新型コロナウイルスの水際対策が緩和されたことを受け、外国船の日本発着航路が来春、3年ぶりに再開します。横浜港に停泊していた大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」での集団感染から2年半が経ち、昨年の寄港はゼロでしたが、感染対策のガイドラインを整備して再開を目指しています。
国土交通省によると、船内で1泊以上するクルーズ船の国内での寄港回数は、昨年が420回。コロナ前の2019年の2866回と比べて85・3%減となりました。昨年の寄港はすべて国内船社の国内クルーズによるものでした。
日本を発着して海外にも寄港する国際クルーズの運航は2020年3月から休止しているため、ダイヤモンド・プリンセス号など海外船社の2021年の寄港はゼロでした。海外船社の寄港は、2019年は全体の67・4%を占めていました。
コロナ前は訪日外国人客(インバウンド)も大きな市場となっていました。出入国在留管理庁の統計では、クルーズ船での外国人の入国者数は、ピークだった2017年の252万人から3年連続で200万人を超えていました。
2019年の出発地別の入国者は中国が約8割で最多。国内の寄港地では、那覇、博多(福岡県)、横浜、長崎、石垣(沖縄県)、平良(同)の順に多くなりました。政府は2020年に500万人を目標にしていたものの、コロナ禍で激減し、2020年は12万人、2021年はゼロでした。
国内船社は、2020年10月から国内のクルーズ旅行を再開させています。乗船当日の検査を義務付け、「世界的にも厳しい」(国交省の担当者)という感染対策で臨んでいます。
だが、需要の回復は鈍いため、「飛鳥Ⅱ」「にっぽん丸」「ぱしふぃっく びいなす」を運航する国内の3社が、日本旅行業協会(JATA)などの呼び掛けで連携し、乗船者向けにクルーズ旅行券をプレゼントする企画を10月から始めています。
国際クルーズも準備しており、「にっぽん丸」は今年12月~来年1月にモルディブ、モーリシャス、マダガスカルなどを巡る48日間の船旅を予定しています。
2022年10月29日(土)
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