国立成育医療研究センターの研究チームが出生時の体重と大人になってからの病気の関係について調査を行ったところ、低体重で生まれると、生活習慣病のリスクが高くなるなどとする調査結果をまとめました。
低出生体重が生活習慣病のリスク因子になることは、ヨーロッパなどの疫学研究で指摘されていましたが、日本人対象の大規模調査で明らかになったのは、初めてということです。
調査を行ったのは国立成育医療研究センター社会医学研究部の森崎菜穂部長らの研究チームです。
研究チームでは、秋田県、岩手県、茨城県、長野県、高知県、愛媛県、長崎県に住む40歳から74歳までのおよそ11万人を対象に、出生時の体重と生活習慣病の状況についてアンケート調査を行いました。
研究チームが統計学的な手法で分析したところ、心筋梗塞などの「心血管疾患」のリスクは出生時の体重が3キロ台だった人と比べると、2・5キロ以上3キロ未満では1・07倍、1・5キロ以上2・5キロ未満では1・25倍、1・5キロ未満では1・76倍と、出生時の体重が軽いほどリスクが高くなっていたということです。
「高血圧」では、出生時3キロ台の人に比べて、出生体重2・5キロ以上3キロ未満で1・06倍、出生体重1・5キロ以上2・5キロ未満で1・08倍、出生体重1・5キロ未満で1・29倍と、リスクが高くなりました。
「糖尿病」では、出生時3キロ台の人に比べて、2・5キロ以上3キロ未満で1・08倍、出生体重1・5キロ以上2・5キロ未満で1・26倍、出生体重1・5キロ未満で1・53倍と、リスクが高くなりました、
研究チームによりますと、出生時に低体重でも食生活や運動習慣などに気を付けることでリスクを減らすことができるということで、調査を行った森崎部長は「小さく産まれた場合は大人になってからも野菜や魚中心の食事にしたり、運動の時間や睡眠を適切にとったりして生活習慣に気を配ってほしい」と話しています。
2023年11月26日(日)
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