態調査によると、過去20年で百日せきの死者が最も多かったのは2012年の3人で、昨年の死者数はそれを超えて最も多くなっているとみられる。

 亡くなった7人は生後1カ月未満から4カ月の赤ちゃんで、このうち5人は生後2カ月から受けられる百日せきを含む定期接種のワクチンを接種する前だった。

 昨年の流行はこれまで治療に使われてきた抗菌薬が効かない「薬剤耐性菌」の拡大が背景にあるとみられていて、中には、薬が効かずに治療が遅れ、死亡したケースも報告されている。

 子供の感染症に詳しい新潟大学の齋藤昭彦教授は、「百日せきは赤ちゃんが命を落とすことのある深刻な病気であることを認識しなくてはいけない。マスクなどの感染対策のほか、ワクチンが効果的なので赤ちゃんだけでなく学齢期の子供を始め、周囲の家族が追加で接種することも検討してほしい」と呼び掛けている。

 百日せきは患者の飛まつなどで広がる細菌性の感染症で、発症すると激しいせきなどの症状を引き起こす。

 赤ちゃんで重症化しやすく、呼吸が止まってしまったり、肺炎や脳症といった合併症を引き起こしたりして死亡することもある。

 過去には、毎年多くの患者が出ていた病気で、1960年代には死者が100人を超える年もあった。

 しかし、1981年に現在使われているタイプのワクチンの接種が始まってからは減少傾向が続き、重症化したり死亡したりする赤ちゃんも少なくなった。

 厚労省の人口動態調査によると、近年は死者の報告がない年もあり、過去20年で最も死者が多かったのは2012年の3人だった。

 百日せきに感染した場合、通常は「マクロライド系」と呼ばれる抗菌薬を服用することで治療するが、この薬が効かない「薬剤耐性菌」の拡大が問題となっている。

 国立健康危機管理研究機構の調査によると、昨年、全国の患者から採取した検体のうちおよそ8割が耐性菌だったということである。

 耐性菌に感染したかどうかは詳しい検査をしないとわからないため、昨年の流行では赤ちゃんの治療が遅れて亡くなったケースも報告されている。

 また、通常使われる抗菌薬を処方されても治療し切れないため、症状が治まらないまま感染を広げてしまう恐れも指摘されている。

 このため日本小児感染症学会と日本小児呼吸器学会は昨年8月、百日せきの診療ガイドラインを見直し、重症の患者には通常の「マクロライド系」の抗菌薬に加え、「ST合剤」と呼ばれる別の抗菌薬の使用も検討するよう呼び掛けている。

 2026年1月30日(金)

2026/01/29

🟥小中高生の自殺、過去最多の532人 全体は2万人を下回り過去最少

 2025年の小中高生の自殺者数(暫定値)は532人で、統計のある1980年以降で最多となった。一方、全体の自殺者数は1万9097人で、統計を開始した1978年以降で初めて2万人を下回り、最少となった。厚生労働省が1月29日、発表した。

 小中高生の自殺者数は、前年の確定値より3人増えた。内訳は、小学生が10人(前年確定値より5人減)、中学生が170人(同7人増)、高校生が352人(同1人増)。性別でみると、男性が255人(同16人増)、女性が277人(同13人減)だった。

 小中高生の自殺者数はコロナ禍に入った2020年に急増。以降も高止まりが続く。特に女性の中高生で増加傾向が目立ち、2019年の確定値と2025年の暫定値を比べると、中学生で2・0倍、高校生で2・2倍になっている。

 19歳までの原因・動機をみると、「病気の悩み・影響(うつ病)」が最多の126件、「病気の悩み・影響(その他の精神疾患)」「学業不振」「親子関係の不和」と続いた。

 厚労省が2025年に発表した自殺対策白書によると、主要7カ国(G7)各国のうち、10代と20代の死因の1位がともに自殺なのは日本のみだ。

 政府は2023年にとりまとめた「こどもの自殺対策緊急強化プラン」に基づき、1人1台端末を利用した自殺リスクの早期把握や、自殺未遂経験のある子供への支援に専門職が助言を行う「自殺危機対応チーム」づくりなどを進める。

 自殺者の全体の状況をみると、前年確定値より1223人減って1万9097人。男性が1万3117人(前年確定値より684人減)、女性が5980人(同539人減)だった。人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺死亡率は15・4で、過去最小だった。都道府県別では、山梨県が21・4と最も高く、新潟県が20・2、青森県が19・6と続いた。

 職業別でみると、有職者が7841人、無職者が9784人、小中高生を含む学生・生徒などが1074人だった。原因・動機別でみると、「病気の悩み・影響(うつ病)」が最多で3938件、「病気の悩み(その他の身体疾患)」「病気の悩み・影響(その他の精神疾患)」「生活苦」と続いた。

 年齢階級別でみると、年齢が判明している人のうち、20代以上はすべて前年確定値から減少する中、19歳までのみが増えている状況だ。

 全体の自殺者数は、1998~2011年に3万人台で推移し、2003年をピークに減少傾向にあり、新型コロナ禍で増えたものの減少している。

 2026年1月29日(木) 

🟥「オプジーボ」などのがん免疫薬、午前の投与が効果高く 中国の研究

 中国の中南大学を中心とする国際共同研究チームは、「オプジーボ」や「キイトルーダ」といったがん免疫薬の投与は、午前中など早い時間帯に始めると効果が高いとする結果をまとめた。午後3時以降に投与した場合より、がんの増殖を抑えられていたという。他の研究でも同じ結果が得られれば、医療費...