2024/05/18

🟧緊急避妊薬の試験販売、薬局数増加へ 利用者の8割以上が今後も処方箋なし服用を希望

 厚生労働省は10日、望まない妊娠を防ぐ緊急避妊薬を医師の処方箋(せん)なしで試験販売する研究事業の結果報告書を公表しました。緊急避妊薬の販売実績は、事業開始後の2023年11月下旬からの2カ月間で2181件。利用者への事後アンケートでは、82%の人が今後も処方箋なしで服用したいと回答しました。

 緊急避妊薬は排卵を遅らせる薬で、性交後72時間以内に服用すると8割の確率で避妊できるとされます。購入するには医師の処方箋が必要で、近くに受診できる医療機関がなかったり、受診に心理的な負担を感じたりする人が薬を使いづらいことが課題になっていました。

 事業は、処方箋が不要な「OTC医薬品」にするためのもので、厚労省からの委託で日本薬剤師会が実施しています。全国145の薬局で試験販売し、購入者へのアンケートを通して、薬局で適正に販売できるのかを検討しています。

 報告書によると、利用者の27%が土日に利用しました。午後9時台~午前7時台に利用した人は全体の1・5%でした。

 薬剤師が販売可能と判断した人は92・6%で、販売するものの避妊指導が求められたり、性感染症の可能性があったりするなどして受診が必要と判断した人は6%でした。妊娠の可能性があるなどして販売できなかった人は1・4%。

 購入者へのアンケートでは、面談した薬剤師の対応や説明のわかりやすさについて、「とても満足」や「おおむね満足」の「満足」と回答したのは、95%以上でした。

 さらに、今後、緊急避妊薬が必要になった場合に、「医師の診察を受けずに、薬局で薬剤師の面談を受けてから服用したい」が82・2%に上りました。「対面で医師の診察を受けてから服用したい」は8・4%、オンラインで医師の診察を受けてから服用したいは6・1%でした。

 日本薬剤師会は、問題なく試験販売ができているとして、より多くのデータを集めるために今後、試験販売を実施する薬局数を増やす方針です。

 2024年5月18日(土)

2024/05/17

🟧新型コロナウイルス感染者、沖縄県で5週連続増加 定点当たり12・04人、10人超えは昨年9月以来

 沖縄県は17日、5月6〜12日の1週間に、県内53定点医療機関から報告された新型コロナウイルスの新規感染者が638人で、1医療機関当たり12・04人だったと公表しました。前週比23%増となり、5週連続の増加。定点当たり10人を超えるのは昨年9月18〜24日以来となりました。厚生労働省によると、全国平均は定点当たり2・76人で、都道府県別で沖縄県が最多となっています。

 新型コロナは現時点で注意報などの発令基準は定まっていないものの、インフルエンザは10人を超えると流行注意報、30人を超えると警報が出ます。昨年の「第9波」の時も5月中旬に10人を超え、6月下旬から7月上旬にピークの48・39人となりました。

 無料でワクチンを打てる特例臨時接種は今年3月末で終わっており、今後の感染拡大が心配されます。県は、手洗いや咳エチケットなどの基本的な感染対策を呼び掛けています。

 県によると、県内定点医療機関での新規入院患者は62人。そのうち80歳以上が34人で、55%を占めました。

 都道府県別でみると、沖縄県は3週連続で最多。沖縄県以外に定点当たり5人を超えている都道府県はありません。

 2024年5月17日(金)

2024/05/16

🟧つつが虫病で秋田県の80歳代女性死亡 県内の死者は5年ぶり

 ダニの一種のツツガムシに刺されることで感染する「つつが虫病」で、秋田県内の80歳代の女性が5月11日に死亡しました。「つつが虫病」による死亡は秋田県内では5年前の2019年以来で、県は高熱や発疹などの症状が出た時は早めに医療機関を受診してほしいとしています。

 秋田県によりますと、死亡したのは大仙保健所管内の80歳代の女性です。

 この女性は、自宅近くの山で山菜採りをしていたということで、3日に発熱と全身の倦怠(けんたい)感といった症状を感じ、7、9日の両日、大仙保健所管内の診療所を受診。検査で肝臓と腎臓に異常がみられたため、10日に同管内の病院を受診し入院したものの、11日に亡くなったということです。

 右手にはツツガムシに刺されたとみられるかさぶたがあり、死亡後に検査したところ、「つつが虫病」で亡くなったと確認されました。

 ツツガムシは山や田畑などに生息し、農作業や山菜採りなどの際に刺される恐れがあり、「つつが虫病」の患者は例年、5月から6月にかけて増えるということです。県内では今年、今回の女性を含めて3人の発病が確認されています。

 県は、山などに出掛ける時は、長袖や長ズボンを着用して肌の露出を避けることや、帰宅後は早めに入浴して体を念入りに洗うよう呼び掛けています。

 また、治療が遅れると死亡することもあるため、高熱や発疹などの症状が出た時は早めに医療機関を受診するとともに、発症前に農作業などを行っていた場合は医師に伝えてほしいとしています。

 2024年5月16日(木)

2024/05/15

🟧「酒のエナジードリンク割りは危険」、農水省が注意喚起 過去には中毒死も

 酒とエナジードリンクを一緒に飲むとカフェインの過剰摂取による健康被害につながりかねないとして、農林水産省が注意喚起しています。5月8日に問い合わせが相次いだことを受けての対応で、同省は直前に人気ユーチューバーが酒とエナジードリンクを一緒に飲む動画を投稿した影響とみています。

 農水省は8日、「カフェインは、コーヒーや茶のほか、エナジードリンクにも入っており、過剰摂取すると、めまい、震えなどが起こる可能性があります」と公式X(旧ツイッター)に投稿。酒とカフェイン入り飲料を一緒に飲むことで、「カフェインだけでなくアルコールの取り過ぎにつながります」と注意を呼び掛け、カフェインの過剰摂取による影響などをまとめた同省のホームページ(HP)を案内しました。

 HPでは、エナジードリンクの多用により中毒死した例もあるとして、カフェイン濃度の高い飲料などを紹介し、過剰摂取にならない飲み方を提示。一方で、適切に摂取すれば健康やスポーツパフォーマンスの向上に有用であることも紹介しています。

 同省食品安全政策課によると、8日午前中に酒とエナジードリンクを一緒に飲むことによる健康への影響に関する問い合わせが8件あったといいます。その後も問い合わせが相次いだため、Xで注意喚起することにしました。

 問い合わせが急増した理由について同省は詳細を明かしていないものの、「動画投稿サイトでお酒とエナジードリンクを一緒に飲む内容の動画を見たので問い合わせしたという声が一部であった」としています。

 2024年5月15日(水)

2024/05/14

🟧1人暮らしの高齢者6万8000人死亡 自宅で年間、警察庁推計

 警察庁は、自宅で亡くなる1人暮らしの高齢者が今年は推計でおよそ6万8000人に上る可能性があることを明らかにしました。

 1人暮らしの高齢者が増加する中、政府は、みとられることなく病気などで死亡する「孤独死」や「孤立死」も増えることが懸念されるとしています。

 13日の衆議院決算行政監視委員会の分科会で、警察庁は今年1月から3月までに自宅で亡くなった1人暮らしの65歳以上の高齢者は、把握しているだけで1万7034人で、年間では推計でおよそ6万8000人に上る可能性があることを明らかにしました。

 警察庁によると、1月から3月までに自宅でなくなった1人暮らしの高齢者の年齢層別で最も多かったのは、85歳以上の4922人。75~79歳が3480人、80~84歳が3348人、70~74歳が3204人、65~69歳が2080人と続きました。

 警察庁は今後も集計を継続する考えで、孤独・孤立対策を担当する内閣府などは、今回の推計値も含め「孤独死」や「孤立死」に当たるケースがどの程度あるのか実態把握を進めることにしています。

 2024年5月14日(火)

2024/05/13

🟧アメリカの病院でブタ腎臓移植の男性死亡 手術から2カ月、退院して療養中 

 アメリカで、脳死状態の患者以外では世界で初めて、遺伝子操作を行ったブタの腎臓の移植を受けた60歳代の患者が死亡しました。移植を行った病院は、患者の死亡について移植が原因ではないとみています。

 これはアメリカ・ボストンにあるマサチューセッツ総合病院が11日、発表しました。

 病院の研究チームは今年3月16日、当時62歳だった末期腎不全の男性患者リチャード・スレイマンさんに、拒絶反応が起きないよう遺伝子操作したブタの腎臓を「異種移植」しました。

 スレイマンさんはその後、回復し、4月初めに退院していましたが、病院によりますと、このほど死亡したということです。

 研究チームは詳しい経緯を明らかにしていませんが、スレイマンさんの死亡について「移植の結果だということを示すものはない」として、移植が原因ではないとみています。

 スレイマンさんの家族は声明を発表し、手術を受けた理由の一つは生き続けるため移植を待つ人たちに希望を与えることだったと言及。「その目的は達した」と述べました。

 アメリカでは2021年に脳死状態の患者にブタの腎臓を移植する試みが行われましたが、研究チームによりますと、脳死状態の患者以外にブタの腎臓が移植されたのは世界で初めてだったということです。

 アメリカでは、遺伝子操作したブタの臓器を人間に移植できないか研究が進められており、2022年には、ほかの治療法で回復が見込めない患者がブタの心臓の移植を受けましたが、およそ2カ月後に死亡しています。

 2024年5月13日(月)

2024/05/12

🟧近鉄リテーリング、冷凍ギョーザに異物混入 844袋自主回収

 近鉄グループホールディングス傘下で駅ナカの小売店などを運営する近鉄リテーリング(大阪市)は、販売する冷凍ギョーザに異物が混入していたとして自主回収すると発表しました。原因は調査中で、現時点で健康被害は報告されていないといいます。

 回収するのは、滋賀県近江八幡市の八洋食品滋賀工場で製造し、近鉄リテーリングが販売する「百楽GYOーZA 牛豚餃子 39グラム6個入 要冷凍」(税込500円)。自社店舗や電子商取引(EC)サイトのほか、近鉄百貨店や近商ストア(大阪府松原市)の食品スーパーなどで、2023年11月24日から2024年5月10日までに販売された844袋が対象となります。

 近鉄リテーリングによりますと、5月10日午後6時半ごろ、ホームページの問い合わせフォームに購入者から「包装容器にビニール片のようなものが入っている」と連絡がありました。

 当該の商品を回収し中身を確認したところ、オレンジ色のビニール片のようなものを確認したということです。

 近鉄リテーリングは、「ご心配をおかけして申し訳ございません。より一層安全面に留意して販売していきたい」とコメントしています。

 問い合わせは近鉄リテーリングのレストラン事業部(06・6772・7608)。平日午前10時から午後6時まで。

 近鉄リテーリングは4月にも、金平糖の商品が一部で茶色く変色していたとして、約1500個を自主回収しています。ほかにも、大阪市内で運営するファミリーマート店舗で、消費期限が1日前に切れた洋菓子2個を販売していた。

 2024年5月12日(日)

2024/05/10

🟧インフルエンザの感染者数、1年半ぶり「1人」台下回る 新型コロナは13週連続で減少

 厚生労働省は10日、全国約5000カ所の定点医療機関から4月29日〜5月5日の1週間に報告された季節性インフルエンザの感染者が、1医療機関当たり0・45人だったと発表しました。同1・07人だった前週(4月22~28日)からさらに下がり、7週連続で減少。1医療機関当たりの患者数が「1人」は流行の目安で、これを下回ったのは2022年12月以来、1年5カ月ぶり。

 一方、4月29日~5月5日の新型コロナウイルスの感染者数は、1医療機関当たり2・27人でした。前週(4月22~28日)の3・22人から減り、13週連続で減少となりました。

 2024年5月10日(金)

2024/05/09

🟧花王とアース製薬、デング熱対策で駆除スプレーを共同開発

 蚊が媒介するデング熱の感染が東南アジアなどで広がる中、日本国内で競合する日用品メーカー2社が新たな技術を使った蚊の駆除スプレーを共同開発し、タイで販売を始めることになりました。

 駆除スプレーを共同開発したのは、日用品メーカーの花王とアース製薬です。

 駆除スプレーには、水分がなじみやすくなる界面活性剤の新しい技術が使われていて、蚊に吹きかけると羽がぬれて飛べなくなり、最終的に蚊が呼吸する穴を覆って窒息させることで駆除できるということです。

 化学合成した殺虫成分が含まれておらず、両社は、健康志向が高まる中での需要を見込んでおり、タイで7月から販売を始める予定です。

 競合する2社が共同で商品開発を行うのは異例だということですが、独自の技術を持つ花王と東南アジアで高いシェアがあるアース製薬が組むことで、開発期間を短縮できたとしています。

 花王のタイ法人の清水祐二社長は、「デング熱の感染を1日も早く減らすためスピード感を重視して共同開発を進めた。感染の脅威を減らす貢献につなげたい」と話しています。

 世界保健機関(WHO)によりますと、デング熱の感染者は2023年、世界全体で過去最多の650万人を超え、気温上昇など気候変動がもたらす影響で蚊の生息可能な地域が広がってさらなる感染拡大が懸念されています。

 2024年5月9日(木)

2024/05/08

🟧溶連菌抑える分子の塊、神戸大など発見 劇症型の治療薬開発に期待

 手足の急速な壊死(えし)や多臓器不全を引き起こす「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の原因となる溶血性レンサ球菌(溶連菌)について、塊状になって菌の働きを抑える特殊な分子を発見したと、神戸大などの研究チームが7日までに、アメリカの化学誌電子版に発表しました。致死率が30%と高く「人食いバクテリア」と異名を取る劇症型の治療薬開発に活用できると期待されます。

 神戸大の丸山達生教授(応用化学)によると、溶連菌はDNAを分解する酵素を出し、人体を守ろうとする白血球の働きを妨げることで病状が急速に進行する。

 研究チームは筋ジストロフィーの治療研究にも使われる「Mannan007」という化合物が水中で塊になると、酵素の働きを阻害することを発見。塊になり面を作ると菌を捉えやすくなり、酵素に結合して働きを抑えるといいます。

 溶連菌とともに血液に加えると、菌の増殖率が60%程度に抑制されました。白血球が正常に働き、感染を防いだと考えられます。化合物は水中で勝手に塊になるため血液中では血栓になるリスクがあるものの、塊のサイズを小さくすることで解決できます。

 国立感染症研究所によると、4月21日までの劇症型の患者数は全国で730人で、昨年同期を上回ります。白血球を正常に働かせる薬ができれば、現在の治療薬と併用することで致死率の低下につながる可能性があります。

 丸山教授は、「さまざまな病気の治療薬への活用も可能だ」と話しました。

 2024年5月8日(水)

2024/05/07

🟧新型コロナ感染者、12週連続で減少 インフルエンザ感染者は2週連続で「1人」台

 厚生労働省は7日、全国に約5000カ所ある定点医療機関に4月22~28日に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数は計1万5786人で、1定点当たり3・22人(速報値)だったと発表しました。前週(3・64人)の約0・88倍で、12週連続で減少しました。

 都道府県別の最多は沖縄県の8・34人で、秋田県6・42人、岩手県6・16人と続きます。東京都2・39人、愛知県3・25人、大阪府2・65人、福岡県2・38人でした。40都道府県で減少しました。

 28日までの1週間に定点医療機関に報告された新規入院患者数は1301人で、前週(1490人)から189人減少。集中治療室(ICU)に入院した患者は63人で、前週(49人)から14人増えました。

 一方、厚生労働省は7日、全国に約5000カ所ある定点医療機関から4月22~28日の1週間に報告された季節性インフルエンザの感染者が、1医療機関当たり1・07人だったと発表しました。同1・85人だった前週(4月15~21日)からさらに下がり、6週連続で減少。2週連続で、「1人」台となりました。

 1医療機関当たりの患者数が1人を下回ると、インフルエンザの流行期が終わったと判断されます。

 2024年5月7日(火)

2024/05/06

🟧母乳に含まれる抗体、子供の脳の発達や行動に影響 群馬大がマウス実験で発見

 群馬大は、マウスを使った実験で、母乳に含まれている抗体が子供の脳の発達や行動に影響を与えていることを発見したと発表しました。今後、人間の脳への影響を調べることで、疾患防止などにつながる可能性があるとしています。

 母乳を巡っては、別の研究で、乳児に与える期間と知能指数に関連があるとの報告はあったものの、影響する成分や作用は判明していませんでした。今回、同大などの研究チームが初めて発見し、論文は2日、脳と免疫に関する国際科学誌にオンライン掲載されました。

 同大医学部3年定方瑞樹さん(20)や父で同大の定方哲史准教授(神経科学)らは、母乳には人工ミルクと違い、母親が持つウイルスへの抗体も含まれている点に着目。研究では、抗体を受け取るマウスと、受け取れないよう遺伝子を変えたマウスを使用しました。

 その結果、抗体を受け取ったマウスの脳内では、抗体と、脳の異物除去などを担う免疫細胞「ミクログリア」が結合していました。結合したミクログリアは、記憶や学習で重要な役割を果たすニューロン(神経細胞)の生存に関与する「1型インターフェロン」も分泌していました。

 一方、遺伝子を変えたマウスは、社会性行動に影響を与える特定のニューロンが減少し、受け取ったマウスと異なる行動をとったことから、研究チームは抗体が脳の発達に影響すると結論付けました。

 今回の研究では、人間の脳への影響は判明していません。定方准教授は、「抗体が脳や行動に違いを生じさせることはわかったが、その影響が良いのか悪いのかまでは断定できない」としました。

 今後は、人間の母乳の抗体濃度と母乳で育った子供で相関性を調べる予定です。瑞樹さんは「良い影響の場合は、抗体が入った人工ミルクを製造し、悪影響であれば母親の抗体が増えた場合に母乳を与えないように呼び掛けることもできる」と話しています。

 2024年5月6日(月)

2024/05/05

🟧15歳未満の子供の推計人口は過去最少1401万人 43年連続減少

 総務省によりますと、15歳未満の子供の数は4月1日現在で1401万人と、43年連続の減少となりました。

 総務省の推計によりますと4月1日現在で、国内で暮らす15歳未満の子供は、男子が718万人、女子が683万人の合わせて1401万人となっています。

 昨年と比べると33万人減っていて、1982年から43年連続の減少で過去最少を更新しました。

 年齢別でみると、0~2歳が235万人と最も少なく、3~5歳が257万人、6~8歳が288万人と続きました。最多だった12~14歳は317万人で、少子化に歯止めがかからない現状が改めて浮き彫りになった。

 また、総人口に占める子供の割合も昨年より0・2ポイント低い11・3%と過去最低となり、1975年から50年連続の低下となりました。

 子供の数を都道府県別でみますと、昨年10月1日現在で最も多かったのは東京都の151万3000人で、神奈川県の103万1000人が続きました。100万人を超えたのは2都県のみで、大阪府は98万4000人と比較可能な1950年以降で初めて100万人を割りました。最も少なかったのは鳥取県の6万5000人でした。子供の数は47都道府県のすべてで減少しました。

 一方、子供の割合を都道府県別でみますと、昨年10月1日現在で最も高いのは沖縄県で16・1%、次いで滋賀県が13%、佐賀県が12・9%などとなっています。逆に最も低いのは秋田県で9・1%、次いで青森県の10%、北海道の10・1%などとなっています。

 人口4000万人以上の主要国で子供が総人口に占める割合(日本以外は2023年推計値)を比較すると、日本は韓国の11・2%に次いで低くなりました。アメリカ(17・7%)、イギリス(17・2%)などと比べても、日本の少子高齢化の状況が際立っています。

 2024年5月5日(日)

2024/05/04

🟧鳥インフルエンザ、哺乳動物から人へ初感染か アメリカ・テキサス州の酪農場

 アメリカ南部テキサス州で確認された高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)感染者について、アメリカ疾病対策センター(CDC)のチームは3日、酪農場の労働者で、感染した乳牛との接触でうつったと考えられると発表しました。人以外の哺乳類から人に感染した世界初の報告例になるとみています。

 ゲノム解析では哺乳類の細胞で増えやすくなる変異もみられたものの、基本的には鳥の間で広がるウイルスの特徴を維持しており、人への感染リスクは低くなっています。ただ、かかった場合は重症化することがあるため、感染した動物や殺菌前の生乳などに触れる機会を減らす対策が必要だと指摘しました。

 CDCは同日、アメリカの医学誌に論文を発表しました。

 2024年5月4日(土)

2024/05/03

🟧世界初の「歯生え薬」9月に治験開始へ 子供向け、2030年実用化目指す 

 生まれ付き永久歯が少ない「先天性無歯症」の患者の歯を生やす「歯生え薬」について、人への安全性を確かめる臨床試験(治験)を9月に始めると、北野病院(大阪市)や京大発の創薬ベンチャー「トレジェムバイオファーマ」(京都市)などが2日、発表しました。治験は京大医学部付属病院で実施し、2030年の実用化を目指します。世界初の試みといいます。

 薬は先天性無歯症の子供を対象に開発。生まれ付きの歯の数が通常より6本以上少ない場合は遺伝性とみられ、全人口の約0・1%が発症するといいます。これまでは成長してから人工の歯を埋め込むインプラント手術などを行うしかありませんでした。

 研究チームによると、薬は歯の成長を抑制するタンパク質「USAG―1」の働きをなくす抗体薬。機能を抑えることで、永久歯のもととなる「歯の芽」の成長を促します。

 治験は9月から来年8月ごろまで実施。今回は安全性の確認のため、30歳以上65歳未満で奥歯のない健康な男性を対象とします。25人に薬剤を腕などに点滴で投与、5人には偽薬(プラセボ)を使い、副作用の有無などを調べます。

 将来は虫歯などで歯を失った人にも応用したい考えです。

 2024年5月3日(金)

🟧マダニ感染症に注意、屋外活動増加で長崎県が呼び掛け

 ゴールデンウイーク期間中や夏場にかけて屋外活動の機会が増えることから、長崎県はマダニなどによる感染症への注意を呼び掛けています。重症化すると死亡するケースもあり、農作業やレジャーの際は肌の露出を減らし、かまれたら無理に引き抜かずに医療機関で処置するよう促しています。

 長崎県内では今年1月から4月26日までに、マダニやツツガムシが媒介する感染症に8人がかかりました。

 マダニによる感染症は、発熱や嘔吐(おうと)などの症状がある重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の4人と、高熱や発疹を伴う日本紅斑熱の3人。発熱や発疹、倦怠感などの症状が現れる、ツツガムシによる「つつが虫病」に1人が感染しました。

 マダニ類は草むらなどに生息するため、県地域保健推進課は、屋外で活動する際は長袖を着用し、サンダルなどを避け、活動後はかまれていないか確認するよう呼び掛けています。

 2024年5月3日(金)

2024/05/02

🟧4月の日本全体の平均気温が過去最高を更新 各地で高温の記録更新

 今年の4月の日本全体の平均気温が、過去最高を更新しました。気象庁は4月の天候まとめを発表し、4月の日本全体の平均気温は、統計開始以降最も高かった1998年をおよそ0・8度上回り、過去最高を更新しました。

 日本付近は暖かい空気に覆われやすく、低気圧や前線に向かって暖かい空気が流れ込む日もあったため、4月の平均気温は全国的にかなり高くなりました。

 また、4月下旬には広い範囲で30度以上の真夏日を観測するなど、各地で高温の記録を更新しています。

 地域別でみると、平年に比べて北日本でプラス3・2度、東日本でプラス2・7度、沖縄・奄美でプラス2・6度と、各地域で1946年の観測開始以降、4月として1位の高温となりました。

 西日本は平年に比べてプラス2・4度で観測史上3番目に高い記録で、中国地方でみると平年に比べてプラス2・4度となり、観測史上2番目に高い記録となりました。

 各観測地点別でみると、全国153地点のうち半数以上の87地点で過去最高を記録しています。

 2024年5月2日(木)

2024/05/01

🟧アメリカ、大麻の危険性を「低レベル」に分類へ 進む規制緩和

 アメリカの司法省は4月30日、連邦レベルで大麻の規制を緩和するようジョー・バイデン政権に提言しました。司法省傘下の麻薬取締局(DEA)は、乱用リスクがより低い薬物に大麻を分類する方針。バイデン大統領も規制緩和に前向きで、アメリカのメディアは「歴史的な転換になる」と指摘しました。

 11月の大統領選に向け、バイデン大統領は大麻合法化を求める声が強い若年層の支持拡大につなげることを狙います。2020年の前回大統領選では、大麻の使用を犯罪と見なさないと訴えていました。

 連邦法は大麻をヘロインや合成麻薬LSDと同じ「1類」としています。食品医薬品局は昨年8月、DEAに対し、大麻を解熱鎮痛剤などと同じ「3類」にするよう提言していました。

 分類変更が認められても、直ちに全面的な合法化につながるわけではないものの、「生産や研究に対する規制が緩和され、医師による処方が可能になる」とアメリカ紙ニューヨーク・タイムズは報じています。

 2024年5月1日(水)

🟧緊急避妊薬の試験販売、薬局数増加へ 利用者の8割以上が今後も処方箋なし服用を希望

 厚生労働省は10日、望まない妊娠を防ぐ緊急避妊薬を医師の処方箋(せん)なしで試験販売する研究事業の結果報告書を公表しました。緊急避妊薬の販売実績は、事業開始後の2023年11月下旬からの2カ月間で2181件。利用者への事後アンケートでは、82%の人が今後も処方箋なしで服用した...