明治ホールディングス傘下のMeiji Seika ファルマ(東京都中央区)は28日、厚生労働省から新型コロナウイルスワクチンの製造販売承認を得たと発表しました。従来型ウイルス対応のため、現在の接種では使われません。引き続き開発を進め、来年度以降に新しい変異型に対応したワクチンの供給を目指します。
承認を得たのはアメリカのバイオ企業アークトゥルス・セラピューティクスが開発した次世代型のmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン「コスタイベ」。投与後に体内でmRNAを自己複製する「レプリコンワクチン」と呼ばれる型で、承認されるのは世界で初めて。Meiji Seika ファルマが日本での供給・販売権を取得し、臨床試験(治験)を進めていました。
既存のmRNAワクチンと比べて少量の投与ですみ、より効果が持続するとされ、同社は今後オミクロン型でも申請し、新しい変異型が出現した際に早期にワクチンを供給できるようにします。
同日記者会見した小林大吉郎社長は、「今後、変異ウイルスに対応させる必要はあるが、世界に先駆けて新世代のワクチンの実用化の道が開けたと考えている。来年の秋冬接種での供給に向けて準備を進める」と語りました。
製造は医薬品受託製造会社のアルカリス(福島県南相馬市)と連携し、同社から原薬を調達します。今後国内に新しい製造棟を建設し、2027年にも約1億回接種分のワクチンを一貫して生産できる体制を目指します。
明治ホールディングス傘下のKMバイオロジクス(熊本市)も、「不活化ワクチン」と呼ばれるタイプを小児向けに開発しています。12月からオミクロン型変異型の「XBB」向けで、小児5000人を組み入れる治験を開始する予定です。
2023年11月29日(水)
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