ヨーロッパ連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)は8日、今年の10月は1940年からの観測史上最も暑い10月だったと発表しました。世界の平均気温は6月から5カ月連続で記録を更新しており、2023年は史上最も暑い年になる見込み。
C3Sのサマンサ・バージェス副所長は、「世界の気温の記録が4カ月連続で破られた後の2023年10月は特に異常な気温となった」と述べました。
「2023年は、ほぼ確実に観測史上最も暑い年になるといえる。現時点で(今年の気温は)産業革命前の平均より1・43度高い。野心的な気候変動対策を求める切迫感がこれまでになく高まった状態で、国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)がアラブ首長国連邦で30日から始まる」と述べました。
C3Sによると、今年の10月の平均気温は15・3度で、これまで最も高かった2019年を0・4度上回り10月の記録を更新。産業革命前の10月の推定平均気温を1・7度上回りました。北緯60度から南緯60度の海域を対象にした平均海面水温も20・79度で、10月としては最高でした。
また、C3Sは、1~10月の世界平均気温も1940年からの観測史上、過去最高だったと発表しました。1991~2020年の同期間の平均気温を0・55度上回り、これまで最高だった2016年を超えました。
正式な観測記録以外では、木の年輪や氷床コアなどのデータから、今年の気温は人類史上類をみない高さで、過去10万年で最も暑かった可能性があるとされます。
今年はアジアや北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカが熱波に見舞われ、カナダやギリシャ、スペインなどで山火事が相次ぎました。
2023年11月8日(水)
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