新型コロナウイルスで重症化した患者の後遺症について日本集中治療医学会が調査した結果、1年余りたった後も半数ほどの人で記憶など認知機能の不調が続いているとみられることがわかりました。ほかの病気で重症化した場合より割合が高く、早期にリハビリを行うことが重要だと指摘しています。
日本集中治療医学会は新型コロナに感染し、一昨年の年末までに各地の合わせて32の病院で人工呼吸器による治療を受けた患者や家族を対象にアンケート調査を行い、209人から回答を得ました。
調査結果を分析した結果、集中治療室を出てから1年1カ月余りの時点で記憶や日常の動作などに不調が続いているとみられるのは、60・8%に上りました。
全体のうち、物忘れなど認知機能の不調が53・1%と半数余り、うつ状態など精神的な不調が28・7%、日常の動作の際に息切れがするなどの不調が18・7%で、複数の不調が重なる人もいました。
海外の研究では、コロナ以外で集中治療室での治療を受けた人で1年後に認知機能の不調があった人は30%余りで、コロナでは割合が高いとしています。
分析した大阪医科薬科大学の畠山淳司医師は、「感染対策でリハビリが制限され悪化を招いた可能性もある。リハビリは身体機能のほか、認知機能の回復にも効果があるので、コロナ患者に対してもできるだけ早期に行うことが重要だ」と話しています。
2022年10月8日(土)
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