政府は21日、過労死・過労自殺の現状を分析した2022年版の「過労死等防止対策白書」を閣議決定しました。今回の白書では、うつ病などの精神疾患で労災認定された事案について男女別に分析。男性は「長時間労働」や「仕事内容」、女性は「セクハラ」が主な発症要因となっていたことが明らかになりました。
白書によると、2010年度から2019年度までの10年間に、精神疾患で労災認定されたのは計4491件。内訳は男性が3043件で、女性は1448件でした。
また、2010年度に308件だった精神障害での労災認定は、2019年度には509件となり、6割以上増えました。厚生労働省の担当者は、「働き方改革などで労働問題への意識が高まった」と増加の理由を分析しています。
この10年間のうち、分類項目が同じで比較のできる2012~2019年度(計3853件)の発症要因を男女別に分析したところ、男性は「恒常的な長時間労働」(32%)、新規プロジェクトで仕事が増大するなど「仕事内容・量の変化」(25%)、「嫌がらせやいじめ、暴行」(17%)の順に多くなりました。
一方、女性は「セクハラ」(22%)と同僚の労災事故を目撃するなど「悲惨な事故や災害の体験や目撃」(22%)が多く、「嫌がらせやいじめ、暴行」(19%)、「仕事内容・量の変化」(17%)と続きました。
「セクハラ」は、男性では0・3%でした。
厚生労働省は、「セクハラで働き手の将来をゆがめることはあってはならない。企業は、セクハラ防止の取り組みとともに長時間労働の是正を進め、働き手の心の健康を守る必要がある」としています。
2022年10月24日(月)
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