新型コロナウイルスのオミクロン型に対応した新ワクチンの接種率が全人口の4%にとどまり、低調な出足となっていることが、政府集計で29日、明らかになりました。9月20日の接種開始から1カ月が過ぎました。流行「第7波」が小康状態になり、危機感が薄れていることや、オミクロン型の「BA・5」対応品の選択肢が広がるのを待つ「接種控え」が起きたことが、伸び悩みの原因と政府関係者はみています。
政府は、ワクチン接種を冬場に懸念される流行「第8波」に備えた対策の柱に据えており、年内に接種を完了するよう国民に呼び掛けています。
岸田文雄首相は9月、10~11月にかけて1日100万回を超えるペースで接種できる体制を整備する目標を表明。10月20日ごろには全国で1日に約168万回打てる体制が整いました。
不安定さが指摘されてきたワクチン供給にも万全を期す構えで、厚生労働省は約9900万回分を11月下旬までに自治体へ配送する計画をこれまでに示しています。政府関係者は「(希望が集中するとみられる)BA・5対応品も潤沢にあり、供給に問題はない」と話しています。
だが、首相官邸の28日公表データによると、先に承認されたBA・1対応品の接種が始まった9月20日直後の接種回数は、1日に数千~5万回程度で推移。2種類目となるBA・5対応品の接種が始まり、接種間隔が3カ月に短縮された10月半ば以降は大きく増えているものの、直近は13万~43万回程度にとどまります。累計の接種回数は507万回でした。
一方、最近の感染状況は、北海道や東北など増加傾向が続く地域も出てきており、第8波の到来の懸念が強まっています。厚労省に対策を助言する専門家組織のメンバーは「今回の第8波対策は、新ワクチンを早く打ってもらうしかない」と強調しています。
2022年10月30日(日)
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