武田薬品工業)は3日、2021年にアメリカ食品医薬品局(FDA)から条件付きで販売できる「迅速承認」を受けた肺がん治療薬について、アメリカでの販売を自主的に中止すると発表しました。正式承認の取得に向けて続けていた後期臨床試験(治験)で、効果が示せなかったことが理由。
対象は経口投与する「エクスキビティ(一般名:モボセルチニブ)」で、アメリカ以外にスイス、韓国、オーストラリア、中国でも条件付きで承認されていましたが、治験のつまずきにより有効性を確認するデータ提出の要件が満たせなくなりました。アメリカ株式市場引け後の時間外取引(アフター・マーケット)で株価は約6%下落しました。
武田薬品は7月に、目標を達成する見込みがないとして治験中止を発表していました。また、2022年にヨーロッパ連合(EU)での販売承認申請を取り下げました。
治験は非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、化学療法との比較で安全性と有効性を評価しましたが、薬の投与によって病気の進行を防ぐ期間の評価項目を達成できませんでした。後期治験の全データを学会か、査読のある学術誌で発表します。
アメリカ以外にエクスキビティを承認した各国でも販売を中止する方針で、当局と協議を進めています。
2023年10月4日(水)
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