平日に十分な睡眠を取れなければ、週末に寝だめをすればいいとの考えは、少なくとも心血管系の健康にとっては間違いだとする研究結果を、アメリカのペンシルベニア州立大の研究者が心身医学の専門誌に発表しました。
心拍数や血圧などの心血管系の健康指標は、睡眠が1日5時間に制限されると1週間で悪化し、週末の睡眠を増やしても正常に戻すには不十分でした。睡眠不足が何日も続くと、回復には週末より長い期間が必要な可能性があるとしています。
20~35歳の健康な男性15人に入院してもらい、最初の3夜は10時間まで眠れるが次の5夜は睡眠を5時間に制限し、その後2夜、再び10時間までの睡眠を許可しました。この間、安静時心拍数と血圧を2時間ごとに測定して分析しました。
その結果、入院当初は1分間に69回だった平均心拍数が、日を追うごとに増加。試験終了時には78回まで増えていました。収縮期の血圧も1日当たり約0・5ずつ上昇し、当初の平均116だったのが、終了時には119・5に。寝だめの効果は回復には不十分なことが示されたとしている。
研究チームは、「今回の研究で、長期的な睡眠障害が心臓血管の健康にダメージをもたらす潜在的なメカニズムが明らかになりました。特に若いうちから十分な睡眠を取れていない人は、年齢を重ねると心臓血管疾患を発症する可能性が高くなります。睡眠が健康を改善する上で焦点となることを、多くの人に知ってほしいと思います」と注意を促しています。
2023年10月31日(火)
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