国立がん研究センターと国立成育医療研究センターは15日、2018~2019年の2年間に、がん治療を始めたAYA(アヤ)世代(15~39歳)の患者が5万8062人で、8割が女性だったと発表しました。特に乳がんや子宮頸(けい)がんが多く、4年前の初回調査と同じ傾向でした。
AYAは「思春期・若年成人」を示す英語(Adolescent and Young Adult)の頭文字。国内ではこの世代で、毎年約2万人が新たにがんを発症するとみられています。
調査は、がん診療連携拠点病院など全国860医療機関で2018年1月~2019年12月に治療を始めた40歳未満の患者のデータを解析しました。
20歳をすぎると女性の割合が増え、AYA世代のがんは77%を占めました。一方、15歳未満の小児がん(4688人)は男児の割合が55%で、女児を上回りました。
AYA世代の女性のがんを種類別にみると、乳がんが約5800人と最多で、子宮頸がんの3081人、甲状腺がんの2430人、脳・脊髄腫瘍の1459人が続きました。小児がんは白血病の1423人、脳腫瘍の1077人の順に多くなりました。
AYA世代は、進学や就職、妊娠・出産など多くの人生の節目がある中で、治療の副作用や、再発・転移への不安に向き合うことになります。国は、がん対策推進基本計画に、この世代に特化した取り組みの推進を盛り込み、妊娠・出産の可能性を残すために卵子や精子を保存する費用の助成などを進めています。
2023年11月15日(水)
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