2025/11/23

🟥COP30、合意文書採択し閉幕 脱化石燃料の工程表は見送り

 ブラジル北部ベレンで開かれた国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は22日、温室効果ガス排出削減の加速を促す新たな対策などを盛り込んだ合意文書を採択し、閉幕した。争点となっていた「化石燃料からの脱却」の実現に向けたロードマップ(工程表)策定に関する直接的な記述は見送られた。

 合意文書は、共同作業の精神を意味するブラジル先住民の言葉に由来し「ムチラン決定」と名付けられた。2015年のCOP21で採択され、世界の気温上昇を産業革命前から1・5度に抑えるとする国際枠組み「パリ協定」の目標達成に向け、温室効果ガス排出削減などの対策の加速を促す。

 工程表の策定は議長国ブラジルが提案。ヨーロッパ連合(EU)諸国や島嶼(とうしょ)国など80カ国超が賛同し、当初案では「化石燃料からの脱却」の文言が記載された。だが、道筋の具体化に対して産油国などが強く反発し、その後文言は削除。これに対し、EU諸国やコロンビアなどが文言の記載を再び要求し、議論は難航した。

 一方、気候変動対策を「史上最大の詐欺」と呼び、COP30に政府高官を送らなかったアメリカのトランプ大統領を筆頭に、各地では対策に否定的な声も上がる。COPの意思決定は全会一致が原則のため、各国は最終的に工程表の策定を見送り、合意形成を優先したとみられる。ただ、ブラジルのコレアドラゴ議長は閉幕会合で、策定の可能性を模索し続ける意向も示した。

 合意文書ではさらに、地球温暖化に伴う水害や猛暑などといった気象災害を抑えるため、途上国へのインフラ整備などの「適応」資金の支援を、2035年までに世界全体で3倍に増加させる努力目標も盛り込まれた。

 来年開催のCOP31は、トルコが議長国を務める。

 2025年11月23日(日)

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