神戸大学の研究チームは25日、新型コロナウイルスの幅広い変異型に対し高い感染抑制作用が期待できる中和抗体を開発したと発表しました。オミクロン型で現在主流となっている「BA・5」にも効果があり、新型コロナの治療薬としての応用が期待できるといいます。研究成果はプレプリント(査読前論文)にまとめました。
研究チームは、新型コロナウイルスへの感染歴があり、mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンを2回接種済みの複数の患者の血液から人工的に抗体を数種類作り、新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質との結合強度などを解析。うち1つの抗体は、第1波で流行したヨーロッパ型からBA・5型までの幅広い変異型に対し、ウイルスの感染を抑える作用を示しました。
森康子・神戸大学教授(臨床ウイルス学)は、「動物実験などで有効性についてさらに解析を進める」としています。
抗体医薬は軽症者に投与して重症化を防ぐ仕組みの治療薬。国内では抗体カクテル療法と呼ばれる「ロナプリーブ」(中外製薬)や、イギリス製薬大手グラクソ・スミスクラインが開発した点滴薬「ソトロビマブ」(商品名・ゼビュディ)が承認されています。
2022年10月26日(水)
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