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2022/07/10

⛎涙液減少症

涙の減少によって目が渇き、障害が生じる疾患

涙液減少症とは、涙液、すなわち涙の減少によって目が乾き、表面に障害を生じる疾患。角膜乾燥症、乾性角結膜炎、ドライアイとも呼ばれます。

テレビ、パソコンなどに取り囲まれて、目が酷使されてしまう現代社会では、「目が疲れやすい」、「何となく目に不快感がある」という人が、確実に増えています。視覚を担う目に不快感や違和感が生じれば、仕事や勉強を始めとした日常生活で、大変な不便を感じてしまいます。

このような疲れ目などの原因として、注目を集めているのが、目が乾く涙液減少症です。

あなたの目の不快感も、目を使いすぎたせいばかりでなく、実は涙液減少症が原因かもしれません。涙液減少症は自分では気が付きにくく、「何となく目が疲れる」といった症状で病院や診療所に行き、医師から指摘される人が多いのです。

涙が減少すると涙の役割が低下し、黒目の表面を覆う角膜と、上下のまぶたの裏側と眼球の表面から黒目の周囲までを覆う結膜が、乾きのために傷付きます。重症になると、角膜、結膜の表面に無数の傷が付きます。左右差はもちろんありますが、通常は両眼性です。

日本では涙液減少症の疾患を持つ人が多く、潜在患者は800万人いるともいわれています。放置しておくと視力低下や眼痛のもとになるので、早めに眼科の専門医に診察してもらうのが、お勧めです。

専門医による涙液減少症の検査では、シルマー試験紙という目盛りの付いた細い紙を下まぶたに挟んで、涙の染みる量を測定するシルマーテストを行い、涙の分泌低下を調べます。このほか、蛍光色素試験で角膜の傷の状態、ローズベンガル試験で結膜の傷の状態を調べます。

目は、なぜ乾いてしまうのか

涙腺(るいせん)から分泌される涙は、泣く時以外にも少しずつ出されており、目の表面の保護や、栄養分・酸素の供給、ゴミ・細菌の侵入防止といった働きをしています。

この涙が乾いてくると、眼球の前面を覆う透明な膜である角膜、結膜の上に、涙が蒸発して乾いた穴のような部分(ドライスポット)が開いてしまいます。通常であれば、そこをすぐ涙が覆い、やがて穴はふさがっていくのですが、ある一定量以上に涙が減り続けると穴は残ったままとなり、最も傷付きやすい角膜、結膜が露出して障害が生じるのが、涙液減少症なのです。

涙の質が低下したり、涙の量が少なくなる場合は、シェーグレン症候群などの涙が減少する疾患、あるいは加齢、夜間作業、大きなストレス、降圧剤や精神安定剤などの服用の影響が、涙液減少症の原因になります。

涙が蒸発しやすかったり、まばたきが少ない場合は、エアコンなどの影響で部屋が乾燥している環境、コンタクトレンズの装着、アレルギー性結膜炎の罹患(りかん)、パソコンやテレビなどの見すぎ、目の酷使などが、涙液減少症の原因になります。

 ちなみに、私たちの目全体に涙をゆき渡らせてくれるのが、まばたきなのですが、パソコンなどを凝視すると、まばたきの回数は通常の1/4にもなります。

 下の項目で、長期に渡って当てはまるものが5つ以上あれば、要注意。

1.目が疲れやすい  2.目やにが多く出る 3.目がゴロゴロする 4.目が乾いた感じがする 5.重たい感じがする

 6.何となく目に不快感がある 7.目が痛い 8.何もしていないのに涙が出る 9.視界がかすむ 10.何となく目がかゆい

 11.光がまぶしく感じる 12.なぜか目が赤い 13.涙が出ない 14.悲しい時でも涙が出ない

目を乾燥させないための対処法

涙液減少症(ドライアイ)によって、目が疲れたりするだけでなく、肩が凝ったり、頭痛を引き起こしたりと、体に変調を来します。集中力も当然低下し、仕事や勉強の能率は落ちます。

涙液減少症を予防したり、進行させないための基本は、目を乾燥させないことです。そのためのケアの一部を紹介します。「乾いているな」と感じる方は、お試しを。

目薬を上手に使う

目を乾燥させないためには、やはり目薬が手ごろ。この目薬にもいろいろな種類がありますが、最もいいのは眼科で処方してもらう目薬です。市販されている目薬を使う場合には、防腐剤が入っていないものを選ぶよう注意しましょう。

基本的には勧められません。本来、目には常に新鮮な涙が供給されていなければならないのに、コンタクトで角膜にフタをした状態では、まばたきによる涙の交換率がハードで約20パーセント、ソフトでは2~3パーセントにも低下してしまう、と見なされています。

コンタクトレンズ使用者は、防腐剤抜きの人工涙液タイプの目薬を使うように注意しましょう。保湿成分のヒアルロン酸入りの目薬も出ています。また、目を温めることでも涙液減少症が改善します。

涙液減少症(ドライアイ)用眼鏡を使用する

顔と眼鏡の透き間を、プラスチックのカバーで覆ったものや、水を含ませるスポンジが内側についたものもあります。「たかがカバー?」と侮るなかれ、スキーのゴーグルのようなものをつけると涙が蒸発しないのでよいとされている通り、かなりの効果があります。ゴミや花粉も防ぐことができます。外出用のほか、パソコン用としてもよいでしょう。

たばこの煙を避ける

たばこの煙も涙液減少症の大敵。吸っている人がいた場合は、その煙が自分の目に入らないように気を付けましょう。目は煙の粒子を洗い流そうとしますが、涙液減少症の人には相当の負担となります。自分が吸っている人は、この際、禁煙してみてはいかがですか。

パソコン作業には工夫を

パソコンの作業では、1時間したら10分間の休憩が必要で、作業中はまばたきを意識的に増やしましょう。正常では、まばたきは1分間に20回前後です。パソコンのモニターの位置を低くして、目線を下向きにするだけでも、涙の蒸発と目の乾燥が防げます。

私たち人間は、夜になると涙の出る量が少なくなり、朝にはカラカラ状態になっています。頭や体は起きていても、「目が開けられない!」という事態もあり得ます。このような時、無理をして開けると角膜、結膜に傷が付きます。目薬をさすなどするようにしましょう。

⛹類宦官症

類宦官(るいかんがん)症とは、生まれつき男性ホルモンが不足しているために、男性性器の発育が十分でない病気を指します。性腺(せん)に当たる精巣の機能が先天的に障害されて、ホルモンの分泌不足が起こるほかに、脳下垂体からの性腺刺激ホルモンの分泌不足のために、性腺ホルモンが不足して起こるケースもあります。

思春期前に精巣機能、睾丸(こうがん)機能が低下すると、思春期になっても男性ホルモンの分泌が増えないため、精巣は四、五歳の小児のようで、陰毛もなく、体全体に皮下脂肪の沈着が見られます。声変わりも見られません。手足は長く、身長も高くなります。

この体形、外観が、古代中国で官僚の世襲を防ぐために去勢された若い宦官に似ていることに、病名は由来しています。

類宦官症のうち、染色体異常を伴うものはクラインフェルター症候群といい、正常男子の性染色体XYよりXが一個以上多い染色体を持っています。

内分泌専門医にかかり、男性ホルモンや性腺(せん)刺激ホルモンで治療します。

⛷類乾癬

皮膚に赤く、ガサガサする円形の発疹ができる慢性の皮膚疾患

類乾癬(るいかんせん)とは、皮膚に赤く、ガサガサする円形の発疹(はっしん)ができる非感染性の慢性炎症性皮膚疾患。

一見、乾癬に似ていることから類乾癬といわれますが、かゆみは乾癬より少ないのが一般的です。乾癬との大きな違いは、発疹部に集まっている白血球のタイプの違いで、発疹を表面から見ただけではなかなか区別はつきません。

類乾癬は中高年に多くみられますが、原因は乾癬と同じくいまだ不明で、疾患の分類も明確な解釈が定まっておらず、はっきりしない部分の多い疾患です。

類乾癬は、発疹の大きさから滴状類乾癬と局面状類乾癬の2つに分類されます。

滴状類乾癬は、1センチほどの水滴状の赤い発疹が腹部や背中、尻(しり)などの体幹にできるもので、赤い発疹がはれて、次第に垢(あか)のようになっていきます。

新しい発疹と古い発疹が混在してみられ、古い発疹は色素沈着や、皮膚の一部の色が白く抜け落ちる白斑(はくはん)を残すことがあります。通常は、痛みやかゆみの少ない、良性の疾患です。

局面状類乾癬は、滴状類乾癬より大きく、5センチ前後の赤い発疹が腹部や背中、尻などの体幹にできます。進行すると、菌状息肉症(皮膚悪性T細胞リンパ腫〔しゅ〕)に移行する場合もまれにあります。

菌状息肉症は、リンパ球のT細胞が悪性化し、皮膚に現れてくるものです。悪性度は低いのですが、発疹が出る状態が長く続き、中には10~20年経過して硬く盛り上がって腫瘍(しゅよう)になったり、リンパ節や内臓に転移することもあります。

悪性化の可能性もあるので、類乾癬の症状に気付いたら、早めに皮膚科、皮膚泌尿器科を受診しておくと安心です。

類乾癬の検査と診断と治療

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、乾癬の場合と同じように、特徴的な発疹とその分布、経過から判断します。局面状類乾癬では、悪性かどうかを判断するために、発疹の一部を切って顕微鏡で調べる組織検査を行います。

乾癬やジベルばら色粃糠疹(ひこうしん)との区別が、必要です。

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療では、原因が不明で、根本的に治す方法が今のところはっきりしていないため、経過をみながらの対症療法を行います。

対症療法としては、主に炎症を抑制するステロイド(副腎〔ふくじん〕皮質ホルモン)の外用薬を用います。そのほか、皮膚の細胞が増殖するのを阻害する活性型ビタミンD3外用薬も、ステロイド外用薬ほどの速効性はありませんが、副作用が軽微なので併せて使用します。

内服薬としては、ビタミンA類似物質であるエトレチナート(チガソン)や、免疫抑制薬であるシクロスポリン(ネオーラル)が用いられ、一定の効果が得られています。

外用薬で大きな改善がみられない場合は、PUVA(プーバ)療法という光線療法を用い、紫外線の増感剤であるメトキサレン(オクソラレン)を発疹部に塗り、長波長紫外線UVAを当てることもあります。PUVA療法に代わる光線療法として、特定の紫外線波長を利用したナローバンドUVB療法を用いることもあります。

⛹‍♀ルイス・サムナー症候群

ルイス・サムナー症候群とは、難病として知られ、運動ニューロン疾患とも呼ばれる筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症と区別しにくい筋萎縮で、免疫療法で治ることが報告され、近年、注目を浴びています。

 この筋萎縮は上腕に起こりやすく、舌下神経、腓骨(ひこつ)神経、坐骨神経などにも起こります。左右非対称に、徐々に筋萎縮、脱力が起こり、時には軽い感覚障害を伴うことも。運動神経伝導検査では100パーセント伝導ブロックが見られますが、感覚神経伝導速度はまったく正常なものが大部分です。

この病気には、ステロイド剤の副腎(ふくじん)皮質ホルモンは無効で、シクロホスファミド、ないしガンマグロブリンの投与で治癒します。まだ本態は十分に解明されていませんが、治療可能な病気となりました。

⛹‍♀るいそう

標準体重より体重が20パーセント以上減少している状態

るいそう(羸痩)とは、一般的に、標準体重より体重が20パーセント以上減少している状態。さくそう(削痩)、栄養失調、栄養不良、栄養不足とも呼ばれます。

標準体重より少ないからといって、人それぞれで体重がほぼ一定している場合には、すぐ病的だとはいえません。しかし、過去6カ月以内に元来の体重から10パーセント以上減った場合は、医学的に問題となります。

このるいそうは、栄養過多による肥満の反対、つまり脂肪だけが減っているということではありません。筋肉など、脂肪以外の組織も減少している状態をいいます。

るいそうを起こす原因には、さまざまなものがあります。大きく分けて、食事で摂取する熱量(カロリー)が体の要求を満たすのに十分でない場合と、摂取する熱量は足りていても十分に吸収・利用がされない場合に、るいそうの状態になります。

食事で摂取する熱量が体の要求を満たすのに十分でない場合のるいそうの一般的な形態は、蛋白(たんぱく)・エネルギー栄養失調(主要栄養素欠乏症)と、微量栄養素栄養失調(微量栄養素欠乏症)とに分かれます。

蛋白・エネルギー栄養失調は、体に必要なエネルギーと蛋白質の不十分な吸収と利用を示します。微量栄養失調は、体に少量必要なビタミンや微量元素などの不足が原因で、さまざまな疾患につながり、体の正常な機能を損ないます。

摂取する熱量は足りていても十分に吸収・利用がされない場合は、消化器系の疾患や、がん、糖尿病、甲状腺(こうじょうせん)機能高進症などのいろいろな疾患が原因となっている場合があります。

消化管である胃腸に疾患があると、食欲不振に陥ると同時に、食べた物の消化・吸収も正常に行われなくなるため、るいそうになります。消化器系の疾患で多いのは、胃潰瘍(かいよう)と十二指腸潰瘍です。また、消化液や酵素を分泌する腺臓器である肝臓、膵臓(すいぞう)に、慢性肝炎、肝硬変、慢性膵炎などの疾患があるケースでも、食欲が減退して、るいそうになります。

体のどの臓器、組織にできたがんでも、初期症状としてるいそうになり、体重が落ち、やせてきます。がん細胞が体の栄養を奪ってしまうために起こり、特に消化器系に発生したがんでは顕著です。末期になると、体がやせ細ってきます。

糖尿病の初期には太り出すことがありますが、放置して進行すると食欲があるのにるいそうになり、体がやせてきて、のどの渇き、多尿などの症状が現れます。糖尿病は膵臓から出るインシュリンの働きが悪くなり、血糖値が高くなる疾患で、進行すると目、腎臓(じんぞう)、神経などに合併症を来す全身病。親や兄弟に糖尿病の人がいると、発症率が高くなります。

甲状腺ホルモンが過剰に分泌される疾患が甲状腺機能高進症で、代謝が活発になって消費カロリーが増えるため食欲が増しますが、それ以上に代謝が激しいので、急激にるいそうになります。動悸(どうき)がする、汗をかきやすい、手が震えるなどの症状も伴います。男女比で見ると、約1対4で女性に多く、多くは20歳~50歳代で発症します。

そのほか、神経性食欲不振症、過度のダイエットが、るいそうの原因となっている場合があります。

神経性食欲不振症は若い女性に多く、肥満に対する強い不安などが原因で食欲不振になり、食べても自ら吐いてしまうこともあります。その結果、るいそうとなり、極度のやせ、無月経などを引き起こします。本人には、るいそうの自覚がないことが多いとされています。

減量を目的とした自己流の過度のダイエットによる食事制限によって、るいそう、摂取エネルギー不足に陥って、極端にやせるケースもあります。貧血や肝機能障害などの合併症を引き起こす危険性もあります。

そのほか、感染症、外傷、手術なども、るいそうを起こす原因となります。

るいそうの一般的な症状は徐々に起こってきますが、自覚症状としては、倦怠(けんたい)感、無気力、脱力感があり、体重は次第に減少し、体温も下がり、脈が少なくなります。やがてむくみ、貧血、下痢が現れ、末期には昏睡(こんすい)状態になって死亡します。

1カ月で2~3キロ以上体重が減ったら、念のため内科を受診しましょう。

るいそうの検査と診断と治療

内科の医師による診断では、さまざまな疾患を念頭に入れて、食欲や食事摂取の有無を始めとした病状を詳しく聞いた後に、必要な診察や検査を迅速に行います。

内科の医師による治療では、原因となっている疾患がある場合は、その疾患を治療することが先決です。

原因となっている疾患が特に見当たらなければ、十分な熱量と、牛乳、卵、大豆など良質な蛋白質を与えれば、容易に回復します。全体の摂取カロリーに占める糖質、脂肪、蛋白質の割合は、およそ3対1対1になるのがよいとされています。加えて、食事は1日3回、規則正しく取ることが大事です。

重症者では、消化機能も低下し、慢性下痢を伴っているものが多いので、初めは流動食を少量ずつ1日数回に分けて与えます。食べ物は、糖質食品(くず湯やかゆなど)、消化の良い蛋白質、脂肪(バター)の順で増加していきます。むくみが強い場合には、食塩を制限します。

😢涙道狭窄、涙道閉鎖

涙道狭窄(きょうさく)とは、目の涙の通り道に当たる涙道に狭いところがある状態、涙道閉鎖とは、詰まっているところがある状態をいいます。

涙は上まぶたの裏にある涙腺(るいせん)から分泌され、常に結膜や黒目の表面を潤し、上下のまぶたの目頭の縁にある涙点から、涙小管を通って涙嚢(るいのう)に流れ、さらに鼻涙管を通り鼻腔(びくう)に抜けます。

この涙道のどこかに狭窄や、閉鎖があると、涙がうまく流れません。逆流して、まぶたから外へあふれ出るため、いつも涙で目が潤んでいたり、涙がこぼれたりといった状態になります。

先天性のものと後天性のものとがあり、女性に多い病気です。後天性の涙道狭窄、涙道閉鎖では、トラコーマや外傷、炎症などが原因になります。副鼻腔手術、腫瘍(しゅよう)が原因になることも。

医師による診断では、涙点から水、色素などの液体を注入して、鼻腔への流出の具合をみて行います。

😭涙嚢炎

涙嚢(るいのう)炎とは、涙嚢が化膿(かのう)する病気。涙は上まぶたの外方にある涙腺で作られ、それが角膜を潤して、目頭の上下の瞼縁(けんえん)にある涙点から涙小管と呼ばれる細い管に入って、目と鼻の間にある涙嚢に集まります。この部分に炎症が起きた状態であり、慢性涙嚢炎、急性涙嚢炎に分けられます。

慢性涙嚢炎の場合、多くは中年以後の女性にみられ、涙嚢に細菌が繁殖して膿汁(のうじゅう)を作り、涙嚢部を押すと、膿汁や汚れた涙が逆流してきます。涙目をそのままにしておくと、この慢性涙嚢炎になりやすくなります。

治療は、抗生物質や消毒剤などで涙嚢を洗ったり、プジーという細い針金で涙道を通したりします。新生児では、これで大抵治ります。大人では、一時的には効果がありますが、完全には治りにくいケースも多く、涙嚢から鼻腔へ涙の道を作る手術が行われ、効果を上げています。

急性涙嚢炎の場合、慢性涙嚢炎が急に悪化したもので、急に涙嚢部が強く痛み、その部分の皮膚が赤くなり、はれてきます。時には、発赤とはれがほおにまで広がり、痛みのために夜も眠れなくなります。

放置すると、涙嚢が破れて膿(うみ)が出て治りますが、跡が残ります。はれたら早く、医師の治療を受けることです。

先天的に涙道の一部に通過障害を持つ新生児にも、急性涙嚢炎がみられます。出生直後から、流涙などがみられますが、これに細菌感染が加わると発症します。症状が変化しやすいため、すぐに専門医に相談を。治療には、化学療法が行われます。

♋ルーズショルダー

肩の関節のつくりが不安定で、あらゆる方向に正常以上に動いてしまう状態

ルーズショルダーとは、肩の関節のつくりが不安定で、あらゆる方向に正常以上に動いて、不安定感を伴う状態。動揺性肩関節症、動揺肩とも呼ばれます。

大抵は先天的なもので、両側性が多く、肩関節以外にも指、足、肘(ひじ)、膝(ひざ)の関節が軟らかい人に多くみられます。男女とも13~14歳で発症することが多いとされていますが、自然治癒することもあります。

こういうルーズショルダーの人が肩を使いすぎると、その最中に肩の痛みや疲れ、だるさを感じます。肩の不安定感、脱臼(だっきゅう)感、脱力感、可動域の制限、腕や手指のしびれ感、肩凝りを伴うこともあります。

野球では、投球の最後に腕を振り切る動作であるフォロースルーの際に、肩が抜けるように感じることがあります。これは肩関節の90度外転位での外旋運動、その後の急激な内旋運動の繰り返しによって、つくりが不安定な肩関節が常にストレスにさらされるために起こります。

バレーボールのスパイクやサーブ、テニスのサーブ、ハンドボールのシュート、槍(やり)投げ、砲丸投げ、ボウリング、水泳などでも肩の痛みが起こります。

ルーズショルダーの人は、野球やバレーボールなどのスポーツが不向きという潜在的要素を持ち合わせていますので、それらのスポーツを無理に続けた場合、肩から肘にかけての大きな骨である上腕骨頭が肩甲骨関節窩(か)中央からいろいろな方向へずれてしまうことで、関節窩の縁にある線維軟骨性の関節唇の剥離(はくり)を起こしたり、肩関節で上腕を保持している筋肉と腱の複合体である腱板(けんばん)の損傷を起こすこともあります。

ルーズショルダーの原因としては、肩甲骨の外転外旋筋力低下によるもの、肩甲骨関節窩の後下縁の形成不全や傾斜角度の異常によるもの、肩甲骨関節窩に肩峰(けんぽう)および烏口(うこう)突起までを含めた機能的関節窩の形成不全によるもの、肩関節を包んでいる関節包や、関節の周囲にある滑液包といった軟部組織の膠原(こうげん)繊維の異常によるものなど、さまざまあります。

ルーズショルダーの検査と診断と治療

整形外科の医師による診断では、X線(レントゲン)検査で、おもりを持ってもらって撮影を行うと、肩から肘にかけての大きな骨である上腕骨骨頭が外れた状態が映ります。

整形外科の医師による治療では、痛みが続く場合、三角巾(きん)固定による安静、非ステロイド性消炎・鎮痛剤の投与、肩峰下滑液包、腱板、烏口突起などへの局所注射を行います。

そのほか、肩の周囲の筋力を積極的に鍛えてもらいます。筋力を強化しても、ルーズショルダーが治るわけではありませんが、痛みを軽くする効果があります。

肩をすぼめ猫背の姿勢の場合、不良姿勢の矯正が大切で、肩甲骨の安定を図り、姿勢をよくするバンドを装用してもらうこともあります。また、やや大股(おおまた)歩きで早足の歩行は、姿勢矯正に有効です。

重い物を持たないようにし、肩甲骨を中心とした部位である肩甲帯の下垂を助長しやすいショルダーバックは避けます。

野球やバレーボールなどの継続している限り自然治癒が望めないスポーツを禁止するか、必要に応じて運動量を制限することを勧めます。野球の投球フォームやバレーボールのスパイクフォームが正しくない場合は、フォームを矯正することを勧めます。テニスなどのラケット競技の場合では、サーブやストロークに際してなるべく肘を伸ばすことで、肩関節にかかる外旋ストレスを小さくすることが可能です。

氷を用いたアイスマッサージやアイシング(冷却)も痛みの軽減に効果があるので、スポーツ直後に実行することを勧めます。

症状が重度な場合や保存療法が無効な場合は、肩関節を包んでいる関節包を縫い縮める手術や、肩甲骨の傾きを正しくするために大胸筋腱(けん)を肩甲骨の下部に移動する手術などを行うこともあります。

☪ループス腎炎

ループス腎(じん)炎とは、全身性エリトマトーデスの合併症で、発病の最初から、あるいは数年たってから腎障害を起こすものです。腎臓の糸球体が侵されることが原因です。

全身の紅斑、タンパク尿、血尿、むくみがみられ、悪化するとネフローゼ症候群、あるいは慢性腎炎と同様の症状を始めとして、さまざまな症状を呈します。

医師による治療では、 副腎皮質ホルモン、免疫抑制剤を使用し、進行により透析療法を行います。

なお、全身性エリテマトーデスとは、自分自身のDNAに対して抗体が作られる、自己免疫疾患の一種。慢性疾患であり、膠原(こうげん)病の一つとして分類されています。

全身性とは、文字どおり体中どこにでも症状が起こることを意味します。エリテマトーデスとは、紅斑(エリテマ)症を意味し、特徴的に生じる皮疹(ひしん)に由来します。膠原病とは、全身の細胞と細胞を結び付けている結合組織に、炎症による病変が現れる病気の総称です。

💅ルコニキア

爪の甲が点状、横帯状、あるいは全体に白くなる状態

ルコニキアとは、爪(つめ)の甲が白くなる状態。爪甲白斑(そうこうはくはん)とも呼ばれます。

白くなる様子は、点状のもの、横帯状のもの、爪の甲の全体が白くなるものなどさまざまです。点状になるものが最も多く、次いで多いのは横帯状になるもので、爪全体が白くなるものは極めてまれです。

点状になるルコニキアでは、爪の根元の爪半月の近くに小さな点状の白い斑点が現れ、その後、爪の成長に従って先端に移動し、遊離縁に向かう途中で消えていきます。爪母で作られる爪は皮膚の表面のケラチンからなる角層が変化したものですが、爪の甲の不全角化という爪の成長異常によって、主に生じます。

また、爪の甲の透き間に空気が入ることでも生じ、外傷を受けた時、指先や爪を使いすぎた時に、白い斑点が浮き出てきます。健康な若い人や子供に多くみられ、俗に「幸運の星」などと呼ばれています。

爪をかむ癖のある咬爪(こうそう)症の人では、常に爪根を覆う皮膚の部分の後爪郭(こうそうかく)までかんでいるため、点状の白斑がいくつもできることがあります。

横帯状になるルコニキアでは、爪の甲に幅1〜2ミリの白い帯状の変化が1本から数本現れ、その白い帯状が波打つように重なり合ってみられます。遺伝によって起きる先天性のものもありますが、多くは後天性で、1本の爪から数本の爪に出ます。

爪床の表面の不全角化のため生じるといわれていますが、原因不明のものも少なくなく、低蛋白(たんぱく)血症(低アルブミン血症)や砒素(ひそ)中毒、腎(じん)臓障害などが生じた際に、それらの症状の一つとして現れることもあります。

急性の砒素中毒が生じた際には、爪の成長が一時的に委縮するため、発症後の後遺症として数カ月後に、爪の甲を横に走るミー線状と呼ばれるぼんやりとした白線が現れることが知られています。

また、マニキュアなどが原因となることもあり、やめることで回復するということもあります。

爪の甲の全体が白くなるルコニキアでは、爪の甲全体が不透明な白、ないし乳白色になります。多くは遺伝によって起きる先天性のものであり、生まれた時または乳児期から始まります。発症する根本的なメカニズムは、いまだ判明していません。

ルコニキアの検査と診断と治療

皮膚科、あるいは皮膚泌尿器科の医師による診断では、爪の甲に現れた白い斑点の形状からルコニキアと確定することになります。ルコニキアの原因となり得る疾患などを確認することもあります。

皮膚科、あるいは皮膚泌尿器科の医師による治療では、点状になるルコニキアの場合、特に手当は施さず、爪が伸びるのに従って先端に移動し自然に完治するのを待ちます。

横帯状になるルコニキアの場合は、原因となり得る疾患などを確認し、それを除去ないし治療します。例えば、低蛋白血症、砒素や鉛などの中毒、麻疹(ましん)、肺炎などの感染症、乾癬(かんせん)、円形脱毛症などの皮膚疾患、そのほかの心筋梗塞(こうそく)、腎不全などの腎臓疾患、あるいは月経、手術、マニキュア使用などが、原因となり得ます。

爪の甲の全体が白くなるルコニキアの場合も、特に手当の必要はありません。自然に完治するのを待ちます。ただし、爪の水虫や爪半月の拡大、あるいは肝硬変、慢性腎不全、糖尿病などの全身疾患でも爪は白くなり、よく似た外観をみせますので、注意して鑑別しなければいけません。

🟧RSウイルス感染症が「流行入り」 静岡県が注意呼び掛け

 静岡県は26日、直近1週間(15~21日)のデータから「RSウイルス感染症が流行入りしている」と発表しました。定点医療機関となっている小児科1カ所当たりの患者数は1・64人で、県が流行入りの目安としている「1人」を大きく上回りました。前週の0・9人よりも8割増加し、急拡大が懸...