2025/08/06

🟥中国・広東省で「チクングニア熱」感染7000人超 蚊が媒介、高熱や発疹などの症状

 中国で、蚊が媒介するウイルスが引き起こすチクングニア熱が拡大しており、これまでに少なくとも13都市で7000人以上の感染者が確認された。人から人への感染はないものの、当局は新型コロナウイルス流行時と同様の防疫措置を講じている。

 チクングニアウイルスは、感染した蚊に刺されることで広まるウイルスであり、通常は死に至ることはない。イギリスのBBCによれば、香港の北に位置する広東省で急速に拡大しており、同省の13都市で感染が確認された。ここ1週間で確認された感染者数は約3000人に上る。

 アメリカ紙ニューヨーク・タイムズによると、チクングニアは中国ではまれなウイルスだが、7月8日に仏山市で海外から持ち込まれた感染例が確認された後、急速に拡散。仏山市は現在、最も感染者が多い地域となっている。8月4日には、香港での初の症例として、12歳の少年の感染が確認された。

 南方日報によると、広東省では新型コロナウイルス流行時を想起させるような措置が取られており、感染者は検査で陰性結果が出るまで病院内で蚊帳に入れられ隔離されている。

 ニューヨーク・タイムズが報じた中国政府からの通知内容によると、当局は各家庭を訪問し、蚊の発生源となる水溜まりの除去が徹底されているかを確認している。協力しない住民は「感染症予防妨害」の罪で罰金が科されたり、刑事責任が問われたりする可能性がある。仏山市南海区では、家庭訪問調査に非協力的だった少なくとも5世帯に対し、電力の供給が停止されたという。

 その他の対策として、蚊の幼虫であるボウフラを捕食する「オオカ」を自然界に放ち、蚊を駆除する試みが進められている。また、池に魚を放流してボウフラを食べさせたり、殺虫剤を散布したり、ドローンを使い蚊の発生場所を特定したりする措置もとられている。

 チクングニア熱は、主に蚊を媒介として感染するウイルス性疾患で、主な症状は頭痛、筋肉痛、吐き気、倦怠(けんたい)感、発疹、関節の腫れなど。世界保健機関(WHO)によれば、これらの症状は通常2週間以内になくなるが、激しい関節痛が数カ月から数年にわたって続く場合がある。関節痛はチクングニア熱の大きな特徴であり、この症状がなければデング熱やジカ熱と誤診される可能性が高く、正確な感染者数の把握が難しい。

 2025年8月6日(水)

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