2024/04/30

🟧小林製薬「紅麹」サプリ摂取、延べ266人が入院 医療機関の受診者は延べ1528人に

 小林製薬の紅麹(べにこうじ)の成分を含むサプリメントを摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、厚生労働省は、29日の時点で延べ266人が入院したことが小林製薬からの報告で明らかになったと発表しました。

 小林製薬の紅麹の成分を含むサプリメントに関しては、摂取した後、腎臓の病気を発症するなどして、これまでに5人が死亡し、全国で健康被害の訴えが相次いでいます。

 厚労省は健康被害の状況について、小林製薬から報告された29日時点の人数を明らかにしました。

 それによりますと、体調に異変を感じるなどして、延べ1528人が医療機関を受診し、延べ266人が入院したということです。医療機関を受診した人は1500人を超えました。

 小林製薬への相談数はおよそ10万3000件に上り、10万件を超えました。

 また、3月29日に設置された厚労省と消費者庁のコールセンターに、4月29日までに合わせて4716件の相談が寄せられたということです。

【コールセンター】 電話番号0120-388-687 午前9時から午後9時まで 土日や祝日も相談を受け付けます。

 厚労省は各地の保健所などとも連携して被害の確認を進めるとともに、引き続き健康被害の原因について調べることにしています。

 2024年4月30日(火)

2024/04/29

🟧群馬県内6地点で今年初の真夏日、熱中症疑いで2人搬送

 群馬県内は大型連休2日目の28日、高気圧に覆われ気温が上昇しました。最高気温は桐生市で全国6位の31・4度となり、南部の6地点で30度以上の真夏日となりました。前橋地方気象台によると、県内で真夏日は今年初めて。前橋市の県立敷島公園ではまぶしい日差しの下、子供たちが水遊びを楽しんでいました。

 北部でも平年より10度ほど高く、最も暑い時期を上回る所がありました。沼田29・9度、みなかみ29・8度、藤原(みなかみ)28・1度の3地点は1977年の統計開始以来、4月として最も高い気温を更新しました。

 各消防によると、午後6時までに熱中症の疑いで2人が救急搬送された。館林市の屋内で部活動を見学中の男子生徒(16)が中等症、沼田市で散歩中の70歳代男性が軽症。

 気象台によると、29日の予想最高気温は前橋27度、みなかみ26度。

 2024年4月29日(月)

2024/04/28

🟧RSウイルス感染症が「流行入り」 静岡県が注意呼び掛け

 静岡県は26日、直近1週間(15~21日)のデータから「RSウイルス感染症が流行入りしている」と発表しました。定点医療機関となっている小児科1カ所当たりの患者数は1・64人で、県が流行入りの目安としている「1人」を大きく上回りました。前週の0・9人よりも8割増加し、急拡大が懸念されます。

 RSウイルス感染症は、せきやくしゃみによる飛沫や鼻水、唾液に触れることで感染し、発熱や鼻水、せきなどが出ます。年長児や成人では、軽い風邪症状ですむ場合が多いですが、乳児や基礎疾患のある高齢者が感染した場合は急性細気管支炎や肺炎となり、 呼吸困難で入院する場合もあります。

 流行入りは昨年よりも1カ月以上早く、例年と同様であれば数カ月続くとみられます。県感染症管理センターは、「症状がある人はマスクを着用し、手洗いを」と注意喚起しています。

 インフルエンザの患者数は1医療機関当たり2・4人(1日の推定感染者数は約340人)、新型コロナウイルスも2・81人(同約350人)となり、いずれも前週を下回りました。

 2024年4月28日(日)

2024/04/27

🟧スポーツジムでの事故、6年間で505件 パーソナル形式での事故が209件

 スポーツジムなどでのトレーニングによる事故が2023年までの6年間で505件あったことが25日、消費者安全調査委員会(消費者事故調)のまとめでわかりました。うち4割は個別指導を受ける「パーソナルトレーニング」で起きていました。運動不足解消などの目的で利用は増えており、消費者事故調は引き続き調べて事故防止を急ぎます。

 消費者事故調が消費者庁の事故情報データバンクで調べたところ、2018年から2023年にパーソナルトレーニングで起きた事故は209件ありました。29%が治療に1カ月以上を要する「重傷」でした。背骨の骨折など消費者安全法の重大事故と認められるものも9件ありました。

 個人ジムや個別指導の人気は、近年高まっています。国民生活センターが2022年に実施した消費者アンケートで、利用経験がある約1000人にパーソナル形式を選んだ理由を複数回答で尋ねたところ、「1対1のほうが成果が出やすい」「自分に合ったトレーニング方法を指南してほしかった」がいずれも半数を超えました。新型コロナウイルスの感染拡大期に大型ジムが敬遠されたことも、追い風となりました。

 一方で、調査では回答の2割がケガや体調不良を経験していました。「栄養管理のアドバイスを受けて完全な糖質カットの食事を続けたら上半身に湿疹が出た」など、行きすぎた食事制限による被害の相談もみられました。

 国民生活センターは2022年4月、調査結果を公表。併せて、体力テスト結果などに基づいてプランが作られていることの確認や、トレーニング中に違和感を覚えたら無理せず中断するといった注意が必要だと呼び掛けました。

 事故多発の背景にあるとみられるのが、トレーナーの技量やノウハウの差です。消費者事故調によると、パーソナルトレーニングのサービス提供者は多岐にわたり、業界団体に所属していない事業者や個人事業主も少なくありませんでした。指導に当たって義務付けられている法的な資格はなく、知識やスキルは各事業者やトレーナー個人によって違うといいます。

 2023年5月に調査を始めた消費者事故調は実態把握に時間がかかるとして、25日の経過報告公表後も調査を継続します。

 原因究明や再発防止策の検討には、業界やサービスの実態を詳細に調べる必要があります。トレーナーとの雇用関係や業務内容も事業者によって異なります。消費者事故調は今後、事業者やトレーナーへのアンケート調査やヒアリングを実施するほか、国内外の法令や資格制度についても確認し、事故防止に向けてどんな対策を示せるのかを検討します。

 2024年4月27日(土)

2024/04/26

🟧新型コロナ感染者、11週連続で減少 インフルエンザ感染者、5週連続で減少

 厚労省は26日、全国約5000の定点医療機関から15〜21日の1週間に新たに報告された新型コロナウイルスの感染者数が計1万7937人で、1医療機関当たりの感染者数は3・64人だったと発表しました。前週比0・98倍で、11週連続の減少。

 1医療機関当たりの人数は岩手県7・24人、青森県7・07人、秋田県6・92人と東北地方で多く、少なかったのは愛媛県2・10人、広島県2・34人、高知県2・70人など。

 全国約500の定点医療機関から報告された新規入院患者数は1487人で、前週比0・90倍でした。

 同じ1週間に定点医療機関から新たに報告されたインフルエンザの患者数は計9105人でした。前週比0・69倍。

 1医療機関当たりの感染者数は1・85人で、同2・69人だった前週(8~14日)からさらに下がり、5週連続で減少しました。

 1医療機関当たりの患者数が1人台になるのは、昨年8月21~27日の週以来、8カ月ぶり。1医療機関当たりの患者数が1人を下回ると、インフルエンザの流行期が終わったと判断されます。

 2024年4月26日(金)

2024/04/25

🟧肝臓の炎症を防ぐ「大食い細胞」を発見 大阪大など、新薬開発に道

 大阪大学や医薬基盤・健康・栄養研究所などの研究チームは24日、腸内細菌を原因とするタイプの肝臓の炎症(肝炎)を防ぐ働きを持つ免疫細胞の一種「マクロファージ(大食細胞)」を発見したと発表しました。生活習慣の乱れなどによる肝臓の慢性の炎症の新たな予防法や治療薬の開発につながる成果だとしています。

 マクロファージのマクロは「大きい」 、ファージは「食べる」を意味しており、「大食い細胞」ともいわれます。病原体や死んだ細胞を食べるなどして体を守っています。

 肝臓には腸内細菌などの異物がしばしば入ってくるものの、健康な人では素早く取り除かれ、炎症反応は出ません。肝臓内のどの細胞がどのように炎症を抑えているのかは、わかっていませんでした。

 研究チームは独自に開発した炎症を画像化する技術を用いて、生きたマウスの肝臓を調べました。血流の入り口にある細胞を詳しく解析したところ、腸内細菌を捕食するマクロファージを見付けました。遺伝子技術でこのマクロファージが働かないマウスを作り、肝臓に炎症を発生させると、通常のマウスより炎症を多く起こしました。

 肝臓に炎症が多く起こる難病の患者から採取した肝臓の組織を調べると、このマクロファージが大きく減少していました。発見したマクロファージが、侵入した細菌などを食べて肝臓の炎症反応を抑えていることが明らかになりました。腸内細菌が出すイソアロリトコール酸という特殊な物質がこのマクロファージを増やす効果があることも、明らかにしました。

 脂肪肝の患者は、さまざまな理由で肝炎に発展してしまうことがあります。大阪大の石井優教授は、「イソアロリトコール酸を使って発見したマクロファージを増やす薬を作れれば、肝炎を予防、治療できる可能性がある」と話しています。

 研究成果は日本時間の25日、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」のオンライン版に掲載されました。

 2024年4月25日(木)

2024/04/24

🟧熱中症特別警戒アラート、今年の運用開始 自治体はシェルター確保など進める

 人の健康に重大な被害が生じる恐れがある暑さが予測される際に、環境省が発表する「熱中症特別警戒アラート」の今年の運用が、24日から始まりました。夏の暑さは年々厳しさを増し、熱中症による死者数は年間1000人を超えます。政府は熱中症への最大限の注意を呼び掛け、猛暑の被害軽減を図ります。

 「熱中症から国民の命を守る対策を一層強化したい」。伊藤信太郎環境相は23日の閣議後記者会見で、報道陣から運用開始について問われると、そう意気込みを示しました。

 地球温暖化に伴い、猛暑のリスクは世界規模で拡大しています。世界気象機関(WMO)によると、昨年の平均気温は産業革命前と比べて1・45度上昇し、観測史上最も暑い年となりました。

 日本も記録的な暑さに見舞われ、夏(6~9月)の熱中症死者数は昨年、過去10年間で最多の1555人を記録。2020年から運用している「熱中症警戒アラート」の発表回数は全国各エリアで延べ1232回と2年前から倍増し、政府は熱中症リスクの上昇に備え、警戒アラートより一段高い「特別警戒アラート」を新設しました。

 特別警戒アラートは、気温や湿度などから算出した翌日の「暑さ指数」が、各都道府県のすべての観測地点で「35」と予測された場合、環境省が午後2時ごろに緊急記者会見を開き、対象の都道府県を公表します。運動や外出の自粛、イベントの中止・延期を呼び掛けるるほか、自治体に冷房を備えた公共施設や商業施設を「クーリングシェルター」として開放するよう求めます。さらに、「命を守ってください」「普段の熱中症対策では不十分な可能性があるので気を引き締めて」と強いメッセージを発信する予定です。

 過去に全域で暑さ指数が「35」に達した都道府県はありません。だが、埼玉県では2020年8月11日、全8地点のうち、さいたま、越谷、久喜の3市で35、残り5地点も34となり、特別警戒アラートの発表基準に迫ったことがあります。

 越谷市消防局によると、この日の市内の熱中症による救急搬送者数は13人と前日から倍増したといい、担当者は「特別警戒アラートが発表される事態になれば、救急車が足りなくなる恐れがある」と危機感を募らせています。

 市内の暑さは深刻化しており、市立越ヶ谷小の佐多英明教頭は「暑さで登校する児童の顔が真っ赤になるほどだ」と明かします。同小では独自に暑さ指数を測り、31以上と予測される場合、屋外の授業を中止し、休憩時間を増やしています。佐多教頭は「プールの授業をやめたり、登下校中の水分補給を推奨したりと、前例のない対応が増えている」と話しています。

 各地の自治体はクーリングシェルターの確保や、アラートの周知方法の検討を進めています。

 環境省によると、昨年までにシェルターを開設した自治体は135に上り、2022年時点より2倍以上に増えました。神奈川県平塚市は4月1日、市内の図書館や公民館など計6カ所をシェルターに指定。市職員がシェルターと一目でわかるポスターを掲示しました。国内最高気温を観測したこともある埼玉県熊谷市は、熱中症にかかりやすい高齢者にもアラートを確実に知らせるため、防災無線の活用や青色パトロール車の巡回を検討しています。

 ただ、タイガー魔法瓶(大阪府)が4月に公表したウェブ調査では、15~59歳の男女544人のうち、特別警戒アラートの「意味まで知っている」と回答したのは、42・1%にとどまっており、今後は認知度の向上が課題になりそうです。

 環境省熱中症対策室の高田直美室長補佐は、「発表基準はハードルが高いようにみえるが、今年の発表もあり得ると思って熱中症予防に取り組んでほしい」と話しています。

 日本列島は早くも、夏場のような高温にしばしば見舞われています。2月20日には、群馬県高崎市で25・7度となり、関東地方で今年初めて25度以上の夏日を観測しました。4月15日には新潟県などで30度以上の真夏日となったほか、東京都心も20日に今年4回目の夏日となりました。

 気象庁が23日に発表した5~7月の3カ月予報によると、赤道域の海面水温が高くなるエルニーニョ現象の影響などで、南から暖かく湿った空気が流れ込みやすくなり、全国的に平年より高温になる見通しだといいます。

 2024年4月24日(水)

2024/04/23

🟧健康保険組合の今年度の収支、6578億円赤字の見通し 予算ベースで過去2番目

 大企業の従業員らが入る健康保険組合(健保組合)の2024年度の収支について、全体の約9割の組合が赤字見通しとなりました。健康保険組合連合会(健保連)が23日公表しました。医療費の高止まりや、高齢者世代への拠出金の増加が財政悪化の背景となっています。

 健保連が報告をもとに、1379組合すべての財政を推計しました。健保組合全体の収支をみると、6578億円の赤字見通しで、これまで最大だった2010年度予算に次ぐ赤字幅となります。赤字を見込むのは1194組合で、全体の86・6%を占めました。

 厳しい財政の要因が、高齢者への「仕送り」に位置付けられる高齢者の医療費への拠出金で、支出に占める割合は4割超。健保連は、団塊の世代が、医療機関にかかりやすくなる75歳以上になることから、拠出金は増え続けるとみています。

 健保連の佐野雅宏会長代理は、「社会保険の適用拡大で被保険者が大きく増えた上、今年度は賃上げによる保険料収入の伸びが期待できる。ただ、高齢者医療費への拠出金は増加が続いていて、現役世代の負担は限界に近付いており、制度の見直しが必要だ」と述べました。

 2024年4月23日(火)

2024/04/22

🟧神戸市の医師自殺、遺族が賠償求める裁判  病院側は業務との因果関係否定

 神戸市の病院に勤務していた当時26歳の医師が自殺したのは長時間労働の改善を怠ったことなどが原因だったとして、遺族が病院の運営法人と院長に損害賠償を求めた裁判が大阪地方裁判所で始まりました。病院側は「過重労働につながる事実は存在しない」などとして争う姿勢を示しました。

 神戸市東灘区の甲南医療センターに勤務していた医師の高島晨伍さんは、うつ病を発症して、2022年5月、自宅で自殺しました。

 大阪府内に住む高島さんの両親は、死亡した日までの1カ月間の時間外労働が236時間に上るなど、心身の健康を損ねる恐れのある過重な働き方と知りながら病院側が業務を軽減するなどの対応を怠ったなどと主張し、病院を運営する法人「甲南会」と法人の理事長で甲南医療センターの具英成院長に合わせて2億3400万円余りの損害賠償を求める訴えを起こしました。

 22日、大阪地方裁判所で始まった裁判で高島さんの母親は「病院は息子が亡くなる前から労働基準監督署の指導を受け、ほかの医師が労働環境の改善を訴えていた」などと意見を述べました。

 一方、病院側は「高島さんの業務は標準的かそれ以下で、過重労働につながる事実は一切存在しない」と主張しました。

 また、診療のかたわらで行っていた学会の準備などの「自己研さん」について、「病院にいる時間すべてが労働時間ではなく、自身で選択した研修に充てた時間は、労働と評価できない」として争う姿勢を示し、訴えを退けるよう求めました。

 裁判の後、高島晨伍さんの遺族が会見を開きました。

 この中で母親の淳子さんは、「息子は職場の環境に恵まれずかわいそうだった。病院側の主張については、適切な労働時間の管理ができていなかったことを正当化しようと躍起になっていると感じた。この裁判を通じて医師の過労死をなくすために社会に一石を投じたい」と話していました。

 また、医師として働く兄は、「弟が亡くなり2年がたとうとしているが、どうすれば病院は死と向き合ってくれるのかと思った。弟のように努力している医師が過労死して報われないのはおかしいので、できる限りのことをやっていきたい」と話していました。

 甲南医療センターは、22日の裁判の後、コメントを出しました。

 この中で甲南医療センターは、「真面目で優秀な専攻医(旧後期研修医)を失ったことは、痛恨の極みであり、重く受け止めています。現在、医療従事者の働き方改革を最優先課題とし、真摯(しんし)に取り組んでおります。地域の皆様の健康を守るとともに医療者の健康を保護することの重要性も再認識しています。民事裁判については、裁判所の判断をいただきながら事実関係を探求することが重要であると考えています」と述べています。

 2024年4月22日(月) 

2024/04/21

🟧2040年の熱中症搬送者、3都府県で倍増 名古屋工業大が予測

 地球温暖化による気温上昇が続き、2040年に世界の平均気温が産業革命前より2度上昇すると仮定すると、夏場の熱中症による救急搬送者数が東京、大阪、愛知の3都府県で2010年代と比べて倍増するとの試算を、名古屋工業大(名古屋市昭和区)などの研究チームが18日までに発表しました。救急医療の逼迫(ひっぱく)が懸念されるとしています。

 研究成果は15日付のオランダの科学誌に掲載されました。

 研究チームによると、日本の平均気温は過去100年間で約1・2度上昇。2021年の国内の熱中症による搬送者数は5~9月で4万7877人で、うち56・3%が重症化しやすい高齢者でした。さらに高齢化が進むことで、搬送者数の増加が懸念されています。

 研究チームは、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による最も気温上昇が高いシナリオに基づき、3都府県の気温を算出し、熱中症の搬送者数を予測しました。2040年には東京都などの平均気温が約1・6度上昇し、7~8月の1日当たりの平均搬送者数は東京都が132・9人、大阪府が105・3人、愛知県が105・4人で、2013~2019年の平均の1・8~2倍となりました。

 熱中症は、高温多湿な環境に長時間いることで体内に熱がこもって発症します。高齢者は発汗などの体温調節機能が若年者に比べ低下しているため、重症化率が高くなります。2040年の平均気温が現在と同等だとしても高齢化が進むため、熱中症搬送者は1・2倍程度増えるといいます。

 2024年4月21日(日)

2024/04/19

🟧新型コロナ感染者は10週連続で減少 1医療機関当たり3・71人

 厚生労働省は19日、全国に約5000ある定点医療機関に4月8~14日に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数は計1万8297人で、1定点当たり3・71人(速報値)だったと発表しました。前週(4・26人)の約0・87倍で、10週連続で減少しました。

 都道府県別の最多は秋田県の8・81人で、岩手県7・75人、青森県7・34人と続き、東北地方が目立ちました。少なかったのは愛媛県2・28人、広島県2・34人、熊本県2・35人など。東京都2・42人、愛知県4・34人、大阪府2・96人、福岡県2・75人でした。北海道や沖縄県を除く42都府県で減少しました。

 14日までの1週間に定点医療機関に報告された新規入院患者数は1611人で、前週(1809人)から198人減少。集中治療室(ICU)に入院した患者は68人で、前週(80人)から12人減りました。

 季節性インフルエンザの新規感染者数は、1定点当たり2・69人で、前週(5・10人)の約0・53倍に減少しました。

 2024年4月19日(金)

2024/04/18

🟧新潟水俣病、旧昭和電工に賠償命令 26人罹患認定、国への請求棄却

 2009年施行の水俣病特別措置法に基づく救済策の対象外となった新潟市などの男女149人が水俣病被害を訴え、国と原因企業の昭和電工(現レゾナック・ホールディングス)に損害賠償を求めた訴訟で、新潟地方裁判所は18日、提訴時期が早い一部原告47人について判決を言い渡しました。島村典男裁判長は、26人を水俣病と認め、同社に400万円を支払うよう命じました。残る19人については罹患(りかん)を認めず、請求を棄却しました。

 また、水俣病被害が発生し、拡大したことに対する国の責任については「国が予見し得たとはいえない」として認めず、全原告の国への請求は退けました。

 47人の原告のうち、残る2人については、公害で健康被害を受けた住民に医療費や補償費を支給する公害健康被害補償法の認定を受け、同社から補償金を受け取っているため、国に対してのみ請求。判決では国の責任は認められず、請求は退けられました。

 判決は、島村裁判長が4月1日付で異動したため、後任の鈴木雄輔裁判長が代読しました。

 全原告149人は、1人当たり880万円の賠償を求めて提訴。最初の提訴は2013年12月で、その後、追加提訴が相次ぎました。今回判決が出た原告は、新潟市や阿賀野市などに住む50歳代~90歳代の男女。

 訴訟では、原告が水俣病かどうかや、国の責任の有無が主な争点になりました。

 原告側は、メチル水銀が流出した阿賀野川の魚介類を食べ、手足に感覚障害が出るなどしたとして、水俣病「(メチル水銀が流出した)阿賀野川の魚介類を食べていた」という主張だけでは、水俣病を発症するほどの水銀暴露は確認できないと反論していました。

 同様の訴訟は、東京、大阪、熊本の各地方裁判所でも起こされています。うち大阪地裁は昨年9月、全原告128人を水俣病と認め、国と熊本県、原因企業のチッソに賠償を命じました。一方、熊本地裁は3月22日、一部原告を水俣病と認めた上で、損害賠償請求権が消滅する20年(除斥期間)がすぎたとして、全原告144人の請求を棄却しました。両訴訟で判断が分かれ、新潟地裁の判断が注目されていました。

 2024年4月18日(木)

2024/04/17

🟧新型コロナワクチン廃棄2億4000万回分、6653億円相当 厚労省「無駄とは考えていない」

 厚生労働省は15日の衆院決算行政監視委員会で、廃棄される新型コロナウイルスワクチンが約2億4000万回分になると明らかにしました。廃棄分は概算で約6653億円に上ります。

 新型コロナのワクチンは、3月末で全額公費負担の臨時接種が終わりました。終了に伴い、厚労省は、有効期限の前であっても4月以降、速やかにワクチンを廃棄するよう自治体に求めていました。

 政府は、2021年2月にワクチン接種を開始しました。厚労省によると、ワクチン購入の契約量は約9億2840万回分。3月末時点の総接種回数は4億3619万回になるため、契約キャンセルや海外に供給した分を除く、約2億4415万回分が廃棄の対象になるといいます。

 ワクチン1回分の単価は契約上、明らかにしていないものの、購入予算を契約数で割ると単価は2725円となり、廃棄分は概算で約6653億円になります。

 衆院決算行政監視委員会で、厚労省の担当者は「その時々の状況によって必要なワクチンを購入した。無駄とは考えていない」と説明しました。

 一方、武見敬三厚労相は、日本ではmRNAワクチンの研究基盤が育っておらず、海外製品の確保に奔走せざるを得なかったことに言及。「金をかけても作れなかったという、もっと悲惨な状態にあった」と述べました。

 2024年4月17日(水)

2024/04/16

🟧マダニ媒介のウイルス感染症、鹿児島県で今年初確認 60歳代女性2人に発熱などの症状

 鹿児島県は15日、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に、肝属(きもつき)郡と薩摩郡の60歳代女性が感染したと発表しました。県内での感染確認は今年初めて。

 県感染症対策課によると、肝属郡の女性は発熱や嘔吐(おうと)、下痢の症状、薩摩郡の女性は目まいや食欲低下、発熱の症状を訴え、それぞれ11日に入院。12日に陽性を確認しました。いずれもかまれた跡は確認できず、マダニにいつ、どこで接触したかは不明。

 マダニは山林や草むら、やぶに多く生息します。春から夏にかけて活動が活発になり、人や動物にかみついて吸血します。SFTSは、ウイルスを保有するマダニにかまれて6日から2週間程度で発症します。重症化すると死亡の恐れがあり、致死率は約30%。

 県内では2023年に、9例の感染報告がありました。県感染症対策課は、「草むらなどに入る時は長袖や長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し予防してほしい。かまれた場合は、無理に引き抜かずに医療機関で除去して」と呼び掛けています。

 2024年4月16日(火)

2024/04/15

🟧国立健康危機管理研究機構、2025年4月に設立へ 厚生労働省

 厚生労働省は、新たな感染症の流行に備えた専門組織「国立健康危機管理研究機構」を来年4月に設立する方針を決定しました。

 政府は、新型コロナウイルスへの対応を教訓に新たな感染症の流行に備えて、病原体などを研究する「国立感染症研究所」と、感染症の治療などに当たる「国立国際医療研究センター」を統合し、患者の診療と基礎研究などを一体的に行う「国立健康危機管理研究機構」を設立する予定で、設立時期や具体的な組織体系についての検討を進めてきました。

 9日、厚労省が、関係者や有識者からなる準備委員会の会合を開き、来年4月に設立することなどを盛り込んだ方針を決定しました。

 機構はアメリカの疾病対策センター(CDC)をモデルとし、機構の略称については「JIHS(ジース)」として、指揮命令系統を強化するため内部に「危機管理総局」を設置して対応に当たるとしており、平時から国内外の感染症の情報を収集し、厚労省などに定期的に報告するとしています。

 また、感染拡大時には研究開発や医療支援の部門などとも連携し、薬やワクチンなどの開発につなげるほか、診療対応の手引きなども策定するとしています。

 会合で、武見敬三厚労相は「新たな機構は世界をけん引する『感染症総合サイエンスセンター』であることが求められる。感染症に不安を抱くことのない社会の実現に向けた第一歩となるようにしたい」と述べました。

 2024年4月15日(月)

2024/04/14

🟧2023年大気汚染度、日本は世界96位 清浄さではアジア首位に浮上

 スイスの空気清浄器メーカー「IQエアー」がこのほど発表した2023年世界大気汚染度ランキングで、日本は汚染濃度の高さが96位でした。世界保健機関(WHO)の安全基準値を超え、前年から順位が1つ上がり、汚染は悪化しました。ただ、日本は大気の清浄さを示す汚染濃度の低さで世界39位、アジアでは前年の2位から首位に浮上しました。

 ランキングは134の国・地域が対象で、大気汚染の主な原因となる微小粒子状物質「PM2・5」の濃度を調査しました。日本は大気1立方メートル当たりの年間平均濃度が9・6マイクログラム。WHOの基準値は5マイクログラム以下で、基準を満たしたのは10カ国・地域にとどまりました。

 汚染濃度が最も高い首位はバングラデシュの79・9マイクログラム。2位はパキスタンの73・7マイクログラム、3位はインドの54・4マイクログラムと上位3位を南西アジア勢が占めました。

 2024年4月14日(日)

2024/04/13

🟧日本人の人口83万人減、過去最大 日本の総人口は13年連続マイナス

 2023年の日本の総人口は推計で1億2435万2000人と前の年より60万人近く減り、13年連続で減少しました。一方、75歳以上の人口は初めて2000万人を超え、総人口に占める割合は16・1%と過去最高となりました。

 総務省は、昨年10月1日現在の人口推計を発表し、外国人を含めた日本の総人口は1億2435万2000人で、前の年よりも59万5000人、率にして0・48%減りました。

 日本の総人口は、2011年以降、13年連続の減少となり、減少幅、減少率ともに前の年よりも拡大しています。

 また、外国人を除いた日本人の人口でみると1億2119万3000人で、前の年と比べて83万7000人、率にして0・69%の減少となりました。比較可能な1950年以降で、減少幅、減少率ともに過去最大となっています。

 日本の総人口は、戦後、増加傾向が続き、1967年に初めて1億人を突破します。そして、1974年には1億1000万人を、1984年には1億2000万人を超えます。2008年には1億2808万4000人とピークを迎えます。その後は減少傾向に転じ、2011年以降は、13年連続で減少しています。

 総人口を年齢区分別にみると、65歳以上が3622万7000人で、総人口に占める割合は0・1ポイント上がって29・1%と過去最高となりました。

 さらに、75歳以上の人口は2007万8000人で、71万3000人増えて、初めて2000万人を超え、総人口に占める割合は0・6ポイント上がって16・1%と過去最高となっています。

 一方、15歳未満の人口は1417万3000人で、割合は前の年よりも0・2ポイント下がって、11・4%と過去最低となり、少子高齢化がいっそう進んだ形となりました。

 また、15歳から64歳の「生産年齢人口」は7395万2000人で、前の年より25万6000人減ったものの、総人口に占める割合は、過去最低だった前の年を0・1ポイント上回って59・5%となりました。

 2024年4月13日(土)

2024/04/12

🟧1人暮らしの世帯、2050年に44・3%に 未婚の高齢者急増、厚労省の研究機関推計

 日本の1世帯当たりの人数が9年後の2033年には平均1・99人と初めて2人を下回るという推計を厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が発表しました。背景の1つには、結婚をしない人の増加があるとみられ、高齢化が進む中で同居する家族がいない高齢者を、どう支えていくかが課題となっています。

 国立社会保障・人口問題研究所は5年に1度、国勢調査を基に将来の日本の世帯数などを推計しており、今回、2050年までの予測を発表しました。

 それによりますと、全世帯に占める「1人暮らしの世帯」の割合は2020年の38%から増加を続け、2050年には44・3%と30年間で6・3ポイント増える見通しです。

 これに伴って1世帯当たりの人数は、2020年の平均2・21人から減り続けて、9年後の2033年には1・99人と初めて2人を下回り、その後、2050年には1・92人にまで減少すると推計しています。

 特に1人暮らしの65歳以上の高齢者が急増する見通しで、高齢者全体に占める1人暮らしの割合は、2050年には、男性が26・1%と30年で10ポイント近く、女性も29・3%と5ポイント以上、増加すると予測しています。

 こうした背景の1つには、近年の結婚をしない人の増加があるとみられ、2050年には、1人暮らしの高齢者のうち、未婚の割合は、男性で59・7%と6割に上り、30年で26ポイント増加すると推計しています。一方、女性も30・2%と18ポイント余り増えると推計しており、同居する家族がいない1人暮らしの高齢者を、どう支えていくかが課題となっています。

 推計を行った国立社会保障・人口問題研究所の藤井多希子室長は、「現在、50歳前後の団塊ジュニア世代は未婚者の割合が高く、このまま高齢化すると身寄りのない人が増えていく。1人暮らしの高齢者を支えるためには介護だけでなく、金銭の管理や意思表示など日常生活をサポートする仕組みを早急に考えていく必要がある」と話しています。

 2024年4月12日(金)

2024/04/11

🟧PFAS、飲み水の濃度基準決定 アメリカ環境保護局、日本より大幅に厳しく

 発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」を巡り、アメリカ環境保護局(EPA)は10日、飲み水の濃度基準を最終決定しました。強制力を伴った全国基準は初。PFASは数千種類ある物質の総称で、代表的な「PFOS(ピーフォス)」と「PFOA(ピーフォア)」は各1リットル当たり4ナノグラムと、世界的にも厳しい水準に設定しました。アメリカが大きく踏み込んだことで、日本での今後の見直し議論に影響する可能性もあります。

 この2物質については安全な摂取量は存在しないとして、強制力のない目標値はゼロと決定。現実的に検査や削減が可能な規制値として1リットル当たり4ナノグラムを採用しました。日本は水道水や河川など環境中の水についてPFOSとPFOAの合計で1リットル当たり50ナノグラムを暫定目標値としています。

 EPAは、「PFNA(ペルフルオロノナン酸)」や「PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)」など他の種類についても、1リットル当たり10ナノグラムとするなど規制を設けました。

 国内6万6000カ所の公共水道は今後3年以内に汚染状況の監視と公表をするよう義務付けられ、規制値を超えた場合は削減措置を実施します。最大10%程度の事業者で対応が必要になるとみています。事業者らの検査・処理体制確立のため各州に資金支援します。

 PFASを巡っては、沖縄県内ではアメリカ軍普天間飛行場や嘉手納基地など基地周辺の湧き水や河川などから日本の暫定指針値を超える値が検出されています。2023年度に初実施された県の全県調査では、土壌でも全市町村から検出されました。本島の中部河川から高濃度の値が検出されたため取水を停止していた北谷浄水場は、水不足のため取水を再開しています。

 2024年4月11日(木)

2024/04/10

🟧大正製薬が内臓脂肪を減らす「アライ」発売 市販薬で肥満対策、日本でも

 9日に上場廃止となった大正製薬ホールディングス(HD)は、非上場後の注力分野として8日に、内臓脂肪を減らす市販薬「アライ」を発売しました。体内で脂肪の吸収を阻害する仕組みの治療薬です。海外では市販薬として販売されていますが、肥満を改善する医薬品の販売が日本でもようやく始まりました。大正製薬HDはアライなど市販薬の製品群を拡充し成長を目指します。

 アライは体内の脂肪の吸収を抑えることで、内臓脂肪の蓄積を阻害します。食事中に含まれる脂肪の約25%を吸収せずに排出します。体重減少効果は3%程度で限定的ながら、摂取カロリーを抑えることができるようになります。成分の「オルリスタット」は、1999年に医療用としてアメリカで承認され、2007年に市販薬として販売されました。ヨーロッパやアジア各国でも薬店で一般販売されています。

 日本では、武田薬品工業が2013年に同様の仕組みの「オブリーン」を医療目的の肥満症薬として製造販売承認を取得したものの、薬価がつかず販売されませんでした。今回のアライは肥満症ではなく、内臓脂肪減少という形で一般用医薬品(OTC)として販売されることになりました。

 副作用もあり、油分を便として排出するため、下痢や軟便などが起きます。大正製薬は服用に際して、「おむつ」や「便漏れパッド」などの着用を推奨しています。

 購入条件も厳しく、服用できるのは18歳以上の成人で、男性は腹囲が85センチ以上、女性は90センチ以上で、さらに体格指数(BMI)35未満の人が対象となります。BMI25以上で、脂質異常症や高血圧といった疾患を持つ人や妊娠中・授乳中の女性は使用できません。

 また、初回購入時は3カ月以上にわたって食事や運動といった生活習慣の改善に取り組んでいることや、購入1カ月前の食事・運動の内容、体重や腹囲を記録しておくことも条件となるため、気軽に購入・使用を始めることはできません。

 日本肥満学会は、BMIが25以上の状態を「肥満」と定め、BMIが25以上で高血圧や糖尿病などの合併症があり、医学的に減量を必要とする状態を「肥満症」と定めています。肥満症の人は、アライの対象外となります。

 もっとも肥満症に対してはオルリスタットとは違う仕組みのGLP−1というタイプの治療薬が登場し、デンマークのノボノルディスクの肥満症治療薬「ウゴービ」が医療用として処方が始まっています。欧米では肥満症の「特効薬」として普及が進んでいます。さらに新たな治療薬候補の開発を巡ってM&A(合併・買収)などの動きも活発化しています。

 大正製薬HDは非上場化後の戦略の1つとして海外での有望なOTCブランドの買収などで品ぞろえを増やし、自社のネット販売サイトにも積極的に投資していく考えのようです。

同社は上場廃止で「中長期的な視点から抜本的かつ機動的な施策に取り組む」と説明しており、主力の「リポビタン」などに加え、アライなどの自社製品を増やすことで成長を目指す考えです。

 2024年4月10日(水)

2024/04/09

🟧子供への頭部磁気刺激治療の実施は不適切 専門の学会が声明を発表

 18歳以上のうつ病患者を対象に公的な保険が適用されている「反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS)」という頭部を磁気で刺激する治療法について、専門の学会は、一部の医療機関が発達障害に有効だとして、子供に対しても実施しているとして、子供への有効性と安全性は確かめられておらず実施は不適切だとする声明を発表しました。

 rTMSは、専用の医療機器で頭部に繰り返し磁気的な刺激を与えて脳の特定の活動を変化させる治療法で、薬による治療で十分な効果が認められない18歳以上のうつ病患者に対して公的な保険が適用されています。

 この治療法について、子供の精神医学の専門家などで作る「日本児童青年精神医学会」は声明を発表し、一部の精神科クリニックが「発達障害に有効」だとして、18歳未満の子供に対しても保険が適用されない「自由診療」で実施しているとして、「子供に対する有効性と安全性のエビデンスは不十分であり、発達障害などに、この治療法を実施することは適切ではない」という見解を示しました。

 声明では、この治療法は別の専門学会の指針で、18歳未満には実施すべきではないと明記されているとした上で、「まれに、けいれん発作が起きることもあり、決して副作用のない治療法ではない」と指摘しています。

 そして、臨床試験で安全性などを確認しないまま、子供に対して実施することは「非倫理的で危険性を伴う」としました。

 学会の岡田俊代表理事は、「安全性や効果が十分に確認されていない治療法に、子供をゆだねることは危険にさらすことにもなる。まずは、効果と安全性を検証することが大事だ」と話しています。

 2024年4月9日(火)

2024/04/08

🟧海洋汚染の「マイクロプラスチック」を雲や雪の中から発見 早稲田大や北見工業大が研究

 微細なプラスチック片「マイクロプラスチック(MP)」が、雲や雪の中からも見付かったことが、早稲田大の大河内博教授(環境化学)や北見工業大(北海道北見市)の大野浩准教授らの研究で8日までにわかりました。海洋汚染が大きな問題となっていますが、大気中ではより小さく、人体に取り込まれた場合の影響は大きいとの指摘があります。ただ研究例は少なく、実態解明が急務です。

 MPはプラスチックごみが波や紫外線などで壊れることによって生じる粒子で、大きさが5ミリ以下のもの。有害な化学物質を吸着する性質があり、海洋生態系への影響が懸念されるほか、人間も魚介類を通じて摂取している恐れが指摘されています。

 大河内教授らの研究チームは2021~2022年、富士山頂など3地点で採取した雲水にMPが含まれていることを野外観測で初めて実証しました。MPが紫外線劣化により水をはじきにくくなり、雲の核となっている可能性があります。有機物などを表面に吸着していると、さらに核になりやすくなるといいます。

 MPは紫外線で劣化する際、温室効果ガスを排出します。一方で雲の形成を促進して太陽光を地表に届きにくくし、地球温暖化の予測モデルを不確実なものにしている可能性もあります。発生源ははっきりしないものの、陸のほか「日本では近海から台風や冬の北西からの季節風で巻き上げられた海洋MPが有力ではないか」と推測します。

 雪からMPを発見したのは、氷雪学を専門とする大野准教授。2021~2023年、世界自然遺産の知床や旭岳(2291メートル)など、道内9カ所で採取した雪を分析すると、全地点で検出されました。

 知床など人の生活圏外では、プラスチック容器に使われるポリエチレンなど0・06ミリ以下のごく小さいものが中心で、大気によって運ばれたと考えられるといいます。一方、都市部では合成ゴムや比較的大きなMPが見付かり、車のタイヤなど現地由来の可能性が高くなっています。

 大河内教授によると、大気中のMPは0・1ミリ以下で海洋と比べて小さくなっています。海洋と同様に日常的に使われるプラスチックが主ですが、上空にあることから強い紫外線にさらされ劣化が早くなっています。MPが呼吸で取り込まれると、肺に蓄積されるほか、より微細なものは血液中に入り込み全身に広がると考えられ、飲食物に混入したものとは異なり体外に排出されにくくなっています。

 ただ大気中のMPに言及した論文が初めて登場したのは2016年。研究手法が統一されておらず、大気中にどのようなサイズのMPがどれほどあるかなど、実態の把握が進んでいません。

 大河内教授は、「まだまだわからないことが多い。特に健康リスクについて明らかにし、対処を考えていきたい」と話しています。

 2024年4月8日(月)

2024/04/07

🟧世界最高齢男性はイギリスの111歳 ギネス社が認定

 存命中の世界最高齢の男性として、イギリスに住む111歳のジョン・アルフレッド・ティニスウッドさんがギネス記録に認定されました。

 ギネス・ワールド・レコーズが5日に発表しました。3月下旬から4月初旬にかけて、114歳で世界最高齢の男性だったベネズエラのフアン・ビセンテ・ペレス・モラさんや、112歳で日本最高齢の男性だった薗部儀三郎さん=千葉県館山市=が相次いで亡くなっていました。

 新たに認定を受けたティニスウッドさんは、ギネスとのインタビューで「人は長生きしたり短命だったりするが、自分ではどうしようもない」と話しました。

 ティニスウッドさんは、たばこを吸わず、酒もめったに飲みません。毎週金曜日には白身魚とポテトを揚げたイギリス料理「フィッシュ・アンド・チップス」を食べる習慣だというものの、長生きの理由は「単なる運」と語っています。

 何事も適度がいいと話し、「飲みすぎ、食べすぎ、歩きすぎなど、なんでもやりすぎればいずれ体を悪くする」と指摘しました。

 ティニスウッドさんは豪華客船タイタニック号の沈没と同じ1912年の8月26日にイングランド北西部リバプールで生まれ、2回の世界大戦とスペイン風邪、新型コロナという2回のパンデミックを生き抜きました。ギネスによると、第2次世界大戦で従軍を経験した男性としても世界最高齢。

 イングランドのサッカーチーム、リバプールは昔からのファンで、19回のリーグ優勝と8回のFAカップ優勝をすべて見届けてきました。

 現在はリバプール近郊の海辺の町、サウスポートの介護施設で暮らしています。施設の責任者によると、新聞を読んだり、ラジオを聴いたりするのが好きだといいます。施設スタッフによると、「とてもおしゃべり」な人柄。

 存命中の世界最高齢の女性には、スペインに住む117歳のマリア・ブラニャス・モレラさんが認定されています。

 2024年4月7日(日)

🟧危険ドラッグ「1DーLSD」摂取後に飛び降りか 死亡するケースが2件相次ぐ

 合成麻薬LSDに似た成分の「1DーLSD」を摂取したとみられる人が、マンションから飛び降りて死亡するケースが相次いでいることがわかりました。

 捜査関係者によりますと2024年2月、東京都新宿区の22歳の女性がマンションの8階から飛び降り死亡しました。

 女性は飛び降りる前に合成麻薬LSDに似た成分の1DーLSDを含んだ製品を摂取したとみられ、一緒にいた男性は警視庁に対し、摂取後に女性の様子がおかしくなり「新しい自分になる」「飛びそう」などといって飛び降りたと話したということです。

 また、2024年1月には四国地方に住む20歳代の男子大学生も、1DーLSDを含んだとみられる製品を摂取後にマンションから飛び降り死亡したということです。

 マンションの部屋からは、いずれも1DーLSDという法律で規制されていないLSDに似た成分の名前が書かれた製品などが見付かっていて、警視庁や厚生労働省の麻薬取締部は、この製品を摂取したことで錯乱状態に陥り、飛び降りにつながった可能性があるとみているということです。

 そのほかにも2023年8月に東京都の浅草の路上で1DーLSDを摂取したという20歳代の男性が全裸の状態で発見され、首を切った痕が複数あったため救急搬送されたケースや、東京都町田市で16歳の男子高校生が摂取後、通行人に暴行を加えたり路線バスや車を壊したりするなどして逮捕されるケースなど、1DーLSDとの因果関係はわかっていないもののトラブルが相次いでいるということです。

 2人が相次いで死亡したことを受け、厚労省は2024年2月、1DーLSDが含まれる3製品について医薬品医療機器法に基づき、全国の店舗やインターネットでの販売を禁止する命令を出しています。

 厚労省は1DーLSDについて、「危険ドラッグの一種で乱用するとどういう症状が出るかわからないため絶対に使用しないでほしい」と呼び掛けています。

 危険ドラッグが社会問題になったのは10年前の2014年で、警察庁によりますと危険ドラッグを使ったことが原因で死亡したとみられる人は1年間で112人に上りました。

 東京都の池袋では危険ドラッグが原因の暴走事故で歩行者7人が死傷し、取り締まりや規制が強化されました。

 その後、危険ドラッグを使ったことが原因で死亡したとみられる人は2015年は11人に減り、2016年は6人、2017年は3人、2018年と2019年はそれぞれ1人、そして、2020年から昨年までの4年間は1人も確認されていませんでした。

 一方、危険ドラッグを使ったなどとして検挙された人は、2015年の1196人をピークに、2021年には145人まで減りましたが、2022年は279人、2023年は424人と再び増加傾向になっています。

 2024年4月7日(日)

2024/04/06

🟧水道水に基準超す六価クロム、再検査で職員が加水し隠蔽 秋田県由利本荘市

 秋田県由利本荘市は5日、記者会見を開き、市郊外の大台飲料水供給施設の水道水から、水道法に基づく水質の基準値(1リットル当たり0・02ミリ・グラム)を上回る有害物質「六価クロム化合物」が2020年度から検出されていたと発表しました。供給先の6世帯17人に健康被害は確認されていないといいます。市は除去装置を付ける方向で検討しています。

 市によると、六価クロムは2018年度から微量に検出されていましたが、当時の基準値(1リットル当たり0・05ミリ・グラム)は下回っていました。しかし、現行基準に改正された2020年度からの4年間は、基準値を0・003~0・009ミリ・グラム上回っていたにもかかわらず、見過ごされたといいます。

 施設を管理する市建設管理課は2020年度から、年2回(8月上旬と下旬)の水質検査を市企業局水道課に委託し、報告を受けていました。1回目は基準値を超えていた一方で、2回目の再検査で下回ったとの報告が4年続いたため、建設管理課が不審に感じて今年2月、水道課に問い合わせました。その結果、これまで検査を水道課職員が1人で実施し、再検査では水を2割加えて薄めていたことがわかったといいます。

 市は問題の発覚後も供給を止めるなどの対応はせず、水源の再調査を実施。その結果も基準値を0・004ミリ・グラム上回りました。

 これを受けて、4月2日から施設タンクに給水車で水道水を入れて安全な水に切り替え、4日夜になって地元説明会を開催しました。住民からは「安全に水を供給してほしい」などの要望があったといいます。

 市の三森隆副市長は、「水道課の担当者は、少し水を足せば基準値以下になる実験としてやったといっており、 捏造(ねつぞう)の意図はなかったと思う」と話し、処分するかは未定としています。

 六価クロムは発がん性などがある有害物質。メッキ、触媒などに使われ、自然界ではほとんどみられません。

 2024年4月6日(土)

2024/04/05

🟧季節性インフルエンザ患者数、2週連続減少 新型コロナは8週連続減少

 全国の医療機関から報告された患者の数が季節性インフルエンザは2週連続で、新型コロナウイルスは8週連続で減少しました。

 厚生労働省によりますと、季節性インフルエンザについて全国約5000の定点医療機関から3月31日までの1週間に報告された患者数は、前の週より1万4321人少ない5万5189人でした。

 1つの医療機関当たりの患者数は前の週と比べて0・79倍の11・18人となり、2週連続で減少しました。

 都道府県別の感染状況をみると、愛媛県で25・80人、新潟県で24・12人、富山県で21・54人、群馬県で20・54人、福島県で17・76人などとなっていて、43の都道府県で前の週から減少しています。

 このデータをもとに推計されるこの1週間の全国の患者数は、約34万3000人で、昨年9月4日以降の累積の患者数は、約1763万人と推計されています。

 直近5週間に検出されたウイルスを分析すると、B型のインフルエンザが82%で最も多くなっています。

 また、新型コロナウイルスについては、全国約5000の定点医療機関から3月31日までの1週間に報告された患者数は、2万5179人でした。

 1つの医療機関当たりでは5・10人と8週連続で減り、前の週と比べて0・98倍となりました。

 都道府県別にみると、1つの医療機関当たりで患者数が最も多かったのは秋田県の12・27人でした。

 厚労省は、「患者数は減少傾向が続いているが、特にインフルエンザは例年に比べると多い。新学期が始まり、人の移動も増える時期のため、引き続き注意してほしい」としています。

 2024年4月5日(金)

🟧島根県は新たに3件、鳥取県は初確認1件 紅麹サプリ健康被害

 小林製薬の「紅麹(べにこうじ)」の成分が入ったサプリメントを摂取した人が健康被害を訴えている問題で、島根県は3日、新たに県内在住の3人から健康被害に関する相談があったと発表しました。いずれも重症ではないといいます。県内で健康被害が疑われる事例の報告は計7件となりました。

 県薬事衛生課によると、3人は大阪市が回収命令の対象としている「紅麹コレステヘルプ」または「ナイシヘルプ+コレステロール」を摂取しました。2~4カ月間摂取した50歳代男性と60歳代男性は、頻尿や腹痛などを訴え症状が続いているものの、入院はしていません。2年間摂取した50歳代女性は倦怠(けんたい)感や尿の泡立ちを訴えており今後、医療機関を受診します。

 現時点で、製品の摂取と相談のあった症状の因果関係は不明といいます。同課は、体に不安や異常がある場合は、あらかじめ医療機関に相談した上で受診するよう呼び掛けています。

 一方、鳥取県は3日、県内在住の50歳代女性が健康被害を訴えていると発表しました。入院はしておらず、重篤ではないといいます。県内で被害が疑われる事例の発覚は初めてとなります。

 県くらしの安心推進課によると、女性は2023年12月11日から2024年3月22日までの間、「紅麹コレステヘルプ」を摂取しました。背中や排尿時の違和感があり、尿の頻度や量が増加する症状が続いています。摂取との因果関係は特定できていませんが、摂取後に症状が現れたといいます。

 県内では米子、倉吉、鳥取市の各保健所と消費生活センターで相談を受け付けています。3月26日から4月3日午前9時までに「紅麹を食べても大丈夫か」「回収対象食品を食べたので不安」との相談が計23件寄せられました。

 県と鳥取市は3日、合同会議を開き、各保健所に対応チームを設置して保健師が電話で健康観察し、必要に応じて医療機関の受診を案内する方針を確認しました。平井伸治知事は、「心配な人は窓口に相談してほしい」と述べました。

 2024年4月5日(金)

2024/04/04

🟧イオン、プライベートブランドの2リットル入り飲料水86万1552本を自主回収 複数客が異臭を指摘

 流通大手のイオンは、プライベートブランドの2リットル入りの飲料水、約86万本を自主回収すると発表しました。キャップの外側から異臭がすることを確認したためで、これまでのところ健康への被害の連絡はないとしています。

 イオンが自主回収を行うのは、プライベートブランドのペットボトル入りの飲料水「トップバリュベストプライス 国内で採水した天然水」(2リットル)で、賞味期限が再来年の2月と3月の商品のうち、特定のロットの86万1552本です。

 この商品は、岐阜県関市にある委託先の工場で製造され、ことし2月27日から4月1日までの間、首都圏と関西、中部などの1都11県にある、スーパーの「まいばすけっと」や、ディスカウントストアの「ザ・ビッグ」などで販売されました。

 会社によりますと、3月27日以降、商品を購入した複数の客から「カビのようなにおいがする」と問い合わせがあり、会社が調べたところ、キャップの外側から異臭がすることを確認したということです。

 このため、4月1日に販売を中止しました。

 会社によりますと、これまでの調査では細菌は検出されておらず、健康への被害の連絡はないとしています。会社は原因の調査を進めています。

 イオンは、「お客さまにご心配とご迷惑をおかけしますことを重ねておわび申し上げます」としています。

 問い合わせ先の電話番号は、フリーダイヤル0120-28-4196で、日曜日を除く午前10時から午後5時まで受け付けています。

 2024年4月4日(木)

2024/04/03

🟧アメリカで鳥インフルエンザの人への感染確認 高病原性2例目、牛と接触

 アメリカ疾病対策センター(CDC)は1日、鳥インフルエンザの人への感染を確認したと発表しました。アメリカでH5N1型の鳥インフルエンザへの感染が確認されたのは2022年に次いで2例目となります。

 CDCは1日、南部テキサス州に住む患者が高病原性のH5N1型の鳥インフルエンザに感染していることを確認したと発表しました。

 患者は隔離され、治療を受けているということで、目が充血する症状があるものの、現在、回復に向かっているということです。

 アメリカでは3月、テキサス州と中西部カンザス州で乳牛から鳥インフルエンザウイルスが検出されており、この患者は鳥インフルエンザに感染していたとみられる牛と接触があったということです。

 アメリカでH5N1型の鳥インフルエンザへの感染が確認されたのは、2022年の西部コロラド州に次いで2例目となります。

 CDCは、一般の人に対する健康上のリスクは、これまでと変わらず低いままだとしています。

 世界保健機関(WHO)によりますと、H5N1型の鳥インフルエンザの人への感染は、2003年以降、アジアやアフリカを中心に今年2月下旬までに887例が確認され、このうち462人が死亡しています。

 厚生労働省によりますと、日本では発症した人は確認されていないということです。

 2024年4月3日(水)

2024/04/02

🟧小林製薬、紅麹の電話相談時間を延長し土日祝日も対応 返品の受け付けも始める

 小林製薬の「紅麹(べにこうじ)」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、同社は体調不良を訴える人の電話相談の受付時間を午後9時までに延長し、土日や祝日も対応することになりました。

 小林製薬の紅麹の成分が含まれた健康食品を巡っては、摂取した後に腎臓の病気を発症するなどして、3月29日までに、5人が死亡、延べ114人が入院したことがわかっています。

 小林製薬では、製品を摂取し体調に不安を感じる人の健康相談に電話で応じる窓口を3月22日に設けており、これまでに1万5000件を超える相談などが寄せられているということです。

 会社側はさらに対応を強化するため、午前9時から午後5時までだった電話相談の受付時間を、午後9時までに延長したということです。また、土日や祝日も同じ時間帯で相談に応じるということです。1日からは、返品の受け付けも始めました。

 この対応は4月末まで続ける予定だということで、小林製薬は「少しでも不安に感じることがあれば、相談してほしい」と話しています。

 窓口は、同社の通信販売で購入した場合は健康相談・返品のいずれも0120・58・5090。ほかの通販サイトや店舗で購入の場合は、健康相談が0120・880・220、返品が0120・27・5884。

 一連の問題をめぐって、小林製薬は、昨年4月から10月にかけて製造した紅麹原料から、青カビから発生することがある「プベルル酸」とみられる物質が確認されたとしており、厚生労働省などが工場の立ち入り検査を行うなど、調査が進められています。

 2024年4月2日(火)

2024/04/01

🟧機能性表示食品のデータベース、約15%が半年以上未更新

 小林製薬が機能性表示食品として販売していたサプリメントを摂取した人が、腎臓の病気などを発症した問題を受け、消費者庁が公表している機能性表示食品の安全性などについてのデータベースを民間の調査会社が調べたところ、全体の15%近くに当たる約1000の製品の情報が、半年以上、更新されていないことがわかりました。

 消費者庁は、情報に変更があった場合に、事業者に速やかな更新を求めており、専門家は「情報公開が企業の自主性に委ねられているために消費者が活用できるデータベースになっていないのが問題で、制度の抜本的な見直しが必要だ」と指摘しています。

 機能性表示食品は、安全性と機能性の科学的根拠などを、製品を販売する事業者が消費者庁へ届け、その情報のデータベースが公開され、誰でも見られるようになっています。

 消費者庁によりますと、情報に変更があった場合は、速やかな更新を事業者に要請しており、製品の販売が行われているかどうかは約半年に1回、情報を更新するよう求めていますが、民間の企業信用調査会社、東京商工リサーチが27日時点のデータベースを詳しく分析したところ、現在、届け出が行われている6749製品のうち、14・5%を占める982製品の情報が、少なくとも半年以上、更新されていないことがわかったということです。

 中には会社の住所地などが変更されていたり、すでに倒産した会社の製品の情報が更新されていないままになったりしているケースも見られたということで、東京商工リサーチは「問い合わせを十分できない可能性もあり、消費者の信頼を失いかねない」としています。

 民間のマーケット調査会社、富士経済によりますと、機能性表示食品の国内市場は年々拡大しており、制度が始まった2015年には314億円だったのに対し、昨年は6865億円に上ると見込まれるとしています。一昨年よりも19・3%増加しており、今年は7000億円を超えると予測されています。

 特に脂肪を減らす、睡眠の質を高めるといった効能をうたう食べ物や飲料が市場拡大を後押ししているということです。

 一方、「特定保健用食品(トクホ)」の市場は2019年以降縮小傾向で、昨年は2690億円と一昨年と比べて4%余り減る見込みです。

 富士経済は、国の審査に時間や費用がかかるトクホに比べて届け出がしやすいことが機能性表示食品の市場が伸びている要因の1つだと分析しています。

 2024年4月1日(月)

🟧15歳未満の子供の推計人口は過去最少1401万人 43年連続減少

 総務省によりますと、15歳未満の子供の数は4月1日現在で1401万人と、43年連続の減少となりました。  総務省の推計によりますと4月1日現在で、国内で暮らす15歳未満の子供は、男子が718万人、女子が683万人の合わせて1401万人となっています。  昨年と比べると33万人...