子供を中心に流行が続く咽頭結膜熱、いわゆるプール熱の患者数が過去10年間で最も多い状況が続いています。また、発熱やのどの痛みなどの症状が出る溶連菌感染症の一種、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の患者数も過去10年間で最も多くなっていて、専門家は「本格的な冬を迎えるに当たり感染対策に注意してほしい」と話しています。
咽頭結膜熱は子供を中心に高熱や結膜炎などの症状が出るウイルス性の感染症で、せきやくしゃみなどの飛まつで感染するほか、ウイルスが付着したタオルや、プールでの接触などを介しても感染します。
国立感染症研究所によりますと、11月19日までの1週間に全国およそ3000の小児科の定点医療機関から報告された患者数は、前の週より195人多い1万368人となりました。
1医療機関当たりでは前の週を0・07人上回って3・3人となり、5週連続で過去10年間で最も多くなっています。
都道府県別では、北海道が6・88人、福岡県が6・58人、富山県が5・41人、佐賀県が5・26人、奈良県が5・26人、沖縄県が5・13人などとなっていて、合わせて23の都道府県で国の警報レベルの目安となる「3」人を超えています。
また、主に子供が感染し、発熱やのどの痛みなどの症状が出る溶連菌感染症の一種、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の患者も増加しています。
11月19日までの1週間に報告された患者数は、前の週から1370人増えて全国で合わせて1万1893人、1医療機関当たりでは3・79人となっていて、過去10年間で最も多くなりました。
都道府県別では、鳥取県が国の警報レベルの基準となる「8」人を超えていて、次いで宮崎県が6・92人、石川県が6・83人となっています。
咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とも感染者数の増加時期が例年より早く、厚生労働省は手洗いやうがい、マスクの着用など基本的な感染防止対策を呼び掛けています。
2023年11月29日(水)
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