2022年、愛知県愛西市で新型コロナワクチンの接種後に女性が死亡した問題で、女性の夫らが、愛西市に対し約4500万円の損害賠償を求め提訴しました。
30日午後、弁護士とともに名古屋地方裁判所を訪れたのは飯岡英治さん。飯岡さんの妻、綾乃さん(当時42歳)は2022年11月、愛西市の新型コロナワクチンの集団接種会場で、4回目の接種直後に体調が急変し、死亡しました。
その後、公表された市の調査委員会の報告書では、綾乃さんの亡くなった原因は重いアレルギー反応である「アナフィラキシーが関与していた可能性が高い」と指摘し、早い段階で、アナフィラキシーを抑えるためのアドレナリンが投与されていた場合、「生存確率を示すことは難しい」ものの、「救命できていた可能性を否定できない」と結論付けました。
30日飯岡さんと綾乃さんの両親が提出した訴状によりますと、現場の医師がアナフィラキシーを疑わず、アドレナリンを投与しなかったことや看護師が容体の変化について正確な情報を医師に報告しなかったことは注意義務違反であり、それらの過失と綾乃さんの死亡には相当な因果関係があるとしています。
そして、医師らが業務に当たった集団接種会場を設置した愛西市に対し、綾乃さんの逸失利益や死亡慰謝料などとして、約4500万円の損害賠償を求めています。
飯岡さんは30日の提訴後の会見で、「愛西市からの謝罪と、僕ら遺族に対する謝罪と、もちろん妻に対する謝罪はこれからも求めていきたいと思っている。関係者全員からどういうことがあったのかの(直接の)説明もこれからもちゃんと求めていきたいと思っている」と述べています。
提訴について愛西市は、「訴状が届いていないので、コメントを差し控えさせていただきます」としています。
2023年11月30日(木)