2024/04/28

🟧RSウイルス感染症が「流行入り」 静岡県が注意呼び掛け

 静岡県は26日、直近1週間(15~21日)のデータから「RSウイルス感染症が流行入りしている」と発表しました。定点医療機関となっている小児科1カ所当たりの患者数は1・64人で、県が流行入りの目安としている「1人」を大きく上回りました。前週の0・9人よりも8割増加し、急拡大が懸念されます。

 RSウイルス感染症は、せきやくしゃみによる飛沫や鼻水、唾液に触れることで感染し、発熱や鼻水、せきなどが出ます。年長児や成人では、軽い風邪症状ですむ場合が多いですが、乳児や基礎疾患のある高齢者が感染した場合は急性細気管支炎や肺炎となり、 呼吸困難で入院する場合もあります。

 流行入りは昨年よりも1カ月以上早く、例年と同様であれば数カ月続くとみられます。県感染症管理センターは、「症状がある人はマスクを着用し、手洗いを」と注意喚起しています。

 インフルエンザの患者数は1医療機関当たり2・4人(1日の推定感染者数は約340人)、新型コロナウイルスも2・81人(同約350人)となり、いずれも前週を下回りました。

 2024年4月28日(日)

2024/04/27

🟧スポーツジムでの事故、6年間で505件 パーソナル形式での事故が209件

 スポーツジムなどでのトレーニングによる事故が2023年までの6年間で505件あったことが25日、消費者安全調査委員会(消費者事故調)のまとめでわかりました。うち4割は個別指導を受ける「パーソナルトレーニング」で起きていました。運動不足解消などの目的で利用は増えており、消費者事故調は引き続き調べて事故防止を急ぎます。

 消費者事故調が消費者庁の事故情報データバンクで調べたところ、2018年から2023年にパーソナルトレーニングで起きた事故は209件ありました。29%が治療に1カ月以上を要する「重傷」でした。背骨の骨折など消費者安全法の重大事故と認められるものも9件ありました。

 個人ジムや個別指導の人気は、近年高まっています。国民生活センターが2022年に実施した消費者アンケートで、利用経験がある約1000人にパーソナル形式を選んだ理由を複数回答で尋ねたところ、「1対1のほうが成果が出やすい」「自分に合ったトレーニング方法を指南してほしかった」がいずれも半数を超えました。新型コロナウイルスの感染拡大期に大型ジムが敬遠されたことも、追い風となりました。

 一方で、調査では回答の2割がケガや体調不良を経験していました。「栄養管理のアドバイスを受けて完全な糖質カットの食事を続けたら上半身に湿疹が出た」など、行きすぎた食事制限による被害の相談もみられました。

 国民生活センターは2022年4月、調査結果を公表。併せて、体力テスト結果などに基づいてプランが作られていることの確認や、トレーニング中に違和感を覚えたら無理せず中断するといった注意が必要だと呼び掛けました。

 事故多発の背景にあるとみられるのが、トレーナーの技量やノウハウの差です。消費者事故調によると、パーソナルトレーニングのサービス提供者は多岐にわたり、業界団体に所属していない事業者や個人事業主も少なくありませんでした。指導に当たって義務付けられている法的な資格はなく、知識やスキルは各事業者やトレーナー個人によって違うといいます。

 2023年5月に調査を始めた消費者事故調は実態把握に時間がかかるとして、25日の経過報告公表後も調査を継続します。

 原因究明や再発防止策の検討には、業界やサービスの実態を詳細に調べる必要があります。トレーナーとの雇用関係や業務内容も事業者によって異なります。消費者事故調は今後、事業者やトレーナーへのアンケート調査やヒアリングを実施するほか、国内外の法令や資格制度についても確認し、事故防止に向けてどんな対策を示せるのかを検討します。

 2024年4月27日(土)

2024/04/26

🟧新型コロナ感染者、11週連続で減少 インフルエンザ感染者、5週連続で減少

 厚労省は26日、全国約5000の定点医療機関から15〜21日の1週間に新たに報告された新型コロナウイルスの感染者数が計1万7937人で、1医療機関当たりの感染者数は3・64人だったと発表しました。前週比0・98倍で、11週連続の減少。

 1医療機関当たりの人数は岩手県7・24人、青森県7・07人、秋田県6・92人と東北地方で多く、少なかったのは愛媛県2・10人、広島県2・34人、高知県2・70人など。

 全国約500の定点医療機関から報告された新規入院患者数は1487人で、前週比0・90倍でした。

 同じ1週間に定点医療機関から新たに報告されたインフルエンザの患者数は計9105人でした。前週比0・69倍。

 1医療機関当たりの感染者数は1・85人で、同2・69人だった前週(8~14日)からさらに下がり、5週連続で減少しました。

 1医療機関当たりの患者数が1人台になるのは、昨年8月21~27日の週以来、8カ月ぶり。1医療機関当たりの患者数が1人を下回ると、インフルエンザの流行期が終わったと判断されます。

 2024年4月26日(金)

2024/04/25

🟧肝臓の炎症を防ぐ「大食い細胞」を発見 大阪大など、新薬開発に道

 大阪大学や医薬基盤・健康・栄養研究所などの研究チームは24日、腸内細菌を原因とするタイプの肝臓の炎症(肝炎)を防ぐ働きを持つ免疫細胞の一種「マクロファージ(大食細胞)」を発見したと発表しました。生活習慣の乱れなどによる肝臓の慢性の炎症の新たな予防法や治療薬の開発につながる成果だとしています。

 マクロファージのマクロは「大きい」 、ファージは「食べる」を意味しており、「大食い細胞」ともいわれます。病原体や死んだ細胞を食べるなどして体を守っています。

 肝臓には腸内細菌などの異物がしばしば入ってくるものの、健康な人では素早く取り除かれ、炎症反応は出ません。肝臓内のどの細胞がどのように炎症を抑えているのかは、わかっていませんでした。

 研究チームは独自に開発した炎症を画像化する技術を用いて、生きたマウスの肝臓を調べました。血流の入り口にある細胞を詳しく解析したところ、腸内細菌を捕食するマクロファージを見付けました。遺伝子技術でこのマクロファージが働かないマウスを作り、肝臓に炎症を発生させると、通常のマウスより炎症を多く起こしました。

 肝臓に炎症が多く起こる難病の患者から採取した肝臓の組織を調べると、このマクロファージが大きく減少していました。発見したマクロファージが、侵入した細菌などを食べて肝臓の炎症反応を抑えていることが明らかになりました。腸内細菌が出すイソアロリトコール酸という特殊な物質がこのマクロファージを増やす効果があることも、明らかにしました。

 脂肪肝の患者は、さまざまな理由で肝炎に発展してしまうことがあります。大阪大の石井優教授は、「イソアロリトコール酸を使って発見したマクロファージを増やす薬を作れれば、肝炎を予防、治療できる可能性がある」と話しています。

 研究成果は日本時間の25日、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」のオンライン版に掲載されました。

 2024年4月25日(木)

2024/04/24

🟧熱中症特別警戒アラート、今年の運用開始 自治体はシェルター確保など進める

 人の健康に重大な被害が生じる恐れがある暑さが予測される際に、環境省が発表する「熱中症特別警戒アラート」の今年の運用が、24日から始まりました。夏の暑さは年々厳しさを増し、熱中症による死者数は年間1000人を超えます。政府は熱中症への最大限の注意を呼び掛け、猛暑の被害軽減を図ります。

 「熱中症から国民の命を守る対策を一層強化したい」。伊藤信太郎環境相は23日の閣議後記者会見で、報道陣から運用開始について問われると、そう意気込みを示しました。

 地球温暖化に伴い、猛暑のリスクは世界規模で拡大しています。世界気象機関(WMO)によると、昨年の平均気温は産業革命前と比べて1・45度上昇し、観測史上最も暑い年となりました。

 日本も記録的な暑さに見舞われ、夏(6~9月)の熱中症死者数は昨年、過去10年間で最多の1555人を記録。2020年から運用している「熱中症警戒アラート」の発表回数は全国各エリアで延べ1232回と2年前から倍増し、政府は熱中症リスクの上昇に備え、警戒アラートより一段高い「特別警戒アラート」を新設しました。

 特別警戒アラートは、気温や湿度などから算出した翌日の「暑さ指数」が、各都道府県のすべての観測地点で「35」と予測された場合、環境省が午後2時ごろに緊急記者会見を開き、対象の都道府県を公表します。運動や外出の自粛、イベントの中止・延期を呼び掛けるるほか、自治体に冷房を備えた公共施設や商業施設を「クーリングシェルター」として開放するよう求めます。さらに、「命を守ってください」「普段の熱中症対策では不十分な可能性があるので気を引き締めて」と強いメッセージを発信する予定です。

 過去に全域で暑さ指数が「35」に達した都道府県はありません。だが、埼玉県では2020年8月11日、全8地点のうち、さいたま、越谷、久喜の3市で35、残り5地点も34となり、特別警戒アラートの発表基準に迫ったことがあります。

 越谷市消防局によると、この日の市内の熱中症による救急搬送者数は13人と前日から倍増したといい、担当者は「特別警戒アラートが発表される事態になれば、救急車が足りなくなる恐れがある」と危機感を募らせています。

 市内の暑さは深刻化しており、市立越ヶ谷小の佐多英明教頭は「暑さで登校する児童の顔が真っ赤になるほどだ」と明かします。同小では独自に暑さ指数を測り、31以上と予測される場合、屋外の授業を中止し、休憩時間を増やしています。佐多教頭は「プールの授業をやめたり、登下校中の水分補給を推奨したりと、前例のない対応が増えている」と話しています。

 各地の自治体はクーリングシェルターの確保や、アラートの周知方法の検討を進めています。

 環境省によると、昨年までにシェルターを開設した自治体は135に上り、2022年時点より2倍以上に増えました。神奈川県平塚市は4月1日、市内の図書館や公民館など計6カ所をシェルターに指定。市職員がシェルターと一目でわかるポスターを掲示しました。国内最高気温を観測したこともある埼玉県熊谷市は、熱中症にかかりやすい高齢者にもアラートを確実に知らせるため、防災無線の活用や青色パトロール車の巡回を検討しています。

 ただ、タイガー魔法瓶(大阪府)が4月に公表したウェブ調査では、15~59歳の男女544人のうち、特別警戒アラートの「意味まで知っている」と回答したのは、42・1%にとどまっており、今後は認知度の向上が課題になりそうです。

 環境省熱中症対策室の高田直美室長補佐は、「発表基準はハードルが高いようにみえるが、今年の発表もあり得ると思って熱中症予防に取り組んでほしい」と話しています。

 日本列島は早くも、夏場のような高温にしばしば見舞われています。2月20日には、群馬県高崎市で25・7度となり、関東地方で今年初めて25度以上の夏日を観測しました。4月15日には新潟県などで30度以上の真夏日となったほか、東京都心も20日に今年4回目の夏日となりました。

 気象庁が23日に発表した5~7月の3カ月予報によると、赤道域の海面水温が高くなるエルニーニョ現象の影響などで、南から暖かく湿った空気が流れ込みやすくなり、全国的に平年より高温になる見通しだといいます。

 2024年4月24日(水)

2024/04/23

🟧健康保険組合の今年度の収支、6578億円赤字の見通し 予算ベースで過去2番目

 大企業の従業員らが入る健康保険組合(健保組合)の2024年度の収支について、全体の約9割の組合が赤字見通しとなりました。健康保険組合連合会(健保連)が23日公表しました。医療費の高止まりや、高齢者世代への拠出金の増加が財政悪化の背景となっています。

 健保連が報告をもとに、1379組合すべての財政を推計しました。健保組合全体の収支をみると、6578億円の赤字見通しで、これまで最大だった2010年度予算に次ぐ赤字幅となります。赤字を見込むのは1194組合で、全体の86・6%を占めました。

 厳しい財政の要因が、高齢者への「仕送り」に位置付けられる高齢者の医療費への拠出金で、支出に占める割合は4割超。健保連は、団塊の世代が、医療機関にかかりやすくなる75歳以上になることから、拠出金は増え続けるとみています。

 健保連の佐野雅宏会長代理は、「社会保険の適用拡大で被保険者が大きく増えた上、今年度は賃上げによる保険料収入の伸びが期待できる。ただ、高齢者医療費への拠出金は増加が続いていて、現役世代の負担は限界に近付いており、制度の見直しが必要だ」と述べました。

 2024年4月23日(火)

2024/04/22

🟧神戸市の医師自殺、遺族が賠償求める裁判  病院側は業務との因果関係否定

 神戸市の病院に勤務していた当時26歳の医師が自殺したのは長時間労働の改善を怠ったことなどが原因だったとして、遺族が病院の運営法人と院長に損害賠償を求めた裁判が大阪地方裁判所で始まりました。病院側は「過重労働につながる事実は存在しない」などとして争う姿勢を示しました。

 神戸市東灘区の甲南医療センターに勤務していた医師の高島晨伍さんは、うつ病を発症して、2022年5月、自宅で自殺しました。

 大阪府内に住む高島さんの両親は、死亡した日までの1カ月間の時間外労働が236時間に上るなど、心身の健康を損ねる恐れのある過重な働き方と知りながら病院側が業務を軽減するなどの対応を怠ったなどと主張し、病院を運営する法人「甲南会」と法人の理事長で甲南医療センターの具英成院長に合わせて2億3400万円余りの損害賠償を求める訴えを起こしました。

 22日、大阪地方裁判所で始まった裁判で高島さんの母親は「病院は息子が亡くなる前から労働基準監督署の指導を受け、ほかの医師が労働環境の改善を訴えていた」などと意見を述べました。

 一方、病院側は「高島さんの業務は標準的かそれ以下で、過重労働につながる事実は一切存在しない」と主張しました。

 また、診療のかたわらで行っていた学会の準備などの「自己研さん」について、「病院にいる時間すべてが労働時間ではなく、自身で選択した研修に充てた時間は、労働と評価できない」として争う姿勢を示し、訴えを退けるよう求めました。

 裁判の後、高島晨伍さんの遺族が会見を開きました。

 この中で母親の淳子さんは、「息子は職場の環境に恵まれずかわいそうだった。病院側の主張については、適切な労働時間の管理ができていなかったことを正当化しようと躍起になっていると感じた。この裁判を通じて医師の過労死をなくすために社会に一石を投じたい」と話していました。

 また、医師として働く兄は、「弟が亡くなり2年がたとうとしているが、どうすれば病院は死と向き合ってくれるのかと思った。弟のように努力している医師が過労死して報われないのはおかしいので、できる限りのことをやっていきたい」と話していました。

 甲南医療センターは、22日の裁判の後、コメントを出しました。

 この中で甲南医療センターは、「真面目で優秀な専攻医(旧後期研修医)を失ったことは、痛恨の極みであり、重く受け止めています。現在、医療従事者の働き方改革を最優先課題とし、真摯(しんし)に取り組んでおります。地域の皆様の健康を守るとともに医療者の健康を保護することの重要性も再認識しています。民事裁判については、裁判所の判断をいただきながら事実関係を探求することが重要であると考えています」と述べています。

 2024年4月22日(月) 

🟧RSウイルス感染症が「流行入り」 静岡県が注意呼び掛け

 静岡県は26日、直近1週間(15~21日)のデータから「RSウイルス感染症が流行入りしている」と発表しました。定点医療機関となっている小児科1カ所当たりの患者数は1・64人で、県が流行入りの目安としている「1人」を大きく上回りました。前週の0・9人よりも8割増加し、急拡大が懸...