2023/11/21

🟩炭水化物と脂質の極端な摂取や制限で死亡リスク増 名古屋大が調査

 近年、炭水化物や脂質の摂取制限が体重減少や血糖値の改善を促し健康的だともてはやされているものの、極端な摂取制限は死亡リスクを高めるとの研究結果を、名古屋大の田村高志講師(予防医学)らの研究チームがアメリカの専門誌に発表しました。男性の低炭水化物摂取と女性の高炭水化物摂取は死亡リスクを高めることがわかったといいます。

 研究チームは、日本人でがんや心臓血管系の病気のない男性約3万5000人と女性約4万6000人を追跡したところ、平均約9年間で男女計2783人が死亡しました。食事のアンケートに基づき、炭水化物や脂質の摂取量と死亡リスクとの関係を分析し、喫煙や飲酒は影響がないよう統計的に調整しました。

 その結果、男性では全エネルギーに対する炭水化物の摂取割合が50%以上55%未満の人を基準にして、40%未満の人は、すべての原因による死亡リスクが1・59倍、がんによる死亡リスクに限ると1・48倍になりました。循環器病の死亡リスクは45%以上50%未満と、基準よりやや少ないだけで2・32倍となりました。脂質は摂取割合が20%以上25%未満の基準と比べて、35%以上の人は、がんの死亡リスクが1・79倍となりました。

 女性については、炭水化物の摂取割合が65%以上と多めの人は5年以上の追跡で、全死亡リスクが1・71倍となりました。45%以上50%未満と少なめの人は5年未満の追跡で、循環器病による死亡リスクが4・04倍、60%以上と多い人は3・46倍となり、多すぎても少なすぎてもリスクが大きく高まりました。また、脂質摂取量が増えるほど死亡リスクが減少する傾向がみられました。

 田村講師は「男女とも一律にローカーボ食(低炭水化物食)がよい、あるいは脂質摂取は控えるほうがよいとする食事習慣は見直しが必要だ。将来の死亡リスクを考える上では、食事のバランスが重要であるといえる 」と話しています。

 2023年11月21日(火)

0 件のコメント:

コメントを投稿

🟪「健康寿命」ほぼ横ばいで推移、厚労省発表 男性72・57歳、女性75・45歳

 厚生労働省は24日、介護を受けたり寝たきりになったりせずに日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」が、2022年は男性72・57歳、女性75・45歳だったと公表しました。前回調査の2019年(男性72・68歳、女性75・38歳)から、ほぼ横ばいで推移しました。  健康寿命は3年...