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2025/07/03

🟪 6月の平均気温が過去最高を更新 、「観測史上最も暑い6月」に

 気象庁によりますと、今年6月の日本の平均気温は平年と比較して2・34度高く、統計を開始した1898年以降で最高を更新しました。

 寒気と暖気の境目である偏西風が平年より北を流れ、日本上空が暖かい空気に覆われやすかったことなどが原因だということで、全国の122地点で歴代1位の高温となったということです。

 また、日本近海の平均海面水温も平年と比較して1・2度高く、1982年の統計開始以降、2024年と並んで6月としては最高を記録しました。

 気象庁の担当者は、「梅雨の時期に真夏のような大気の流れや気温となり、驚いている」としています。

 7月前半は引き続き、広い範囲で「猛暑日」が予測されるほか、その後も全国的に厳しい暑さになる見込みで、この夏の気温は観測史上最も暑い夏となった昨年並みの気温となる可能性もあるということです。

 2025年7月3日(木)

2025/07/02

🟪糖尿病薬の服用で転倒リスク増 体重減少作用の強いタイプ

 転倒やそれに伴うけがは健康を大きく損ない、筋肉量の低下が転倒リスクを高めることが知られています。体重減少作用の強い糖尿病治療薬を服用した場合、転倒のリスクが高まる可能性があるとの研究結果を、筑波大や実践女子大のチームがイギリスの科学誌に発表しました。

 チームは、2014年から2021年に筑波大病院に入院した2型糖尿病患者471人に対して最長5年間にわたり、転倒の有無と体重変化に関するアンケートを1年ごとに実施し、転倒のリスク要因を抽出しました。患者の年齢の中央値は64歳で、退院後に1回以上転倒したのは173人でした。

 その結果、入院以前の転倒歴と退院時の年齢、糖尿病治療薬「SGLT2阻害薬」の服用が転倒のリスク要因として挙がりました。SGLT2阻害薬は血中の糖を尿に排出させる働きに加え、体重を減少させる作用もあります。服用していない人に比べ、転倒リスクは1・90倍でした。

 食欲を抑制することで体重減少作用がある別の糖尿病治療薬「GLP1受容体作動薬」については、単独の服用では統計的に有意な要因ではなかったものの、SGLT2阻害薬と併用した場合は、転倒リスクは3・13倍とより高まりました。

 チームによると、転倒歴や年齢はリスクとして知られていましたが、SGLT2阻害薬の服用が示されたのは初めて。調査結果をまとめた筑波大システム情報系の鈴木康裕特任助教は、「SGLT2阻害薬の服用やGLP1受容体作動薬との併用で、将来の転倒リスクが高まる可能性が示された。2型糖尿病患者にこれらの薬を処方する際には、適切な食事療法や運動療法を指導する必要性がある」と指摘しました。

 2025年7月2日(水)

2025/07/01

🟪熱中症予防に「経口補水液」を飲んではいけない!消費者庁が注意喚起 健康に大きな問題を引き起こす恐れ

 猛暑日や真夏日が続く折、熱中症対策にこまめな水分補給は欠かせません。しかし、脱水症に用いられる飲料「経口補水液」について、消費者庁は「スポーツドリンクのように普段の水分補給として飲むものではない」と注意を呼び掛けています。体に良さそうだからと日常的に飲んだり、熱中症の予防対策として摂取したりするのは間違いとしています。

 経口補水液とは、脱水時に体内から失われた水と電解質(ナトリウムイオン、カリウムイオンなど)を素早く吸収できる飲み物です。感染性胃腸炎による下痢や嘔吐(おうと)、発熱、過度な発汗などによって脱水症状が起きた場合に、水と電解質を効率的に吸収できるように特別な割合で成分が配合されています。

 「OS-1」(大塚製薬)、「アクエリアス 経口補水液 ORS」(日本コカ・コーラ)、「アクアソリタ」(味の素)などの商品が販売されています。ドラッグストアなどで手軽に購入できますが、病者向けの「特別用途食品」と国が定めており、脱水症状のない人が水分補給で飲むものではありません。

 ペットボトル入り清涼飲料水と見た目が似ているため、スポーツドリンク感覚で飲用している人もいますが、消費者庁は経口補水液の特徴や正しい飲み方について、次のように示しています。

(1)経口補水液はスポーツドリンクよりもナトリウムやカリウムが約3~4倍多く含まれています。

(2)脱水状態でない人が普段の水分補給として飲むものではありません。経口補水液は、医師や管理栄養士らと相談し、指導に沿って使用しましょう。

(3)ナトリウムやカリウムの摂取量を制限されている人は、飲み方を誤ると健康に大きな問題を引き起こす恐れもあるので、使用前に必ず医師に相談しましょう。また、ナトリウムやカリウム以外に糖質も含まれているため、医師から糖質の摂取量の制限を指示されている場合も注意が必要です。

(4)脱水を伴う熱中症に効果がある経口補水液もあるので、パッケージの表示をよく確認しましょう。

 2025年7月1日(火)

2025/06/30

🟩高齢者の安全な薬物療法ガイドライン改定 日本老年医学会、10年ぶり

 日本老年医学会は、「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」を10年ぶりに改定したと発表しました。高齢者に出やすい薬の副作用を防ぐために、慎重な投与が必要となる薬物のリストを更新。糖尿病や肥満症の治療に使われる薬が加わりました。

 高齢者はたくさんの診療科にかかり、薬が増えて副作用が生じる「ポリファーマシー」を引き起こしやすくなります。ガイドラインは、薬の効果や有害事象に関する論文などをもとに、「特に慎重な投与を要する薬物」や、高齢者が必要な医療を受けられなくなることを防ぐために治療の選択肢の一つとして検討するよう求める「開始を考慮するべき薬物」を示しています。

 「特に慎重な投与を要する薬物」には、糖尿病の治療薬の「GLP―1受容体作動薬」や「GIP/GLP―1受容体作動薬」が加わりました。吐き気や嘔吐(おうと)、下痢、食欲不振などに注意し、加齢に伴って心身の活力が低下した「フレイル(虚弱)」や全身の筋肉が弱る「サルコペニア」の患者では、体重減少に注意しながら投与の可否を慎重に判断する必要がある、としました。

 急に我慢できないほどの尿意を催したり、頻尿になったりする「過活動膀胱(ぼうこう)」の治療で使う「β3受容体作動薬」は、認知機能低下のリスクがないとして、「開始を考慮するべき薬物」に加わりました。

 ガイドラインの対象は75歳以上の高齢者や、75歳未満のフレイルの患者や要介護者。

 薬を自己判断でやめると、症状が悪化したり、予期せぬ副作用が出たりすることもあります。ガイドラインは医療者向けで、同学会は患者や家族、介護職に対して、自己判断で服薬を中止せず医師に相談するよう呼び掛けています。

 同学会理事長の神崎恒一・杏林大医学部高齢医学教授は、「暑くなると、脱水が引き金となり、腎機能の低下や薬物の有害事象が起こりやすくなる」と指摘し、「必要な薬を正しくのんでもらうためにも、重要なガイドラインだ」と話しました。

 2025年6月30日(月)

2025/06/29

🟩万博会場周辺の下水で感染症調査 はしか・MERSなど拡大予測の研究

 国内外から多数の人が訪れる大阪・関西万博を巡り、大阪健康安全基盤研究所(大安研)が会場周辺の下水に含まれる病原体を調べ、感染拡大を予測する実証研究を始めたことが29日、わかりました。万博会場などで体調不良で受診した患者の情報と合わせて解析することで、発生状況の早期探知や国内で流行するリスクがどれほどあるのか把握することが狙い。

 万博では半年の期間中、約350万人の訪日客を含む約2820万人の来場を見込んでいます。新型コロナウイルス流行後では最大級の国際的イベントで、大安研の朝野和典理事長は「技術を確立し、将来的な流行状況調査の負担軽減や医療提供体制の備えに生かしたい」としています。

 対象となる感染症は、はしかや中東呼吸器症候群(MERS)など約20種類。万博会場がある人工島・夢洲(ゆめしま)の周辺や、近隣の下水処理場でトイレなどの排水を週に1回採取し、ウイルスや細菌の遺伝子が含まれるかを調べます。

 2025年6月29日(日)

2025/06/28

🟩新型コロナ感染者、1医療機関当たり1人に 5月初め以来、前週比1・11倍

 厚生労働省は27日、全国約3000の定点医療機関から16~22日の1週間に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が3841人で、1医療機関当たり1・00人だったと発表しました。1人に達したのは、4月末から5月初めにかけての週以来。前週比は1・11倍で微増しました。

 新型コロナは、感染の規模が徐々に小さくなっているものの、例年夏と冬に流行を繰り返しています。

 1医療機関当たりの感染者数が最も多かったのは沖縄県で、前週の3・89人から5・87人に増加。愛媛県1・92人、埼玉県1・52人と続きました。少なかったのは島根県0・25人、秋田県と山形県が0・28人などでした。

 2025年6月28日(土)

2025/06/27

🟩訪問介護事業所、107町村でゼロ 中山間地や離島多く、経営難など

 ヘルパーが高齢者宅を訪れて身の回りの世話をする訪問介護サービスを提供する事業所がゼロの自治体が、2024年末時点で32都道府県の107町村に上ることが25日、わかりました。人口減少や高齢化が進む中山間地や離島の自治体が目立ちました。物価高などに伴う経営難やヘルパー不足が影響したとみられます。団塊世代が75歳以上となり、介護需要が高まる中、過疎地でのサービス提供の脆弱さが浮き彫りとなりました。

 利用者が必要なサービスを受けられない状況を避けるためにも、事業所の広域連携や経営の効率化を進めることが有効との指摘があり、行政による支援の強化が求められます。人手を確保するためヘルパーの賃上げなど待遇改善も重要となります。

 厚生労働省が公表している事業所の全国一覧に基づき集計。訪問介護事業所がゼロの自治体は2022年末は93町村、2023年末は97町村で増加傾向にあります。2024年末の107町村を都道府県別で見ると、北海道の14町村が最も多く、長野県10町村、沖縄県10町村、福島県8町村、高知県8町村が続きました。

 2025年6月27日(金)

2025/06/26

🟩「赤ちゃんポスト」設置へ補正予算可決、大阪府泉佐野市 慈恵病院の視察費など800万円計上

 大阪府の泉佐野市議会は25日、市が取り組む方針の「内密出産」や「赤ちゃんポスト」の関連予算を含む一般会計補正予算案を可決しました。市は近く連携する医療機関を明らかにし、早ければ来年度から導入するとしています。

 望まない妊娠に悩む女性が病院の担当者にのみ身元を明かして出産する「内密出産」や、育てられない新生児を匿名で預かる「赤ちゃんポスト」には、熊本市の慈恵病院と東京都墨田区の賛育会病院が取り組んでいます。泉佐野市で導入されれば全国3例目となります。

 可決された予算は、市による両病院への視察費など約800万円。市は今後、連携する病院に必要な設備の費用などを負担する方針です。ふるさと納税を原資とする基金を充てます。

 可決後に報道陣の取材に応じた千代松大耕市長は、行政主導で取り組むことで、病院と行政機関との調整が「スムーズにいくのではないか」と述べました。

 2025年6月26日(木)

2025/06/25

🟩入国前の結核検査を義務化、フィリピンとネパール対象

 留学や就労目的で日本に3カ月を超えて滞在する予定の外国人に、入国前の結核検査と、発症していないことの証明書の提出を義務付ける「入国前結核スクリーニング」が23日、フィリピンとネパールを対象に始まりました。在留中に結核と診断される人の割合が増加傾向にあり、対策が急務となっていました。比較的患者が多いこの2カ国で先行実施し、ベトナムも9月1日に開始します。

 日本政府は今後、対象国を中国、インドネシア、ミャンマーにも広げる方針。

 2023年に日本で新たに結核と診断されたのは1万96人。そのうち外国生まれの患者は1619人で約16%に当たり、年々割合が高くなっています。入国前結核スクリーニングの対象、または対象予定の6カ国からの入国者が、外国生まれの患者の約8割を占めるといいます。

 日本側が指定した現地の医療機関で、問診や胸のエックス線検査、必要に応じて喀痰検査などを受けます。証明書は在留資格の認定など来日手続きの際に提出。一部例外を除き、発症していないことを証明できなければ入国を認めません。

 2025年6月25日(水)

2025/06/24

🟩中国から輸入のスナック菓子から国内使用禁止の酸化防止剤、輸入業者に回収と廃棄命令

 千葉市は23日、同市美浜区の食品輸入業者「清水物産ホールディングス」が中国から輸入したスナック菓子から、国内で使用が禁止されている食品添加物が検出されたと発表しました。千葉市保健所は同日、同社に回収と廃棄を命じました。

 違反のあった菓子は「フライドポテト うすしお味」(1袋45グラム)で、今年3月31日以降に輸入された12万袋が回収の対象になります。すでに流通しているものの、健康被害は確認されていません。

 検出された添加物は酸化防止剤の「TBHQ」で、菓子1キロ・グラム当たり0・0011グラムが検出されました。千葉市保健所は、人が生涯食べ続けても、直ちに健康への影響はない値だとしています。

 19日に茨城県のサンプリング検査で違反が判明し、翌20日に千葉市に連絡がありました。千葉市保健所の担当者は、この菓子が手元にある場合は食べずに同社へ連絡するよう呼び掛けています。

 2025年6月24日(火)

2025/06/23

🟩熱中症疑いで救急搬送、東京都28人埼玉県28人群馬県14人など

 東京消防庁によりますと、23日、東京都内では、午後3時までに32歳から98歳までの合わせて28人が、熱中症の疑いで救急搬送されました。

 このうち1人が重症、15人が中等症、12 人が軽症だということです。

 東京消防庁は、のどが渇く前にこまめに水分を補給することや、室内で適切に冷房や扇風機を利用することなど対策の徹底を呼び掛けています。

 埼玉県によりますと、23日午後4時の時点で、県内では熱中症の疑いで合わせて28人が救急搬送されました。

 このうち重症が1人、中等症が11人、軽症が16人だということです。

 年代別では65歳以上の高齢者が16人と半数以上を占め、18歳以上65歳未満が9人、7歳以上18歳未満が3人となっています。

 埼玉県はエアコンを使ったり、水分をこまめに補給したりして、熱中症の対策を徹底するよう呼び掛けています。

 消防によりますと、群馬県内では23日午後5時の時点で、20歳から95歳までの合わせて14人が熱中症の疑いで救急搬送されたということです。

 このうち中等症が10人、軽症が4人だということです。

 県は、エアコンの適切な使用やこまめな水分補給など熱中症対策を徹底するよう呼び掛けています。

 神奈川県によりますと、23日午後3時までに県内では12人が熱中症の疑いで搬送されました。

 重症の人はいませんでした。搬送された12人のうち、7人が65歳以上の高齢者でした。

 千葉県によりますと、県内では23日、午後2時までに11人が熱中症の疑いで医療機関に搬送されました。

 3週間以上の入院が必要な重症の患者はいませんでした。

 県は、エアコンの適切な使用やこまめな水分補給など、対策を徹底するよう呼び掛けています。

 茨城県によりますと、23日午後4時までに40歳代から80歳代の男女8人が熱中症の疑いで医療機関に搬送されました。

 このうち7人が中等症、1人は軽症となっています。

 栃木県消防防災課によりますと、23日午後4時時点で栃木県内では3人が熱中症の疑いで救急搬送されたということです。

 中等症が2人、軽症が1人となっています。

 2025年6月23日(月)

2025/06/22

🟩滋賀県の養鱒場で国内2例目の「レッドマウス病」確認、イワナ34万匹を殺処分

 滋賀県は20日、同県米原市の醒井(さめがい)養鱒(ようそん)場で飼育していたイワナの稚魚で、サケ科の魚類で口などから皮下出血する「レッドマウス病」を確認したと発表しました。国内2例目で、約34万匹を殺処分しました。人には感染せず、魚を食べても人体に影響はないといいます。県は感染経路を調べています。

 県水産課によると、国内では2015年に石川県でサケの稚魚が感染したのが最初。原因の細菌に感染すると口の中やヒレの根元などが皮下出血して赤くなり、死ぬこともあるといいます。

 養鱒場のイワナは、川への放流用や飲食店向けに出荷します。稚魚飼育棟の水槽で昨年秋に生まれた計約35万匹を飼育していましたが、5月下旬以降に約1万匹が死にました。6月10日に水産試験場の簡易検査で感染の疑いが判明。国の研究機関で20日に陽性が確定しました。

 すでに出荷され、県内で飼育されていた200匹も殺処分します。また、養鱒場で別の水槽で飼育していたニジマスやアマゴ、ビワマスには現時点で感染の兆候はないといいます。

 2025年6月22日(日)

2025/06/20

🟩ワクチン接種遅れていれば死者2万人増 2021年のコロナで東大推計

 新型コロナウイルスワクチンの接種開始が3カ月遅れていたら、2021年の国内死者数が実際より2万人余り増えていたとの推計結果を、東京大新世代感染症センターの古瀬祐気教授らのチームがまとめました。また「ワクチンの安全性に関するデータは捏造されている」といった誤情報を信じた未接種者が、信じていない人と同じ割合で接種したとすると431人の死亡を防げたとの結果が出ました。

 古瀬教授は、「次のパンデミックが発生した場合など、今後のワクチン接種戦略を考えるのに役立つ」と話しています。約3万人を対象にした2021年のアンケートによると、未接種者の36・6%が誤情報を信じていたといい、誤情報の影響を抑えることができれば、接種率を上げて死者を減らせる可能性も示しました。

 チームは、感染者数のほか、ワクチンの接種率や有効性のデータを基に計算。2021年12月にオミクロン株が出現するまでの国内の新型コロナによる死者は約1万5000人とし、同年2月に医療従事者らを皮切りに接種が始まったワクチンにより約3万人の死亡が回避されたと推計しました。

 2025年6月20日(金)

2025/06/19

🟩アメリカFDA、新型のHIV感染予防薬を承認 年2回注射、高い有効性

 アメリカ食品医薬品局(FDA)は18日、アメリカの製薬大手ギリアド・サイエンシズのエイズウイルス(HIV)感染予防薬を承認しました。年に2回だけの注射で感染を予防でき、HIVの感染減につながることが期待されています。

 ギリアド・サイエンシズによれば、第3相臨床試験(治験)で抗ウイルス薬「レナカパビル(販売名イェズトゥゴ)」は99・9%以上の予防効果が確認できました。イギリスのグラクソ・スミスクライン(GSK)も同様の長期的な効果がある予防薬を展開していますが、2カ月に1回とより頻繁な投与が必要です。

 アメリカ疾病対策センター(CDC)によると、アメリカで2023年に3万9000人がHIVに感染しました。アメリカメディアによると、保険適用前の年間価格は約2万8000ドル(約400万円)といいます。

 ギリアド・サイエンシズのダニエル・オデイ最高経営責任者(CEO)は今回の承認について声明を出し、「この薬は年2回の注射で済むため、HIV予防を根本的に変えることができる。HIV撲滅という目標を現実に近付けることができた」と強調しました。現在ギリアド・サイエンシズが展開している錠剤の予防薬は毎日の摂取を必要としています。

 「レナカパビル」は「シュンレンカ」の製品名で、HIV感染者の治療薬として利用されています。今回は予防薬としてFDAに承認されました。

 アメリカのジェフリーズのアナリスト、マイケル・イー氏は予防薬としてのレナカパビルの売上高が2025年に1億3500万〜1億5000万ドル、2030年に35億ドルに上ると分析しています。

 ギリアド・サイエンシズはアメリカ以外でレナカパビルの承認申請をヨーロッパ連合(EU)やオーストラリア、ブラジルなどでしていることも明らかにしました。

 2025年6月19日(木)

2025/06/18

🟩尿を用いた検査でステージ0の肺がん患者を早期発見 名古屋大発の新興企業が発表

 尿を用いてがんのリスクを検査する「マイシグナル」を提供している名古屋大発のスタートアップ(新興企業)、Craif(クライフ、東京都文京区)は16日、北海道で行った共同研究で、検査でリスクが高いと判定した人から肺がんの疑いのある腫瘍が見付かり、手術で超早期のステージ0の肺がんを取り除いたと発表しました。

 小野瀨隆一最高経営責任者(CEO)は発表会で、「がんは早期発見できれば生存率も高く、治療のコストも低くできる。早期に発見して治療するのが当たり前の社会にしていきたい」と強調しました。

 同社が開発したマイシグナルは、尿からがん細胞が放出する「マイクロRNA」を高い精度で検出し、がんのリスクを判定します。

 共同研究は北海道大学病院の加藤達哉教授らと実施し、北海道岩内町などの100人にキットを無償提供して検査しました。この結果、5人が肺がんの「中」リスクと判定され、精密検査を受けたところ、1人に肺がんの疑いのある腫瘍が見付かりました。その後、手術で取り除き、完治しました。研究成果は呼吸器外科学会学術大会で発表しました。

 北海道は面積が広大で、医療機関の不足などもあって、がん検診の受診率が低くなっています。マイシグナルは自宅で尿を採取して検査できるため、医療機関で行う血液検査などより手軽といいます。

 2025年6月18日(水)

2025/06/17

🟩東京都内、熱中症の疑いで54人搬送 千葉県内では30人搬送

 東京消防庁によりますと、17日、東京都内では、午後3時までに14歳から96歳までの合わせて54人が、熱中症の疑いで救急搬送されました。このうち2人が重症、24人が中等症、28人が軽症だということです。

 また、千葉県によりますと、千葉県内では午後2時までに30人が熱中症の疑いで搬送されました。3週間以上の入院が必要な重症の患者はいませんでした。

 消防では、のどが渇く前にこまめに水分を補給することや室内で適切に冷房や扇風機を利用することなど対策の徹底を呼び掛けています。

 2025年6月17日(火)  

2025/06/16

🟩環境省などが和歌山県、香川県、鹿児島県、沖縄県に熱中症警戒アラート エアコンの適切な使用を呼び掛け

 熱中症の危険性が極めて高い危険な暑さが予想されるとして、環境省と気象庁は16日、和歌山、香川県全域と鹿児島県奄美地方、沖縄県八重山地方に「熱中症警戒アラート」を発表しました。

 環境省によると、和歌山県、香川県、鹿児島県への警戒アラートは今季初めて。急激な気温の上昇で暑さに慣れていない人も多いため、熱中症への注意が必要だといいます。

 「熱中症警戒アラート」が発表されたエリアでは、▼普段以上に屋内の気温や湿度に気を配り、エアコンなどを適切に使用し、より涼しい環境で過ごしてください。▼こまめに休憩を取り、水分・塩分を補給してください。▼人の健康にかかわる被害が生じる恐れがあります。暑さから自分の身を守ってください。

 一方、▼屋外やエアコンが設置されていない屋内での運動・作業・活動は、できるだけ中止や延期を検討してください。▼激しい運動は禁物です。さらに、▼特に暑さに弱い高齢者や障害者の人たち、小さな子供たちに対しては、大丈夫かどうか声をかけてあげてください。

 2025年6月16日(月)

2025/06/15

🟩美容医療トラブルに特化した救急外来が本格開始 東京都新宿区の病院が6月から

 まぶたの二重手術や脂肪吸引など美容医療のニーズが高まる一方で、一部では、合併症や後遺症などの健康被害も起きています。そうした中、東京都新宿区の病院が6月から、美容医療のトラブルに特化した救急外来を本格的に開始しました。

 美容医療を巡っては全国の消費生活センターなどに寄せられた健康被害の相談が、昨年度822件と、5年前の1・7倍に増加しています。

 こうした中、東京都新宿区で24時間、救急患者を受け入れている春山記念病院は、患者を迅速に治療するため、6月から、美容医療のトラブルに特化した救急外来を本格的に開始しました。

 病院はこれまでも、美容医療による合併症などの緊急手術を行ってきましたが、どんな施術を受けたのかわからず、処置に苦慮するケースも少なくなかったといいます。

 このため6月には、東京都内の美容クリニックと覚書を交わし、クリニックで施術を受けた患者を病院が受け入れる場合は、施術内容など、治療に必要な情報を共有していくことになりました。

 治療は公的な医療保険が適用されない自由診療で行われます。

 美容医療の健康被害を巡っては、厚生労働省の検討会も昨年、美容クリニックと、合併症などに対応できる医療機関の連携を深める必要性を指摘しています。

 覚書を交わした美容クリニックの深堀純也理事長は。「これまで施術後の死亡事故や重篤な後遺症は起きていないが、今後、予期せぬ合併症が起こる可能性もあり、安心して美容医療を提供する上で、救急病院と連携できるのは心強くありがたい」と話していました。

 春山記念病院の事業責任者の櫻井裕基医師は、「一刻一秒を争う事例があるため協定を事前に結ぶ取り組みを始めた。今後はほかのクリニックとの連携も広げていきたい」と話していました。

 2025年6月15日(日)

2025/06/14

🟩ALS嘱託殺人、医師の上告を最高裁が棄却 懲役18年の実刑確定へ

 6年前の2019年、難病の筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)を患う京都市の女性を本人からの依頼で殺害した罪などに問われ、無罪を主張した医師について、最高裁判所は12日までに上告を退ける決定をし、懲役18年の判決が確定することになりました。

 医師の大久保愉一(よしかず)被告(47)は元医師の山本直樹被告(47)(上告中)とともに6年前、全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病のALSを患っていた京都市の当時51歳の女性から依頼を受け、薬物を投与して殺害した嘱託殺人や、14年前の2011年、精神疾患のある山本被告の父親を殺害した罪などに問われました。

 医師側は裁判で「女性が尊厳ある死を選択し、医師が応じたものだ。医師を処罰するのは個人の尊厳などを保障する憲法に違反する」などとして、無罪を主張していました。

 2審の大阪高等裁判所は「尊厳ある人生の終わりを決める権利は尊重されるべきだが、嘱託殺人が直ちに許されるわけではない。医師は、女性の気持ちが変わらないか慎重に見極めることが必要だったのに、わずか15分程度の面会で犯行に及び、130万円の謝礼も受け取っている。女性を思っての犯行とは考えがたい」などとして、医師側の主張を退け、1審に続いて懲役18年を言い渡しました。

 医師側が上告していましたが、最高裁判所第2小法廷の高須順一 裁判長は12日までに退ける決定をし、懲役18年の判決が確定することになりました。

 亡くなった女性の父親(84)は、「判決が確定することになっても娘は帰ってきません。医師には薬物を投与して殺害する前、娘が思いとどまるような言葉をかけてほしかった。同じような事件が2度と起こらないことを願っています」と話していました。

 2025年6月14日(土)

2025/06/13

🟩長崎県で30歳代妊婦が鳥から感染する「オウム病」で死亡か 飼育歴なく感染経路不明

 長崎県内で昨年亡くなった30歳代の妊婦が、鳥のふんなどに含まれる細菌に感染して引き起こされる「オウム病」で亡くなった疑いがあると、長崎県が発表しました。県は鳥との過度な接触を避けるなど、感染予防を呼び掛けています。

 長崎県によりますと、昨年1月、県内の医療機関を受診した30歳代の妊婦が発熱や呼吸困難、意識障害などの症状が出た後、亡くなりました

 医療機関が調べたところ、今月5日、妊婦の検体から「オウム病クラミジア」という細菌の遺伝子が検出され、妊婦が「オウム病」で亡くなった疑いがあることがわかったということです

 長崎県内で「オウム病」の患者が確認されたのは、2017年以来です。

 厚生労働省や長崎県によりますと「オウム病」はオウム病クラミジアという細菌が引き起こし、発熱やせき、全身のけん怠感などインフルエンザのような症状が出る病気で、特に妊婦は重症化する傾向にあり、呼吸困難や意識障害となって死亡する場合もあります

 オウムやインコ、ハトなどのふんに含まれた細菌を吸い込んだり、餌を口移しで与えたりすることで人に感染しますが、人から人への感染は確認されていないということです

 長崎県によりますと、亡くなった妊婦は鳥を飼っておらず、感染経路はわかっていないということです

 県は、鳥との過度な接触を避け、飼育する場合はケージ内の羽やふんをこまめに掃除し、鳥の世話をした後は手洗いやうがいをするなど感染予防を呼び掛けています。

 人獣共通感染症に詳しい岐阜大学の福士秀人名誉教授は、「オウム病という名前がついているが、どの種類の鳥でも原因となる病原体を持っている。病原体が鳥のふんに含まれていて感染の原因になる。空気中に舞い上がった病原体を吸い込んで呼吸器に感染する」と話していました

 その上で「妊婦は重症になる可能性が高いと思われる。また、高齢者など免疫が弱っている人も重症化しやすい」としています

 また、「巣の近くにいる時などに知らない間に感染してしまうこともあり、野外で感染する可能性があることを覚えていてほしい。野外での感染を防ぐ方法はあまりない。重症化すると死亡する可能性もあるが、抗生物質を飲めば治療できるので、高熱が出た時などにはオウム病の可能性も疑って治療してもらってほしい」と話していました。

 2025年6月13日(金)

🟪 6月の平均気温が過去最高を更新 、「観測史上最も暑い6月」に

 気象庁によりますと、今年6月の日本の平均気温は平年と比較して2・34度高く、統計を開始した1898年以降で最高を更新しました。  寒気と暖気の境目である偏西風が平年より北を流れ、日本上空が暖かい空気に覆われやすかったことなどが原因だということで、全国の122地点で歴代1位の高...