2022/10/31

🟧厚労省専門家部会、モデルナ製「BA・5」対応ワクチンを了承 11月中にも接種開始

 厚生労働省の専門家部会は31日、新型コロナウイルスのオミクロン型で現在主流の系統「BA・5」に対応したアメリカのモデルナ製のワクチンについて、製造販売の承認を了承しました。厚労省は近く特例承認する構えで、11月中にも国内での接種が始まる見通しです。承認されれば、アメリカのファイザー製に続いて2例目となります。

 了承されたのは、BA・5と従来型の両方に対応する成分を組み合わせた「2価ワクチン」。対象は、1、2回目の接種を終えた18歳以上で、前の接種からは3カ月以上の間隔を置きます。

 今冬に懸念される新型コロナの「第8波」に備え、政府は、オミクロン型対応ワクチンについて、年内に希望者全員への接種完了を目指しています。

 アメリカのファイザー製のBA・5対応ワクチンは、12歳以上が対象で、10月13日から各地で順次、公費で行う「臨時接種」が始まっています。モデルナ製のBA・5対応ワクチンも特例承認後、臨時接種に位置付けられる見込みです。

 現在、モデルナ製のワクチンではオミクロン型の「BA・1」に対応したワクチンが自治体に配送されていますが、今後切り替えます。

 2022年10月31日(月)

🟧東京都で新たに2019人新型コロナ感染 9日連続で1週間前を上回る

 東京都は31日、新たに0歳から90歳以上までの2019人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表しました。1日当たりの新規感染者は1週間前から284人増え、9日連続で前週の同じ曜日を上回りました。新たに確認された死者は4人。

 都によると、新規感染者の直近1週間平均は3762・4人で前週比117・0%。東京都内の感染者の累計は326万9735人となりました。

 31日に発表された新規感染者を年代別にみると、最多は40歳代の375人、次いで30歳代の368人、20歳代の343人と続いています。重症化しやすいとされる65歳以上は89人でした。

 また、人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使っている重症の患者は、30日と同じ15人でした。

 重症者用の病床使用率は30日から1・4ポイント上がって8・8%、全体の病床使用率は0・8ポイント上がって27・3%でした。

 2022年10月31日(月)

🟧新型コロナ、全国で新たに2万2341人感染 前週より5490人増

 31日、全国で確認された新型コロナウイルスの新規感染者は2万2341人で、前の週の月曜日から5490人増え、9日連続で前の週の同じ曜日を上回っています。

 また、国内で亡くなった人は、北海道で6人、東京都で4人、三重県で2人、群馬県で2人、宮城県で1人、宮崎県で1人、山梨県で1人、岐阜県で1人、愛知県で1人、栃木県で1人、熊本県で1人、秋田県で1人、長崎県で1人の合わせて23人、累計で4万6659人となっています。

 都道府県の新規感染者は多い順に、北海道2485人、東京都2019人、神奈川県1659人、広島県1221人、大阪府1171人、埼玉県943人など。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、31日時点で129人となっています。重症者の数は30日と比べて1人増えました。

 一方、厚生労働省は31日、大阪府内で新たに1171人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 これで、大阪府内の感染者の累計は216万6852人となりました。

 府内で感染して亡くなった人は9月27日以来、およそ1カ月ぶりにいませんでした。

重症者は30日と同じ12人です。

 2022年10月31日(月)

2022/10/30

🟧海のマイクロプラスチック、1960年から20年周期で増加 別府湾の海底調査

 海の生態系への影響が懸念されている「マイクロプラスチック」について、愛媛大学などの研究チームが大分県の別府湾の海底を調べた結果、1960年ごろから20年周期で増えていることがわかり、海洋汚染の実態解明に向けた手掛かりになるとしています。

 マイクロプラスチックは、プラスチックごみが波の力や紫外線などの影響でもろくなって砕かれた大きさ5ミリ以下のものを指し、魚などがプランクトンと間違えて食べると、食物連鎖を通じて生態系全体に影響を及ぼすと懸念されています。

 愛媛大学の日向博文教授などの研究チームは、別府湾の海底に積もった地層を年単位で分析。その結果、マイクロプラスチックが日本の高度成長期に当たる1958年から1961年の層で最初に確認され、以降、半世紀にわたって堆積量が20年周期で増減を繰り返し、徐々に増えていることがわかりました。

 また、多く見付かった地層は、植物プランクトンの発生が多かった時期と重なることもわかり、植物プランクトンがマイクロプラスチックの表面にくっついて海底に沈み、地層にたまった可能性があると分析しています。

 今回の成果は、研究チームが人類の繁栄した時代「人新世(じんしんせい)」を象徴する地層として別府湾に着目し、調査する過程で発見しました。地質学的に新たな時代区分の代表地点にふさわしい場所だと裏付ける証拠の1つになるとしています。

 日向教授は「プラスチックごみによる海洋汚染の実態解明に向けた手掛かりになるとともに、人類繁栄の時代を色濃く表すデータでもある」と話しています。

 「人新世」とは、オゾン層などの研究でノーベル化学賞を受賞したパウル・クルッツェン氏らが提唱した言葉「Anthropocene」を和訳した言葉です。

 「ひとしんせい」とも読みますが、地質学者の間では地球史における時代区分の「完新世」や「更新世」と同様に音読みの「じんしんせい」が使われています。

 国際的な学術団体「国際地質科学連合」のワーキンググループは人類の繁栄した時代を象徴する地層を地球上で1カ所選び、新たな時代区分にしようと、アメリカ、中国、ポーランドなど世界12カ所の候補地から選定作業を進めています。

 日本からは大分県の別府湾が候補地になっていて、愛媛大学や東京大学などの研究グループが海底の地層を取り出してさまざまな観点から分析を進めています。

 今年7月には、核実験が繰り返された1950年代に全世界に降ったごく微量のプルトニウムが別府湾海底の地層から検出され、条約などで核実験が制限された後はプルトニウムの濃度が低下していたという論文を発表。

 「人新世」を象徴する場所を決める上で重要な指標になる内容で、別府湾が選ばれる好材料と位置付けられています。

 2022年10月30日(日)

🟧2021年の温室効果ガスの濃度が過去最高に メタン放出の微生物の活動が影響か

 地球温暖化の原因となる二酸化炭素など3種類の温室効果ガスの世界の濃度が、昨年いずれも観測史上最も高くなったことがわかりました。

 世界気象機関(WMO)は主要な3種類の温室効果ガスの世界の平均濃度について、各国の気象当局や研究機関が観測した昨年のデータを解析し、結果を公表しました。

 それによりますと、二酸化炭素が415・7ppm、メタンが1908ppb、一酸化二窒素が334・5ppbと、いずれも2020年を上回り、世界各地で観測を始めた1984年以降最も高くなりました。

 二酸化炭素のうち、化石燃料に由来する排出量は2019年から2020年は5・4%減りましたが、2020年から2021年は再び4・9%増加しました。

 新型コロナの影響で減っていた人の活動が戻ってきたことが、排出量に影響したとみられます。

 また、二酸化炭素より温暖化効果が大きいメタンは、1年間の増加量が観測史上最も多くなりました。

 明確な原因はわかっていませんが、ラニーニャ現象の影響で熱帯の雨が多くなりメタンを放出する微生物の活動が活発になったことが、増加に影響した可能性があるということです。湖や湿地などは微生物が有機物を分解してメタンを出すので、多雨や洪水などで湿地が拡大すれば排出も増えます。

 解析にかかわった気象庁は、「温室効果ガスの削減に向けた取り組みは一定程度行われているがそれ以上に排出量が多くなっている。異常気象による災害のリスクを減らすためにも、今以上のペースで対策を進める必要がある」と話しています。

 2022年10月30日(日)

🟧新型コロナ、全国で新たに4万611人感染 8日連続で前週上回る

 厚生労働省によりますと、30日発表した国内の新たな新型コロナウイルス感染者は空港の検疫などを含め4万611人となっています。

 厚生労働省は30日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに4万611人確認されたと発表した。前週の日曜日より約9800人増え、8日連続で前週の同じ曜日を上回りました。

 また、国内で感染して亡くなった人は北海道で7人、東京都で6人、大阪府で4人、宮城県で3人、愛知県で3人、和歌山県で2人、宮崎県で2人、徳島県で2人、栃木県で2人、神奈川県で2人、群馬県で2人、千葉県で1人、富山県で1人、岐阜県で1人、熊本県で1人、福岡県で1人、茨城県で1人、鹿児島県で1人の合わせて42人、累計で4万6636人となっています。

 都道府県の新規感染者は多い順に、東京都3687人、北海道3658人、大阪府2415人、神奈川県2158人、愛知県2119人、埼玉県2010人でした。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、30日時点で128人となっています。重症者の数は29日と比べて1人減りました。

 10月27日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は、速報値で5万2824件でした。

 一方、厚生労働省は30日、大阪府内で新たに2415人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 これで大阪府内の感染者の累計は216万5681人となりました。

 また、4人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6610人となりました。重症者は12人です。

 2022年10月30日(日)

🟧東京都、新たに3687人の新型コロナ感染確認、前週より882人増 死者4人、重症15人

 東京都は30日、新型コロナウイルスの感染者を3687人確認したと発表しました。前週の日曜(23日)より882人増えていて、8日連続で前週の同じ曜日を上回りました。70~80歳代の男女4人の死亡も発表されました。

 30日までの1週間の感染状況をみると、感染者数は1日当たり3721・9人で、前週(3195・7人)の116・5%でした。

 新規感染者3687人のうち、660人は医療機関を受診せずに自主検査などで陽性と判明し、都の「陽性者登録センター」に登録した患者でした。

 30日に発表された新規感染者を年代別にみると、最多は40歳代の621人、次いで20歳代の603人、30歳代の555人、10歳代の522人など。重症化しやすいとされる65歳以上は365人でした。

 1501人が入院していて、そのうち人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使っている重症の患者は29日より1人増えて15人でした。

 重症者用の病床使用率は29日から0・2ポイント下がって7・4%、全体の病床使用率は29日より1・1ポイント上がって26・5%でした。

 2022年10月30日(日)

🟧新ワクチン、開始1カ月で接種率4% 流行小康状態で危機感薄く

 新型コロナウイルスのオミクロン型に対応した新ワクチンの接種率が全人口の4%にとどまり、低調な出足となっていることが、政府集計で29日、明らかになりました。9月20日の接種開始から1カ月が過ぎました。流行「第7波」が小康状態になり、危機感が薄れていることや、オミクロン型の「BA・5」対応品の選択肢が広がるのを待つ「接種控え」が起きたことが、伸び悩みの原因と政府関係者はみています。

 政府は、ワクチン接種を冬場に懸念される流行「第8波」に備えた対策の柱に据えており、年内に接種を完了するよう国民に呼び掛けています。

 岸田文雄首相は9月、10~11月にかけて1日100万回を超えるペースで接種できる体制を整備する目標を表明。10月20日ごろには全国で1日に約168万回打てる体制が整いました。

 不安定さが指摘されてきたワクチン供給にも万全を期す構えで、厚生労働省は約9900万回分を11月下旬までに自治体へ配送する計画をこれまでに示しています。政府関係者は「(希望が集中するとみられる)BA・5対応品も潤沢にあり、供給に問題はない」と話しています。

 だが、首相官邸の28日公表データによると、先に承認されたBA・1対応品の接種が始まった9月20日直後の接種回数は、1日に数千~5万回程度で推移。2種類目となるBA・5対応品の接種が始まり、接種間隔が3カ月に短縮された10月半ば以降は大きく増えているものの、直近は13万~43万回程度にとどまります。累計の接種回数は507万回でした。

 一方、最近の感染状況は、北海道や東北など増加傾向が続く地域も出てきており、第8波の到来の懸念が強まっています。厚労省に対策を助言する専門家組織のメンバーは「今回の第8波対策は、新ワクチンを早く打ってもらうしかない」と強調しています。

 2022年10月30日(日)

🟧オミクロン型の「BQ・1」と「XBB」、大きなリスク変化なし WHOが指摘

 世界保健機関(WHO)はオミクロン型の新たな変異ウイルスで、日本でも感染が確認されている「BQ・1」と「XBB」のウイルスについて、現時点では、これまでのオミクロン型と比べ、大きなリスクの変化はないとする最新の知見を公表しました。

 新型コロナウイルスの変異や、そのリスクについて調査しているWHOの専門家グループは28日、オミクロン型の新たな変異ウイルス「BQ・1」と「XBB」について、最新の知見を公表しました。

 このうち、ヨーロッパやアメリカを中心に感染が拡大している「BQ・1」については、これまでのオミクロン型に比べて感染者に占める割合が増える傾向にあり、免疫から逃れる能力が高い可能性があるものの、まだ明確なデータはないと指摘しました。

 一般的に、ウイルスが免疫から逃れる能力が高いと、ワクチン接種後の感染や再感染のリスクが高くなりますが、現時点では、さらなる調査が必要だとしています。

 また、シンガポールやインドなどで感染が広がっている「XBB」についても、一部の国で感染力の高さが指摘されているものの、これまでのオミクロン型に比べ、今の段階では、免疫から逃れる能力や重症化率が高いとはいえないとしています。

 こうしたことからWHOは、これら2つの新たな変異ウイルスについて、現時点では、これまでのオミクロン型と比べ、大きなリスクの変化は見られないと指摘し、今後も評価を続けるとともに、各国に対して、監視の継続を呼び掛けています。

 2022年10月30日(日)

🟧新型コロナ、全国で新たに4万4523人感染 前週比1万人増

 厚生労働省は29日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに4万4523人確認されたと発表しました。前週の土曜日より約1万人多く、7日連続で前週より増えました。

 また、国内で亡くなった人は北海道で7人、神奈川県で7人、大阪府で5人、宮城県で5人、東京都で4人、静岡県で4人、新潟県で3人、福岡県で3人、青森県で3人、千葉県で2人、埼玉県で2人、山形県で2人、愛知県で2人、福島県で2人、茨城県で2人、兵庫県で1人、富山県で1人、岐阜県で1人、岩手県で1人、広島県で1人の合わせて58人、累計で4万6594人となっています。

 都道府県別の最多は北海道で4976人。東京都4121人、大阪府2671人、神奈川県2560人、愛知県2416人、埼玉県2094人と続きました。

 新型コロナウイルスへの感染が確認された人で人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、29日時点で129人となっています。重症者の数は28日と比べて8人増えました。

 一方、厚生労働省は29日、大阪府内で新たに2671人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 これで大阪府内の感染者の累計は216万3266人となりました。

 また、5人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6606人となりました。重症者は10人です。

 2022年10月30日(日)

🟧東京都の新規コロナ感染4121人 7日連続で1週間前を上回る

 東京都は29日、都内で新型コロナウイルスの感染者が新たに4121人確認されたと明らかにしました。1週間前の22日から890人増えていて、7日連続で前の週の同じ曜日を上回りました。新たに確認された死者は6人でした

 新規感染者の直近1週間平均は3595・9人で前週比113・0%。

 29日の新規感染者を年代別にみると、最多は40歳代の694人、次いで20歳代の682人、30歳代の650人、10歳代の591人。65歳以上は380人でした。 

 病床使用率は前日と変わらず24・5%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日から1人増の15人でした。

 2022年10月29日(土)

2022/10/29

🟧新型コロナワクチンで過多月経の可能性 ヨーロッパ医薬品庁が警告

  ヨーロッパ連合(EU)の医薬品規制当局であるヨーロッパ医薬品庁(EMA)は28日、一部の新型コロナウイルスワクチンが月経時の出血量が極端に多い過多月経を引き起こす可能性があると警告し、起こる可能性のある副反応として製品情報に加えるよう勧告しました。

 EMAは医薬品の安全性管理に携わる委員会の声明を引用し、「ファイザー製のコミナティとモデルナ製のスパイクバックスの1回目、2回目および追加接種後に過多月経の症例が報告されている」と指摘。

 データを検討した結果、「過多月経の発生とこれらのワクチンとの因果関係について、少なくとも合理的な可能性がある」と結論付け、こうしたリスクをコミナティとスパイクバックスの製品情報に加えるよう勧告しました。

 一方でEMAは、「(こうしたワクチン接種で)一部の人に起きている過多月経が生殖能力に影響を及ぼすことを示す証拠はない」として、「ワクチン接種のメリットはリスクを大幅に上回る」と強調しています。

 2022年10月29日(土)

🟧海外クルーズ船の日本発着航路が来春、3年ぶりに再開へ

 新型コロナウイルスの水際対策が緩和されたことを受け、外国船の日本発着航路が来春、3年ぶりに再開します。横浜港に停泊していた大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」での集団感染から2年半が経ち、昨年の寄港はゼロでしたが、感染対策のガイドラインを整備して再開を目指しています。

 国土交通省によると、船内で1泊以上するクルーズ船の国内での寄港回数は、昨年が420回。コロナ前の2019年の2866回と比べて85・3%減となりました。昨年の寄港はすべて国内船社の国内クルーズによるものでした。

 日本を発着して海外にも寄港する国際クルーズの運航は2020年3月から休止しているため、ダイヤモンド・プリンセス号など海外船社の2021年の寄港はゼロでした。海外船社の寄港は、2019年は全体の67・4%を占めていました。

 コロナ前は訪日外国人客(インバウンド)も大きな市場となっていました。出入国在留管理庁の統計では、クルーズ船での外国人の入国者数は、ピークだった2017年の252万人から3年連続で200万人を超えていました。

 2019年の出発地別の入国者は中国が約8割で最多。国内の寄港地では、那覇、博多(福岡県)、横浜、長崎、石垣(沖縄県)、平良(同)の順に多くなりました。政府は2020年に500万人を目標にしていたものの、コロナ禍で激減し、2020年は12万人、2021年はゼロでした。

 国内船社は、2020年10月から国内のクルーズ旅行を再開させています。乗船当日の検査を義務付け、「世界的にも厳しい」(国交省の担当者)という感染対策で臨んでいます。

 だが、需要の回復は鈍いため、「飛鳥Ⅱ」「にっぽん丸」「ぱしふぃっく びいなす」を運航する国内の3社が、日本旅行業協会(JATA)などの呼び掛けで連携し、乗船者向けにクルーズ旅行券をプレゼントする企画を10月から始めています。

 国際クルーズも準備しており、「にっぽん丸」は今年12月~来年1月にモルディブ、モーリシャス、マダガスカルなどを巡る48日間の船旅を予定しています。

 2022年10月29日(土) 

🟧新型コロナ、全国で新たに3万9254人の感染確認 前週比7600人増

 厚生労働省は28日、新型コロナウイルスの感染者が空港検疫などを含め全国で新たに3万9254人確認されたと発表しました。前週の金曜日より約7600人増え、6日連続で前週より増えました。

 また、国内で亡くなった人は、北海道で7人、大阪府で6人、埼玉県で5人、東京都で5人、神奈川県で5人、千葉県で3人、岐阜県で2人、福岡県で2人、三重県で1人、兵庫県で1人、大分県で1人、奈良県で1人、宮崎県で1人、山形県で1人、山梨県で1人、岩手県で1人、島根県で1人、広島県で1人、徳島県で1人、滋賀県で1人、秋田県で1人、青森県で1人、香川県で1人、高知県で1人の合わせて51人、累計で4万6536人となっています。

 都道府県別の新規感染者の最多は4日連続で北海道で、4518人。東京都3520人、大阪府2246人、神奈川県2208人、埼玉県1977人、愛知県1810人と続きました。

 新型コロナウイルスへの感染が確認された人で人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、28日時点で121人となっています。重症者の数は、27日と比べて1人増えました。

 また、26日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は、速報値で5万3201件でした。

 一方、厚生労働省は28日、大阪府内で新たに2246人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 これで大阪府内の感染者の累計は216万595人となりました。

 また、6人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6601人となりました。重症者は12人です。

 2022年10月28日(金)

2022/10/28

🟧東京都、新たに3520人の新型コロナ感染確認 80~90歳代の男女4人が死亡

 東京都は28日、新型コロナウイルスの感染者を新たに3520人確認したと発表しました。前週の同じ曜日(21日)よりも680人増えていて、6日連続で前週の同じ曜日を上回りました。80歳代から90歳代の男女4人の死亡も確認しました。

 28日までの1週間の感染状況をみると、感染者数は1日当たり3468・7人で前週(3183・9人)の108・9%となりました。

 28日の新規感染者を年代別にみると、最多は40歳代の670人、次いで20歳代の615人、30歳代の544人、10歳代の467人。65歳以上は331人でした。

 病床使用率は24・5%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日と変わらず14人でした。

 2022年10月28日(金)

🟧新型コロナの新たな変異型、東京都内で複数確認 シンガポールやインドで拡大中「XBB」も6件

 新型コロナウイルスの感染状況を分析する東京都のモニタリング会議は27日、ヨーロッパやアメリカ、アジアで増えている新たな複数の変異型が都内でも確認されたと報告しました。今冬の感染拡大「第8波」に備え、専門家は警戒感を示しました。

 東京都によると、世界では現在、コロナウイルスの99・9%を変異型「オミクロン型」が占め、その亜型の「BA・5」が主流になっています。都内でも今夏の第7波の主因となり、過去最多の感染者数を出しました。

 都内では、今も「BA・5」が94・3%を占めます。新たな変異型のうち、「BA・5」の亜型で、イギリスなどで増えている「BF・7」は7月に都内で初めて確認されました。以来、増加を続け、10月27日までに131件見付かりました。同じく「BA・5」の亜型で、ヨーロッパやアメリカで多く報告がある「BQ・1」は46件を確認しました。

 シンガポールやインドなどで急速に広がる「XBB」は、オミクロン型の「BA・2」の亜型で、都内で6件を確認しました。10月17日時点で空港検疫で7件検出されていましたが、都内での確認は初めてだということです。都によると、空港検疫で検出されていた「XBB」は、大半がインドでの滞在歴がある人からでした。

 シンガポールでは、9月中旬には「XBB」の感染者が感染者全体の17・3%だったのが、10月中旬には60・7%を占めているということです。

 いずれの新たな変異型も重症度は不明ですが、ワクチンなどで得た免疫を回避する可能性が指摘されています。

 東京感染症対策センターの賀来満夫所長は「シンガポールなどで局所的に増加しているものの、特定の変異型が世界的に優勢となる兆候は見られない」としながらも、「引き続き国内外の動向に注視していく」と述べました。

 2022年10月28日(金)

🟧中国、新型コロナ新規感染者が4日連続で1000人超 各地で規制強化、チベットでは抗議デモ発生

 中国各地で新型コロナウイルスの感染者が拡大し、行動制限など規制を強化する都市が増えています。22日に中国共産党大会が閉幕し「ゼロコロナ」政策が緩和されるという期待も一部にはあったものの、その兆しは見られません。庶民の不満は高まっており、チベット自治区ではロックダウン(都市封鎖)に反対する異例の抗議活動が起きたとの情報があります。

 中国国家衛生健康委員会は28日、中国本土で27日に新たに確認された無症状を含む感染者は、空港検疫などを除き1337人だったと発表しました。4日連続で1000人を上回っており、ゼロコロナ政策をとる中国では高水準に入ります。

 各地の当局は感染対策を強化しており、中国メディアによると、中部の湖北省武漢市の一部では26日から30日まで居住区の出入りを禁じる封鎖措置を実施。南部の広東省広州市の一部でも封鎖措置がとられているほか、北京市でも感染者が立ち寄ったビルの閉鎖などが相次いでいます。

 一方、アメリカ政府系のラジオ自由アジア(RFA)によると、チベット自治区のラサ市で26日、厳格な感染対策に反発した市民による大規模なデモが発生しました。数百人の抗議参加者が、警備当局者とにらみ合ったといいます。チベットでは独立の動きなどを警戒して厳しい監視、管理体制が敷かれており、デモが行われるのは異例。デモ参加者の大半は漢民族の出稼ぎ労働者とされます。

 ラサ市では8月ごろから封鎖状態が続いており、生活必需品の入手困難が起きているといいます。中国の交流サイト(SNS)には「ラサが封鎖されて約3カ月になる。ラサから出るのは海外に行くのと同じくらい難しい」といった厳しい措置への不満を記した投稿もあるものの、次々と削除されています。

 2022年10月28日(金)

🟧北朝鮮の結核患者13万3000人、原因の5割強が栄養失調 WHO報告

 世界保健機関(WHO)が27日(現地時間)公表した報告書によると、2021年に北朝鮮の結核患者数は13万3000人に上りました。最大の原因は栄養失調でした。

 北朝鮮の昨年の結核患者数は前年に比べ2000人減少しました。人口10万人当たりの罹患(りかん)率は513人で、前年の523人を小幅に下回りました。

 ただ北朝鮮は新型コロナウイルス感染症対策として国境を封鎖しており、国際機関の職員が状況を直接調べることはできません。実際の状況はこの数値以上に悪いと推測されます。

 WHOは報告書を毎年発表しています。北朝鮮はWHOの昨年度版報告書に続き今年度版でも、罹患率が高い「高まん延国」30カ国に分類されました。

 北朝鮮の結核患者のうち治療を受けた割合は66%にとどまりました。致死率は17%でした。

 原因をみると、栄養失調が52%と最も多く、喫煙や糖尿病、アルコール中毒も挙げられました。

 韓国の権寧世(クォン・ヨンセ)統一部長官は9月に開催された保健医療協力に関する会議で、北朝鮮の結核患者は薬を入手できずにいると指摘し、積極的に支援する姿勢を示しました。

 2022年10月28日(金)

🟧小中学生の不登校、昨年度24万人で過去最多 いじめも61万5000件で過去最多

 文部科学省は27日、全国の学校を対象に2021年度に実施した「問題行動・不登校調査」を公表しました。病気や経済的理由などとは異なる要因で30日以上登校せず「不登校」と判断された小中学生は24万4940人、小中高と特別支援学校のいじめの認知件数は61万5351件で、ともに過去最多でした。

 文科省は、新型コロナウイルス禍による行動制限などで、人間関係や生活環境が変化したことが影響したとみており、「心のケアを中心とした早期の対策が必要だ」としています。

 文科省は毎年、国公私立すべての小中学校・高校と特別支援学校におけるいじめの把握件数を調べ、小中高については暴力行為件数、年間30日以上の長期欠席者や不登校の人数、自殺者数を集計しています。

 不登校と判断された小中の児童生徒数は9年連続で増加。今回の増え幅は特に顕著で、過去最多だった前年度から24・9%増加しました。一方、高校の不登校は18・4%増の5万985人で、過去10年でみるとほぼ横ばいで推移しています。

 小中の不登校の主な要因で最多なのが「無気力、不安」(49・7%)で、「生活リズムの乱れ、遊び、非行」(11・7%)、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」(9・7%)が続きました。

 1000人当たりの不登校の児童生徒数は平均25・7人で、都道府県でばらつきもありました。最も多かったのは高知県の31・2人で、宮城県の30・3人、島根県の29・9人が続きました。一方、最も少ないのは福井県の17・8%で、文科省の担当者は「早期対応に力を入れているかどうかなど自治体ごとの対策が反映されている可能性がある」と分析しています。

 不登校とは別に、病気や経済的理由などによる長期欠席者数も調査。コロナの感染回避を理由とした「自主休校」は、初集計だった前年度の約3倍となる5万9316人となりました。

 いじめの認知件数は全校種合わせ61万5351件で、新型コロナによる影響などで大幅減少した前年度の51万7163件から一転し過去最多になりました。小中の増え幅が特に大きく、小学校で18・9%増の50万562人、中学校で21・1%増の9万7937人でした。

 2020年の全国一斉休校が明けて部活動や学校行事の活動が再開され、子供同士の交流の機会が増えたことなどが要因だといいます。

 様態別では、「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が57・8%と最も多く、「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたり、蹴られたりする」(22・9%)、「仲間はずれ、集団による無視をされる」(12%)と続きました。2006年度の調査開始から増加を続ける「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる」は、全体で2万1900件(3・6%)となり過去最多を更新しました。

 生命や心身などに重大な被害が生じた疑いがあったり、長期欠席を余儀なくされたりするいじめの「重大事態」の発生件数も、前年度から191件と大幅に増加し705件を記録。最も多かった2019年度の723件に次ぐ件数となりました。

 文化省児童生徒課は、不登校やいじめの増加傾向に歯止めがかからないことについて「新型コロナによる生活環境の変化が子供たちの行動に大きな影響を与えている」と分析。「今後は心のケアを始め、相談体制の充実など取り組みを推進していく必要がある」としています。

 暴力行為の発生件数は小中高で前年度から15・5%増えて7万6441件。高校は横ばいの一方、小中で増加幅が激しく、小学校は17・2%増の4万8138人、中学校は14・8%増の2万4450人。自殺者は小中高で368人となり、過去最多の前年度から47人減りました。

 2022年10月28日(金)

🟧人命が失われるのを防ぐために行動を WHOが気候変動の影響分析し警鐘

 気温が異常に高くなって死亡する人が増加するなど気候変動が人々の生活に及ぼしたと見られる影響を分析した報告書を、世界保健機関(WHO)などの研究チームが公表し「これ以上、人命が失われるのを防ぐためにも今すぐ行動を起こすことが必要だ」と警鐘を鳴らしています。

 この報告書は、WHOなどの研究チームがイギリスの医学雑誌「ランセット」に25日、公表しました。

 それによりますと、近年の急激な気温上昇の影響で2021年までの5年間に暑さに関連して死亡した人は、2004年までの5年間と比べ68%増加したと分析しています。

 さらに気温の上昇は、病気に感染するリスクも高めています。

 このうち蚊が媒介する「デング熱」に感染する可能性は、2021年までの10年間では1960年までの10年間と比べ12%高くなり、新型コロナと重なったことで、南アメリカやアジア、アフリカの多くの地域で、医療システムがひっ迫したとしています。

 また、気候変動の影響でオーストラリアやブラジルなど各国で洪水が相次ぎ、2020年から2021年にかけて、数千人が死亡しました。

 報告書は、今も化石燃料への依存や再生可能エネルギーの導入の遅れがみられるとして、「これ以上、人命が失われるのを防ぐためにも今すぐ行動を起こすことが必要だ」と警鐘を鳴らしています。

 2022年10月28日(金)

🟧北海道で4579人新型コロナ感染、7人死亡 前週比1217人増

 27日、北海道では新たに4579人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。新規感染者は3日ぶりに5000人を下回った一方、前週の木曜日より1217人増え、7日連続で前週の同じ曜日を上回りました。

 27日、北海道で発表された新規感染者数は、道立保健所管内が2436人、札幌市が1546人、旭川市が354人、函館市が128人、小樽市が115人の合わせて4579人となっています。

 このうち、道が発表した新規感染者数を医療機関の所在地別にみますと、石狩地方が358人、オホーツク地方が320人、十勝地方が269人、胆振地方が263人、空知地方が205人、釧路地方が148人、上川地方が106人、渡島地方が82人、後志地方が81人、宗谷地方が56人、根室地方が49人、日高地方が40人、留萌地方と桧山地方がそれぞれ34人、それに道の陽性者登録センターが391人となっています。

 一方、これまでに感染が確認されていた人のうち、7人の死亡が発表されました。

 道が発表したのは60歳代の男性2人、80歳代の男性1人、80歳代の女性1人、90歳代の女性1人、それに年代・性別非公表の1人です。札幌市は90歳代の女性1人の死亡を発表しました。

 これで道内の感染者は札幌市の延べ36万3387人を含む延べ82万1264人となり、亡くなった人は2709人となりました。

 新たなクラスター(感染者集団)は14件。福祉施設は8件で、石狩地方の高齢者施設や札幌市の介護老人保健施設などで、各5~16人の感染が確認されました。このほか函館市の市立病院で7人、オホーツク地方などの医療機関5カ所で9~16人が感染しました。

 2022年10月28日(金)

2022/10/27

🟧東京都で新たに3941人が新型コロナ感染 5日連続で1週間前を上回る

 東京都が27日に確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は3941人でした。前の週の同じ曜日から452人増えていて、5日連続で1週間前を上回りました。

 東京都の直近1週間の感染者の平均は3372人で、前の週と比べて102・9%となっています。

 新規感染者3941人のうち、710人は医療機関を受診せずに自主検査などで陽性と判明し、都の「陽性者登録センター」に登録した患者。

 1377人が入院していて、そのうち重症者は14人でした。

 重症者用の病床使用率は前日から0・5ポイント下がって7・1%、全体の病床使用率は前日から1・3ポイント上がって24・2%でした。

 また、50歳代から90歳代の男女5人の死亡が確認されました。

 都は27日、感染状況や医療提供体制について分析・評価するモニタリング会議を開き、4段階ある警戒レベルについて、いずれも上から3番目を維持しました。

 会議では、新規感染者数の7日間平均は26日時点で3305人で、前の週より90人余り減っていることが報告され、専門家は横ばいで推移していると分析しました。

 年代別にみると、24日までの1週間で65歳以上の新規感染者数は2008人で、2週連続で増えていると報告されました。

 これについて、専門家は「高齢者は重症化リスクが高く入院期間も長期化するため引き続き注意が必要だ」として感染対策の徹底を呼び掛けました。

 また、入院患者数は26日時点で1310人で、1週間前と比べて210人増えました。

 専門家は、この冬に懸念されるインフルエンザとの同時流行を念頭に、「ワクチンの接種や解熱剤などの医薬品を多めに用意しておくことが必要だ」として、事前の備えを徹底するよう呼び掛けました。

 2022年10月27日(木)

🟧新型コロナ、全国で新たに4万2737人感染確認 前週比6600人増

 厚生労働省は27日、新型コロナウイルスの感染者が空港の検疫などを含め、全国で新たに4万2737人確認されたと発表しました。前週の木曜日より約6600人増え、5日連続で前週より増えました。

 都道府県別の最多は3日連続で北海道で、4579人でした。次いで東京都が3941人、大阪府が2494人、神奈川県が2391人、愛知県が2156人、埼玉県が1923人。

 また、国内で感染して亡くなった人は、大阪府で7人、北海道で6人、愛知県で5人、新潟県で5人、沖縄県で5人、東京都で4人、福島県で4人、秋田県で4人、青森県で4人、千葉県で3人、滋賀県で3人、茨城県で3人、埼玉県で2人、広島県で2人、神奈川県で2人、福岡県で2人、三重県で1人、兵庫県で1人、宮城県で1人、山口県で1人、山形県で1人、岐阜県で1人、岡山県で1人、岩手県で1人、栃木県で1人、群馬県で1人の合わせて71人、累計で4万6485人となっています。

 新型コロナウイルスへの感染が確認された人で人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、27日時点で120人となっています。重症者の数は26日と比べて、3人減りました。

 10月25日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は、速報値で5万8879件でした。

 一方、厚生労働省は27日、大阪府内で新たに2494人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これで大阪府内の感染者の累計は215万8349人となりました。

 また、7人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6595人となりました。

 重症者は12人です。1週間の陽性率は14・5%。

 2022年10月27日(木)

🟧1回も接種せず強く躊躇は約1割に 東京都民の新型コロナワクチン接種調査

 新型コロナウイルスのワクチン接種について、東京感染症対策センター(東京iCDC)が東京都民を対象に行ったアンケート調査で、1回も接種したことがなく、接種を強く躊躇(ちゅうちょ)している人は全体の約1割だったことがわかり、東京都の小池百合子知事は接種への協力を呼び掛けています。

 東京感染症対策センターは、10月初め、20歳代から70歳代までの1000人を抽出して、新型コロナの感染対策への都民の意識などについて調べるため、インターネットでアンケート調査を行い、27日、都のモニタリング会議でその結果を示しました。

 それによりますと、ワクチン接種の回数について、3回以上と回答したのは全体の72・6%、2回は12%、1回は0・3%で、1回も接種したことがなく、「おそらく接種しない」や「絶対に接種しない」と接種を強く躊躇している人は合わせて9・4%でした。

 一方、1回目や2回目の接種を終えた人のうち、「3回目を接種しない」と回答したのは合わせて57・7%に上り、理由としては、「副反応がつらかったから」や、「効果に疑問があるから」などが挙げられました。

 モニタリング会議の後、小池知事は「2回感染する人もいるなど医学的な情報を提供していくことが必要だ。接種してもらえる体制は整っているので、協力を呼び掛けていきたい」と述べました。

 2022年10月27日(木)

🟧梅毒感染者、初めて1万人を超える 背景にSNSやマッチングアプリの影響も

 性感染症の1つである梅毒の今年の感染者数が23日までに全国で1万141人に達し、現在の調査方法となった1999年以降、初めて1万人を超えました。最多だった昨年の7983人を上回り、9月に過去最多を更新したばかりでした。全国の報告数(速報値)は、東京都感染症情報センターが27日に公開した国の集計結果から判明しました。

 梅毒は「梅毒トレポネーマ」という細菌が、性行為などによって性器や口などの粘膜から侵入して感染します。感染後2~3週間で性器などに赤みやしこりができます。2~3カ月後には手のひらや腹部など全身に発疹が出ますが、痛みやかゆみがないことがほとんどです。症状の出方は多様で、こうした症状は数週間から数カ月で自然に消えることがありますが、治ったわけではなく感染は続いています。

 抗菌薬を4週間飲み続けるか、1回注射することで治療可能ですが、治っても何度も感染することがあります。発疹をアレルギーや風疹などと間違えることがあり、梅毒感染に気付かず放置すると、数年から十数年をかけて、脳や心臓、神経などを侵し、重大な合併症を引き起こして命を落とすこともあります。コンドームの使用で感染のリスクを下げられます。

 戦後間もない時期には20万人以上の梅毒患者がいたとされます。抗菌薬の普及で大幅に減ったものの、2010年代に増え始め、2018年をピークに減少に転じた後、再び急増。昨年の7983人が、1999年以降で最多でした。

 近年の増加傾向の原因は不明ですが、ネット交流サービス(SNS)やマッチングアプリを介した不特定多数との性交渉の増加が背景にあると指摘する声もあります。

 日本性感染症学会理事の重村克巳・神戸大准教授は、「10カ月で1万人を超えるとは予想を超えるハイペースだ。陰部やのどの赤みなど疑われる症状があれば、すぐに受診してほしい」と呼び掛けています。

 2022年10月27日(木)

🟧新型コロナ、感染状況に地域差 首都圏は微減だが一部地域で増加

 新型コロナウイルスの感染状況を評価する厚生労働省の助言機関は26日、新規感染者数が一部地域で増加する一方、首都圏などでは微減となり、「感染状況に地域差がある」との見解をまとめました。年末に向けて接触機会が増えることなどに懸念を示しました。

 厚労省によると、全国の新規感染者数は25日までの直近1週間は平均3万4408人で、前週比0・96倍でした。19日までの1週間は連休の影響などもあって前週比1・35倍と増加したものの、現状では横ばいになっています。

 都道府県別では、香川県、愛媛県が1・20倍で最も高く、岩手県が1・16倍、兵庫県が1・15倍、北海道が1・13倍となる一方、東京都は0・94倍、大阪府は0・88倍でした。

 2022年10月27日(木)

🟧ロボット支援下でのがん手術2週間後、女性死亡 長崎大学病院で医療事故

 長崎大学病院は25日、7月に子宮体がんの手術を受けた女性患者が2週間後に、自宅で大量出血して死亡したと発表しました。同病院によると、女性は初期段階のがんで、手術をすればほぼ助かるケース。中尾一彦院長は医療事故であることを認め「遺族に心苦しく申し訳なく思っている」と謝罪しました。同病院は外部委員を含めた院内調査委員会の設置を決めました。

 関係者によると、女性は県内の54歳(当時)。7月19日に同病院に入院し、21日に手術支援型ロボット「ダビンチ」を使用した摘出手術を受けました。8月1日に車いすで退院。同4日、自宅で下半身から大量出血して意識を失い、救急搬送先の病院で死亡が確認されました。

 同5日に長崎大学病院で病理解剖した結果、子宮に近い左外腸骨動脈に約2ミリの穴が確認されました。同病院は10月24日の院内会議で医療法に定める医療事故に当たると判断、遺族への説明後、第三者機関「医療事故調査・支援センター」へ報告することを決めました。

 三浦清徳産科婦人科診療科長によると、執刀医2人は複数回のロボット手術の経験があるといいます。三浦科長は「手術中に傷を付けたという認識はなかったが、手術14日後に起こったことであり、死亡の切っ掛けになったのではないかと疑われる」と説明しました。同病院は原因が判明するまで、ロボット支援下での子宮体がん手術を停止します。

 女性の夫は、「妻がなぜ死ななければならなかったのかを知りたい」として、今後の詳しい原因究明を求めています。

 亡くなった女性患者の遺族に対し、長崎大学医学部は「医学発展のため尊いご遺体を提供いただいた方々のご供養を行うため」として、27日に同大坂本キャンパスで開催する解剖体(献体)慰霊祭の案内状を9月下旬に送付していました。女性の夫らは、「医療事故の遺族に対して配慮がない」と反発しました。

 遺族によると、女性の死因を知りたいと病理解剖を希望し、遺体を長崎大学病院に移送して解剖をしました。案内状を受け取った女性の夫は、病院側との交渉の席で「医学の発展のために妻の遺体を提供した覚えはない」と怒りを見せました。病院側は「病院ではなく医学部が対応したこと。申し訳ない」と述べたといいます。

 また、病院側は25日の会見で、遺族に対し解剖費を請求し受け取っていたことを明らかにしました。中尾一彦院長は「他の病院から受け入れた遺体だったため、事務手続き上の問題で請求してしまった。配慮不足だったと猛省している。解剖費はこちらが負担する」と述べました。

 2022年10月27日(木)

🟧出産準備金、来年1月以降の出生に計10万円支給へ 今年4月から12月は5万円

 政府は26日、妊娠した女性を支援する出産準備金について、来年1月1日以降に生まれる新生児1人当たり計10万円分のクーポンなどを支給する方針を固めました。自治体への妊娠届と出生届の提出後に、それぞれ5万円分を支給します。自治体の判断で現金給付も可能とします。

 今年度中にも希望する自治体で開始します。妊娠届の提出が事業開始前だった場合でも、出産日が来年1月以降であれば、逆上って妊娠時と出生時の2回分を受給できます。今年4月から12月に生まれた子には、出生時の5万円分のみを支給します。

 ベビー用品の購入費のほか、産前産後ケア、一時預かり、家事支援サービスなどの利用に役立ててもらう想定。複数回に及ぶ支給時に、体調の変化に戸惑う妊婦や、出産後の子育てに悩む母親を支えるため、保健師や助産師らが妊産婦の相談に乗ることで「伴走型支援」を実現したい考えです。

 2022年10月27日(木)

🟧全国の新たな新型コロナ感染者、前週から6700人増 5万294人確認

 厚生労働省は26日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに5万294人確認されたと発表しました。前週の水曜日より6739人増えています。

 また、国内で亡くなった人は、大阪府で7人、埼玉県で6人、神奈川県で5人、福岡県で5人、北海道で4人、沖縄県で4人、千葉県で3人、大分県で3人、岐阜県で3人、岡山県で3人、滋賀県で3人、青森県で3人、兵庫県で2人、徳島県で2人、東京都で2人、茨城県で2人、佐賀県で1人、和歌山県で1人、宮城県で1人、愛知県で1人、栃木県で1人、秋田県で1人、群馬県で1人、長崎県で1人、静岡県で1人、香川県で1人の合わせて67人、累計で4万6414人となっています。

 都道府県の新規感染者は多い順に、北海道5572人、東京都4347人、大阪府3088人、神奈川県2852人、愛知県2529人、埼玉県2293人、兵庫県2140人など。

 新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、26日時点で123人となっています。重症者の数は25日と比べて5人増えました。

 10月24日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は、速報値で5万6361件でした。

 一方、厚生労働省は26日、大阪府内で新たに3088人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 これで大阪府内の感染者の累計は215万5855人となりました。

 また、7人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6588人となりました。重症者は15人です。

 2022年10月26日(水)

2022/10/26

🟧新型コロナ・インフル・RSの「3ウイルス」同時判定の検査法、月内にも保険適用

 厚生労働相の諮問機関・中央社会保険医療協議会は26日、新型コロナウイルスとA型・B型インフルエンザウイルス、RSウイルスの感染を同時に判定できるPCR検査の試薬と、抗原検査キットを公的医療保険の対象とすることを了承しました。厚労省は、月内にも保険適用します。

 3種類のウイルス感染を同時に判定できる検査法は初となります。RSウイルスは、乳児が感染すると肺炎になりやすく、主に小児科で検査が行われています。発熱を伴う症状が似た3つの感染症を同時に調べられれば、迅速な診断につながります。

 PCR検査の試薬はプレシジョン・システム・サイエンス(千葉県松戸市)、抗原キットは東洋紡(大阪市)の製品で、いずれも1度の鼻咽頭ぬぐい液または鼻腔ぬぐい液を採取して調べます。

 2022年10月26日(水)

🟧東京都、4347人の新型コロナ感染確認 前週比143人増

 東京都は26日、新型コロナウイルスの感染者を新たに4347人確認したと発表しました。前週の同じ曜日(19日)よりも143人増えていて、4日連続で前週の同じ曜日を上回りました。60歳代の男性1人と80歳代の男女3人、計4人の死亡も確認しました。

 26日までの1週間の感染状況をみると、感染者数は1日当たり3307・0人で前週(3398・7人)の97・3%となりました。

 26日の新規感染者4347人を年代別にみると、最多は40歳代の774人で、次いで30歳代の737人、20歳代の663人、50歳代の611人と続きました。65歳以上は383人でした。

 病床使用率は22・9%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日から2人増えて17人でした。

 2022年10月26日(水)

🟧神戸大、幅広いコロナ変異型を抑える中和抗体を開発 治療薬への応用に期待

 神戸大学の研究チームは25日、新型コロナウイルスの幅広い変異型に対し高い感染抑制作用が期待できる中和抗体を開発したと発表しました。オミクロン型で現在主流となっている「BA・5」にも効果があり、新型コロナの治療薬としての応用が期待できるといいます。研究成果はプレプリント(査読前論文)にまとめました。

 研究チームは、新型コロナウイルスへの感染歴があり、mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンを2回接種済みの複数の患者の血液から人工的に抗体を数種類作り、新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質との結合強度などを解析。うち1つの抗体は、第1波で流行したヨーロッパ型からBA・5型までの幅広い変異型に対し、ウイルスの感染を抑える作用を示しました。

 森康子・神戸大学教授(臨床ウイルス学)は、「動物実験などで有効性についてさらに解析を進める」としています。

 抗体医薬は軽症者に投与して重症化を防ぐ仕組みの治療薬。国内では抗体カクテル療法と呼ばれる「ロナプリーブ」(中外製薬)や、イギリス製薬大手グラクソ・スミスクラインが開発した点滴薬「ソトロビマブ」(商品名・ゼビュディ)が承認されています。

 2022年10月26日(水)

🟧B型肝炎再発で国に全額3900万円賠償命令 東京地裁

 乳幼児期の集団予防接種が原因で20年以上前にB型肝炎を発症し、その後再発した千葉県などの患者3人の本人や遺族が国に計3900万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(古田孝夫裁判長)は25日、請求通り国に全額の支払いを命じる判決を言い渡しました。

 再発患者による損害賠償請求は、最高裁が昨年4月の判決で、不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」の始まりを「再発時」とする判断を示しました。

 これを受け、今回の訴訟では「除斥期間」の適用時期は争いにならず、損害額が争点となりました。判決は、患者1人当たりの損害額を救済制度で慢性肝炎患者に支払われる給付金と同額の1300万円と認定しました。

 厚生労働省によると、再発患者を巡る判決が言い渡されたのは、最高裁の判決後初めて。

 判決などによると、千葉県の60歳代男女の患者2人と山梨県の女性患者(昨年12月に死亡)は注射器の使い回しでB型肝炎ウイルスに感染し、1988~1991年ごろに慢性肝炎を発症。治療で一度は症状が落ち着いたものの、2001年までに再発しました。

 除斥期間の経過を巡って係争中の患者は今年4月時点で300人超に上ります。最高裁が救済対象とする病態はうち一部にとどまるため、原告側の全国B型肝炎弁護団は国側に救済範囲の拡大を求めています。

 2022年10月26日(水)

🟧新型コロナワクチン接種偽装、詐欺容疑などでクリニック院長3回目逮捕

 新型コロナウイルスのワクチン接種委託料がだまし取られた事件で、警視庁捜査2課は25日、東京都北区の「王子北口内科クリニック」院長で医師の船木威徳(たけのり)被告(51)(詐欺罪で起訴)を詐欺と公電磁的記録不正作出・同供用容疑で再逮捕しました。逮捕は3回目。

 発表によると、船木被告は昨年12月、いずれも広島県東広島市に住む40歳代男性と息子の中学生、50歳代女性の長女と長男の計4人について、ワクチンを打ったと偽って同市から接種委託料計約1万8200円を詐取し、同市を経由して国のシステムに虚偽の情報を入力させた疑い。調べに「特に言うことはありません」と黙秘しています。

 船木被告はワクチンに否定的な知人らからの依頼を受けて接種偽装を繰り返していたとみられ、当初、捜査2課の調べに「さまざまな人に頼まれてワクチンを打ったことにして接種済み証を作った」と供述していました。

 同課によると、今回は船木被告と知り合いだった40歳代男性が中学生の息子や、知人女性の子供2人の接種偽装を依頼しました。男性は「ワクチンは危険だと思ったが、打たないと海外にいけないなど不利益を受けると思った」、女性は「副作用のデメリットが強いと思った」と話しているといいます。

 2022年10月25日(火)

2022/10/25

🟧新型コロナ、全国の新規感染者4万7706人 38人死亡、118人重症

 厚生労働省は25日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに4万7706人確認されたと発表しました。前週の火曜日より約5000人増えました。

 また、国内で新型コロナウイルスに感染して亡くなった人は大阪府で4人、群馬県で4人、東京都で3人、福島県で3人、長野県で3人、佐賀県で2人、千葉県で2人、栃木県で2人、滋賀県で2人、秋田県で2人、茨城県で2人、青森県で2人、京都府で1人、宮崎県で1人、岩手県で1人、愛知県で1人、福井県で1人、福岡県で1人、鹿児島県で1人の合わせて38人、累計で4万6347人となっています。

 都道府県別で新規感染者をみると、北海道の5573人が最も多く、東京都4702人、大阪府3295人、愛知県2764人、神奈川県2408人、埼玉県2366人と続きました。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、25日時点で118人となっています。重症者の数は24日と比べて、3人増えました。

 23日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は、速報値で1万8393件でした。

 一方、厚生労働省は25日、大阪府内で新たに3295人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 これで大阪府内の感染者の累計は215万2767人となりました。

 また、4人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6581人となりました。重症者は19人です。

 2022年10月25日(火)

🟧新型コロナ、東京都の新規感染4702人 前週火曜日から489人増加

 東京都は25日、新型コロナウイルスの感染者を新たに4702人確認したと発表しました。前週の火曜日(18日)から489人増え、3日続けて前週の同じ曜日を上回りました。70歳代の男女2人の死亡も発表しました。

 25日までの1週間の感染状況をみると、感染者数は1日当たり3286・6人で前週(3482・4人)の94・4%となりました。

 新規感染者4702人のうち、777人は医療機関を受診せずに自主検査などで陽性と判明し、都の「陽性者登録センター」に登録した患者です。

 25日の新規感染者を年代別にみると、最多は40歳代の810人で、20歳代が765人、30歳代が733人、50歳代が636人と続きました。重症化しやすいとされる65歳以上は483人でした。

 1282人が入院していて、そのうち「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者は前日から1人増えて15人でした。

 重症者用の病床使用率は前日と同じ7・9%、全体の病床使用率は前日から0・5ポイント上がって22・6%でした。

 2022年10月25日(火)

2022/10/24

🟧男性は「長時間労働」、女性は「セクハラ」が精神疾患の主因に 過労死防止白書

 政府は21日、過労死・過労自殺の現状を分析した2022年版の「過労死等防止対策白書」を閣議決定しました。今回の白書では、うつ病などの精神疾患で労災認定された事案について男女別に分析。男性は「長時間労働」や「仕事内容」、女性は「セクハラ」が主な発症要因となっていたことが明らかになりました。

 白書によると、2010年度から2019年度までの10年間に、精神疾患で労災認定されたのは計4491件。内訳は男性が3043件で、女性は1448件でした。

 また、2010年度に308件だった精神障害での労災認定は、2019年度には509件となり、6割以上増えました。厚生労働省の担当者は、「働き方改革などで労働問題への意識が高まった」と増加の理由を分析しています。

 この10年間のうち、分類項目が同じで比較のできる2012~2019年度(計3853件)の発症要因を男女別に分析したところ、男性は「恒常的な長時間労働」(32%)、新規プロジェクトで仕事が増大するなど「仕事内容・量の変化」(25%)、「嫌がらせやいじめ、暴行」(17%)の順に多くなりました。

 一方、女性は「セクハラ」(22%)と同僚の労災事故を目撃するなど「悲惨な事故や災害の体験や目撃」(22%)が多く、「嫌がらせやいじめ、暴行」(19%)、「仕事内容・量の変化」(17%)と続きました。

 「セクハラ」は、男性では0・3%でした。

 厚生労働省は、「セクハラで働き手の将来をゆがめることはあってはならない。企業は、セクハラ防止の取り組みとともに長時間労働の是正を進め、働き手の心の健康を守る必要がある」としています。

 2022年10月24日(月)

🟧国民年金保険料、納付期間45年へ延長検討 厚労省

 厚生労働省は25日、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の年金部会を開き、国民年金(基礎年金)制度改革の議論を本格化させます。保険料の納付期間を現行の20歳以上60歳未満までの40年間から、65歳未満までの45年間に延長する案を検討します。自営業者や、60歳以降は働かない元会社員らは負担が増します。企業の雇用延長などで65歳まで働く人は現在も保険料を払っており負担は変わりません。

 5年に1度行っている年金の財政検証に合わせて、2024年に結論を出し、2025年の通常国会に関連法改正案の提出を目指します。

 社会保障制度改革は、少子高齢化に伴う現役世代の減少により年金の受給水準が低下するのを少しでも食い止め、財源を確保するのが狙い。

 公的年金制度は、20歳以上60歳未満のすべての国民が加入する国民年金を1階部分、会社員や公務員などが加入する厚生年金を2階部分とする2階建ての仕組みとなっています。国民年金の保険料は月1万6590円で、40年間納付し続けた場合の受給額は月約6万5000円。

 年金部会では保険料の納付期間の延長に加え、厚生年金の財源の一部を国民年金に回すことも検討する見通し。これらを加味した厚労省の試算によると、自営業者らだけでなく、会社員らの受給額も現在とほぼ同水準を保てる可能性があるといいます。

 人口動態を巡っては、2025年に団塊の世代が75歳以上となり、2042年には高齢者人口が3935万人でピークを迎えます。制度を持続可能なものにするため、年金の伸びを物価や賃金の伸びより低くする給付抑制策「マクロ経済スライド」があるものの、これにより国民年金のみの高齢者の生活はより苦しいものになることが予想されます。こうしたことを踏まえ、厚労省は見直しを急ぎます。

 ただ、政府・与党は公的年金制度を「100年安心」とうたった経緯があり、保険料納付期間の延長には反発も予想されます。厚生年金の財源の一部を国民年金に回すことについても、会社員らから理解を得るのに時間がかかりそうです。

 厚労省幹部は、「納付期間延長の話は前回の2019年の財政検証の際にも選択肢としてはあった。年金制度を維持するためには現行からの変更は待ったなしだ」と語っています。

 2022年10月24日(月)

🟧東京都で新たに1735人が新型コロナ感染 前週月曜より147人増

 東京都が24日に確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は1735人でした。新規感染者は先週の月曜日の1588人から147人増えました。

 東京都の直近1週間の感染者の平均は3217人で、前の週と比べて103・9%となっています。

 新規感染者1735人のうち、596人は医療機関を受診せずに自主検査などで陽性と判明し、都の「陽性者登録センター」に登録した患者です。

 1240人が入院していて、そのうち重症者は14人です。

 重症者用の病床使用率は前日から0・3ポイント上がって7・9%、全体の病床使用率は1ポイント上がって22・1%でした。

 また、80歳代の男女3人の死亡が確認されました。

 一方、国内の新型コロナウイルス感染者は24日午前10時現在、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」乗船者を含めた累計で2201万8844人となりました。1週間の新規感染者は23万4001人で、前週(21万8847人=修正後)と比べ1万5154人増加しました。

 都道府県別の1週間の新規感染者は東京都が2万2370人で最多。北海道(2万1604人)、大阪府(1万6453人)、神奈川県(1万2748人)と続きました。

 死者は1週間で421人増え、累計で4万6334人となりました。 

 2022年10月24日(月)

🟧新型コロナ、全国で新たに1万6852人感染 前週より1400人増 

 厚生労働省は24日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに1万6852人確認されたと発表しました。前週の月曜日より約1400人多く、前週から増えたのは2日連続。

 また、国内で亡くなった人は東京都で6人、大阪府で5人、滋賀県で4人、北海道で3人、秋田県で3人、大分県で2人、愛知県で2人、群馬県で2人、三重県で1人、京都府で1人、佐賀県で1人、和歌山県で1人、山形県で1人、福井県で1人、福岡県で1人、高知県で1人の合わせて35人、累計で4万6309人となっています。

 都道府県別で新規感染者が最も多かったのは東京都の1735人。北海道1582人、神奈川県1123人、大阪府1034人、広島県940人、埼玉県725人、兵庫県620人と続きました。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、24日時点で115人となっています。重症者の数は23日と比べて変わりませんでした。

 一方、厚生労働省は24日、大阪府内で新たに1034人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これで大阪府内の感染者の累計は214万9474人となりました。

 また、5人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6577人となりました。重症者は19人です。

 2022年10月24日(月)

🟧新型コロナ、全国で新たに3万873人感染 前週より1209人増

 厚生労働省は23日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに3万873人確認されたと発表しました。前週の日曜日より1209人増えました。
 また、国内で亡くなった人は、愛知県で6人、大阪府で5人、東京都で4人、滋賀県で4人、神奈川県で4人、千葉県で3人、北海道で2人、埼玉県で2人、山形県で2人、広島県で2人、茨城県で2人、佐賀県で1人、兵庫県で1人、和歌山県で1人、宮城県で1人、山梨県で1人、群馬県で1人、青森県で1人、高知県で1人の合わせて44人、累計で4万6274人となっています
 都道府県別で新規感染者が最も多かったのは東京都の2805人。北海道2487人、大阪府2146人、神奈川県1807人、埼玉県1363人、兵庫県1348人、愛知県1346人と続きました。
 新型コロナウイルスへの感染が確認された人で人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)つけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、23日時点で115人となっています。重症者の数は22日と比べて8人増えました。
 10月20日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は、速報値で4万6393件でした。
 一方、厚生労働省は23日、大阪府内で新たに2146人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。
 これで大阪府内の感染者の累計は214万8440人となりました。
 また、5人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6572人となりました。
 重症者は19人です。

 2022年10月24日(月)

2022/10/23

🟧東京都で2805人が新型コロナに感染 40歳代女性含む6人死亡

 東京都は23日、新型コロナウイルスの感染者を新たに2805人確認したと発表しました。前週の同じ曜日(16日)より91人増え、5日ぶりに1週間前を上回りました。40歳代の女性1人と70歳代から90歳代の男女5人、計6人の死亡も発表しました。

 23日までの1週間の感染状況をみると、感染者数は1日当たり3195・7人で前週(3064・6人)の104・3%となりました。

 23日の新規感染者を年代別にみると、最多は30歳代の493人で、40歳代461人、20歳代407人、10歳代394人と続きました。65歳以上は273人。

 重症者用の病床使用率は前日から0・2ポイント上がって7・6%、全体の病床使用率は0・3ポイント上がって21・1%でした。

 「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日と同じ11人でした。

 2022年10月23日(日)

2022/10/20

🟧新型コロナ、全国で3万6110人感染 71人死亡、113人重症

 厚生労働省は20日、全国で新たに3万6110人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。また、全国で発表された死者は71人、累計で4万6085人となっています。

 新規感染者が都道府県別で最も多かったのは、東京都の3489人。北海道3362人、大阪府2483人、神奈川県1991人、埼玉県1605人、愛知県1571人と続きました。

 新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、20日時点で113人となっています。重症者の数は19日と比べて12人減りました。

 10月18日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は、速報値で5万9426件でした。

 一方、厚生労働省は20日、大阪府内で新たに2483人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 これで大阪府内の感染者の累計は214万1658人となりました。

 また、6人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6554人となりました。

 重症者は17人です。

 2022年10月20日(木)

🟧東京都で3489人のコロナ感染を確認 2日連続で1週間前を下回る

 東京都は20日、新型コロナウイルスの感染者を新たに3489人確認したと発表しました。前週の同じ曜日(13日)より849人減り、2日連続で1週間前を下回りました。30歳代から80歳代の男女6人の死亡も発表されました。

 20日までの1週間の感染状況をみると、感染者数は1日当たり3277・4人で前週(2838・1人)の115・5%となりました。

 20日の新規感染者を年代別にみると、最多は40歳代の676人、次いで30歳代の596人、20歳代の584人、50歳代の485人と続きました。65歳以上は330人でした。

 病床使用率は20・3%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日より2人減って9人でした。

 東京都内で新型コロナウイルスの新規感染者数の7日間平均が11週間ぶりに増加し、専門家はインフルエンザとの同時流行に備え、基本的な感染防止対策の徹底とそれぞれのワクチンの早期接種が必要だとしています。

 都は20日、都内の新型コロナの感染状況と医療提供体制について、専門家による分析結果を公表しました。

 それによりますと、新規感染者数の7日間平均は、19日時点で3396・7人で前週に比べて669人増え、11週間ぶりに増加しました。

 また、減少傾向が続いていた入院患者数は19日時点で1100人で、1週間前と比べて9人増えました。

 専門家は「ほぼ横ばい」だと分析し、感染状況と医療提供体制の4段階ある警戒レベルは、いずれも上から3番目を維持しました。

 2022年10月20日(木)

🟧基礎疾患なくコロナワクチンの接種歴ない10歳代女性が死亡 さいたま市

 さいたま市は20日、新型コロナウイルスに感染し、自宅で療養していた10歳代の女性が9月に死亡したと発表しました。

 女性は基礎疾患がなく、ワクチンの接種歴はなかったということです。

 さいたま市によりますと、死亡したのは市内で1人暮らしをしていた10歳代の女子学生で、9月13日に37度9分の発熱と全身のけん怠感があり医療機関を受診したところ、感染が確認されました。

 軽症と診断されたため自宅療養を行い、医療機関や県の支援センターが携帯電話や、健康状態などを自分で登録する「My HERーSYS」などを通じて、健康観察を行ったということです。

 その後、36度台に熱が下がり、血液中の酸素の値も正常で「体調が改善している」と話していましたが、9月17日には携帯電話のショートメッセージで医療機関に心臓の痛みを訴えました。

 この後、連絡がこなくなり、19日になって家族が救急車を要請したところ、自宅で死亡しているのが見付かりました。

 女性に基礎疾患はなく、ワクチンの接種歴はないということですが、さいたま市は遺族の意向で死因を公表しないとしています。

 19日に、翌日療養解除をすると通知されていたということで、さいたま市は「健康観察を担当した医師の対応が適切だったかどうかは評価が難しい。ご遺族の方々に心よりお悔やみを申し上げます」と話しています。

 2022年10月20日(木)

🟧コロナワクチン3回目以降の接種、5カ月の間隔を3カ月に短縮へ 厚労省部会

 厚生労働省の専門部会は19日、新型コロナウイルスワクチンの接種間隔を現在の5カ月以上から3カ月以上に縮めることを了承しました。21日にも適用します。オミクロン型の感染が主流の中、対応したワクチンを重症化リスクが高い高齢者らが前倒し接種できるようにして、冬のインフルエンザとの同時流行に備えますが、若者など幅広い層の接種拡大が課題となります。

 オミクロン型対応のワクチンは、アメリカのファイザー製とアメリカのモデルナ製が実用化されています。接種間隔はヨーロッパ連合(EU)やイギリスでは3カ月以上、アメリカは2カ月以上となっています。国内では5カ月以上の間隔を空ける必要があり、政府は海外の事例を参考に短縮する方針です。

 20日に開く別の専門家分科会後に、臨時接種の規則を変更し、早ければ21日から短縮した間隔で打てるようにします。

 オミクロン型対応ワクチンの接種は、2回接種済みの12歳以上を対象に9月20日に自治体の会場で始まりました。10月には自衛隊の大規模接種会場や一部企業の職場でも打てるようになりました。

 3カ月に縮まれば、従来ワクチンの4回目を9月に接種した人も年内に5回目を打てることになります。4回目の接種ピークは7~8月でした。8月に受けた高齢者は年をまたいだ1月まで打てず、年末年始に感染拡大すれば接種が間に合わない恐れがありました。

 2022年10月19日(水)

2022/10/19

🟧新型コロナ、国内で新たに4万3555人感染 死者68人、重症者125人

 厚生労働省によりますと、19日に発表した国内の新たな感染者は、空港の検疫などを含め4万3555人となっています。前週水曜日と比べて1916人減り、8日ぶりに前週の同じ曜日を下回っています。

 国内で亡くなった人は68人、累計で4万6014人となっています。

 都道府県別の新規感染者が最も多かったのは東京都の4204人で、北海道3912人、大阪府2876人、神奈川県2221人、愛知県1983人、埼玉県1916人と続きました。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、19日時点で125人となっています。重症者の数は18日と比べて9人増えました。

 10月17日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は、速報値で5万9098件でした。

 一方、厚生労働省は19日、大阪府内で新たに2876人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 これで大阪府内の感染者の累計は213万9175人となりました。

 また、7人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6548人となりました。

 重症者は17人です。

 2022年10月19日(水)

🟧東京都、4204人の新型コロナ感染確認 5日ぶりに前週の同曜日の人数を下回る

 東京都は19日、新型コロナウイルスの感染者を新たに4204人確認したと発表しました。前週の水曜日(12日)から586人減って、前週の同じ曜日の人数を下回るのは10月14日以来、5日ぶりです。60歳代から90歳代の男女4人の死亡も発表されました。

 19日までの1週間の感染状況をみると、感染者数は1日当たり3398・7人で前週(2729・9人)の124・5%となりました。

 19日の新規感染者を年代別にみると、最多は20歳代の724人、次いで40歳代の686人、30歳代の684人、50歳代の560人と続きました。重症化しやすいとされる65歳以上は409人でした。

 病床使用率は19・6%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日より2人増えて11人でした。

 2022年10月19日(水)

🟧新型コロナ、新たに4万2294人が感染 7日連続で前週上回る

 新型コロナウイルスの国内感染者は18日、新たに4万2294人が確認され、5日ぶりに4万人を超えました。新規感染者は前週の同じ曜日から約3万人増え、7日連続で1週間前の感染者数を上回りましたが、前週は3連休の影響で検査数が少なかったことが原因とみられます。新たな死者数は72人でした。

 新規感染者数を都道府県別にみると、最多の東京都は4213人で前週より2709人多く、7日続けて前週を上回りました。18日までの1週間の感染者数は1日当たり3482・4人で、前週(2626・6人)の132・6%となりました。2番目に多かったのは北海道の4008人、3番目は大阪府の3314人でした。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、18日時点で116人となっています。重症者の数は17日と比べて2人減りました。

 10月16日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は、速報値で1万7483件でした。

 一方、厚生労働省は18日、大阪府内で新たに3314人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 これで大阪府内の感染者の累計は213万6299人となりました。

 また、2人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6541人となりました。

 重症者は18人です。

 2022年10月18日(火)

🟧東京都、新たに4213人のコロナ感染確認 7日連続で前週上回る

 東京都は18日、新型コロナウイルスの感染者を新たに4213人確認したと発表しました。前週の同じ曜日(11日)より2709人多く、7日続けて前週を上回りました。50歳代から90歳代の男女5人の死亡も発表されました。

 18日までの1週間の感染状況をみると、感染者数は1日当たり3482・4人で前週(2626・6人)の132・6%となりました。

 18日の新規感染者を年代別にみると、最多は40歳代の698人、次いで30歳代の685人、20歳代の639人、10歳代の602人と続きました。65歳以上は358人でした。

 病床使用率は18・8%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日と同じ9人でした。

 2022年10月18日(火)

2022/10/18

🟧ワクチン接種後に死亡した72歳男性に一時金支給 コロナワクチンでの認定は4例目に

 厚生労働省の感染症・予防接種審査分科会は17日、新型コロナウイルスのワクチンの接種後に死亡した72歳の男性について、死亡一時金の請求を認めました。コロナワクチン接種後の死亡例の一時金支給は、計4人になりました。

 厚労省によりますと、72歳の男性は、新型コロナワクチンの接種後、「免疫性血小板減少症」が疑われる症状と「脳静脈洞血栓症」を起こし死亡しました。

 同分科会は男性について、「接種後の症状がワクチンによるものであることを否定できない」として、死亡一時金と葬祭料の支払いを認めました。

 接種したワクチンの種類や回数などは明らかにされていません。

 2022年10月18日(火)

🟧新型コロナ感染、全国で新たに1万5372人 6日連続で前週上回る

 厚生労働省は17日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに1万5372人確認されたと発表しました。1週間前の月曜日から約2300人増え、6日連続で前週の感染者数を上回りました。

 感染者の累計は2179万9344人、死者は61人増えて計4万5961人となりました。

 都道府県別の新規感染者が最も多かったのは東京都の1588人で、北海道1175人、神奈川県1022人、大阪府1001人、広島県947人と続きました。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、17日時点で118人となっています。重症者の数は16日と比べて3人減りました。

 10月13日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は、速報値で5万6067件でした。

 一方、厚生労働省は17日、大阪府内で新たに1001人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これで大阪府内の感染者の累計は、213万3010人となりました。

 また、1人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6539人となりました。重症者は18人です。

 2022年10月17日(月)

2022/10/17

🟧東京都で新たに1588人が新型コロナ感染 6日連続で前週を上回る

 東京都は17日、新型コロナウイルスの感染者を新たに1588人確認したと発表しました。前週の同じ曜日(10日)より216人多く、6日連続で前週を上回りました。70歳代から100歳以上の男女6人の死亡も発表されました。

 17日までの1週間の感染状況をみると、感染者数は1日当たり3095・4人で前週(3027・4人)の102・2%となりました。都によると、直近1週間の感染者の平均が前週を上回るのは8月21日以来。

 17日の新規感染者を年代別にみると、最多は30歳代の320人、次いで40歳代の296人、20歳代の264人、50歳代の256人と続きました。重症化リスクが高いとされる65歳以上は96人でした。

 病床使用率は18・6%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日と同じ9人でした。

 2022年10月17日(月)

🟧厚労省、コロナとインフル同時検査キット3800万回分確保 鼻の粘液使い15分で判定

 今冬の新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行に備え、厚生労働省は、2つの感染症を同時に調べられる抗原検査キットを約3800万回分確保したと公表しました。発熱外来などでの需要の増加を想定し、8月からメーカーに増産要請していました。

 新型コロナやインフルエンザを症状だけで見分けるのは難しいのに対して、同時検査キットは鼻の粘液を使って約15分で、双方について感染の有無を判定できます。

 昨年から保険適用されており、医療機関ではすでに使用可能です。同時流行した時に、それぞれの検査キットで調べていると手間と時間がかかり、発熱外来の窮迫に拍車をかける恐れがあるため、厚労省は同時検査キットの必要性が高いと判断しました。

 ただ、新型コロナ単独の抗原検査キットは現在、薬局やインターネットで購入して自宅で使用できるのに対して、同時検査キットは医療機関での使用に限られています。

 政府が13日に発表した同時流行対策では、中学生から64歳の重症化リスクの低い人には、発熱しても基本的に自己検査するよう求めているため、同時検査キットの薬局・ネット販売を求める声も聞かれます。政府の規制改革推進会議も薬局・ネット販売を検討するよう求めています。

 これに対し、厚労省は、一般市民が検査キットを正しく使えない可能性があり、生産量が限られる中で市販すると医療機関への供給が滞る恐れがあるなどの理由から、慎重な姿勢を示しています。

 2022年10月16日(日)

2022/10/16

🟧東京都の新たな新型コロナ感染者2714人 前週の日曜より472人増加

 東京都が16日に確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は2714人でした。1週間前の日曜日(9日)から472人増加しています。

 東京都の直近1週間の感染者の平均は3065人で、前の週と比べて99・8%となっています。

 新規感染者2714人のうち469人は医療機関を受診せずに自主検査などで陽性と判明し、都の「陽性者登録センター」に登録した患者です。

 1040人が入院していて、そのうち人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使っている重症者は9人です。

 重症者用の病床使用率は15日と同じ6・2%、全体の病床使用率は0・3ポイント上がって18・5%でした。

 また、60歳代と80歳代の男性5人の死亡が確認されました。

 2022年10月16日(日)

🟧全国で新たに2万9662人が新型コロナ感染 5日連続で前週を上回る

 厚生労働省は16日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに2万9662人確認されたと発表しました。前週の日曜日(9日)より6802人多く、5日連続で1週間前の感染者数を上回りました。死者は15人でした。

 16日の新規感染者が都道府県別で最も多かったのは東京都の2714人で、大阪府2319人、北海道2089人、神奈川県1690人、愛知県1308人、埼玉県1291人と続きました。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、16日時点で121人となっています。重症者の数は15日と比べて3人増えました。

 10月13日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は、速報値で5万6067件でした。

 一方、厚生労働省は16日、大阪府内で新たに2319人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これで大阪府内の感染者の累計は213万2009人となりました。

 また、4人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6538人となりました。重症者は18人です。

 2022年10月16日(日)

🟧ウガンダでエボラ出血熱が拡大 発生地域への出入り禁止し、夜間外出禁止令も

 アフリカ東部ウガンダのヨウェリ・ムセベニ大統領は15日、国内でエボラ出血熱の感染が拡大しているとして、発生地域となった中部2県への出入りを禁止した上で、この域内で夜間外出禁止令を発令しました。規制は即日実施し、21日間続けるとしています。

 発表によると、対象とするのはエボラ出血熱の発生が最初に確認されたムベンデ県と、隣接するカサンダ県。ムセベニ大統領は、2県へ人々が出入りしていることで感染が拡散しているとして、規制の必要性を訴えました。また、それぞれの県内での移動は認める一方、規制中は公共交通機関やバイクタクシーなどの利用を禁止し、バーや娯楽施設、ジムやサウナの閉鎖も決めました。

 これまでに58件の感染例と19人の死亡が確認されたとしています。一方、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は10月5日時点で、疑い例を含めて63件が確認されており、医療従事者4人を含む29人が死亡したと説明していました。

 ウガンダで広がっているエボラウイルスは「スーダン型」と呼ばれる種類で、有効なワクチンが確立されていません。

 ウガンダ保健省によると、最初の感染例は、ムベンデ県の村に暮らす24歳の男性でした。男性は高熱、けいれん、吐血、下痢などの症状があり、9月15日に地域の病院へ運び込まれました。その後も病状は悪化して19日に死亡し、エボラ出血熱への感染が確認された。

 保健省は20日、エボラ出血熱の発生を宣言し、国民に対し、高熱や下痢などの症状が出ている人との接触を避けるよう求め、手洗いを推奨しています。現在は感染者や接触した人々を特定し、隔離することで感染拡大を食い止めているといいます。

 2022年10月16日(日)

2022/10/15

🟧働く女性の自殺、5年間で3割増 非正規多くコロナ禍で収入減に苦しむ

 2021年に自殺した人のうち、働く女性は1696人に上り、コロナ禍以前の5年間(2015~2019年)の平均より3割増えたことが、14日に公表された政府の自殺対策白書で明らかになりました。コロナ禍が始まった2020年(1706人)から微減したものの、厚生労働省は、非正規労働者が多い女性が依然として失業の不安や収入減に苦しんでいるとみています。

 2021年の自殺者は前年比0・4%減の2万1007人。男性(1万3939人)は12年連続で減った一方、女性(7068人)は2年連続の増加となりました。

 職を持つ女性の自殺者は、コロナ禍前の過去5年平均(1320人)比で28%増えていたことが判明しました。年代別では20歳代が64%増、50歳代で28%増えていました。

 2021年の国の労働力調査によると、役員を除く働き手のうち、パートやアルバイトなどの非正規労働者は男性が22%だったのに対し、女性は54%と過半数を占めました。コロナ禍に伴う経済情勢悪化の影響をより強く受けているとみられます。

 今回の自殺対策白書では、職業のほか、配偶者や子供などの同居人の有無に着目。男性は同居人の存在によって傾向が分かれ、同居人がいる男性の自殺者は8399人で過去5年平均から12%減少した一方で、一人暮らしの人は5068人とほぼ変わらず、中でも20歳代と70歳以上の高齢者は1割以上増えていました。

 自殺対策白書は、「独居の場合、異変に気付いてもらう存在がおらず、コロナ禍の行動制限の中、一人で悩みを深めてしまった可能性もある」と指摘しています。

 政府は悩みを抱える人に向け、「こころの健康相談統一ダイヤル」(0570・064・556)を利用するよう呼び掛けています。

 2022年10月15日(土)

🟧東京都、新たに3239人の新型コロナ感染を確認 4日連続で前週から増加

 東京都は15日、新型コロナウイルスの感染者を新たに3239人確認したと発表しました。前週の同じ曜日(8日)より634人多く、4日続けて前週より増えました。70歳代から90歳代の男性4人の死亡も発表されました。

 15日までの1週間の感染状況をみると、感染者数は1日当たり2997・1人で前週(3167・6人)の94・6%でした。

 新規感染者3239人のうち554人は医療機関を受診せずに自主検査などで陽性と判明し、都の「陽性者登録センター」に登録した患者です。

 新規感染者3239人を年代別でみると、最多は40歳代の578人で、20歳代の538人、30歳代の474人、50歳代の468人と続きました。重症化しやすいとされる65歳以上は350人でした。

 1026人が入院していて、そのうち「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日と同じ9人でした。

 重症者用の病床使用率は0・2ポイント下がって6・2%、全体の病床使用率は0・2ポイント下がって18・2%でした。

 2022年10月15日(土)

🟧新型コロナ、全国で新たに3万6605人感染 3日連続の前週比増

 新型コロナウイルスの国内感染者は14日、新たに3万6605人が確認されました。前週の同じ曜日(7日)よりも約6700人多く、前週から増えたのは3日連続。

 また、国内で亡くなった人は63人、累計で4万5756人となっています。

 都道府県別で最も多かったのは東京都の3495人で、前週の同じ曜日より479人多くなりました。北海道2945人、大阪府2644人、神奈川県2058人、埼玉県1759人、愛知県1437人と続きました。

 新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、14日時点で131人となっています。重症者の数は、13日と比べて12人減りました。

 10月12日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は速報値で5万9503件でした。

 一方、厚生労働省は14日、大阪府内で新たに2644人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これで、大阪府内の感染者の累計は212万7016人となりました。

 また、3人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6527人となりました。

 重症者は15人です。

 2022年10月14日(金)

2022/10/14

🟧東京都、新たに3495人の新型コロナ感染を確認 3日続けて前週より増加

 東京都は14日、新型コロナウイルスの感染者を新たに3495人確認したと発表しました。前週の同じ曜日(7日)より479人多くなり、3日続けて前週より増えました。70~90歳代の男女4人の死亡も発表されました。

 14日までの1週間の感染状況をみると、感染者は1日当たり2906・6人で、前週(3343・1人)の86・9%でした。

 新規感染者数を年代別でみると、最多は20歳代の658人で、30歳代の626人、40歳代の618人、10歳代の455人と続きました。重症化しやすいとされる65歳以上は313人でした。

 病床使用率は18・4%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日より1人減って9人でした。

 2022年10月14日(金)

🟧抗インフルエンザ薬「アビガン」、コロナ治療薬としての開発中止 有意な結果は得られず

 富士フイルム富山化学は14日、抗インフルエンザ薬「アビガン(一般名:ファビピラビル)」の新型コロナウイルス感染症治療薬としての開発を中止すると発表しました。異例続きだったアビガンの一連の動きに、終止符が打たれます。

 同社は2020年10月に厚生労働省に対して、新型コロナ治療薬としての製造販売の承認申請を出していましたが、取り下げます。2021年に始めた臨床試験(治験)の解析でも有意な結果が得られなかったため。北アメリカやクウェートの海外治験でも、有効性は証明できなかったといいます。

 アビガンは2014年、従来の薬が効かない新型インフルエンザ向けに承認されました。細胞に入ったウイルスの増殖を抑えるものの、動物実験で胎児に奇形が出る恐れがあるとわかっていて、妊娠中の女性らには使えません。

 有効性などを示すデータが出ていない2020年5月、当時の安倍晋三首相が月内の承認を目指すと表明。直後に厚労省は「治験データは後でも可」として、早期承認が可能となる特例を設けました。

 治験とは別の特定臨床研究で承認に至る可能性があったものの、新型コロナ感染者が減って被験者が集まらず、結果的に2020年10月、治験データをもとに富士フイルム富山化学が承認申請を出しました。

 しかし、新型コロナ感染症患者に対する重症化抑制効果の確認を目的に始めた治験は、ワクチン接種率の向上や重症化率が低いオミクロン型流行などの環境変化を踏まえ、今年3月に被験者の組み入れを終了していました。それまでの被験者のデータ解析でも有意な結果は得られていませんでした。

 2022年10月14日(金)

🟧ファイザー、5~11歳用「BA・5」対応ワクチンを厚労省に承認申請

 新型コロナウイルスのオミクロン型のうち、感染の主流となっている「BA・5」に対応する成分が含まれる子供用のワクチンについて、アメリカの製薬大手ファイザーは厚生労働省に承認を求める申請を行いました。接種対象は5歳から11歳で、この年代が対象のオミクロン型対応ワクチンの承認申請は国内では初めてです。

 ファイザーの発表によりますと、13日に承認申請したのは、オミクロン型の「BA・4」と「BA・5」に対応する成分と、従来のウイルスに対応する成分が含まれる5歳から11歳の子供向けのワクチンです。

 このワクチンは、遺伝物質の「メッセンジャーRNA(mRNA)」が2種類含まれる「2価ワクチン」というタイプで、ウイルスの表面にある「スパイクタンパク質」を体の中で作り出すことで、それぞれのウイルスに対応した免疫の反応を引き起こします。

 オミクロン型の「BA・5」対応のワクチンは、12歳以上を対象に接種が始まっていますが、国内では5歳から11歳を対象にした承認申請は初めてです。

 アメリカでは、このワクチンについて疾病対策センター(CDC)が10月12日、追加接種の対象年齢を5歳以上に引き下げると発表し、12歳以上向けの3分の1の量の成分を含むワクチンの追加接種が進められています。

 2022年10月14日(金)

🟧新型コロナ「BA・5」対応ワクチン追加接種対象を5歳以上に拡大 アメリカCDC

 アメリカの疾病対策センター(CDC)は12日、新型コロナウイルスのオミクロン型のうち、現在、感染の主流になっている「BA・5」に対応するワクチンについて、追加接種(ブースター接種)の対象年齢を5歳以上に引き下げると発表しました。

 新型コロナウイルスのワクチンを巡っては、アメリカではオミクロン型の「BA・4」と「BA・5」に対応する成分と、従来のウイルスに対応する成分を含んだ「2価ワクチン」と呼ばれるワクチンについて、9月から、12歳以上を対象にした追加接種が始まっています。

 こうした中、CDCは12日、ワクチンの対象年齢を引き下げると発表しました。ファイザーなどが開発した2価ワクチンは5歳以上、モデルナが開発した2価ワクチンは6歳以上が対象になります。

 アメリカでは現在、オミクロン型の「BA・5」が感染の主流になっていて、10月8日までの1週間に報告された感染者のうち約8割が「BA・5」に感染したと推定されています。

 CDCはより幅広い年齢層での追加接種を進めることで、この冬の感染拡大を防ぎたい考えです。

 2022年10月14日(金)

🟧全国で新たに4万5660人が新型コロナ感染 46都道府県で前週上回る

 新型コロナウイルスの国内感染者は13日午後7時半現在、新たに4万5660人が確認されました。前週の同じ曜日(6日)よりも1万1822人多く、前週から増加したのは2日連続。高知県以外の46都道府県で前週の感染者数を上回っています。死者は70人でした。

 都道府県別で最も感染者が多かったのは東京都の4338人で、前週の同じ曜日より758人増えました。北海道3574人、大阪府3313人、神奈川県2453人、愛知県2112人、埼玉県2008と続きました。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、13日時点で143人となっています。重症者の数は12日と比べて8人増えました。

 10月11日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は速報値で5万9573件でした。

 一方、厚生労働省は13日、大阪府内で新たに3313人の新型コロナウイルスへの感染を確認したと発表しました。これで大阪府内の感染者の累計は212万4372人となりました。

 また、6人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6524人となりました。重症者は17人です。

 2022年10月14日(金)

🟧新型コロナ、東京都で4338人の新規感染を確認 感染状況の警戒レベル1段階引き下げ

 東京都は13日、新型コロナウイルスの感染者を新たに4338人確認したと発表しました。前週の同じ曜日(6日)より758人増え、2日連続で1週間前を上回りました。また、80歳代の男女5人の死亡も発表されました。

 13日までの1週間の感染状況をみると、感染者は1日当たり2838・1人で、前週(3563・4人)の79・6%でした。これにより都は13日、感染状況の警戒レベルを1段階引き下げ、下から2番目の「改善傾向にあるが注意が必要」としました。 

 新規感染者数を年代別でみると、最多は20歳代の789人で、30歳代の773人、40歳代の748人、50歳代の571人と続きました。65歳以上は315人でした。

 病床使用率は18・8%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日より3人減って10人でした。

 2022年10月13日(木)

2022/10/13

🟧空気清浄技術「プラズマクラスター」でオミクロン型の感染力減少 シャープとコロンビア大が検証

 シャープは13日、独自の空気清浄技術「プラズマクラスター」について、空気中に浮遊する新型コロナウイルスのオミクロン型「BA・1」を減少させる効果を確認したと発表しました。アメリカのコロンビア大学の辻守哉教授らが検証しました。

 あくまで実験環境での結果ですが、プラズマクラスターイオンの濃度などは市販品と同等の数値で検証しており、辻教授は「思った以上の効果があって驚いた。さらなる検証は必要だが、期待が持てる結果だ」と話しています。

 シャープによると、プラズマクラスターは、装置から放出されたイオンが菌やウイルスに付着した際に酸化力が強い「OHラジカル」に変化することで、感染力などを抑える仕組み。今回の検証では、102リットルの容積のボックスにオミクロン型の高濃度濃縮液を噴霧した後、プラズマクラスターイオンを含む風を送り、ウイルスの感染価の変化を調べました。

 検証の結果、風を15分間送り込むことで、オミクロン型の感染価が99・3%減少することが確認されました。検証時のイオン濃度は、プラズマクラスターを搭載した同社の空気清浄機の中級機を室内で使用した場合と同程度だったといいます。

 また、コロンビア大学の森宗昌准教授によって、プラズマクラスター技術がぜんそく症状の緩和につながる可能性があることも確認されました。

 シャープの担当者は、「今回は濃度や送風などを実空間での使用時に近い状況で検証できた。感染対策への貢献に向けた大きな一歩になった」と述べました。

 2022年10月13日(木)

🟧全国で4万6392人が新型コロナに感染 前週から5463人増

 新型コロナウイルスの国内感染者は12日午後7時半現在、新たに4万6392人が確認されました。前週の同じ曜日(5日)よりも5463人増えました。

 都道府県別で最も感染者が多かったのは東京都の4790人。前週の同じ曜日より723人多く、前週を上回るのは9月27日以来でした。このほか、北海道が4023人、大阪府が3436人、愛知県が2686人、埼玉県が2375人、神奈川県が2355人でした。過去に公表された感染者について、福井県や愛媛県などで追加がありました

 死者は埼玉県、大阪府、兵庫県、福岡県でそれぞれ6人など計77人でした。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、12日時点で135人となっています。重症者の数は、11日と比べて3人減りました。

 10月10日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は、速報値で1万5751件でした。

 一方、厚生労働省は12日、大阪府内で、新たに3436人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これで、大阪府内の感染者の累計は212万1059人となりました。

 また、3人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6518人となりました。重症者は20人です。

 2022年10月13日(木)

🟧東京都で新たに4790人が新型コロナ感染 15日ぶりに1週間前を上回る

 東京都は12日、新型コロナウイルスの感染者を新たに4790人確認したと発表しました。前週の同じ曜日(5日)より723人増え、9月27日以来、15日ぶりに前週の同じ曜日を上回りました。70~90歳代の男女5人の死亡も発表されました。

 12日までの1週間の感染状況をみると、感染者は1日当たり2729・9人で、前週(3770・9人)の72・4%でした。

 新規感染者数を年代別でみると、最多は40歳代の838人で、20歳代の769人、30歳代の766人、50歳代の646人と続きました。重症化しやすいとされる65歳以上は409人でした。

 病床使用率は19・4%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日より1人増えて13人でした。

 2022年10月12日(水)

2022/10/12

🟧発熱外来の受診、高齢者や小学生以下などに限定 インフルとコロナ同時流行に備え政府呼び掛け

 今冬の季節性インフルエンザと新型コロナウイルスの「第8波」との同時流行を想定し、政府は12日、発熱外来が窮迫しないよう、高齢者や小学生以下の子供などに限定して受診を呼び掛ける方針を固めました。中学生から64歳の健康な人にはコロナの抗原検査キットで自主検査するよう促し、陽性なら自宅療養してもらいます。

 コロナが陰性でも、インフルエンザやほかの病気を疑って医師の診療を希望する場合は、発熱外来ではない一般医療機関をオンラインや電話で受診し、抗ウイルス薬「タミフル」の処方を受けて自宅に配送する現状の仕組みを活用してもらうこともできます。

 政府は一般医療機関に、対面診療も含めてコロナ陰性の患者をできるだけ診るよう協力を求める方針です。

 コロナ禍の2年半、インフルエンザは流行規模が小さく、例年12~3月に流行し、推計患者数は1000万人前後に上るのに対し、2020~2021年は1万4000人、2021~2022年は3000人にとどまりました。国際的な移動制限の影響が大きかったとみられます。

 だが、政府は、今冬にインフルとコロナが同時流行する可能性は十分にあるとみています。

 2022年10月12日(水)

🟧今年前半の国内「超過死亡」、最大4万6000人 新型コロナ流行以降で最多に

 死者数が例年の水準に基づく予測値に比べてどれだけ上回っているかを示す「超過死亡」が、今年1~6月に1万7000~4万6000人に上り、新型コロナウイルス流行以降で最多となったとの推計を国立感染症研究所などが8日までにまとめました。厚生労働省の人口動態統計(速報値)では、この間の総死者数は77万7000人で、新型コロナに感染して死亡したのは1万2800人超でした。

 増加の要因として、新型コロナウイルス感染症による直接死のほか、医療ひっ迫の影響で医療機関にアクセスできず新型コロナ以外の疾患で亡くなったケース、外出抑制など生活習慣の変化に伴い持病が悪化したケース、経済的な困窮によって自殺したケースなど間接的な影響も考えられると専門家は見なしています。

 分析した感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長は、「社会的要因を含めて広い意味で新型コロナの流行拡大の影響といえる」としています。

 2022年10月12日(水)

🟧現行の健康保険証、2024年秋に廃止へ マイナンバーカードと一体化で調整

 政府は、現在使われている健康保険証を2024年の秋ごろをめどに原則として廃止し、マイナンバーカードと一体化した形に切り替える方向で調整を進めることになりました。

 マイナンバーカードを巡って、政府は来年3月末までにほぼすべての国民に行き渡ることを目標としており、10日時点の申請枚数は7064万枚余りと全国民の56%となっています。

 こうした中、政府は、現行の健康保険証を再来年・2024年の秋ごろをめどに原則として廃止し、マイナンバーカードと一体化した形に切り替える方向で調整を進めることになりました。

 政府は今年から、マイナンバーカードを健康保険証として登録した場合などにポイントを付与する事業を行っていて、健康保険証を廃止する時期を示すことで、カードの普及を一層進めたいという狙いがあるものとみられます。

 今後は、健康保険証を廃止する時期がきてもマイナンバーカードを取得しない人への対応や、カードと一体化した保険証を利用できる医療機関をどのように増やしていくのかなどが課題となります。

 2022年10月12日(水)

🟧塩野義製薬、新型コロナワクチン年内申請へ 3カ月先送り

 塩野義製薬は11日、開発中の新型コロナウイルス感染症のワクチンについて、年内に厚生労働省に製造販売承認を申請する方針を明らかにしました。これまで9月末の申請に向けて開発を進めてきたものの、予定を3カ月先送りして年内の申請を目指します。

 承認された場合の製造の準備に加え、臨床試験(治験)で使用したアストラゼネカ製ワクチンを巡り、情報開示の手続きに時間がかかっているといいます。

 タンパク質の断片「ペプチド」を使う新型コロナ治療薬候補については、開発を中止すると明かしました。オミクロン型の派生型「BA・2」に対して効果が十分に確認できず、治験に入る前の段階で開発を断念しました。

 また、塩野義製薬は11日、開発中の新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」について、発症を予防する効果を調べる臨床試験(治験)を12月から始めると明らかにしました。コロナ患者の同居家族に服用してもらい、発症するかどうかを調べます。日本やアメリカなどの2040人が対象で、2023年9月までに症例を集めたい考えです。

 さらに、11月には6~12歳未満の子供向けに「ゾコーバ」の治験を始める予定です。

 2022年10月12日(水)

🟧「屋外ではマスク着用は原則不要」ルールの周知徹底へ 加藤厚生労働相

 新型コロナウイルス対策でのマスク着用について、加藤勝信厚生労働相は11日の閣議後会見で「まずは今の考え方の周知を徹底していく」と述べ、屋外で距離が確保できればマスク着用の必要はない、などとする従来の政府ルールを続ける考えを強調しました。近いうちに新しい着用基準を示すことに否定的な考えを示した形です。

 マスク着用を巡っては、岸田文雄首相が6日の参院本会議の代表質問で「引き続き、屋外では原則不要。科学的な知見に基づき、世界と歩調を合わせた取り組みを進めていく」と答弁。木原誠二官房副長官は7日の記者会見で、「マスク着用のルールを含めた感染対策の在り方について、屋外屋内問わず、全体を整理する」と述べました。

 加藤厚労相は木原副長官の発言について、「新たな(ルールを示す)という言い方はされていないと思う」と言及。マスク着用については「いろいろな状況、海外の動向を踏まえながら、不断の見直しを図っていきたい」「今のマスク着用の考え方が、必ずしも政府が発信している話と、国民の皆さんとは、十分に共有できているとは言い難い状況。まずは周知徹底を図っていきたい」と述べた。

 新型コロナの感染対策としてのマスクの着用について、政府は、屋外では原則不要、屋内でも2メートルを目安に周りとの距離がとれ、会話をほとんど行わない場合には必要ないなどとするルールを示しています。

 2022年10月12日(水)

🟧全国の新型コロナ新規感染者は1万3055人 前週から2万7501人減少

 新型コロナウイルスの国内感染者は11日午後7時半現在、新たに1万3055人が確認されました。前週の同じ曜日(4日)と比べて2万7501人少なく、感染者は1週間で約3分の1になりました。死者は63人でした。

 新規感染者数を都道府県別にみると、最多の東京都は1504人で、前週より2806人少なくなりました。このほか、大阪府が976人、北海道が961人、神奈川県が941人、埼玉県が581人、千葉県が533人、愛知県が531人でした。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、11日時点で138人となっています。重症者の数は、10日と比べて4人増えました。

 10月6日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は、速報値で4万3607件でした。

 一方、厚生労働省は11日、大阪府内で新たに976人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これで大阪府内の感染者の累計は211万7623人となりました。

 また、4人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6515人となりました。重症者は20人です。

 2022年10月12日(水)

🟧東京都で新たに1504人が新型コロナ感染 14日連続で1週間前を下回る

 東京都は11日、新型コロナウイルスの感染者を新たに1504人確認したと発表しました。前週の同じ曜日(4日)より2806人減り、14日連続で1週間前を下回りました。60歳代から100歳以上の男女6人の死亡も発表されました。

 11日までの1週間の感染状況をみると、感染者は1日当たり2626・6人で、前週(3950・9人)の66・5%でした。

 新規感染者数を年代別でみると、最多は30歳代の283人で、20歳代の267人、40歳代の265人、50歳代の247人と続きました。65歳以上は55人でした。

 病床使用率は20・4%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日より4人増えて12人でした。

 2022年10月11日(火)

2022/10/11

🟧中国、感染者ゼロでも都市封鎖 党大会会場の北京市から700キロ離れた山西省永済市

 中国共産党機関紙「人民日報」は11日、 習近平(シージンピン)政権が進める「ゼロコロナ政策」継続を訴える記事を掲載しました。16日開幕の第20回共産党大会終了後も、徹底した新型コロナウイルス対策が続くとの見方が広がっています。

 中国本土の市中感染者は10月以降、増加が続き、10日は2089人に上りました。「人民日報」はゼロコロナ政策を「持続し、必ず堅持すると深く認識しなければならない」と指摘。ゼロコロナ政策の継続で新型コロナの死亡率は極めて低く抑えられるとし、「我々の防疫対策は最も経済的、最も効果的だ」と主張しました。

 各地では党大会を前に厳戒態勢が敷かれ、過敏ともいえる対応もみられます。党大会会場の北京市から700キロ以上離れた山西省永済市では、一人も感染者が出ていないのに7日から10日にかけて事実上のロックダウン(都市封鎖)に踏み切りました。永済市は7日夕、市外への道路を封鎖し、市内の車両通行も制限、10日午前0時までの原則外出禁止を発表しました。

 上海市や江蘇省蘇州市も9日までに、大規模なPCR検査を始めました。

 交流サイト(SNS)では過剰だとの批判や、党大会のためだとする指摘が相次ぎました。中国は7日まで国慶節(建国記念日)の大型連休だったため、人の移動で感染が増えた地域があります。

 2022年10月11日(火)

2022/10/10

🟧東京都で新たに1372人が新型コロナ感染 前週より301人減

 東京都は10日、新型コロナウイルスの感染者を新たに1372人確認したと発表しました。前週の同じ曜日(3日)から301人減少し、13日連続で前の週の同じ曜日を下回りました。ました。80歳代から100歳以上の男女4人の死亡も発表されました。

 10日までの1週間の感染状況をみると、感染者は1日当たり3027・4人で、前週(4084・7人)の74・1%でした。

 新規感染者1372人のうち、419人は医療機関を受診せずに自主検査などで陽性と判明し、都の「陽性者登録センター」に登録した患者。

 新規感染者1372人を年代別でみると、最多は40歳代の267人で、20歳代が244人、30歳代が219人、50歳代が183人、10歳代が172人と続きました。重症化しやすいとされる65歳以上は99人でした。

 病床使用率は21・7%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日と変わらず8人でした。

 2022年10月10日(月) 

🟧全国で新たに1万3038人が新型コロナ感染 死亡50人、重症134人

 厚生労働省によりますと、10日発表した全国の新たな感染者は空港の検疫などを含め1万3038人となっています。1週間前の月曜日から2129人減りました。また、全国で亡くなった人は50人、累計で4万5511人となっています。

 都道府県別で感染者が最も多かったのは、東京都の1372人。次いで北海道の923人、神奈川県の832人、大阪府の755人、広島県の693人、埼玉県の660人でした。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、10日時点で134人となっています。重症者の数は、9日と比べて3人減りました。

 一方、厚生労働省は10日、大阪府内で新たに755人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これで、大阪府内の感染者の累計は211万6647人となりました。

 また、7人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6511人となりました。重症者は20人です。

 2022年10月10日(月)

🟧新型コロナ国内感染、週20万8572人 前週比7万1465人減少

 国内の新型コロナウイルス感染者は10日午前10時現在、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」乗船者を含めた累計で2156万6002人となりました。1週間の新規感染者は20万8572人で、前週(28万37人)と比べ7万1465人減少しました。

 都道府県別の1週間の新規感染者は、東京都が2万1493人で最多。大阪府(1万5077人)、神奈川県(1万3910人)、北海道(1万3382人)と続きました。

 死者は1週間で504人増え、累計で4万5557人となりました。

 2022年10月10日(月)

2022/10/09

🟧ファイザー製ワクチン、4回目接種後に4人に1人が発熱 モデルナ製は39%が発熱

 アメリカのファイザー製の新型コロナウイルスワクチンによる4回目接種後、37・5度以上の発熱が4人に1人の割合でみられたとの中間報告を、順天堂大などの研究チームがまとめました。主な副反応の頻度は3回目接種後より低い傾向にあるといいます。

 7日に開かれた厚生労働省の専門家部会で報告されました。4回目接種を受けた医療従事者ら1490人のうち、接種から1週間以内に37・5度以上の発熱があった人の割合は26%、38度以上は14%でした。3回目接種後の中間報告では37・5度以上が40%、38度以上が21%で、4回目接種のほうが低い傾向にありました。

 研究チームは、アメリカのモデルナ製での4回目接種後も調査しており、690人のうち37・5度以上の発熱があったのは39%、38度以上は22%でした。いずれも、ファイザー製と同様、3回目接種後の中間報告より低い傾向がみられました。

 2022年10月9日(日)

🟧新型コロナで入院の子供、7割基礎疾患なし 医学会の調査で健康でも重症化と判明

 新型コロナウイルスに感染して3月以降に入院した20歳未満の220人を分析したところ、およそ7割は基礎疾患がなかったことが8日、日本集中治療医学会の全国調査で明らかになりました。オミクロン型の流行が続く中、健康な子供でも一定の割合で重症化することが裏付けられた形です。

 日本集中治療医学会は、子供の入院病床がある全国の医療機関を対象に、オミクロン型が感染の主流となっていた今年3月10日~8月15日に酸素投与や人工呼吸器装着が必要な中等症以上で入院した20歳未満の220人の症状や基礎疾患の有無を分析しました。この期間は感染の「第6波」以降に該当します。

 この結果、150人(68・2%)は基礎疾患がありませんでした。内訳は1歳以上の未就学児69人、小学生50人、乳児(生後28日以上の0歳児)22人、中学生5人、新生児(生後28日未満)4人。症状では、特徴的なせきが出る「クループ症候群」、発熱による熱性けいれん、意識障害を起こす急性脳症などが目立つといいます。

 一方、国立感染症研究所によると、1~8月に新型コロナに感染して亡くなったと報告された20歳未満の29人のうち、15人には基礎疾患がありませんでした。医療機関到着時の症状は、発熱や意識障害が多くみられました。

 日本集中治療医学会の調査を取りまとめた兵庫県立こども病院の黒沢寛史医師は、「感染者数自体が急増し、子供でも中等症や重症となる例が増加傾向にあるが、健康でも重症化する恐れがあることが改めて分かった」と分析。「3密回避やマスク着用などの感染対策を続け、社会全体で子供を感染から守ってほしい」と訴えています。

 子供用ワクチンを巡っては、厚生労働省が5日に生後6カ月~4歳向けのアメリカのファイザー社製を特例承認しており、24日以降に接種が始まる見通し。黒沢医師は「保護者は発症予防効果というメリットと副反応のバランスから接種の可否を判断してほしい」と話しています。

 2022年10月9日(日)

🟧全国で新たに2万2796人が新型コロナ感染 前週から6000人以上減少

 厚生労働省は9日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに2万2796人確認されたと発表しました。1週間前の日曜日から6000人以上減少しました。

 都道府県別で感染者が最も多かったのは、東京都の2242人。次いで大阪府の1515人、神奈川県の1424人、北海道の1407人、埼玉県の1055人、愛知県の1024人でした。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、9日時点で137人となっています。重症者の数は8日と比べて16人減りました。

 10月6日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は、速報値で4万3607件でした。

 一方、厚生労働省は9日、大阪府内で新たに1515人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これで大阪府内の感染者の累計は、211万5892人となりました。

 また、8人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6504人となりました。重症者は20人です。

 2022年10月9日(日)

🟧新型コロナ、東京都で新たに2242人が感染 12日連続で1週間前を下回る

 東京都は9日、新型コロナウイルスの感染者を新たに2242人確認したと発表しました。前週の同じ曜日(2日)より680人減り、12日連続で1週間前を下回りました。60~90歳代の男女4人の死亡も発表されました。

 9日までの1週間の感染状況をみると、感染者は1日当たり3070・4人で、前週(4748・0人)の64・7%でした。

 新規感染者を年代別でみると、最多は40歳代の384人で、20歳代が378人、30歳代が368人、10歳代が336人、50歳代が303人と続きました。65歳以上は180人でした。

 病床使用率は22・3%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、8人でした。

 2022年10月9日(日)

2022/10/08

🟧保管期限最大133日切れの新型コロナワクチンを145人に誤接種 大阪府岸和田市

 大阪府岸和田市は7日、市内の医療機関で、保管期限が最大で133日切れた新型コロナウイルスワクチンを145人に誤って接種したと発表しました。健康被害の報告はないといいます。

 市健康推進課によると、誤接種したのはいずれもアメリカのファイザー社製のワクチンで、冷蔵時の保管期限が切れていました。保管期限などを記載するシートへの記入が漏れていたことが原因といいます。ワクチン接種を記録するシステムで、市が別のデータ入力の誤りに気付き、確認作業をした際に見付かりました。

 市は市内の医療機関にワクチンを適切に管理するよう、注意喚起した。

 2022年10月8日(土)

🟧新型コロナ後遺症、重症化患者の半数が1年余り認知機能の不調続く 日本集中治療医学会が調査

 新型コロナウイルスで重症化した患者の後遺症について日本集中治療医学会が調査した結果、1年余りたった後も半数ほどの人で記憶など認知機能の不調が続いているとみられることがわかりました。ほかの病気で重症化した場合より割合が高く、早期にリハビリを行うことが重要だと指摘しています。

 日本集中治療医学会は新型コロナに感染し、一昨年の年末までに各地の合わせて32の病院で人工呼吸器による治療を受けた患者や家族を対象にアンケート調査を行い、209人から回答を得ました。

 調査結果を分析した結果、集中治療室を出てから1年1カ月余りの時点で記憶や日常の動作などに不調が続いているとみられるのは、60・8%に上りました。

 全体のうち、物忘れなど認知機能の不調が53・1%と半数余り、うつ状態など精神的な不調が28・7%、日常の動作の際に息切れがするなどの不調が18・7%で、複数の不調が重なる人もいました。

 海外の研究では、コロナ以外で集中治療室での治療を受けた人で1年後に認知機能の不調があった人は30%余りで、コロナでは割合が高いとしています。

 分析した大阪医科薬科大学の畠山淳司医師は、「感染対策でリハビリが制限され悪化を招いた可能性もある。リハビリは身体機能のほか、認知機能の回復にも効果があるので、コロナ患者に対してもできるだけ早期に行うことが重要だ」と話しています。

 2022年10月8日(土)

🟧国内の新型コロナ新規感染2万6785人 土曜日に3万人を下回るのは3カ月ぶり

 厚生労働省は8日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに2万6785人確認されたと発表しました。土曜日に3万人を下回るのは7月2日以来で、約3カ月ぶり。1週間前の土曜日から約8600人減少しました。

 また、国内で亡くなった人は83人、累計で4万5404人となっています。

 都道府県別で感染者が最も多かったのは、東京都の2605人。次いで大阪府の1850人、北海道の1808人、神奈川県の1690人、愛知県の1307人、埼玉県の1294人、千葉県の1110人でした。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、8日時点で153人となっています。重症者の数は7日と比べて3人増えました。

 6日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は、速報値で4万3607件でした。

 一方、厚生労働省は8日、大阪府内で新たに1850人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これで大阪府内の感染者の累計は211万4377人となりました。

 また、9人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6496人となりました。重症者は24人です。

 2022年10月8日(土)

🟧東京都で新たに2605人が新型コロナ感染 11日連続で1週間前を下回る

 東京都は8日、新型コロナウイルスの感染者を新たに2605人確認したと発表しました。前週の同じ曜日(1日)から1229人減り、11日連続で1週間前を下回りました。60~90歳代の男女6人の死亡も発表されました。

 8日までの1週間の感染状況をみると、感染者は1日当たり3167・6人で、前週(5146・0人)の61・6%でした。

 8日に発表された新規感染者数を年代別でみると、最多は20歳代の458人で、40歳代が442人、30歳代が432人、50歳代が353人と続きました。重症化しやすいとされる65歳以上は214人でした。

 病床使用率は22・7%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日比1人減の9人でした。

 2022年10月8日(土)

🟧新型コロナ感染者、全国で新たに2万9443人 前週より約7000人減

 厚生労働省は7日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに2万9443人確認されたと発表しました。1週間前の金曜日(9月30日)から約7000人減少しました。また、国内で亡くなった人は73人、累計で4万5321人となっています。

 都道府県別で新規感染者が最も多かったのは、東京都の3016人。次いで神奈川県が2050人、大阪府が2021人、北海道が1814人、埼玉県が1473人、愛知県が1372人でした。

 新型コロナウイルスへの感染が確認された人で人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、7日時点で150人となっています。重症者の数は、6日と比べて1人増えました。

 5日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は、速報値で4万7351件でした。

 一方、厚生労働省は7日、大阪府内で新たに2021人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これで、大阪府内の感染者の累計は211万2527人となりました。

 また、8人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6487人となりました。重症者は24人です。

 大阪府の吉村洋文知事は6日、新型コロナウイルスの感染状況を示す府の独自基準「大阪モデル」について、11日にも警戒を示す「黄信号」から、警戒解除の「緑信号」に切り替える見通しを示しました。府内の病床使用率は4日から20%未満が続き、10日に警戒解除の基準となる7日連続を満たすため。緑信号が点灯すれば、7月11日に黄信号に切り替わって以来、約3カ月ぶりとなります。

 府内の新規感染者数は9月23日以降、1日当たり5000人を下回っており、病床使用率も4日以降、警戒解除の基準である20%未満が続いています。

 吉村知事は6日、府庁で記者団に「陽性者が減少傾向にあり、病床使用率も低下している。緑信号の基準に入り始めた」と説明。基準を満たせば11日に対策本部会議を開き、切り替えを決定するとしました。

 2022年10月8日(土)

🟧東京都で新たに3016人が新型コロナ感染 10日連続で1週間前を下回る

 東京都は7日、新型コロナウイルスの感染者を新たに3016人確認したと発表しました。前週の同じ曜日(9月30日)から1542人減り、10日連続で1週間前を下回りました。40~90歳代の男女7人の死亡も発表されました。

 7日までの1週間の感染状況をみると、感染者は1日当たり3343・1人で、前週(5296・6人)の63・1%でした。

 7日に発表された新規感染者数を年代別でみると、最多は30歳代の547人で、40歳代が533人、20歳代が525人、50歳代が395人と続きました。重症化しやすいとされる65歳以上は253人でした。

 病床使用率は23・3%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日と変わらず10人でした。

 2022年10月7日(金)

2022/10/07

🟧1週間平均での新型コロナ新規感染者数、すべての都道府県で前週より減少

 新型コロナウイルスの新規感染者数を6日までの1週間平均で比較すると、すべての都道府県で前の週より少なくなっており、全国では1カ月半にわたって減少が続いています。

 9月8日までの1週間では前の週に比べて0・71倍、9月15日は0・77倍、9月22日は0・71倍、9月29日は0・77倍、6日まででは0・70倍となっていて、6週連続で減少しています。

 1日当たりの全国の平均の新規感染者数は、最も多かった今年8月下旬と比べると19万人以上減って、約3万3000人となっています。

 新型コロナウイルス対策に当たる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、今の感染状況について「全国的に緩やかな減少傾向が続いているが、一部の地域では減少の幅が小さくなり、下げ止まりの傾向が見られている。また、依然として全国で1日3万人を超える感染者が出ていて、ウイルスは市中に潜んでいる状況だ。秋の行楽シーズンを迎え、会食や飲酒の機会が増えて人と人との接触機会が増えてくる中で、油断すると感染が広がって増加に転じるリスクがある。基本的な感染対策をもうしばらく続けることが必要だ」と話しています。

 その上で、冬場にかけて懸念されているインフルエンザとの同時流行への備えについて「発熱患者が全国で1日に50万人を超すレベルで発生し、夏の第7波以上に、外来診療がひっ迫する最悪の事態を想定する必要がある。重症化リスクが高い人たちを優先して診療できる体制を維持するため、リスクがなく軽症ですみそうな人は自宅療養してもらって、オンライン診療やフォローアップセンターをうまく使いながら対応していくことも重要だ。コロナは簡易の検査キットで自宅で検査できるが、インフルエンザも同様に自宅で検査できるようになれば医療機関を受診するか自宅で療養すればよいか、よりスムーズに判断できるようになると考えられる」と指摘しました。

 2022年10月7日(金)

🟧新型コロナワクチン3回目接種後、11歳の男児死亡 因果関係は評価できず

 5歳から11歳の子供を対象にした新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省は11歳の児童が3回目の接種後に死亡していたと発表しました。5歳から11歳のワクチンの3回目の接種後に子供の死亡が確認されたのは初めてで、接種との関連は現時点では評価できないとしています。

 厚労省は、7日に開いた専門家部会で、アメリカのファイザー社製のワクチンの3回目の接種を受けた11歳の男子児童が、9月24日に死亡したと医療機関から報告を受けたことを明らかにしました。

 この男児はこれまでに熱性けいれんなどの病気を経験していたといいます。9月19日にワクチンの3回目を接種した後、20日に発熱やけいれんが起き、医療機関に搬送。24日に死亡しました。主治医の報告では、死因は急性脳症や敗血症による多臓器不全とみられるということです。

 一方、専門家部会では、男児の髄液などから少量の「ヒトヘルペスウイルス6(HHV6)」が検出されたことや、けいれんの既往歴、服用していたぜんそく薬が影響した可能性も否定できないと判断され、現時点で情報不足のために接種との因果関係は評価できないとしています。今後も解剖結果などの情報を集めるといいます。

 5歳から11歳を対象にした新型コロナのワクチンについて、接種後に死亡したケースは2人目で、3回目の接種後に子供の死亡が確認されたのは初めてです。

 5歳から11歳のワクチンの3回目の接種は9月上旬から開始されており、9月29日までに推計で1万8000回余り接種されたということです。

 2022年10月7日(金)

🟧熊本市の慈恵病院院長、内密出産ガイドライン明文化は評価 国内6、7例目の内密出産も公表

 妊婦が医療機関にのみ身元を明かして出産する「内密出産」を独自に導入している慈恵病院(熊本市)の蓮田健院長は6日に記者会見を開き、国のガイドライン(指針)公表について、「これまで公的なよりどころがなかった。明文化されたことは評価したい」と述べました。新たに国内6、7例目となる内密出産も公表しました。

 内密出産は、慈恵病院が自宅などで1人で出産する孤立出産を防ぐために3年前に導入しましたが、内密出産に関する法律はなく、厚生労働省と法務省が医療機関や自治体の対応を示したガイドラインを共同で策定し、9月30日に初めて公表しました。

 このガイドラインでは、身元情報を明らかにして出産するよう妊婦を説得することを医療機関に求めたものの、蓮田院長は「陣痛を抱えながら新幹線で到着し、その後1時間で出産するケースでは、妊婦に身元を明かすよう説得ができない」と指摘。同院では「分娩(ぶんべん)室で確認し、退院までに一部の職員へ明かせば内密出産、誰にも明かさなければ匿名出産」との運用方法を取るとしました。

 また、妊婦の説得に行政機関の同席が望ましいとしたことについて、「妊婦は行政に不安感や不信感を抱えている。病院の後に行政が説得するのが望ましい」と述べました。

 ガイドラインが示さなかった子供への出自情報の説明方法に関し、「何らかの方針を作らないといけない」と話しました。

 同院によると、国内6、7例目はいずれも西日本在住の成人女性。身分証明書のコピーを提出して退院し、生まれた子は乳児院へ預けられたといいます。

 2022年10月7日(金)

🟧シリアでコレラが流行、39人死亡 感染したと疑われる人は1万人以上 

 シリア保健省はこのほど、国内でコレラが大流行しており、これまでに39人が死亡したと明らかにしました。世界保健機関(WHO)は、感染が「危険な速さで拡大している」と警告しています。

 WHOは5日の会見で、「シリアでは過去6週間で、コレラに感染したと疑われる人が1万人以上報告されている」と述べました。

 シリア保健省は4日、9月下旬以降、全14県のうち11県で計594人の感染が報告されていると明らかにしました。感染が最も激しいのが北部アレッポ県で、死者39人の大半は同県で報告されました。死者数が感染者数に含まれているかは現時点で不明。

 国連によると、シリアでは10年以上続く内戦で浄水・水道施設の3分の2近くが損壊しています。

 今回の感染源は、下水による汚染が問題になっているユーフラテス川だとみられています。

 ユーフラテス川では干ばつや高温に加え、トルコが上流にダムを建設したことから水位が低下し、汚染が進んでいました。

 国連によると、シリアでは約1800万人が汚染されているにもかかわらず、飲料水をユーフラテス川に依存しています。

 2022年10月7日(金)

🟧コロナは自己検査、陰性なら非対面でインフル治療薬 同時流行対策

 今冬の新型コロナウイルスと、季節性インフルエンザの同時流行を想定した政府の対策案の概要が判明しました。発熱症状がある場合、中学生から64歳までの基礎疾患がない人については新型コロナの自己検査をしてもらい、陰性ならオンラインや電話での受診でもインフルの治療薬を処方することを示しました。対面受診を少なくすることで、発熱外来の逼迫(ひっぱく)回避を狙います。

 政府はこの冬に懸念される感染「第8波」に向け、同時流行への対策の検討を進めてきました。5日に開かれた厚生労働省の専門家組織の会合では、今冬に同時流行する可能性が「極めて高い」とする報告が示されています。

 対策案では、重症化するリスクが低い人は抗原検査キットによる自己検査で陽性の場合、現行の運用通り、自治体が設置する「健康フォローアップセンター」に登録し、自宅で療養します。体調の変化があれば、医療機関を紹介します。

 陰性の場合でも、その地域でインフルが流行している時はインフルに感染している可能性があります。このため、インフルの検査なしでもオンラインや電話で受診し、医師の判断で抗インフルエンザ薬「タミフル」などの治療薬が処方され、薬剤師のオンライン服薬指導と組み合わせ、自宅で療養できるようにします。希望する患者は、地域のクリニックなどを受診できます。

 重症化リスクに対応した適切な医療を提供するため、高齢者や基礎疾患のある人、小学生以下の子供は発熱がある場合、発熱外来などの医療機関を受診します。

 政府は来週にも対策案を正式決定する見通しで、自治体に通知します。検査キットの確保が課題で、国民には発熱に備え自宅に新型コロナの検査キットを準備するよう、医療関係団体とともに広く呼び掛けるといいます。

 2022年10月7日(金)

🟧ソニー、嗅覚測定装置を開発 認知症などの早期発見を目指す

 ソニーグループ傘下のソニーは5日、人間の嗅覚を簡単に測定できる機器を開発したと発表しました。嗅覚の低下はアルツハイマー病やパーキンソン病などの疾患との関連が指摘されており、早期発見に向けて医療や研究分野での活用を目指します。

 推定価格は約230万円で、2023年春に企業や研究機関向けに「におい提示装置」として売り出します。装置には、においのもととなる「嗅素」を手軽に制御できる「テンソルバルブ」という仕組みを搭載し、40種類のにおい成分を即座に出すことができます。高い密閉性があり、強いにおいも外部に漏らさず封じ込めます。芳香の増強ができるほか、装置内に残ったにおいをすぐ除去できます。

 嗅覚の測定は現在も行われているものの、視力測定などに比べると一般的ではありませんでした。複数の嗅素を準備する手間がかかっていたり、においが漏れたりするのを防ぐために専用の測定室を用意した、脱臭装置が必要になっていました。

 ソニーによれば、認知症やパーキンソン病で発症前から嗅覚に低下がみられる傾向があるといいます。嗅覚を正しく測定できれば、脳の機能低下の発見が早まる可能性があるとしています。

 今後は5~10分ほどで、嗅覚を8段階ほどで測定できるようにする方針。視力や聴力などと同様に、嗅覚の測定も健康診断などで一般的に取り入れられるようにしたい考えです。

 ソニーの新規ビジネス・技術開発本部の櫨本修副本部長は、「においの測定は難しく、これまでソニーも価値提供ができていなかった。今回の技術で人々の健康生活をよりよくし、将来はエンタメ領域での新体験創出も目指したい」と述べています。

 2022年10月7日(金)

🟧ウガンダのエボラ出血熱死者29人に 医療従事者4人も死亡

 東アフリカのウガンダで発生したエボラ出血熱で、世界保健機関(WHO)は5日、疑い例を含めた感染者が63人となり、うち29人が死亡したと発表しました。

 スイス・ジュネーブで記者会見したWHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は、隣国コンゴ民主共和国(旧ザイール)で最近起きたエボラ出血熱の発生ではワクチンにより感染拡大が抑制できたものの、同じワクチンはウガンダで発生した株のウイルスには効果がないと説明。これまでに10人の医療従事者が感染し、うち4人が死亡、4人が回復したと説明しました。

 テドロス事務局長によると、ウガンダ4県で発生が報告されており、WHOは同国政府の対策を支援しています。

 エボラ出血熱の最近の流行では、コンゴ民主共和国東部で2018年8月から2020年6月にかけて2200人以上が死亡した事例があります。

 今回のウガンダでの流行は2012年に広がった「スーダン株」と同じ系統のウイルス。この株に対しては既存のワクチンが十分に有効かどうかの検証がされていません。

 2022年10月6日(木)

2022/10/06

🟧全国で新たに3万3440人が新型コロナに感染 91人死亡、149人重症

 厚生労働省によりますと、6日に発表された国内の新たな新型コロナウイルス感染者は空港の検疫などを含め3万3440人となっています。国内で亡くなった人は91人、累計で4万5248人となっています。

 都道府県別で新規感染者が最も多かったのは、東京都で3042人。次いで大阪府が2420人、神奈川県が2333人、北海道が2051人、愛知県が1707人、埼玉県が1610人でした。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、6日時点で149人となっています。重症者の数は5日と比べて11人減りました。

 4日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は、速報値で5万7002件でした。

 厚生労働省は6日、大阪府内で新たに2420人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。前週木曜日に比べて約600人減りました。これで、大阪府内の感染者の累計は211万506人となりました。

 また、9人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6479人となりました。

  1週間の陽性率は13・8%、病床使用率は18・7%。

 2022年10月6日(木)

🟧東京都、3580人の新型コロナ感染確認 最多は20歳代と30歳代

 東京都福祉保健局は6日、新たに0歳から90歳以上までの3580人(不明12人)が新型コロナウイルスに感染したことを確認したと発表しました。前週の同じ曜日(9月29日)より1452人減少し、9日連続で1日当たりの新規感染者数が前週の同じ曜日から減少しました。50歳代~100歳以上の男女9人の死亡も発表されました。

 6日までの1週間の感染状況をみると、感染者は1日当たり3563・4人で、前週(5725・9人)の62・2%でした。都内の感染者数は累計で318万8637人となりました。

 6日に発表された新規感染者数を年代別でみると、最多は20歳代と30歳代の637人で、40歳代が623人、50歳代が531人、10歳代が422人と続きました。重症化しやすいとされる65歳以上は284人でした。

 病床使用率は24・7%(1305人/5283床)。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日と変わらず10人でした。

 2022年10月6日(木)

🟧アメリカCDC、コロナ渡航リスク評価終了 新規感染者数を厳密に把握する国が少なくなり評価困難に

 アメリカ疾病対策センター(CDC)は3日、国・地域別の新型コロナウイルス感染状況に応じた渡航リスクの評価を終了したと明らかにしました。新規感染者数を厳密に把握し十分なデータを報告する国・地域が少なくなり、正確な評価が難しくなったためだとしています。

 CDCの評価は国務省が渡航警戒レベルの設定に反映してきましたが、4月以降、特定の国・地域への渡航に対する包括的な勧告を発表していませんでした。日本は東京オリンピックの開幕を控えた昨年5月、4段階で最も厳しい「渡航中止」とされ動揺が広がりました。今年4月以降は、2番目に厳しい「渡航を再検討」としていました。

 CDCは今後、新たな変異型ウイルスが広がるなど渡航に注意が必要な状況になった場合のみ、特定の国・地域に関する評価を出していく方針といいます。

 2022年10月6日(木)

🟧塩野義製薬、コロナ後発薬の特許開放へ 低・中所得国に安価で提供

 塩野義製薬は4日、開発を進めている新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」について、今後、ライセンス生産する後発薬メーカーに対し、インドやベトナムなど117の低・中所得国に供給する場合は、特許使用料を求めないと発表しました。安価に薬を提供することでコロナ禍の収束を後押しする狙いがあります。

 医薬品の公平な供給を支援する国際組織「医薬品特許プール(MPP)」(本部・ジュネーブ)を通じて、後発薬メーカーにライセンスを付与します。世界保健機関(WHO)が新型コロナを「公衆衛生上の緊急事態」に指定している間は、売り上げに対する特許使用料を求めません。

 新型コロナの飲み薬では、すでに実用化しているアメリカのメルクやアメリカのファイザーも同様の仕組みで、低・中所得国への薬の普及を後押ししています。

 塩野義製薬の新型コロナ治療薬を巡っては、厚生労働省の専門家分科会が7月に「有効性が推定できるとは判断できない」として、緊急承認を見送っています。塩野義製薬は承認に向けて厚労省、医薬品医療機器総合機構(PMDA)と協議を続けています。

 2022年10月6日(木)

🟧子宮頸がんなど防ぐ9価HPVワクチン、定期接種化へ 2023年度早期から

 子宮頸がんなどを防ぐためのHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンについて厚生労働省は、これまでのワクチンよりも高い感染予防効果があるとされる「9価HPVワクチン」を、2023年4月以降の早い時期から定期接種とする方針を決めました。

 HPVワクチンは、2013年に定期接種になった後、体の痛みなどを訴える人が相次いで、接種の積極的な呼び掛けが中止されましたが、国際的に安全性と有効性を示すデータが蓄積されたため、今年4月から呼び掛けが再開されています。

 現在は小学6年生から高校1年生までの10歳代の女性を対象に、定期接種として希望する人に、子宮頸がんを引き起こしやすい2種類のウイルスの感染を防げる「2価」のワクチンか、それらを含む4種類を防げる「4価」のワクチンの接種が行われています。

 厚生労働省の専門家で作る部会では4日、より高い感染予防効果があるとされる「9価HPVワクチン」を定期接種とする方針を了承しました。

 この9価HPVワクチンは、アメリカの製薬大手メルクの日本法人MSDが2020年7月に製造販売の承認を受けた「シルガード9」。現在は希望者が自費で接種していますが、専門家部会で、公費で受けられる定期接種化が了承された。

 厚労省によりますと、このワクチンは9種類のウイルスの感染を防ぐことができ、子宮頸がんにかかる割合を減らすことが期待されるということです。

 また、副反応の報告頻度について、厚生労働省は4価のワクチンと比較して接種した部位の痛みなどの症状は多いものの、頭痛などの全身症状については同じ程度だったとしています。

 部会では有効性や安全性などの点から、定期接種にすることは問題ないとしていて、厚労省は2023年4月以降の早い時期から定期接種とする方針を決めました。

 厚労省は、2価や4価のワクチンの接種の積極的な呼び掛けを再開した際と同じように、9価のワクチンについても、体調に異変を感じた場合に備えて受診できる医療機関や相談体制の確保を自治体に求めることにします。

 ワクチンの安全性などを評価する、厚労省の専門家部会の部会長を務める、東京医科歯科大学の森尾友宏教授は、「これまでのHPVワクチンでも約60%から約70%の子宮頸がんを予防できるが、9価は約90%を予防できるワクチンで、定期接種になることはとても重要だ」と評価していました。

 その上で、「9価ワクチンは接種後の局所の副反応は、これまでのワクチンに比べて頻度が高いとされているので、これまでのワクチンと同様に安全性についてフォローし、必要な時には診療や相談を受けられる体制の整備が引き続き必要だ」と指摘していました。

 2022年10月6日(木)

🟧乳幼児用の新型コロナワクチン、日本で初承認 生後6カ月から4歳対象

 新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は生後6カ月から4歳までの子供を対象にしたワクチンの使用を正式に承認しました。今後、必要な手続きを進め、早ければ10月下旬にも接種が始まる見通しです。

 子供へのワクチン接種を巡っては、今年1月に対象が5歳以上に拡大され、今年7月には、生後6カ月から4歳の子供も対象に加えるようファイザーから承認の申請が行われました。

 5日夜に開かれた厚労省の専門家による部会では、生後6カ月から4歳の子供を対象にしたワクチンについて、体の中で作られるウイルスの働きを抑える「中和抗体」の値の上昇など有効性が確認されたと評価しました。

 また安全性については、臨床試験の結果から重大な懸念は認められないとしてこのワクチンを使用することを了承し、その後、厚労省が正式に承認しました。

 これまでワクチン接種の対象年齢は、モデルナとノババックスが12歳以上、ファイザーが5歳以上となっていて、5歳未満の子供への接種は初めてとなります。

 有効成分の量は大人のワクチンの10分の1で、3回の接種が必要とされ、3週間空けて2回目を接種した後、少なくとも8週間空けて3回目を接種するとしています。

 厚労省は10月下旬から11月下旬にかけて約700万回分のワクチンを自治体に配送する計画で、今後、無料で受けられる公的接種に位置付けた上で、早ければ10月下旬以降に接種が始まる見通しです。

 ファイザーが開発した生後6カ月から4歳までの子供に対する新型コロナウイルスワクチンは、アメリカでは今年6月に緊急使用の許可が出され、接種が進められています。

 ファイザーの発表や、アメリカの疾病対策センター(CDC)の会議で示された臨床試験の結果を分析した資料によりますと、3回接種した際のオミクロン型に対する効果は、生後6カ月から4歳の子供で80・3%で、このうち、2歳から4歳では82・3%、生後6カ月から1歳では75・5%だったということです。

 副反応の程度はほとんどが軽いか中程度で、偽の薬を投与された場合とほとんど変わらなかったとしています。

 具体的には、2歳から4歳では、けん怠感が1回目の接種で29・7%、2回目で25・7%、3回目で24・5%、38度以上の発熱が1回目の接種で5・2%、2回目で4・9%、3回目で5・1%などとなり、生後6カ月から1歳では、いらいらして機嫌が悪くなった子供が1回目の接種で51・2%、2回目で47・4%、3回目で43・6%、食欲の減少が1回目の接種で22・2%、2回目で22・2%、3回目で20・2%、38度以上の発熱が1回目の接種で7・2%、2回目で7・4%、3回目で6・8%だったとしています。

 2022年10月6日(木)

🟧厚労省、オミクロン型「BA・5」対応ワクチンの使用承認 10月中旬にも接種開始へ

 新型コロナウイルスのオミクロン型のうち、感染の主流になっている「BA・5」に対応するワクチンについて、厚生労働省は国内での使用を正式に承認しました。

 今後、必要な手続きを進め、早ければ10月中旬にも接種が始まる見通しです。

 オミクロン型対応の新型コロナウイルスのワクチンは、9月20日から「BA・1」に対応したワクチンの接種が始まっていますが、アメリカの製薬大手ファイザーは9月13日、現在感染の主流になっている「BA・5」や「BA・4」、それに従来の新型コロナウイルスに対応するワクチンについて承認の申請を提出していました。

 5日夜に開かれた厚生労働省の専門家による部会では、このワクチンについて、体の中で作られるウイルスの働きを抑える「中和抗体」の値の上昇が確認され、「BA・5」を含む変異型に対する予防効果が期待されると評価し、安全性については影響を及ぼす可能性は低いと考えられるとして、国内での使用を了承し、その後、厚生労働省が正式に承認しました。

 厚生労働省は約4300万回分のワクチンを来週以降、自治体に配送する計画で、今後、無料で受けられる公的接種に位置付けた上で、早ければ10月中旬以降、接種が始まる見通しです。

 厚生労働省はオミクロン型対応のワクチンについて、年末年始に懸念される感染拡大に備えて希望する人が年内に接種を終えられるよう体制の整備を進めています。

 オミクロン株の「BA・1」と従来のウイルスに対応する成分が含まれたワクチンはすでに9月20日から接種が始まっていて、4日までに約56万人がファイザーとモデルナのワクチンを接種しています。

 また、2種類のオミクロン型対応ワクチンを合わせた11月上旬にかけての配送量は約8000万回分で、厚生労働省はどちらのワクチンもオミクロン型に対して従来のワクチンを上回る効果が期待されるほか、今後の変異型にも効果がある可能性が高いとしています。

 厚生労働省は、接種の時期がきた時点で接種できるオミクロン型対応のワクチンを接種してほしいとしています。

 2022年10月5日(水)

2022/10/05

🟧新型コロナ感染者、全国で新たに4万1027人 前週より8530人減る

 新型コロナウイルスの国内感染者は5日午後8時時点で、新たに4万1027人確認されました。前週の同じ曜日(9月28日)より8530人減りました。死者は86人でした。

 都道府県別で新規感染者が最も多かったのは、東京都で4067人。次いで大阪府が3094人、北海道が2659人、神奈川県が2542人、愛知県が2274人、埼玉県が2236人でした。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、5日時点で160人となっています。重症者の数は4日と比べて7人減りました。

 10月3日に行われた自主検査を除くRCR検査などの数は、速報値で5万5774件でした。

 一方、大阪府は5日、検疫で判明した4人を加えて3094人の新型コロナウイルス感染者が確認され、60~80歳代の男女8人が死亡したと発表しました。累計の感染者数は210万8086人、死者は6470人となりました

 重症者は24人です。1週間の陽性率は14・3%、病床使用率は19・2%。

 2022年10月5日(水)

🟧東京都で4067人の新型コロナ感染を確認 8日連続で1週間前を下回る

 東京都は5日、新型コロナウイルスの感染者を新たに4067人確認したと発表した。前週の水曜日から1260人減り、8日連続で1週間前を下回りました。60~90歳代の男女7人の死亡も発表されました。

 5日までの1週間の感染状況をみると、感染者は1日当たり3770・9人で、前週(6272・9人)の60・1%でした。

 5日に発表された新規感染者数を年代別でみると、最多は40歳代の721人で、20歳代が689人、30歳代が672人、50歳代が517人と続きました。65歳以上は349人でした。

 病床使用率は24・6%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日と変わらず10人でした。

 2022年10月5日(水)

🟩観相講座

∥観相術は経験法則による判断学∥

●顔が人間のすべてを物語る

 「顔は精神の門にして、その肖像なり」と、古代ローマの政治家、哲学者のキケロは喝破した。現代に生きる私たち人間も同様に、顔によって人を見分け、精神のあり方や、人となり、心の内側までも推し量る。顔は、彼や彼女の氏や育ち、生き方、性格、教養、職業などから、喜怒哀楽まですべてを表す。

 その人間を集約する個所だから、顔は肉体の中でもその人を代表する大事な部分といえる。「相手の顔を立てる」、「人の顔に泥を塗る」、「世間に顔が広い」などという。顔は、社会に向けられたその人間の存在なのである。

 この点、「あなたは初対面の人の顔を見て、相手の性格を見抜くことができるか」とアンケートで聞いてみると、三十代までの人に比べて、四十代以上の人の肯定的な回答が目立つものである。人間は年齢と経験の積み重ねで、他人を見抜けるようになるわけだ。若い人にしても、相手の性格まではっきり見抜けなくても、一目で「この人は金持ちらしい」とか、「あの人は貧乏に違いない」などと、常識的にわかる一面があるはずである。

 私にいわせれば、顔の人相、相貌は、その人の現在を物語るばかりか、その人が先祖から受け継いだ先天的なものを表し、将来の運命さえも物語るものである。人相、相貌で長寿か否かもわかる。すべてのものは、姿、形から実質を判断でき、インスピレーションで推理もできるからである。宇宙天地大自然世界には、姿、形に関係ないものは一つとしてない。

 人間の姿、形、すなわち容貌、骨格などから性質、運命、吉凶を専門的に判断することを観相、観相術、人相、人相学などという。中国伝来のこの観相術は、一方で「当たるも八卦(はっけ)、当たらぬも八卦」といわれながら、時の宰相が足を運んだ観相家もいたほどである。

 また、かつて某大学で県下の易者グループの協力のもとに、人相と手相の的中度を調査したところ、人相は被鑑定者の性格や経歴との一致率が高いのに比して、手相ははなはだ低いという興味深い結果が出た。

 こうした観相術の領域に踏み込んでみたい。本書で述べる観相術、人相学は、自然科学のようなものであり、知ると必ず得をするはずであるし、知っていると自分の生き方も楽になるはずのものである。

●毎日の心構えが天来の人相を変える

 人間個人に備わった人相は、天来のもの、先祖伝来のもの、一生のものである。だから、今、こういう人相を持った自分には本来、先祖といった前提があるもので、過去からのすべてのものの集合が自分であり、永遠の中に生きる自分であるということを、まず大いに自覚してもらいたいもの。

 次に、顔形(かおかたち)そのものは親から受け継いだものだから、本人に責任はないかもしれないにしろ、年頃すぎたら顔は自分が作るものといわれるように、やはり顔に表れる品格や教養は本人の責任であるということを、自覚してもらいたいものだ。

 よく「人品卑しからぬ」とか、「一癖ある顔」などという。両極端だが、どちらも顔に表れたその人間の生き様だ。骨相が遺伝的なものなら、人相の半分は後天的なものといえるだろう。

 つまり、天来の人相には動かしようがないという一面があるにしろ、毎日の心構えで変えようもあることも知ってもらいたい。

 心構え、あるいは観念などという意識は、それだけでは抽象的で実体のない自己満足のようなものであるが、この観念の持ち方いかんでは、人間の一生を左右するほどの力を持っていることさえある。

 毎日毎日、同じ思いを心の中に持ち続けていると、文字通り身も心も、その思いの通りになるもの。その思いを固く観念として維持しておれば、それは自然にその人の人相を形作り、その人の表情を操作し、その人の発する言葉の端々にまで反映されてくるものである。

 心の中の想像はそのまま、精神の肖像たる顔の創造につながる。一日一日の自分の意識の集積が、自らの人相を形作ってゆく。

 とりわけ、四十歳以後の風貌は、本人自身の後天的な責任にある。「男子は四十歳になったら自分の顔に責任を持て」とは、世間でしばしば交わされる言葉で、もはや不惑は、親がどうの、仕事の上の人間関係がどうの、女房や隣人がどうのといって責任転嫁をしてお茶を濁せる年ではない。

 大学卒なら学窓を出て二十年近い四十歳代には、誰もが人生の年輪が顔に刻まれ、修養や勉学の深浅、苦労の多寡などが自然と表れるのが必然。

 だから、中年世代になると、久々のクラス会などで、旧知の同級生がまるで別人みたいに変わっていて、驚くことが少なくないはずである。

 例えば、学生時代には「ガマ」のニックネームが付けられ、醜男(ぶおとこ)の代表格と見なされたAという人物が、基礎科学の研究に専念し、四十代を迎えた時にはその道の権威者の一人になって、その顔は英知に輝き、アンバランスな目鼻立ちは一種独特の、重厚な風格をたたえている、というような場合がある。

 社会で磨かれて、四十すぎると立派な人間性を形成し、顔や姿に人格の輝きが表れるという人は、けっこう見掛けるはずだ。

 片や、クラスの中でも眉目(びもく)秀麗で名高かったBという男が、女性問題でつまずき、事業も失敗を重ね、いつも暗い、さえない表情をたたえ、実際より十年も老け込んだ顔をしている、というような場合もある。

 ただ老けた、おやじ臭くなっただけではすまされない人相の変容も、わりあい見掛けるはずだ。不細工でもいい、せめていい人相になりたいと思うのが人間自然の人情というものではあっても、世の中には、結婚生活に失敗したり、性生活を乱暴、狂態にし、それが悪癖、悪運命となって、三十から人間の不幸が目立ってくるという人も、けっこう存在するのである。

●顔に表れる良相、福相、悪相、貧相

 人間の顔は、年を取るにつれて変わる。誰しも免れ得ない事実であるが、その変わり方は、単に老化するだけではなく、いい変わり方をする場合と、悪い変わり方をする場合があるのだ。なぜ、変わり方に相違があるのか。顔にできるシワという面から考えてみよう。

 人間は年齢を重ねていくと、必然的に筋肉が衰えるにつれて、顔がだらけてしまう。目尻(めじり)や口元も下がって、そのままでは顔面の縦方向にシワが出るものである。とはいえど、自分の仕事を一生懸命やっているような人、特に上に立って部下たちを指導し、叱咤(しった)している人などは、顔に張りがあるもの。叱咤したり、命令したりすると、顔のシワが横に引っ張られるため、シワが横に出るようになるのである。

 だから、人相学的にいうと、縦ジワが多い顔は悪い顔、横ジワが多いのはいい顔ということがいえる。何事か打ち込むものを持って、張りのある生き方をしている人間は、いい顔、良相、福相になるのが当然で、縦ジワよりも横ジワが目立つ顔をしているのは、彼らの人生が充実していることの証拠といえよう。

 一方、げっそりやせて、頬がこけた顔は、いくら健康でも、周囲からは貧相に見られてしまう。また、眉間(みけん)に深い縦ジワを寄せている顔も、何か陰険そうで、いい顔とはとても思われない。

 一生を懸ける生きがいもなく、これといった熱意も持たず、のんべんだらりと、酔生夢死といった有り様で生きている彼や、心配事や悩みが尽きない、暗い生き方をしている彼女は、貧相、悪相になる傾向が強い。

 そもそも、人間というものは、先天的な、生まれついての顔をベースにしているわけである。感情を乱すこともなく、平常心を保って生きてきた人は、そのままの顔が習慣化して定着するだろう。ところが、いつも顔をしかめて、「困った」といっているような人は、眉間にシワが寄ったりして、困った表情が定着する。

 このように、長年にわたる習慣的表情は、人の顔のあり方を次第に変えていくものなのだ。

 日頃の生活が人の顔を作るとは、心理学的にもいえること。プラス志向で暮らしていれば、顔にも活力があふれてくる。そういう人は周囲にも好かれるようになるので、ますます活気に満ちた生活を送れるようになる。その結果、いい表情が定着する好循環が生まれて、いよいよ素晴らしい顔になっていくというわけである。

 そういう張りのある生き方をしている人に、自然にできる顔のシワは、浅くて、美しいものである。反対に、シワなどはそうやたらにできるものではないのに、何か大きな心配事でもあった人は、心の圧力によってシワができるもので、圧力でできたシワは非常に深く、醜い。

 結局、人相学でいういい顔になることとは、年を取るにつれて横ジワが出てくること、しかも浅いシワが自然に出てくることである。それとともに、太り顔になることもある。やせて、頬骨が出てくると、人間は残忍な顔になってしまいかねないが、太り顔はいわゆる福々しい顔ということで、豊かな生活をしているとか、悪いことはしないというように思われる。中年太りを気にしている人にとって、人相学的には太ることもまんざら悪いことではないとは、少しうれしい話ではなかろうか。

●観相術は経験法則による判断学

 しかしながら、従来の観相術、人相学はあまりにも、仏様の顔であり、エビス、ダイコク様の顔に近い、肉が厚く、丸みを持った福々しい顔を福相そのものと規定しすぎた傾向があるのは否めない。

 理由の一つには、成功者の晩年の満ち足りた顔貌をもって、福相の基準としたせいもある。つまり、美食と自己満足のゆとりが作り上げた福々しい顔は、成功したという結果がもたらした変化にすぎないのに、多くの観相家が陥ったワナであり、単純に考えれば肥満タイプはことごとく福相ということになりかねない。

 もっとも、昔の時代にあっては、腹いっぱい食べることは金持ちにしか許されないぜいたくであった。太り顔が福相とは、ある程度、事実に近かったかもしれない。ところが、一般庶民でも飽食、美食が普通になった現代では、むしろ不用心に太りすぎた人は自らの健康管理すらできない者と見なされ、スマートさを保つことこそが成功者の証明であるとさえいわれ出している。

 この際、あまりにも類型的で通俗的な、福々しい顔が福相で、やせこけた顔が貧相という考えに、こだわりすぎないほうがよいだろう。歴史が証明するように、いわゆる貧相で大富豪になった人もいるし、逆に、世にいう福相で貧乏な人も多い。

 観相術は本来、客観的に科学的な証明が可能なものではない。むしろ、膨大な数の観察経験を集積し、その中からタイプごとの共通項を見つけ出していく経験法則による判断学である。

 人間の顔の観察を集積し、分析していくと、共通タイプの人は、共通の資質や性格を持つことが次第にわかってくる。もちろん、共通のタイプはすべて共通の資質、性格ばかりというわけではなく、共通のタイプの人でも、あったりなかったりするものはある。その中で、百人のうち九十九人までは必ず備えているという特別に濃厚な資質、性格が鮮明に浮かび上がってくるもので、多数の観察結果を帰納して出てきた法則こそが、必然といえる特徴といえるのである。

 本サイトでは、人間の顔の型、目鼻立ちといった基本的形状のタイプから、人間の資質判断や性格判断に役立つ、最も根源的な意味を持つシグナルだけを紹介することにする。

 それらは、私の長い間の観察と研究の結果、導き出された経験法則であり、科学的証明ではない。だが、これこそ、人間を判断し、知るための基本的なものであることは、読み進むうちに次第に納得してもらえるはずである。

 皆さんは、私が述べる判断ポイントに従って、自分、あるいは恋人、友人、上役、部下などのチェックを行い、人生のいろいろな面で役立ててもらいたい。本当に人間を見抜くあなた自身の見識となれば、より幸いである。

∥目鼻立ちと顔全体から判断する∥

●目鼻立ちが人間の運勢を示す

 まず、人間の顔を見る場合、目鼻立ち全体を見ておくことを勧めたい。目鼻立ちというのは、目、鼻、口の三つが中心となるもので、これらを補足しつつ、独自の意味づけを行うものが眉(まゆ)、耳、顎の三つである。

 一般に、「三つ子の魂百まで」、「人間の性格は生まれ落ちると同時に八十パーセント決まっている」などといわれており、確かに、それは人間の生まれついての顔型が変わらないのと同じく事実であろう。また、人間の能力も、天性、固有の部分が過半を占めるに違いない。

 しかし同時に、怠惰にすぎて能力がしぼんだり、努力によって能力が伸びたりすることも事実で、その人間の能力の質と強弱をはじめ、エネルギー、感情などは、何より目を中心として、鼻や口など、いわゆる目鼻立ちを通じて表れることが観察されるのである。

 なぜ、能力は目鼻立ちに表れるか。顔型と異なり、目鼻立ちはそれぞれ外界に対する役割分担を受け持っているのはご承知の通りで、目は見る、鼻は嗅(か)ぐ、口は話すし食べるし呼吸する、眉は目を保護し、耳は聞く、顎は噛(か)む原動力。

 人間がホモ・サピエンスとして直立してから数百万年、社会的生活を始めてから数万年、それぞれの器官はその長い年月の間をそれぞれの個体に所属して作用を続け、それは能力差をともなった遺伝因子として、今日の人間の五官におよんでいる。

 例えば、目は対象を識別し、観察し、比較し、判断するというきわめて知的な作用を行う。実際は、目はレンズ体として外界の情報を脳細胞に伝達するだけで、真の知的作業は脳によって行われることは当然にしろ、脳の作業先端として連動する目には、その能力やエネルギーの程度などが反映するのは必然。

 従って、「目は口ほどに物をいう」といわれる通り、目を見れば、能力の質や強弱のシグナルが表れているのである。実際にも、人間は日常生活において、程度の差こそあれ、絶えず他の人間の目を読んでいるのだ。

 私たちが人の目を見ただけで、「あ、賢い人だな」とか、「あまり善人じゃないな」と瞬時に悟るのも、あるいは、口元のちょっとしたびくつきといった、目鼻立ちの作るさまざまな表情で人の気持ちの動揺などを知るのも、このゆえである。

 そして、この目鼻立ちが顔に占める強弱感やバランス感、勢いといったものは、大まかな意味でその人間の運勢の良否を示すものである。

 大人が子供の顔を見て、その親に「ほほう、お子さんは目鼻立ちがはっきりしていて、なかなか将来が楽しみのようですね」というのは、よく耳にする会話であろう。これは実は面白い表現で、根拠のないことではない。

 人間の運勢、将来の能力発揮の良否などを最初に、大まかに見て取る方法の一つは、目、鼻などの部位を一つひとつ観察する前に、目鼻立ち全体の感じをつかむことにあるからだ。

 部分的に見たらいくらか弱点が認められる場合でも、大局的に見て、バランスのとれた伸びやかな目鼻立ちを備えていれば、運勢が上昇する人間であると断じてもよいだろう。

 「目鼻立ちがはっきりしている」という表現の意味は、目鼻立ちが伸び伸びと力感にあふれているということを、素直に捕らえた言い方である。実際に、そうした子供が成功する確率が高いことを、人々は経験的に知っている。だから、「将来が楽しみのようですね」という言葉も出てくるのである。

 とにかく、人間の顔は千差万別であるが、目鼻立ちが整った端正な感じの顔でも、特徴的なユニークな目鼻立ちの顔でも、それぞれそれなりに、どこか安定した感じを与えるバランスのよさというものがあれば、よい目鼻立ちといえるのである。

 これに反して、目鼻立ちが力弱く、縮こまった感じの人は、運勢が停滞していたり、もしくは下降するといってよいだろう。そういう人は、言葉も語勢が弱く、はっきりしないことが多いもの。

 目鼻立ちに関して忘れてならないことは、人間の目鼻立ち、あるいは顔というものは変化するということである。例えば、「以前より目鼻立ちが伸び伸びとなってきた」、「若々しく明るい感じになった」、「顔が何だか大きくしっかりとなってきた」などという好ましい変化が見られる時は、その人の運勢の上昇機運を示していると見てよい。

 反対に、「目鼻立ちがしょぼくれてきた」、「顔立ちが弱々しく老け込んだ感じになってきた」、「全体に焦点の定まらない目鼻立ちになってきた」というような変化が観察される場合には、運勢の下降機運に注意しなくてはならぬ。

●顔の部位が青年、中年、老年期を表す
 昔から伝わる観相術では、目鼻立ちの加減で運勢を見る方法のほかにも、人の顔や見掛けから、その人の資質、性格、吉凶を読み取る方法がいろいろ確立されている。

 代表的なものに、顔の部分を七十以上に区分して年齢を当てはめ、何歳の時にどんな吉凶に合うかを見る流年相法というのがある。また、額の中央を官禄宮、眉の上を福徳宮などと、顔の部分を十二に区分する、いわゆる十二宮による観相もあり、これは人相学の最も一般的な古典的手法である。この十二宮観相は、主として血色と肉付きの良否をもって見る。

 これらの観相は専門的にすぎるので、人間の顔を大きく三つに分け、それを人生の各期間に当てて見ていく、一般向きの観相術を紹介しよう。

 すなわち、人の顔は上停、中停、下停の三つに分けて、その人の一生涯を見る。上停は青年期、中停は三十~四十代の壮年期、下停は熟年、老年期を表す。

 上停とは、毛髪の生え際から両眉毛の上まで。三十歳までの青年期を示す部分で、知力、感性を表す。額、眉の間(命宮)が広いほど頭脳明晰(めいせき)で、若い頃から鋭いアイデアを生み出すとされる。つまり、おでこが広い人は頭脳明晰で、若いうちから認められる相なのである。

 中停とは、両眉毛の上から鼻先まで。三十代、四十代の壮年期を示すもので、中年時代の活動力、実行力を表す。目は愛情と大胆さ、鼻は勇気と精力の象徴。大胆な性格を表す大きな目、勇気と実行力を表すどっしりした鼻の持ち主は、成功の可能性が高いといえるだろう。小鼻の両わきの線である法令が深い線を刻んでいれば、出世が早い。

 下停は、鼻の下の溝から顎の先まで。五十代以降の熟年、晩年期を示し、その人間の意志、ゆとりをも表す。この下停で大切なのは、口と顎。口は、家族や部下に対する厳しさや愛情が出るところなので、大きいほうがいい。また、顎は豊かなほうが、恵まれた晩年を送ると見られる。

 中停の頬骨が高く、下停が貧弱な場合は、部下運がなく、人生は孤独な下降線をたどることが暗示されている相とされる。この意味で、社会的には大成功を収めたと思われる人物でも、晩年が寂しかった例として、豊臣秀吉が挙げられる。太閤(たいこう)の肖像画を見ると、顎がとがったように細くなっている。仕事では上り詰めたのだが、家族運には恵まれず、孤独な最期だったように思われるのだ。
●大きい顔は外向的、小さい顔は内向的
  次は、顔型から、その人の資質、性格のパターンを大まかに読み取る方法である。

 まず、身長の高低とは関係なく、人間を正面から全体として眺めた場合、大きい顔の人がいるし、小さい顔の人がいる。

 前者の大きい顔には、一般的な傾向として、支配することを好み、自分を押しつけたがるといった外へ向かって、膨れ上がっていく自己主張の意味がある。

 世に、「大きい顔をするな」、「フテエ面だ」などという悪口が通用しているが、これらの言葉は、大きい顔の何たるかを経験的に言い当てている。大きい面構えの人というのは、いばったり、相手を押しのけたり、出しゃばったりする確率が高いことを、昔から人々は当然のこととして知っていたわけである。

 大きな顔が外へ向けて、強く自己主張をしようとするのと反対に、小さい顔は内側のほうへエネルギーが流れやすい。自分の性格や能力を内面的に充足させようとするということだ。

 具体的にいえば、物事を綿密に確かめる、技術を磨くことに執心する、取り決めや規律に忠実に従うといったように、自分自身を求心的に引き締め、内面の充実に向かおうとする性質である。だから、服従を好み、依存性が強いという傾向を内包することになる。

 俗に、「小さくなる」、「縮こまってしまう」というように、自己主張を否定し、服従の姿勢を相手に示す時は、自然に小さい顔を作るという行動パターンを人間は持っている。小さい顔の人は、ボスには向かないのである。

 企業の経営者の場合でも、先見性や決断力といった共通的に必要な能力は別にして、人間的迫力で指導性を発揮する人は、大きな顔の持ち主である。一方、機械いじりが好きで、油にまみれているのが好きというように、技術競争を自ら先頭に立って勝ち抜く職人根性によって、社業の隆盛をはかってゆく人は、小さい顔の人が多い。

 人間には大きい顔、小さい顔のほかに、丸っぽい顔がある。丸顔の示す一般的な特徴は、直観力の発達と感情性の高さである。

 直観力が発達しているということは、裏を返せば、論理を積み重ねて長く考えるのは苦手で、一足飛びに結論に到達しようとする傾向でもある。丸顔は直覚的に真実を見抜く力を生まれつき備えているもので、考え方に予想外の飛躍があったり、きわめて機敏で、即断即決を下したりする。

 うまくゆく時は、とんとん拍子のスピードで、成功をとげることもある。一方で、いわゆるアイデアマンの要素があるためもあって、時に気分的なひらめきだけで重大な決定を下して、後でほぞを噛むことが多いのも、丸顔の持つ一面だ。

 次に、丸顔人間のもう一つの特徴である感情性だが、感情性が高いということは、他人への親近感が強いという面と、好悪感、つまり好き嫌いが激しいという面とが常に同居している状態である。

●丸顔と反対の性格傾向を見せる角顔
 丸っぽい顔、丸顔に対して、角っぽい顔、角顔に示されている基本の性格は、分析力と意志性である。

 分析力とは、物事の原因、結果を論理的に見極める、けじめをきちんとつける、理屈に合わないことに反発を感じる、という性格傾向を示している。直観的に結論を出したがる丸顔人間とは、反対の方向である。

 それだけに、他人の主張に即座に同調することは苦手で、時々、「物わかりが遅くて、始末に困る人だ」などと誤解されたりもする。しかし、直観や感情的な好悪感だけで性急に行動しないので、失敗も少なく、慎重で落ち着きのある人間としての評価も受ける。

 この角顔人間の分析力は、意志的性格によって裏打ちされている。意志性は、持続性に優れている、努力家である、物事に執着する傾向が強い、などといった内容を含んでいる。

 一度何かを始めると、コツコツとやりとげるまで続け、はじめは愚鈍のように見えながら、長い年月の間に大きな仕事をなしとげたという例も多い。角顔人間は丸顔人間と違って、気分次第で朝と夕ではコロリと変わってしまうということがない。

 一方で、この性向は、何かに固執し始めると止めどがなくなる側面もある。飛躍とか、応用とか、臨機応変というふうな対応が下手なのだ。

 また、親近性に富む丸顔人間とは対照的に、角顔人間は他人との間に親密さを短時間に作り出すのが不得意。どこか寄りつきにくい、無愛想、堅物といった印象を漂わせている。

 次に、長い顔の人が示す傾向は、悠長、じっくり型である。長い顔とくれば、その反対は短い顔となりそうなものだが、実際には長い顔はあっても、短い顔というのはめったにない。まれには、ひしゃげたように短い顔の人がいるが、それは例外と思ってよく、長くない顔は普通の長さの顔である。また、横幅の張った顔の人が短い顔と受け取られがちだが、それはあくまでも横幅の張った顔であって、短い顔ではない。

 顔の幅が広いのは、粘りや忍耐力を表する。例外的に短い顔の人がいたならば、即決、短気の人で、けんかっ早く、犯罪率も高い。

 さて、長い顔の人との初対面でパッと見て判断するのは、悠長、じっくり型であるとともに、論理追求型の特徴を持っているのではないかということである。

 なぜならば、学者、発明家、革命家などに長い顔の持ち主が多いからだ。俗にいえば、理屈っぽい人間、あるいは理想主義者である。このタイプの人は、理論や思想への執着性が強く、非論理的思考を押しつけられると我慢できないといった傾向を持っている。

 会合などで観察してみればよくわかることで、自己の主張をわめき散らす人は大きい顔の人が多いが、理路整然と筋道を立てようと頑張る人は大抵長い顔の持ち主だ。いわゆる一言居士も多い。

 ところで、長い顔でも、ちゃんと筋道の立った理屈をいうのが大の苦手という人もいる。長い顔の持ち主として、その基本性向に論理追求性を有していても、知識に乏しかったり、不勉強であったり、頭がよくなかったりして、理論や言葉の組み立てがうまくできない人もいる。極度に気の弱い性格、エネルギー欠如、情緒希薄などで、理屈を言い立てるのが面倒な人もいよう。

 だから、人間を観察する時には、それぞれの顔型に共通する基本性向、基本性格に基づきながら、総合的に眺める必要があるわけだ。
∥眉は人間の「気」を表現する∥

●眉は人間の「気」を表している

 顔の全体、目鼻立ち、顔型から性格傾向を読み取る方法に続いては、人間の顔を構成する各部位から観察する秘訣である。

 昔からの観相術では、眉、目、耳、鼻、口などの部位に、それぞれ理想とされる形がある。そのうちどれか一つでも完全な人は、それだけで相当幸運な人生が歩めるはずだ。

 額の理想的とされる形は、広く、平らで、凹凸のない一枚板。そういう額の持ち主は二十五歳くらいまでは苦労しないですむはず。悪い額の持ち主でも、二十五歳をすぎれば努力が報われるだろう。

 額の下にあるのは、容貌が優れている人を称賛する、眉目秀麗という表現にも使われている眉である。

 この眉は構造的には目のボディーガードであるが、観相術上では人間の「気」を表している。俗に、「気が強い」、「気が弱い」、「気が荒い」、「気が長い」、「気が短い」、「やる気がある」、「粘り気がある」、「穏やかな気性の人」、「気むずかしい人」などという時の「気」で、人間の行動スタイルに関係してくる心の働き、心持ちであり、一種の気性といってよい。

 この眉ほど、人間の目鼻立ちの中で、人による形状の変化の激しい部位はほかにない。それだけ、眉は心持ちや気性の違いを端的に表現しているところといえる。

 しかも、「眉をひそめる」、「眉を曇らせる」というように、眉はけっこう、その時、その場の感情や心理状態を表す繊細な部分なのである。「眉に唾(つば)をつけて聞く」、「眉唾物」などという表現があるのも、眉が心理の要(かなめ)になっているからこそいわれることである。ばかか利口か、親子・兄弟関係はどうかなども、ここに出る。

 詳しく説明すると、まず、眉の長さは、「気」の長さに通じる。眉の長い人は、じっくり構えてあわてない。仕事に関しても、眉が長い人は息の長いやり方で、着実に仕上げていこうとするものである。従って、執着性も強くなり、知識や研究や技術などにおいて、専門的に深く追求することに向いている。

 そして、眉の長い人はゆっくりした呼吸をするし、眉の短い人、特にその上に鼻の短い人は、せわしない呼吸をするものである。ここにも、「気」の長さ、短さの一つの根拠を見るのである。

 一般的に、眉の短い人は、「気」が短く、何事でも簡潔、明快に割り切ろうとする傾向を持つ。会社で「意見は簡単明確に」、「早く結論を」などと部下に命じるのは、このタイプの性格だ。しかし、短い眉の持ち主でも、同時に長い鼻の人物であれば、論理性によるコントロールが中和的に働くので、「気」の短さは内包された鋭い気質として変わってくるだろう。

●眉でわかる「気」の調子、「気」の大小
 一文字眉といわれるような直線眉と、ヘの字眉、三日月眉、ハの字眉などの曲線眉は、その形状のように「気」の調子を表現するものである。

 一般的に、いわゆる直線眉の人は、物事を理解したり、行動を起こしたりする時に、一本調子なところがある。思い込んだら、周囲の人の意見をなかなか聞かないはず。正義感も強く、真面目(まじめ)型が多いが、中途で挫折するとがっくりして、再起するのに時間を要す。自意識も強くて、気取り屋の面があり、我がままな人間に思われがちである。

 長い直線眉、つまり男眉ともいわれる一文字眉の人の場合は、正直者でお人好しが多い。これは一本調子で、気の長いという二つの面が結びついた結果だ。

 短い直線眉の人物は、物事の本質を直観的につかんで、テキパキと仕事を片づけてゆく敏腕家が多い。物欲にはわりあい淡泊で、気前がよい。

 直線眉に対して、曲線眉の人は、粘り強い性質で、逆境にめげない二枚腰の人が多い。行動も一本調子でなく、情勢に応じて自在に曲折できるので、中途挫折が少ない。妥協する変わり身も備えているのだ。中でも、力強くへし曲がった形の、ヘの字型とハの字型の人は、特に粘り腰が強い。

 同じ曲線眉でも、三日月型の人は、直線眉における一文字眉と似た意味がある。すなわち、粘り強さは他の曲線眉と同じであっても、三日月型はどこか悠長で、「気」の優しいところがある。

 仏像の顔には三日月型の眉が吉相として採用されているが、この型は粘り強さと優しさを兼備しているから、円満具足の理想的顔貌とされる仏像には最適の眉の形だといえる。 観音像、如来像もしかりだが、逆に不動明王や四天王のような仏の守護に当たる存在は、三日月型のような円満な、優しい眉では似合わないのだ。

 仏像を基準に典型化を行う方法によると、完ぺきな眉は、目より長く、細く、艶(つや)があり、眉頭から眉尻にかけて一定方向に毛が伸びて、眉尻が筆をなめたように最後までスーッといって、散らないという一本になるようなものが理想。頭を使えば使うほどに、眉は細く、艶が出てくるともいわれている。

 この点、外国の女性は眉に山を描くが、日本女性は眉をなだらかに、三日月型に描くようだ。丸い眉は、従順さをも表す。

 さて、眉の長さ、眉の形状に続いては、眉の幅。眉の幅が太いのは、「気」が大きいことを示している。太眉の人間は、他人のことをあまり気に掛けず、自分の意見や行動を思い通りにしようとするし、相手と自分との細かい差異にこだわらない。

 しかし、眉の太さが極端になって、いわゆるゲジゲジ眉になってくると、この性格が強く出すぎて、ずぶといといわれる状態になる。

 一方、細眉の人は、「気」が小さく、細かいことにこだわる傾向がある。しかしながら、細眉の人は、その「気」の細やかな働きによって、気配りが行き届いて手落ちのない仕事ができるし、他人の気持ちを読み取る能力にもたけているものだ。

 眉の濃淡でいうと、濃い人は悪いことができない。カッとなることはあっても、じっくり、一年がかりで詐欺をするなど無理。逆に、薄い眉は利口で小才がきく。奸計(かんけい)をもって人を陥れることもある。
∥目は最重要ポイントである∥

●人のすべてが目に反映される
 人間の資質、性格を洞察する観相上で、最も重要なポイントは、何より目である。

 人間を見る場合、言葉のような表面的な要素だけではなく、言葉の裏に隠れている部分、内面を見ることが大切で、「目は口ほどに物をいい」といわれる通り、その人の精神状態、性格、情感、本音がすべて目に反映される。人間の賢愚、気力が一点に集まるところも目である。

 その昔、禅宗の始祖である中国の達磨(だるま)大師は、「貴(素質)と寿(生命力)は神(目の輝き)を見よ」、と喝破した。「目は心の窓」ともいわれ続けてきた。言い古された言葉ではあっても、千古不易、万古不易の真理である。

 現代社会において、人間の体の一部だけ出して、相手が誰であるか当てっこをするゲームをしても、一番よく的中するのは目なのである。それは、関心の程度を表すと考えたらいいだろう。

 日常生活でも、口は動きでごまかしがきくが、目はちょっと腫(は)れただけで、不機嫌そうにも、体調が悪そうにもなる。わずかの変化が表情に出るところなのである。何をするにも、まず相手の目を見ることだ。目は口のようにうそがいえない。

 かくのごとく、目は顔の部分の中で、観相術における最重要の個所であるだけに、古くから説かれている判断例もきわめて多い。

 例えば、古い観相では目の形について、鳳眼(ほうがん)を最高として以下、竜眼、牛眼、羊眼、蛇眼など、あるいは、三白眼、四白眼、雌雄眼その他、細かく分けて眼形を規定している。

 意味づけの面でも、「象のように細く、切れの長い象眼は思考力があり、慈悲深い」、「左右ふぞろいの雌雄眼は人を裏切る」、「三白眼は剣難の相」のような古典観相法から、「目の上瞼(まぶた)の線が真っすぐなのは金もうけが上手」、「二重で大きい目は異性におぼれる性格」といった新観相法まで、まことににぎやかである。

 最も大切なのは、顔の中心に垂直の線を引いた時、目だけは寸分のずれもなく、左右同じ高さについていることである。目に限っては、ちょっとでもずれると社会性、道徳心が欠如してしまう。

 次に、横に長く、必ず目尻のところに切れ目があること。たまに切れ目の見えない人がいるが、非常に危険で、いきなり火をつけたり、女性のスカートを切るのは、このタイプとされる。

 眼球に関しては、白目の中に黒目があるが、この黒目は上下の両瞼にかかっていることが望ましい。下が白目の下三白眼は怜悧(れいり)な頭脳を持っているが、冷たい。上の白目が出ているのは愚鈍。「剣難の相」とまで断定する必要はないが、三白眼はあまりよくない相といえる。

 大事なのは、黒白分明といって、黒目と白目の境目がはっきりしていることで、これは頭脳明晰を表す。

●大小、長短などの目の形で見る観察
 さて、目の形の大きさ、長さ、両目の間の広さである目間、眉と目の間の距離の四つで見る人間観察法を紹介しよう。

 最初の目の大小については、小さいよりも大きなほうが、万事を大局的に見通すことができるのでよいとされる。大きい目は「芽が出る」といって喜ばれもする。

 しかし、小さい目のほうが忍耐力、持続力を持っているから、コツコツと努力して、最終的には成功する可能性が高いと見ることもできる。とりわけ、細いけれども強い光を持つ竜眼と呼ばれる目は、超大物になる相とされ、田中角栄・元首相などはこの目を持っていたといわれている。

 また、目が大きい人は、表現力に富んでいるといえる。この場合の表現力とは、話し言葉や身振り、あるいは音楽や絵画、造形といった直接的な表現力のことを指す。

 タレントや舞台俳優や画家などに目の大きい人が多いのは、誰しも気づくことであろう。表現力があるということは、同時に感情移入が簡単にできる体質であるわけで、俳優や歌手が役や歌に没入して涙をこぼせる原因に数えられる。独創的な、超現実派の絵画世界を開いたピカソやダリなども、大きな目の持ち主で、おまけに感情表現が率直で大仰なことでも有名である。

 逆にいえば、こうした目の大きい人は、ポーカーフェイスが不得手だといえる。柳に風と無表情を装ったり、うそをつくのが下手である。一方、目の小さい人は表現が直接的でなく、内向し屈折して出てくるので、顔を眺めていても内心がつかみにくい。

 もっとも、目の大きい人の中には、お得意の表現力を駆使し、芝居を演じて他人を欺くようなやからもいるので、その点は注意が必要だろう。

 さらに、目の大きい人は感情が率直に表現されるだけに、開放的性格であることが多く、恋愛などに関しても積極的で、うじうじしない性格といえる。これに対して、目の小さい人は感情が内にこもってしまうため、他人の手を借りないと自分の恋情を告白できないような消極さがある。それだけに、かえって強烈な情熱になる場合もある。ともあれ、目は大きいほうが明朗で、社交性がある。

 目の大小の次は、目の長さによる人間観察法の基本である。目頭から目尻までが長い人、あるいは俗にいう切れ長の目の人、こうした長い目の持ち主は、考察に奥行きがあって、物事をじっくり見ようとする性質がある。自然、洞察力に富むことになる。

 しかしながら、いくら長い目の人が洞察力に優れているといっても、目の鋭気を極度に欠く場合など、彼のじっくりとした考察は、いわゆる下手の考え休むに似たりの結果に終わりやすいのは仕方ない。

 反対に、目の長さが短い人、いわゆるドングリ眼、リス眼などと呼ばれる短い目の人の特質は、物事を速断する傾向が強いこと。つまり、直感した瞬間に判断を下して行動するといったタイプなのである。

 人間観察を重ねて帰納される結論は、じっくり型の長い目、速断型の短い目ということだ。

 目と目の間、目間については、広いほど妥協性が強くなったり、物事を大ざっぱに見ようとする傾向が強くなるといえる。逆に、目と目の間が狭いほど妥協性が減じてゆくし、物事を細密に追求しようとする傾向が強くなるものである。

 時間の約束でも、広いタイプは多少の遅れなど気にしないで、のんきに構える面があり、狭いタイプは厳格に守ろうとイライラするところがあるはず。大局的に見ようとする楽天型に通じる面があるタイプと、ひたむきに思い詰める悲観型に通じる面があるタイプということである。

 面白いのは、人間というものは日常生活の中でも、遠くを眺める時や大局的な判断を下そうとする時、子供や孫などを心を広くして眺めている時には、いつしか目間も広くしていること。これに反して、物を細かく見る時や他人の行動を探る時、相手の欠点を見逃すものかと目くじらを立てる時は、必ず目を寄せて目間を狭くしようとしているもの。

 眉と目の間の距離についても、短くなるほどに、心配事が増えて喜びが小さい。目と目の間の広い、狭いと、同じ性格傾向が認められるのである。

●光輝、鋭気などの目の質で見る観察
 以上、目の形による観相法を述べてきたが、旧来の観相法について総じていえるのは、目の形に捕らわれて目の質を忘れていることだ。

 目の場合、目の形とともに、眼球の中の黒い部分である、瞳(ひとみ)の質という方向からも観察する必要がある。瞳の質に関しては、光輝、鋭気、和気の三つを見ればよい。 目に三つのうち一つか、それ以上の要素がない人間は、社会で成功する可能性はきわめて低いと断言せざるを得ない。言い換えれば、成功する人間は、三つの要素のうち必ず一つは有していなければならないし、備えているはずなのである。

 第一の目の光輝、輝きというものは、その人間の気力、すなわちエネルギーの充実を示すものである。子供や思春期の若者がキラキラと輝く目を持っているのは、過剰エネルギーにあふれているためだ。充実したエネルギーは、向上意欲をかき立てる原動力となって、人を奮起させるのである。

 往々にして、異常性欲者やヤクザなどに血走って、油光りにギラつく目の人がいるものだが、その不気味で、下卑た感じの目は、輝きのある目とは全く異質。

 つまり、普通にキラリと輝く、清潔感のある目であればよいのである。しかし、一般に年を取ればエネルギーが衰えてくるのは当然だから、年配者に青少年のような輝きを求めるのは無理というもので、静かな光がその目に宿っていれば上等である。

 目を観察する時は、まず光輝、輝きの有無を確かめてみよう。目に輝きを失わない人は、必ず上昇運をつかむ人なのである。この目の輝きは、持続的な向上意欲の存在を証明するものといえる。絶えまざる向上エネルギーのもたらす成功の可能性は、きわめて高い。

 反対に、年配になってからならともかく、若いうちから目に輝きがないような人物は、将来が気掛かりである。

 第二は目の鋭気。鋭気とは、目に澄明で、どこか鋭い光のような感じがこもっていることで、それは知力を表している。鋭気のない目、すなわち、どんよりとして焦点の定まらないような目は、愚鈍さを表す。

 もともと、鋭気は人間の大脳の集中力が目に表れた現象である。だから、例えばスリが他人の懐中物や品物を狙って、鋭い目になっているのも、その集中力のゆえの悪い鋭気である。

 また、普通の人で目の鋭い感じが露骨に出すぎる人は、狙いすぎているもので、目先の利害に敏感である。しばしば大局的な視点を失いがちなので、注意しなくてはいけない。

 鋭気は、落ち着いた平明な感じで、目に表れているのが最上である。鋭すぎるのは、あまり感心しない。もっとも、ここ一番といった勝負の時に、高揚された集中力の結果として、一時的に猛烈に鋭くなるのは別である。
 失職、倒産、落第、失恋、死別などといったショックによって、一時的に目から全く鋭気が消えてしまう時があるが、こうした場合は、しばらく時間をおいてから観察しなければならない。そのあたりは、常識として判断してもらいたい。

●目に優しい和気がある人は成功する
 目の質を見る第三の観察点は、目の和気。和気とは、目のうちに落ち着いた感じや、和やかな感じ、優しさで包むような感じがこもっていることである。

 この和気は何よりも、バランス感覚に富んだ人間であることを示している。バランス感覚という作用は、他人の立場へ自分を置いてみるという意味を内包している。従って、公平な、片寄りのない判断ができることで、道徳性や常識性も高いといえる。

 和気に富んだ目の人は、知能程度が普通の水準であっても、いつの間にか人間関係によい結果が生じ、他人からの信頼も高まって、思い掛けない成功を得るもの。先の目の鋭気も、和気と結びついた時に、特にその力を発揮する。つまり、大局的な視点を失い、先走りに陥りやすい危険性を、バランス感覚が取り除いてくれるのである。

 失敗の少ない人生、大きな成功が期待できる人生、それをもたらすのが、和気のある目である。

 反対に、いくら才能があっても目に和気の見られない人は、いつしか周囲との調和が破れたり、独りよがりに独走してしまったり、孤立したりといったことになりやすい。

 さらに、和気とは正反対に、目にすごみの見られる人間が時折いる。和気を全く欠いている上に、悪い鋭気が露骨に出る結果、そうなるのである。めったにこうした目に出くわすことはないが、すごみのある目の人間には警戒する必要がある。

 こうした光輝のある目、鋭気のある目、和気のある目、あるいは、どんよりした目、きつい目、すごみのある目といった人間の目付きの要因は、瞳孔(どうこう)との関係が大きいもので、日本人は虹彩(こうさい)が茶褐色の茶色目が多く、その中の黒い瞳はわかりにくいが、その開き具合で心の動き、関心度を知ることもできる。

 かつての中国では、ヒスイ商人が客の瞳が開くのを見ていて、すかさず値を釣り上げた。そこで、買い手は瞳を見られないように、ベールをかぶって取り引きするようになったという。それくらい瞳は心の動きを表すのである。

 すなわち、人間は興奮したり、楽しいと瞳を開き、つまらないと閉じてしまう。生理学的にいえば、興奮したり、びっくりしたりして緊張すると交感神経優位になり、瞳が広がるのである。瞳が広がるということは、商品に魅力を感じているということで、現代日本の宝石や車のベテランセールスマンも、客の瞳を見て商売をするとよくいわれる。

 また、きつい目というのは、瞳が閉じている状態で、いわゆるヤクザの目は、例外なしに瞳は小さいものだとか。

 その点、きつい目の人間というのは、自己意識が強いために圧力ができ、圧力ができれば目の中に圧力が入ってくるから、きつくなったり、さまざまに変化しやすいのである。自己意識の強い人は、目が濁って、妄想が渦を巻いているものでもある。

 一方、すっきりと、素直に生きている人の目は、おのずから澄んで美しく、青空のようにすがすがしいものである。

∥耳は受け身の姿勢を表す∥

●耳には顔の遺伝体質がよく出る
 人間は耳がよいと得をするものであるが、この耳は人間の受け身の姿勢を表すところである。あるいは、防衛機能の能力を表しているところといってもよい。

 顔における他の目鼻立ちは、生物学的に見たなら、それぞれに攻撃的な意味での表情を何かしら持っているもので、目はにらみ、鼻は膨らみ、口は歯をむき、顎は口に応じて張り、眉は釣り上がるという具合だ。

 ところが、耳だけは攻撃的意思や情感と全く連動しない器官である。人間の耳はあくまでも、受け身の姿として存在するのみである。それは、知識を得るための源泉であり、情報収集の源であるだけに、顔の中で最も冷静な場所であろうとしているともいえるかもしれない。

 実は、この耳は内界のものを取り入れて、無意識に送り、体の調節機能もはかっている。しかも、人間が豊かな表情を表す時には、耳が無意識的に働き、表情を作っているのである。

 面白いのは、耳というものが、一番よく顔の遺伝体質を表すとされることである。中国観相法では、鼻も口も年齢によって変わるが、基本的な形は耳が最も一定不変と教えている。

 法医学的な親子鑑定の時も、今でこそ、血液型の種類が赤血球型、白血球型、DNA型などと詳しく調べられるようになり、顔の検査は簡単にされているが、三十年ほど前には、細かく比較したもの。中でも、一番特徴が出ているのが耳であり、この耳が立っているか、寝ているかから始まって、耳たぶの形、耳の一番下の端の切れ込みの形、加えて、結節という耳の上の膨らみがあるかないか、内側のほうが出っ張っていないかなどの特徴を親と見比べて、鑑定していったのであった。

 さて、観相術でいう理想的な耳とは、顔の色より白く、艶やかで、耳たぶが一定の厚みでできていて、硬く、耳の穴は人差し指がスポッと入るくらい大きく、側頭壁にへばり付いていて、できれば耳の上部が眉の位置より一センチほど出ているものである。

 すなわち、色が白く、艶があると人品卑しからず、健康状態もよい。厚みは名声、金力、硬さは精力、耳の穴は度量を示す。耳が側頭部に付いていると、徳の心があって、人が付いてくるといわれる。

 この観相上でいう耳の理想的特徴の中では、一般に、福耳、つまり耳の下部が肉付きがよく、たっぷり膨らんでいる耳は金持ちの相というのが、一番信じられているようだ。もちろん、福耳で金持ちの人もいるし、福耳で貧乏の人もいるのは当然のことである。

 そこで、耳の形や張りの観相で、その人の資質や性格を判断する基本を述べておく。

 まず、耳の大小は、最も原初的な意味で、外部からの音を聞き取る能力の大小を表している。結果として、理解度の大小を表すものであり、また、外部の音への理解度が高ければ、警戒能力もそれに比例して高くなるのはもちろんだ。

 一般に、人間というものは自分の優れた能力に愛着するもので、耳の大きな人は、理解する行為そのものを好み、他人の話にもよく耳を傾けるものである。

 逆に、耳の小さい人は、周囲の言をじっくり聞くというより、どうしても独走的になりやすい。その気質は注意深さが不足するということにつながり、無鉄砲で、そそっかしい軽率な人が多い。

●耳の張りで察知する運勢の動向
 肉が厚く、頑丈そうな耳と、肉が薄く、弱々しい耳の二種類があるのは、通常、誰もが薄々感知していることだろう。

 前者の耳の厚いタイプの人は、体力、気力ともに優れ、外部からの刺激や働き掛けに対しても、簡単には反応せず、じっくり腰を落ち着けて動こうとする傾向が認められる。

 これに反して、後者の耳の薄いタイプの人は、外部からの作用に対して、敏速に、腰軽く動こうとする傾向を見せる。

 耳について、古来、中国人が「耳重きは人を動かし、耳軽きは人に動かさる」という観察法を唱えていたのは興味があるところで、耳重きは耳厚き、耳軽きは耳薄き、に対応するのはいうまでもない。

 耳の厚薄の次は、耳の張りで見る観相である。耳の張りとは、大きさや厚薄、形には関係なく、耳に勢いがこもっていることだ。

 張りのある耳とは、力強い感じ、はつらつとした感じ、艶があって血色がよいこと、どっしりとした安定感、ふくよかでみずみずしいことなどの一つ、もしくは複数の状態を備えているもののことを指す。

 反対に、張りのない耳とは、力弱い感じ、しょぼくれて見えること、くすんで縮こまった感じ、汚く不潔感があるなどの、どれかに当てはまるものである。

 こうした耳の張りは、人間の活気性を表す。活気性とは、外部からの影響に積極的に対応できる精神であり、気持ちであるといえる。耳の張りのない人は、活気性に乏しく、外部への対応が消極的に、逃げ腰になっているものだ。

 なぜかというと、耳というものが、人間の身体的条件の好不調を強く反映する器官だからである。他の目鼻立ちと違って、耳の形状は体形をかなり忠実に表している上に、体の生理機能の代弁者でもあるわけだ。

 身体状況の好調、不調を耳が反映しているということは、まだ解剖学的に確認されたわけではないが、中国では何百年も前から、経験的に認められてきた事実。人体のすべての病気を、その人の耳のツボ、すなわち経絡を刺激することによって治癒力を高め、治してしまおうとする中国の針治療法は、今や世界的にも有名である。人体のツボはすべてそっくり、ミニチュアサイズで耳に再現されているとし、耳のツボを刺激すれば、それに相当する本体の病気も治るという考えに立っているのである。

 耳のツボ刺激で病気が治る人がいることも事実なら、耳の張りのよい人は、外部からの作用に対して活気性のある反応を示すということも、動かしがたい経験的事実である。

 そして、人間の耳は、身体状況の反映ということからして、常に変化しやすいものであることも経験的に認められる。だから、例えば仕事が順調にいっていた人の耳が、急に張りを悪くしたような時は、心身の状況についても、仕事の面についても、十分に点検する必要がある。

 反対に、耳の張りが以前よりも生き生きして、顔色よりずっとさえた感じになった時は、それこそ調子や運勢が乗ってきたことを示している。気乗りがしてきているということだ。
∥鼻は自我と財力を表す∥

●鼻は自我を表し、財力を暗示する
 顔の中心は、鼻である。感覚器官としての鼻には、嗅覚(きゅうかく)機能のほかにも、鼻甲介の血管の収縮によって、肺に入る空気を暖める暖房の機能がある。また、鼻孔内の繊毛と粘膜によって、外から侵入するホコリを防ぐ役目を果たしている。

 そればかりか、実は、この鼻が体を統制している。心をも調整しているのである。坐禅の時、「鼻の頭を見よ」、「鼻の頭に精神を集中させよ」などというのは、本当の教え方ではない。しかし、鼻に意識が集まれば、精神統一と同じような状態になることができるという、一つの方便的教えなのである。

 つまり、人間にとっては、鼻は第二のヘソのような存在で、臍下丹田(せいかたんでん)に「気」を沈めれば、自然に落ち着けるように、鼻をすっきりと通しておけば、神経が常に安定しているから、精神統一をする時も楽なのである。

 さらに、鼻は宇宙からの「気」を受信し、発信するアンテナでもあり、それは外部環境に対しての広がりを意味するだけではなく、肉体内部のあらゆる器官にも四通八達しているものである。盾の両面のように、外部環境と肉体内部に作用する五官作用の働きの霊妙さのシンボルといえよう。

 鼻といえば呼吸だけが役目、と思っている人がほとんどに違いないから、意外な機能にびっくりするだろう。

 人相的には、鼻は金、財力、精力を表す。理想の鼻は、顔面の三分の一の長さ。鼻の付け根は両目の高さから盛り上がり、徐々に高くなって、鼻先に至る。その途中には段差や節などなく、鼻先はビー玉が入っているような丸さがあるのをよしとする。

 伝統的観相学では、鼻を三段階に分け、そのうちの鼻の付け根の部分の山根が知性を表すとし、山根が低ければ知性が低い、山根が高ければ知性高く頭領運などとしているものもある。

 もちろん、世の中には、山根など低くても大成功をした人、頭領になった人、高い知性を持った人など、たくさん存在するのはいうまでもない。鼻高きは高貴などと、決めつける必要もあるまい。

 鼻について確実にいえることは、その人の鼻がその人の自我の存在形態を示すものだということだ。顔という自分の世界の中で、顔の中心に位置する鼻が、さらにもう一つの自分自身の存在の形を表している。

 つまりは、大きな鼻の人は、それだけ自分に占める自我が大きいわけで、我の強い行動をとりやすい。小さな鼻の人は、その反対になりやすい。加えて、自我のあり方という面からいえば、形がはっきりした鼻の人は行動様式もはっきりしているし、鋭くとがった鼻の人は何事においてもシャープな行動をとることが多く、弱々しくふわついた鼻の人はいつも頼りない態度に終始するといった傾向は、かなり鮮明に出てくるのである。

 とりわけ、大きな鼻の持ち主は自我性が強くて、支配欲が旺盛(おうせい)であることは、昔から経験的に認識されてきた常識といってよいだろう。西洋でも古くから、「偉大な征服者はみな偉大な鼻の所有者である」、「鼻は制圧の器官である」などといわれてきた通りである。

 反対に、小さな鼻の持ち主は、周囲に自分を適合させようとする気持ちが強く、自らの限界に敏感なので、暴走することが少ない。

●鼻の下が長いのは長寿を示す吉相
 鼻の長短でいうと、鼻の長い人間は、論理を構築し、追求することを好む。物事にこだわりやすいということだ。

 人種的に見ると、欧米人は東洋人より鼻が長い。それだけ理論好きの人間が多く、ことにドイツ人の理論偏重的性格は有名である。日本では、多少のもめ事は人情的にまあまあで解決してしまうのが普通だが、欧米ではちょっとしたことでもすぐ訴訟になってしまうのも、鼻の長さに関連があるといえよう。

 短い鼻の持ち主のほうは、物事に計画性が乏しく、結論を急ぐ傾向が強い。従って、直観に頼るか、判断を急ぐか、衝動的に行動するかといったことになりやすい。性急な人は、短鼻であるのが普通である。しかし、短い鼻の人は、おおむね機転がきき、明朗で開放的な性格であることが多い。ただし、根気が続かず、移り気な場合も多い。

 次に、鼻の座りについて観察すると、鼻の座りのよい人というのは、実務性が高いといってよいだろう。実務性は、現実認識力と比例する。

 私のいう座りのよい鼻とは、地から生えた樹木のように安定感があったり、小鼻がしっかりと張っていたり、要するに顔面との違和感がなく、しっくり座っている鼻である。

 座りの悪い鼻とは、鼻が顔面から孤立した感じでそびえていたり、つまんだように浮き上がっていたり、ふわっと弱々しい感じであったりと、自分の顔との釣り合いがしっくりせず、座り具合に安定感のない鼻である。

 人間の顔全体を一つの小宇宙、小天地と考えれば、鼻は自分自身である。小宇宙に、どんな具合に根を張っているかを、座り加減が象徴しているのだ。座りのよい鼻の人は実務性が高いというのは、自然の示す驚くべき比喩(ひゆ)の一つであろう。足がしっかり地に着かないへっぴり腰では、鍬(くわ)を地面に打ち込む前に自分の足を傷つけてしまうに違いない。

 実際の話、地に着いた実務性や認識力を欠いては、事業の成功や金もうけもむずかしい。観相学の中に、「金甲、すなわち小鼻の張った人は金がたまる」というのがあるが、小鼻が張っているなら、座りのよい鼻といってよく、実務性が高いはず。その意味では、この観相法もゆえないことではない。

 が、座りのよい鼻の人は必ず金がたまるということではなく、実務性が高く、現実認識力がある人は金もうけをする可能性が高い、というのが正解である。

 一方、座りの悪い鼻の人は、少し調子がいいとすぐ上っ調子になりやすいし、独り合点に早合点、自分勝手な希望的観測、周囲のことも考えず、根回しもすまないうちに独走してしまう。このタイプの人物は、自分の欠点を十分認識して、慎重に行動する習慣をつけねばならない。

 鼻のついでに、鼻の下の人中(にんちゅう、じんちゅう)と、その付近の相について説明しておく。  人中は、鼻の下から上唇にかけて伸びた溝のことで、これが長い、すなわち鼻の下が長いのは長寿の相とされ、長生きする上に財力にも恵まれる吉相である。

 また、人中の両わきのあたりを食禄(しょくろく)と呼んでおり、家屋でいえば台所に当たるこの部分が広く、豊かな人は、生計にゆとりがあり、財をなすとされる。

 結局、鼻の下に関しては、長ければ長いほどよい相なのである。
∥口と顎は生命力のポイント∥

●口の鑑定は大小、厚薄、締まりで行う

 人間の口は、食と性の二大本能を持つ生命力のポイントである。大きくて力強い口とか、豊かで締まりのよい口といったものは無論よい相であるが、小さくても力のこもった口や、気品のある口、すがすがしい口といった場合も良相である。 

 黒目の内側から下ろす二本の垂直線の中に納まるのが普通で、これより大きな口は、行動性の大きさを表している。口は空気の出入りするところで、自動車でいえば排気量の大小がエンジンの馬力の大小と関連するのと同じく、人間も排気口が大きいと行動力も大きくなるといえるようだ。 

 大きな口は器量も表すから、大勢の人を使って、大きな資金を動かす仕事に就けばよい。

 小さな口の人は、大きな口の人のように本能的に行動が先に立つタイプと違って、エンジンのかかりも遅いので、行動力が弱くて、自主独立の気概に欠けていることが多い。

 唇は、上下同じ厚さが理想的。この口唇の厚い薄いは、持ち主の情動性の厚薄と比例する。一般的な表現でいえば、厚い人間は情熱的で、薄い人間は冷静といえる。つまり、口唇の厚い人は情愛や欲望に突き動かされた行動に走りやすく、口唇の薄い人は情におぼれないで行動するということだ。

 また、口唇の厚薄は、食欲という肉体的欲望とも関連する。一般に、口唇の厚い人は飲食の欲におぼれやすく、薄い人はおぼれにくい。食欲と並ぶ本能、性欲についても、口唇の厚いタイプは欲情に我を忘れやすく、薄いタイプは淡泊なところがある。

 イメージ的に表現するならば、口唇の厚いタイプは、情熱、濃厚、非合理。薄いタイプは、冷静、簡潔、合理。そういった言葉が当てはまるようだ。

 もう一つ重要な観点がある。口の締まり具合で、その良否は、意志性の強弱を表している。締まりのよい口の人物は、意志的コントロールがよく、自制力に富んでいる。反対に、締まりの悪い、だらしのない感じの口の人は、意志的な安定が弱く、自制力に欠けている。

 もっとも、口の締まりは、何も苦虫を噛みつぶしたようにいつもギッと噛み締めているのがいいわけではなく、静かに、穏やかに締まっていても同じことで、むしろ緊張過度の苦虫型より自然である。

 この点、大きくて口の締まりのよい人は、行動半径の広い仕事をするものだ。小さくて口の締まりのよい人は、行動半径はさほど広くなくても、確実性のある仕事をなしとげてゆくものである。

●顎の値打ちは力強さ、頑丈さにある

 頬は孤峰独従といって、ここだけが高いと、人はなかなか付いてこないとされるが、頬の下に位置する顎の相について述べよう。

 人相上では、顎は意志の強さを表し、晩年の相をも表す。老人は足から衰えるというが、実は人間の一生は上から下へ成長、発達してゆくもので、晩年の運勢は顎にある。

 日本の軍隊では、よく「顎を引け」といった。相撲界では「顎が上がった。もう駄目だ」といっている。一般の人なら、「顎で人を使う」という言葉を使うだろう。

 顎の先を動かして、人を指図する意味だが、その裏にはなかなか意味深長な背景を持っている。というのは、顎の頑丈な人間は先天的に、ある意味で他人を支配するのに適した性質を備えているといえるもので、政治家や実業家、労働組合の指導者などのように、多くの人間を直接に支配する立場の人には、実際に頑丈な顎の持ち主が多いもの。

 明らかに、顎の頑丈さの持つ闘争性が、支配性という様式に転化した好例である。それに、人間という生物は、本能的に、頑丈な顎の迫力に圧倒される面があり、彼らは楽に支配力を発揮できるというわけである。

 顎の大小で見ると、顎の大きい人間は、行動における発動性が遅い。一つの行動を起こすのに、時間がかかるのである。ゆったり構えて、なかなか行動に踏み切らない。これに対して、顎の小さい人間は、行動における発動性も、行動の転換も早い。

 次に、丸い顎、あるいは丸っぽい顎の人と、角顎、あるいは角っぽい顎の人との違いで見ると、行動における方向性の違いが観察される。

 丸顎は、感情や感覚に触発されて行動を起こし、また、自分の感情や感覚が納得する方向に行動を持っていこうとする。片や、角顎は、論理や規範に基づいて行動を起こし、また、自分の信じる論理や規範に反しないように行動する方向へ持っていこうとする。

 丸っぽさ、角ぽっさの程度に応じて、その方向の強弱はあるが、この傾向の違いは歴然としている。

 ともかく、顎の値打ちの根本は、頑丈さにある。顎の頑丈さは、闘争性の強さを表している。行動における力を決定する要点なのだ。

 しっかりと、力のこもった頑丈な顎の持ち主は、意志が強く、困難打開力や抵抗力も強い。しかも、この顎に力のある人や、腰に力のある人、足に力のある人というのは、落ち着いている。度胸があるからである。

 頭がよいということと、人間がしっかりしているということとは、違うのである。利口といっても、本当に利口な人というものは、無駄口をきかないし、無理なことをしない。無法なことなどはしないものである。

 人間の真なる力というものは、顎とか腰とか、腹や足というような肉体の低いところに集まっている。そして、これがその人の落ち着きというものになる。

 その一つの典型が坐禅である。足を組み、腹を据えて、顎を引く。次に、口を結んで腹で呼吸をする。このようなしっかりした顎を持って人生を生き、しっかりした腰や腹で生きていく時は、心臓や肺臓に負担がかからず、頭がすっきりする。雑念や妄想なども起こらない。

 この力のある顎、頑丈な顎に反して、力のない、弱々しい顎の持ち主は、難敵に対する闘争力が劣弱で、自らの行動を貫徹する持続力にも欠ける。人生の正念場で挫折する人間に、よく見るタイプである。

 しかしながら、顎が頑丈でなく、行動性において弱い人の場合でも、人間は社会的動物として多様な生活様式の中に生きているのであるから、他の才能や性格が優れていれば、適職を選ぶことによって、社会における重要な地位を占めることが十分に可能だといえよう。

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