日本老年薬学会は17日、高齢者施設の入所者の服薬について、可能なら昼の1回にまとめることを医師や薬剤師らに求める提言を発表しました。薬の飲み間違いなどのミスを防ぐ狙いがあります。
高齢者施設の入所者は、複数の薬を飲んでいるケースが多いため、提言では、服薬の回数が多く、組み合わせが複雑だと、飲み間違いや飲み忘れにつながると指摘し、服薬回数が1日1回になると入所者も介護する職員も負担が減るとしました。
具体的な方法として、服薬のタイミングを変更できる薬は職員の多い昼にまとめること、効き目が長く続くタイプの飲み薬や貼り薬に変えることなどを挙げました。
薬によっては、服薬の時間が起床時や就寝前に決まっているものもあります。薬の安全性や効果に影響が出ないかなどを確かめた上で、進めるべきだとしています。
学会によると、高齢者施設では処方薬が多い上、認知機能や運動機能の低下から服薬の介助が必要な入居者が多くなっています。
学会の秋下雅弘代表理事は同日、開いた記者会見で、「服薬回数を減らす取り組みは、すべての高齢者に必要だ。今後、医療機関や在宅介護に携わる人にも呼び掛けたい」と話しました。
2024年5月20日(月)
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