2023年3月、青森県八戸市のみちのく記念病院で患者同士の殺人が起き、それを病院が 隠蔽(いんぺい)していた衝撃的な事件。県警は医師法違反(無診察治療)の疑いで同病院に勤務していた男性医師(86)の捜査書類を青森地検に送付し、起訴を求めない「しかるべき処分」の意見をつけた。一連の捜査は区切りを迎えた。
病院関係者らによると、同病院では認知症の疑いのある医師らを「みとり医」と呼び、夜間や休日に死亡診断を任せることが常態化していた。みとり医はこれまで3人判明しており、書類送付された医師はそのうちの1人だった。
殺人の隠蔽にかかわった別のみとり医はすでに死亡しており、書類送付された医師は隠蔽事件後の2023年8月ごろから病院に勤務していた。2025年2月末で病院を辞め、現在は県内にはいないという。
ある病院関係者によると、この医師には認知症の疑いがあり、診察時に「死亡診断書をどう書けばいいの?」と看護師に尋ねたり、自分の氏名がわからず書類に署名できなかったりした。病院の敷地内の医師住宅に住んでいながら、病院への入り方もわからなかったという。
また県は10日、同病院を運営する医療法人「杏林会」から病院運営の改善について報告を受けたと発表した。内容を精査するとして、具体的な中身は明らかにしていない。杏林会は11日に概要を公表するとしている。
同病院では隠蔽事件で当時の院長と、殺害された患者の主治医が2025年2月に犯人隠避容疑で逮捕され、不適切な運営が表面化した。県と八戸市は臨時立ち入り検査を複数回行い、県は昨年9月、杏林会に対して今年2月末までに、医師の適切な勤務管理体制の構築や再発防止策を講じるよう命じる行政処分を出していた。
2026年3月12日(木)