細胞が分泌する「エクソソーム」と呼ばれる物質を美容目的などで使う自由診療が拡大しているとして、日本再生医療学会は、将来的に何らかの規制のもとに置くことを求める提言をまとめました。
この提言は、日本再生医療学会がまとめ、学会の理事長を務める慶応大学の岡野栄之教授が、10日に開かれた厚生労働省の再生医療に関する部会で報告しました。
エクソソームは、細胞から分泌される組織の再生を促す物質などが含まれた微少な粒子で、病気の治療への応用を目指した研究が進められています。
提言によりますと、現在、エクソソームをアンチエイジングなどの美容目的で自由診療で投与するクリニックなどが広がっているということです。
エクソソームは細胞そのものではないため再生医療の安全に関する法律の対象外となっていますが、管理が不十分な場合などには敗血症などの細胞加工物と類似の重篤な事故が起こる可能性があり、海外でもクリニックなどでの安易な使用にはリスクがあるとする指摘が出ているということです。
このため学会ではエクソソームを治療に応用する際のガイドラインの作成が急務だとし、製造過程などを含めて、将来的には何らかの形で規制のもとに置くことが望ましいと提言しました。
2023年11月12日(日)
0 件のコメント:
コメントを投稿