中国各地で新型コロナウイルスの感染者が拡大し、行動制限など規制を強化する都市が増えています。22日に中国共産党大会が閉幕し「ゼロコロナ」政策が緩和されるという期待も一部にはあったものの、その兆しは見られません。庶民の不満は高まっており、チベット自治区ではロックダウン(都市封鎖)に反対する異例の抗議活動が起きたとの情報があります。
中国国家衛生健康委員会は28日、中国本土で27日に新たに確認された無症状を含む感染者は、空港検疫などを除き1337人だったと発表しました。4日連続で1000人を上回っており、ゼロコロナ政策をとる中国では高水準に入ります。
各地の当局は感染対策を強化しており、中国メディアによると、中部の湖北省武漢市の一部では26日から30日まで居住区の出入りを禁じる封鎖措置を実施。南部の広東省広州市の一部でも封鎖措置がとられているほか、北京市でも感染者が立ち寄ったビルの閉鎖などが相次いでいます。
一方、アメリカ政府系のラジオ自由アジア(RFA)によると、チベット自治区のラサ市で26日、厳格な感染対策に反発した市民による大規模なデモが発生しました。数百人の抗議参加者が、警備当局者とにらみ合ったといいます。チベットでは独立の動きなどを警戒して厳しい監視、管理体制が敷かれており、デモが行われるのは異例。デモ参加者の大半は漢民族の出稼ぎ労働者とされます。
ラサ市では8月ごろから封鎖状態が続いており、生活必需品の入手困難が起きているといいます。中国の交流サイト(SNS)には「ラサが封鎖されて約3カ月になる。ラサから出るのは海外に行くのと同じくらい難しい」といった厳しい措置への不満を記した投稿もあるものの、次々と削除されています。
2022年10月28日(金)
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