2026/02/28

🟥心の健康診断「ストレスチェック」を2028年から全企業に義務付け 問われる実効性

 従業員のストレス状態を調べ、必要に応じて医師との面談を促す「ストレスチェック」制度が、2028年5月までにすべての企業で義務付けられる見通しとなった。これまでは従業員50人以上の事業所に限定していたが、対象を拡大する改正労働安全衛生法が昨年5月に成立した。ただ、制度導入後の10年で精神障害の労災支給の決定件数は2倍超に増加。分析方法を巡る課題も浮上しており、有用性を疑問視する声もある。

 ストレスチェックは従来、産業医設置義務がない従業員50人未満の小規模事業所については「努力義務」とされてきた。

 厚生労働省の実態調査によると、実施している事業所の割合は50人以上では8~9割で推移しているが、50人未満では約3割。厚労省が策定した第14次労働災害防止計画では、小規模事業所でも2027年までに50%以上とするが、達成のハードルは高い。

 特に問題視されているのが、小規模事業所でのメンタルヘルス対策自体の低調ぶりだ。対策に取り組む事業所自体は増加傾向にあるものの、2024年の実態調査では50人以上の事業所が94・3%なのに対し、30~49人で69・1%、10~29人で55・3%で、小規模事業所ほど少なかった。

 厚労省はストレスチェックを全事業所に義務付けることによって、メンタルヘルス対策の底上げを図りたい考えで、2月25日にはホームページに小規模事業所向けの実施マニュアルも掲載。「十分な準備期間を設ける」とし、施行は同法公布後の3年以内とした。

 そもそもストレスチェックは従業員が心身の状況に気付く機会とし、会社側の職場環境の把握と改善につなげる目的で導入された。

 ただ、導入されてから10年以上が経ち、ストレスチェックだけでは制度の本来の目的であるメンタルヘルス不調を未然に防げていないのが現状だ。

 仕事が原因で精神的な障害を抱える労働者は増えている。2024年度の労災支給は1055件と、制度が導入された2015年の472件に比べ倍以上にまでなっていた。

 厚労省関係者によると、今回の制度改正に向け、メンタルヘルス対策を検討する厚労省の作業部会では制度の有用性を高めるため「努力義務としている集団分析を義務化するべきだ」との意見もあった。

 「集団分析」は、ストレスチェックを行った医師などが、個人の結果を部署など一定の規模の集団ごとに集計し、分析。会社側が分析結果をもとに、必要に応じて従業員の負担を軽減できるよう職場環境の改善を図るものだ。

 しかし、集団分析の実施状況は、50人以上の事業所でも約5割にとどまっており、今回も履行水準の判断が困難として見送られた。厚労省によると、集団分析をしなかった理由について、必要性を感じなかった▽時間的余裕がなかった▽マンパワーや費用を確保できなかった―と答えた事業所が多かったという。

 厚労省の担当者は、「ストレスチェックは集団分析から環境改善までを含めた一体的な制度。現状では義務化は時期尚早と判断したが、実施が進むよう実際に導入した事業所の取り組みを周知するなど働き掛けていく」と説明する。

 今回の法改正では集団分析の義務化や、新たなメンタルヘルス対策を検討するよう求める付帯決議が付けられた。国は来年度以降、これまでのメンタルヘルス対策の効果を検証し、議論を進める方針だ。

 2026年2月28日(土)

2026/02/27

🟥東京都が難病患者を職員採用へ 「都庁が率先」柔軟な働き方を認める

 東京都は2026年度から、難病患者を対象とした都職員の採用選考を始める。小池百合子知事が26日、都議会一般質問での答弁で明らかにし、「都庁の率先行動により、難病や障害の有無にかかわらず、誰もが能力を発揮して活躍できる社会の実現につなげていく」と語った。

 都によると、採用の対象とする難病は、障害者総合支援法で支援が特に必要とする376疾病に加え、都が独自に医療費を助成している8疾病の患者。症状は千差万別で継続的な治療を受けている患者も多く、採用選考に際しては個別の相談に応じて必要な対応をとるほか、採用後も柔軟な働き方を認め、業務内容にも配慮するという。

 20274月からの勤務を想定し、採用者数や選考の時期といった詳細は今後検討する。

 民間企業の障害者の法定雇用率は現在2・5%で、7月には2・7%に引き上げられる。ただ、雇用義務の対象は障害者手帳を持つ身体・知的・精神障害者で、手帳を持たない難病患者は法定雇用率には含まれない。

 2022年の厚生労働省の調査では、難病と診断された人は推計で126万4000人いるものの、36・5%に当たる46万1000人が障害者手帳を持っていない。 

 厚労省は難病患者を法定雇用率の算定対象にすることも検討しているが、都は国の動きに先駆けて採用に乗り出すことで、難病患者が就労しやすい環境づくりを進めたい考えだ。

 2026年2月27日(金)

🟥マダニ感染症「SFTS」、70代女性が感染 今年初確認、鹿児島県が注意呼びかけ

 鹿児島県は26日、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に、肝属(きもつき)郡の70代女性が感染したと発表した。県内での感染確認は今年初めて。

 県感染症対策課によると、女性は悪寒や意識障害の症状があり、12日に入院。16日に陽性を確認した。かまれた跡は確認できず、接触場所も不明という。

 SFTSはウイルスを保有するマダニに刺されて感染し、6日〜2週間程度で発症する。致死率は約30%。マダニの活動が活発な春から秋にかけての感染が多い。

 県内では2025年に、9件(うち死亡1人)の報告があった。

 同課は「山林や草むらに入る時は長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用して予防してほしい。かまれた場合は無理に引き抜かず、医療機関を受診して」と呼び掛けている。

 2026年2月27日(金)

2026/02/26

🟥はしかに感染した東京都内在住の40代男性、羽田―福岡空港間を往復する日本航空機に搭乗 不特定多数と接触か

 東京都によると、麻疹(はしか)への感染が確認された都内在住の40代男性が20、21日、東京・羽田―福岡空港間を往復する日本航空機に客として搭乗し、不特定多数と接触した可能性のあることが判明した。

 男性が乗ったのは、20日午前の羽田発福岡行き日航313便と、21日夕の福岡発羽田行き日航322便。男性に海外渡航歴はなく、19日に発熱の症状などで医療機関を受診していた。その後、PCR検査を受け、24日に感染が確定した。

 麻疹ウイルスは感染力が極めて強く、免疫を持たない人が感染者に接すると、ほぼ100%感染する。都は同じ便の乗客らに対し、発熱や発疹、鼻水、目の充血など麻疹を疑う症状があった場合は、医療機関の指示に従って受診するよう求めている。

 また、国内では昨年から麻疹患者の発生が増えているとして、都の担当者は「体調が悪く、特に発熱がある人は外出を控えて自宅で療養してほしい」と呼び掛けている。

 2026年2月26日(木)

2026/02/25

🟥ツムラが養命酒製造を買収と発表 ヘルスケア事業強化図る

 製薬会社のツムラは、薬用酒などを手掛ける養命酒製造を買収すると発表した。健康意識の高まりの中、企業の間では市場の拡大が続くヘルスケアの事業を強化する動きが相次いでいる。

 医療用漢方大手のツムラは「薬用養命酒」として知られる薬用酒などを手掛ける養命酒製造について、68億円で買収すると発表した。

 買収は旧村上ファンド系の投資会社がTOB(株式の公開買い付け)などを通じて養命酒製造を非上場化した後、ツムラがすべての株式を取得する形で行われる予定で、今年7月から8月ごろに株式の取得を終える見通しだということである。

 ツムラは、知名度の高い薬用酒の製造や販売を傘下に入れることで、ヘルスケア事業の強化を図るとともに、薬用酒や漢方の製造に使われる生薬の調達の効率化につなげたいとしている。

 高齢化や健康意識の高まりなどから、ヘルスケアの市場は拡大を続けていて、経済産業省が2023年度に行った調査では、2050年の国内で関連する市場の規模はおよそ60兆円に上ると推計され、企業の間ではこの分野を強化する動きが相次いでいる。

 2026年2月25日(水)

2026/02/24

🟥中年期の欠食、高齢期でフレイル 国立長寿研の調査で判明

 中年期に1日2食以下という欠食習慣がある人は高齢期に身体が衰弱する「フレイル」になりやすいとの調査結果を国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)のチームがアメリカの専門誌に発表した。 

 チームは認知症や認知機能低下のない65歳以上の約5000人を対象に、同県知多市で調査を実施。25~44歳の壮年期、45~64歳の中年期、65歳以上の高齢期で年代ごとの食事回数を聞き「1日2食以下」を「欠食あり」とした。

 また、調査対象者の身体状況について「6カ月で2キロ以上の体重減少」「握力が男性28キロ未満、女性18キロ未満の筋力低下」「秒速1メートル未満の遅い歩行速度」などの有無からフレイスかどうかを判定した。肉や魚、卵、乳製品、野菜、果物、海藻類など、どんな種類の食品を食べているかについても聞いた。

 壮年期に欠食ありと回答した人は3・6%、中年期は2・8%、高齢期は4・1%だった。フレイルと判定された人は53・8%だった。

 欠食とフレイルの関係を分析したところ、欠食のない人を基準に、中年期だけ欠食していた人と壮年期から中年期に欠食していた人は高齢期のフレイルに関連していた。中年期に欠食していた人は高齢期に欠食をやめてもフレイル発症に強い関連があった。

 高齢期に多様な食品を食べている人は中年期に欠食があってもフレイルを発症している傾向はみられなかった。

 同センター予防老年学研究部の西島千陽研究員は、「高齢期のフレイル予防には中年期からの欠食習慣の改善が重要だ。中年期に欠食があったとしても高齢期に多様な食品を食べれば予防できる可能性がある」と指摘している。

 2026年2月24日(火)

2026/02/23

🟥北極海の海水温が過去20年間で1・5度ほど上昇 氷の減少を加速

 北極海に太平洋側から流れ込む海水の温度が過去20年間で1・5度ほど高くなっていたことがわかり、日本などの研究グループは、海水温の上昇が氷の減少を加速させるメカニズムが生じているとみられるとしている。

 北極海の氷の面積は、人工衛星による観測が始まった40年余り前から減少傾向が続いていて、特に北極海の太平洋側の氷の減少が著しいとされている。

 海洋研究開発機構(JAMSTEC)などは、アメリカ・アラスカ州の北側の海底に観測機器を設置し、北極海に太平洋側から流れ込む海水の温度や流れの速さを長期的に観測している。

 観測を始めた2000年以降のデータを分析したところ、北極海に流れ込む海水の温度は、最初の5年間の夏の平均では0・36度だったが、2019年までの5年間の夏の平均では1・82度と、およそ20年間で1・5度ほど高くなったということである。

 これを海水の流れの速さを考慮して1秒当たりに流れ込む熱の量に換算すると、1・5倍に増えていたことがわかった。

 研究グループは、流れ込む海水の温度が上昇して氷が溶けると、日差しが海に吸収されやすくなってさらに水温が上がり、氷の減少を加速させるメカニズムが生じているとみられるとしている。

 海洋研究開発機構の伊東素代副主任研究員は、「海の温暖化は生き物などにも影響を与えるので、観測を続けることが重要だ」と話していた。

 2026年2月23日(月)

🟥心の健康診断「ストレスチェック」を2028年から全企業に義務付け 問われる実効性

 従業員のストレス状態を調べ、必要に応じて医師との面談を促す「ストレスチェック」制度が、2028年5月までにすべての企業で義務付けられる見通しとなった。これまでは従業員50人以上の事業所に限定していたが、対象を拡大する改正労働安全衛生法が昨年5月に成立した。ただ、制度導入後の1...