新型コロナウイルスの感染状況を分析する東京都のモニタリング会議は27日、ヨーロッパやアメリカ、アジアで増えている新たな複数の変異型が都内でも確認されたと報告しました。今冬の感染拡大「第8波」に備え、専門家は警戒感を示しました。
東京都によると、世界では現在、コロナウイルスの99・9%を変異型「オミクロン型」が占め、その亜型の「BA・5」が主流になっています。都内でも今夏の第7波の主因となり、過去最多の感染者数を出しました。
都内では、今も「BA・5」が94・3%を占めます。新たな変異型のうち、「BA・5」の亜型で、イギリスなどで増えている「BF・7」は7月に都内で初めて確認されました。以来、増加を続け、10月27日までに131件見付かりました。同じく「BA・5」の亜型で、ヨーロッパやアメリカで多く報告がある「BQ・1」は46件を確認しました。
シンガポールやインドなどで急速に広がる「XBB」は、オミクロン型の「BA・2」の亜型で、都内で6件を確認しました。10月17日時点で空港検疫で7件検出されていましたが、都内での確認は初めてだということです。都によると、空港検疫で検出されていた「XBB」は、大半がインドでの滞在歴がある人からでした。
シンガポールでは、9月中旬には「XBB」の感染者が感染者全体の17・3%だったのが、10月中旬には60・7%を占めているということです。
いずれの新たな変異型も重症度は不明ですが、ワクチンなどで得た免疫を回避する可能性が指摘されています。
東京感染症対策センターの賀来満夫所長は「シンガポールなどで局所的に増加しているものの、特定の変異型が世界的に優勢となる兆候は見られない」としながらも、「引き続き国内外の動向に注視していく」と述べました。
2022年10月28日(金)
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