発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」を巡り、アメリカ環境保護局(EPA)は10日、飲み水の濃度基準を最終決定しました。強制力を伴った全国基準は初。PFASは数千種類ある物質の総称で、代表的な「PFOS(ピーフォス)」と「PFOA(ピーフォア)」は各1リットル当たり4ナノグラムと、世界的にも厳しい水準に設定しました。アメリカが大きく踏み込んだことで、日本での今後の見直し議論に影響する可能性もあります。
この2物質については安全な摂取量は存在しないとして、強制力のない目標値はゼロと決定。現実的に検査や削減が可能な規制値として1リットル当たり4ナノグラムを採用しました。日本は水道水や河川など環境中の水についてPFOSとPFOAの合計で1リットル当たり50ナノグラムを暫定目標値としています。
EPAは、「PFNA(ペルフルオロノナン酸)」や「PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)」など他の種類についても、1リットル当たり10ナノグラムとするなど規制を設けました。
国内6万6000カ所の公共水道は今後3年以内に汚染状況の監視と公表をするよう義務付けられ、規制値を超えた場合は削減措置を実施します。最大10%程度の事業者で対応が必要になるとみています。事業者らの検査・処理体制確立のため各州に資金支援します。
PFASを巡っては、沖縄県内ではアメリカ軍普天間飛行場や嘉手納基地など基地周辺の湧き水や河川などから日本の暫定指針値を超える値が検出されています。2023年度に初実施された県の全県調査では、土壌でも全市町村から検出されました。本島の中部河川から高濃度の値が検出されたため取水を停止していた北谷浄水場は、水不足のため取水を再開しています。
2024年4月11日(木)
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