2022年度に国内で実施された人工妊娠中絶件数は12万2725件で、前年度より3449件減少したことが、厚生労働省の調査で判明しました。単純に日割り計算すると「1日336件」のペースで行われたことになります。総数は減少傾向にある一方、20歳未満は9569件で、前年度より476件増加しました。
調査は10月下旬、厚労省の「令和4年度衛生行政報告例の概況」で公表されました。
人工妊娠中絶件数は68年前の1955年の117万143件をピークに右肩下がりの傾向にあるものの、今回の調査では、20歳未満の若年層の増加が目立ちました。
特に19歳が最も多く4620件。19歳は2021年度(4051件)、2020年度(4581件)と比較しても多い結果となりました。
調査を所管するこども家庭庁の担当者は、若年層が増加した背景について、「複数の要因が考えられ、これが理由と明確にするのはむずかしい」とした上で、「予期せぬ妊娠への対策は重要。都道府県などと連携し、性と健康に関する相談事業を推進していきたい」としています。
来年度以降の調査では、今年4月に経口中絶薬が承認されたことを受け、人工妊娠中絶の全体件数に加え、薬による中絶の内訳も公表する方針です。
母体保護法では、人工妊娠中絶は身体的、経済的理由で妊娠の継続が母体の健康を著しく害する恐れがある場合や、暴行脅迫を受けて妊娠した際に行うことができるとされ、妊娠22週未満に実施されます。
2023年11月27日(月)
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