国の承認を受けていない医薬品を「抗がん作用がある」とうたって販売したなどとして、警視庁生活環境課は、通販サイト「豊泉堂」の運営会社「ソニックグロウ」(東京都渋谷区)社長の男(44)ら28~48歳の男女4人を、医薬品医療機器法違反(無許可販売など)の疑いで逮捕し、10日発表しました。法人としての同社も同じ容疑で書類送検しました。
ソニックグロウが販売していたのは、宮崎県や大分県などに自生する野草ヒュウガトウキの葉や茎を原料に作ったとされる錠剤。同社が「サルースの葉」と名付けて売り出していました。
生活環境課によると、4人は共謀して昨年3月~今年3月、サルースの葉が国の承認を受けていない医薬品であるにもかかわらず、サイト上で糖尿病改善や抗がん作用、感染症予防などの効能を示して宣伝し、40~70歳代の女性11人に102点を計約89万円で許可なく販売した疑いがあります。消費者庁や東京都が広告違反について計7回にわたって行政指導をしていたものの、広告や販売を繰り返していたといいます。生活環境課は4人の認否を明らかにしていません。
社長の男は調べに対し、数年前に自身の体力の衰えや妻の産後のリウマチを解消しようと別の会社にヒュウガトウキの葉を使ったサプリメントの作製を依頼し、服用して体調がよくなったことを切っ掛けにビジネスにしようと考えたなどと供述しているといいいます。
生活環境課は、ソニックグロウがサイトを通じ、2018年4月からの約4年間で全国の2951人に1万800点を販売し、8000万円余りを売り上げていたとみています。錠剤の購入者の中には、動悸やめまい、腹痛、下痢といった健康被害が複数確認されているといいます。
2022年11月10日(木)
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