地球温暖化の原因となる二酸化炭素など3種類の温室効果ガスの世界の濃度が、昨年いずれも観測史上最も高くなったことがわかりました。
世界気象機関(WMO)は主要な3種類の温室効果ガスの世界の平均濃度について、各国の気象当局や研究機関が観測した昨年のデータを解析し、結果を公表しました。
それによりますと、二酸化炭素が415・7ppm、メタンが1908ppb、一酸化二窒素が334・5ppbと、いずれも2020年を上回り、世界各地で観測を始めた1984年以降最も高くなりました。
二酸化炭素のうち、化石燃料に由来する排出量は2019年から2020年は5・4%減りましたが、2020年から2021年は再び4・9%増加しました。
新型コロナの影響で減っていた人の活動が戻ってきたことが、排出量に影響したとみられます。
また、二酸化炭素より温暖化効果が大きいメタンは、1年間の増加量が観測史上最も多くなりました。
明確な原因はわかっていませんが、ラニーニャ現象の影響で熱帯の雨が多くなりメタンを放出する微生物の活動が活発になったことが、増加に影響した可能性があるということです。湖や湿地などは微生物が有機物を分解してメタンを出すので、多雨や洪水などで湿地が拡大すれば排出も増えます。
解析にかかわった気象庁は、「温室効果ガスの削減に向けた取り組みは一定程度行われているがそれ以上に排出量が多くなっている。異常気象による災害のリスクを減らすためにも、今以上のペースで対策を進める必要がある」と話しています。
2022年10月30日(日)
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