犬を飼っている高齢者は、飼っていない高齢者に比べて認知症の発症リスクが低いという研究結果を、東京都健康長寿医療センターのチームが22日までに国際科学誌「予防医学レポート」に発表しました。ペット飼育と認知症との関連を明らかにしたのは初めてとしています。
調査は、東京都の65歳以上の男女1万1194人を対象に、2016年から2020年までのデータを分析。対象者の平均年齢は74・2歳、女性の割合は51・5%でした。2020年までの介護保険情報に基づく要介護認知症の新規発症率は5・0%で、犬を飼っている人は飼っていない人に比べ、認知症になるリスクが40%低くなりました。
さらに犬を飼っている人のうち、運動習慣がある人や、社会的に孤立していない人のほうが発症リスクが低い傾向にあることもわかりました。猫の場合は、飼育の有無で発症リスクに差はありませんでした。犬の飼育率は8・6%、猫の飼育率は6・3%でした。
同センター協力研究員で国立環境研究所の谷口優主任研究員は、「犬特有の散歩を介した運動や、知人の輪の広がりが飼い主へのよい効果をもたらしている」と指摘。犬の飼育によって認知症予防や健康維持が期待できるとしています。
チームはこれまで、犬を飼う高齢者は介護や死亡のリスクが低いとの研究もまとめています。
2023年11月22日(水)
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