2022/10/06

🟧子宮頸がんなど防ぐ9価HPVワクチン、定期接種化へ 2023年度早期から

 子宮頸がんなどを防ぐためのHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンについて厚生労働省は、これまでのワクチンよりも高い感染予防効果があるとされる「9価HPVワクチン」を、2023年4月以降の早い時期から定期接種とする方針を決めました。

 HPVワクチンは、2013年に定期接種になった後、体の痛みなどを訴える人が相次いで、接種の積極的な呼び掛けが中止されましたが、国際的に安全性と有効性を示すデータが蓄積されたため、今年4月から呼び掛けが再開されています。

 現在は小学6年生から高校1年生までの10歳代の女性を対象に、定期接種として希望する人に、子宮頸がんを引き起こしやすい2種類のウイルスの感染を防げる「2価」のワクチンか、それらを含む4種類を防げる「4価」のワクチンの接種が行われています。

 厚生労働省の専門家で作る部会では4日、より高い感染予防効果があるとされる「9価HPVワクチン」を定期接種とする方針を了承しました。

 この9価HPVワクチンは、アメリカの製薬大手メルクの日本法人MSDが2020年7月に製造販売の承認を受けた「シルガード9」。現在は希望者が自費で接種していますが、専門家部会で、公費で受けられる定期接種化が了承された。

 厚労省によりますと、このワクチンは9種類のウイルスの感染を防ぐことができ、子宮頸がんにかかる割合を減らすことが期待されるということです。

 また、副反応の報告頻度について、厚生労働省は4価のワクチンと比較して接種した部位の痛みなどの症状は多いものの、頭痛などの全身症状については同じ程度だったとしています。

 部会では有効性や安全性などの点から、定期接種にすることは問題ないとしていて、厚労省は2023年4月以降の早い時期から定期接種とする方針を決めました。

 厚労省は、2価や4価のワクチンの接種の積極的な呼び掛けを再開した際と同じように、9価のワクチンについても、体調に異変を感じた場合に備えて受診できる医療機関や相談体制の確保を自治体に求めることにします。

 ワクチンの安全性などを評価する、厚労省の専門家部会の部会長を務める、東京医科歯科大学の森尾友宏教授は、「これまでのHPVワクチンでも約60%から約70%の子宮頸がんを予防できるが、9価は約90%を予防できるワクチンで、定期接種になることはとても重要だ」と評価していました。

 その上で、「9価ワクチンは接種後の局所の副反応は、これまでのワクチンに比べて頻度が高いとされているので、これまでのワクチンと同様に安全性についてフォローし、必要な時には診療や相談を受けられる体制の整備が引き続き必要だ」と指摘していました。

 2022年10月6日(木)

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