麻酔を使って陣痛を和らげる「無痛分べん」について全国調査したところ、約120人に1人の割合で母親が出血するなどの合併症が起きていたとする結果を日本産婦人科医会がまとめました。
調査した専門家は、「通常のお産よりリスクが増えることを理解した上で、無痛分べんにするかどうか検討してほしい」としています。
日本産婦人科医会は、全国1900余りの産科の医療機関を対象にアンケート調査し、2023年に417施設で実施された無痛分べん、合わせて5万3000件余りの合併症を分析しました。
その結果、無痛分べんに関連した処置で母親に出血や子宮が傷付くなどの合併症が起きたケースは454件と、約120人に1人の割合でした。
このほか、麻酔が下半身以外にもかかってしまうなど、麻酔に関する合併症が38件、赤ちゃんが出血するなどの合併症が21件あったということです。
調査を行った聖マリアンナ医科大学の長谷川潤一教授は、「無痛分べんは痛みが少なく希望する人は年々増えている。基本的には安全に行われていると思うが、通常のお産よりも医療の介入が増えるため、そのリスクを理解した上で無痛分べんを受けるかどうか検討してほしい」と話していました。
2025年5月18日(日)