東京都八王子市は7月23日、市内の東京工科大学八王子キャンパスの駐車場の消火設備から、発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFOS(ピーフォス)」を含む消火剤が漏れ出て、近くの河川に流出したと発表しました。河川などからは基準を大幅に上回るPFOSが検出されました。健康被害は確認されていません。
市によると10日、同大の屋内駐車場に設置してある消火設備の天井付近の配管から消火剤が漏れ出ているのを警備員が発見。水で洗い流して清掃しました。その際、大学構内の浄化施設を通らなかった一部の排水が、調整池を通して河川に流出したとみられるといいます。調節池に流出した消火剤は計2リットル程度。
市が15日に周辺の2地点を検査したところ、調整池の出口付近からは1リットル当たり8600ナノグラム(ナノは10億分の1)を検出しました。近くを流れる兵衛川と水路の合流地点では同1600ナノグラムが確認されました。人体に影響がないとされる国の指針値(同50ナノグラム)を大幅に上回りました。
市は大学構内からの排水を遮断した上で、水路にPFOS除去のための活性炭を設置し、モニタリングを続けています。
PFOSは有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」の一種で、発がん性が指摘されています。環境中で分解されにくく、高い蓄積性があることから、国内外で製造、使用が規制されています。PFOSは主に泡消火薬剤、半導体、金属メッキ、写真フィルムなどに使われてきました。
2025年8月3日(日)
0 件のコメント:
コメントを投稿