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2022/07/11

🍎リンゴ病

リンゴ病とは、ほおがりんごのように真っ赤になるために呼ばれている通称で、別名を伝染性紅斑(こうはん)と呼ぶウイルス感染症です。太ももや腕に赤い斑点やまだら模様ができ、ほおがほてったり少しかゆくなることもあります。

ヒトパルボウイルスB19型というウイルス感染によって、幼児から学童に多く発症します。季節的には、春から初夏にかけて流行することが多いようです。感染力はそれほど強くなく、のどの分泌物の飛沫(ひまつ)によって、気道から主に感染します。

10~14日の潜伏期間を経て、両側のほおの発疹(はっしん)から始まるのが普通です。1~2日後には肩から腕、大ももに赤い発疹が出現し、数日後にはまだらなレース編み模様になります。かゆみを伴うことが多く、平均11日間で消えていきますが、いったん消失した発疹が日光や運動などによって再び現れてくることもあります。

医師による特別な治療を受けなくても、自然に治ります。ほおが赤くなった時は、すでに感染する時期をすぎているので、保育所や学校に行ってもかまいません。

しかし、あまりにも真っ赤なほおの時、かゆみが強くなった時、高い熱が出た時、元気がなくなってきた時なら、2~3日休ませ、医師の診察を受けたほうが無難でしょう。かゆみが強い時は、抗ヒスタミン薬が処方されます。年長児~成人で腰やひざに発生することがある関節痛に対しては、鎮痛剤が使われることがあります。

🇦🇫リンチ症候群

遺伝性大腸がんの一つで、多種類のがんが発症する疾患

リンチ症候群とは、大腸がんや子宮体がん、胃がん、腎盂(じんう)がん、尿管がんなど多種類のがんが異時性、あるいは同時性に発症する疾患。遺伝性非ポリポーシス大腸がんとも呼ばれます。

リンチ症候群は、遺伝性大腸がんの一つです。遺伝性大腸がんは、血縁者の中にがんにかかる人が何人もおり、遺伝的な要因が強く影響して発症したと考えられる大腸がんです。

がんなどの腫瘍(しゅよう)は、遺伝的な要因である親から受け継いだ遺伝子の情報と、環境的な要因である食生活、生活習慣、生活環境などが関係し合って発症すると考えられています。大腸がん全体の約5〜10パーセントが、遺伝性大腸がんであると見なされています。

遺伝性大腸がんの一つであるリンチ症候群は、常染色体優性遺伝し、性別に関係なく、子供(次世代)に50パーセントの確率で遺伝します。その遺伝子の変異を持つ子供(次世代)では、約80パーセントが生涯の間に大腸がんを発症します。

大腸がん全体の約2〜5パーセントが、リンチ症候群であると見なされ、最も頻度が高い遺伝性腫瘍の一つとされています。

原因としては、遺伝子を含むDNA(デオキシリボ核酸)が細胞分裂の際に複製される時に起きた間違いを見付けて、直すミスマッチ修復遺伝子(MSH2・MLH1・MSH6・PMS1・PMS2)の生殖細胞系列が変異し、その働きがうまく行われないことによります。

リンチ症候群は、比較的若年の50歳未満で発症します。平均発症年齢は43歳〜45歳と考えられ、20歳未満での発症は比較的少数です。

リンチ症候群の検査と診断と治療

消化器科などの医師によるリンチ症候群の診断では、ミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞系列の変異が決め手となりますが、家族歴から強くリンチ症候群が疑われる場合でも必ず変異が見付かるわけではありません。

大腸がんや子宮体がんを若い年齢で発症する可能性が高いため、未発症で遺伝子変異を持つ人や、家系内でリスクが高いと考えられる人については、早い時期から大腸内視鏡検査や、婦人科の受診による定期的な検診を開始することが大切となります。また、胃がんや腎盂がん、尿管がんの検診も行います。

発症前の大腸全摘出術は一般に行われていませんが、大腸がんを発症した際には多発がんの発症を視野に入れ、大腸亜全摘出術を検討することもあります。

また、一度がんを発症して治療した後も定期検診(サーベイランス)を行い、新たに発症するかもしれないがんの早期発見に努める必要があります。

2022/07/10

🇦🇨リンパ浮腫

リンパの流れが悪くなり、手や足にむくみが出る疾患

リンパ浮腫とは、リンパ系に循環障害が起こり、リンパの流れが悪くなって腕や脚に腫(は)れ、むくみが出たり、皮膚が厚く硬くなったりする疾患。腕や脚の一本に発症することもあれば、両腕両脚に伴って生じることもあります。

リンパ系というものは、健康を保つために重要な役割を担っています。リンパ系は、蛋白(たんぱく)質を豊富に含むリンパ液の流れを体に循環させ、バクテリア、ウイルス、老廃物などを集めます。これらをリンパ管を通して、リンパ節に運び、リンパ節の中のリンパ球という感染と戦う細胞でろ過して取り除きます。リンパ液は静脈の毛細血管に吸収され、老廃物などは最終的には体から排出されます。

何らかの異常でリンパの流れが悪くなると、リンパ管の内容物がリンパ管の外にしみ出し、むくみが現れます。特に重要なのが蛋白質で、蛋白質がリンパ管から漏れて組織内に蓄積されると、組織細胞の変性と線維化が起こり、その部分の皮膚が次第に厚く硬くなっていきます。

このリンパ浮腫には、生まれた時からある一次性(先天性)リンパ浮腫と、後になって発症する二次性(後天性)リンパ浮腫があります。

一次性リンパ浮腫は、リンパ管の数が少なすぎて、すべてのリンパ液を処理できないために生じます。ほぼ脚に腫れやむくみが起こり、腕にも起こることがあります。男性よりも女性にはるかに多くみられます。

まれに、生まれた時に腫れが明らかなことがあります。普通は、乳児ではリンパ液の量が少ないため、少ないリンパ管でも処理できます。大抵の場合、浮腫が生じるのはもっと成長してからの思春期から20歳のころで、リンパ液の量が増えて少ないリンパ管では処理しきれなくなってからです。浮腫は片脚あるいは両脚に、徐々に始まります。

リンパ浮腫の最初の徴候は、片脚あるいは両脚の腫れ。夕方になると靴がきつく感じるようになり、足の皮膚に靴の跡が残ることもあります。痛みや皮膚の色の変化はなく、翌朝になると腫れは消えます。時間とともに悪化すると、より腫れが著しくなり、1晩休んでも完全には消えなくなります。そのまま放置しておくと、次第に腫れやむくみは消えてなくなり、皮膚が硬くなってきます。中には、むくんだ手や脚が極端に太くなり、皮膚や皮下組織がガサガサと厚く硬くなって象の皮膚のようになることがあります。このようになると象皮病と呼ばれますが、これが筋肉に及ぶことはありません。

二次性リンパ浮腫は、一次性リンパ浮腫よりも多くみられます。大きな手術の後に起こるのが典型的で、乳がん、子宮がん、前立腺(せん)がんなどの治療で広い範囲のリンパ節やリンパ管を切除したり、放射線療法を行ったりした後、特にみられます。例えば、がんが発生した乳房と関連するリンパ節を切除すると、腕がむくみやすくなります。日本ではきわめてまれですが、熱帯地域の寄生虫であるフィラリアに感染した場合も、二次性リンパ浮腫がみられます。

二次性リンパ浮腫では、皮膚は健康にみえますが、むくみや腫れが生じます。むくんでいる部分を指で押しても、静脈の血流の異常によるむくみほど指の跡がはっきりと残ることはありません。リンパ管炎や組織の炎症を合併すると、リンパ浮腫は悪化します。フィラリアに感染した場合を除いて、象皮病になることはありません。

リンパ浮腫の検査と診断と治療

皮膚の線維化前であれば治療効果は高いので、原因を見分けるためにも、腕や脚に浮腫がみられたら内科を受診します。

医師による診断ではまず、浮腫の原因となる低栄養、静脈不全、心不全、肥満などと区別します。次には、アイソトープによるリンパ管造影を行うのが一般的で、リンパ管での取り込み不良、不均一性、リンパ節の活性低下などから、リンパ浮腫を診断します。二次性リンパ浮腫の原因である手術後や悪性腫瘍(しゅよう)の検査のためにはCTも有効で、静脈性浮腫との区別には静脈造影が有効です。

リンパ浮腫を完全に治す方法はありません。軽症のリンパ浮腫の場合は、圧迫包帯によってむくみを軽減できます。より重症の場合は、空気圧で調整する特殊なストッキングを毎日1〜2時間身に着けることによって、むくみを軽減できます。いったんむくみが軽くなったら、毎日朝起きてから夜寝るまで、膝(ひざ)上までの弾性ストッキングを履いている必要があります。この方法で、むくみをある程度コントロールできます。

腕のリンパ浮腫の場合は、脚と同様に空気圧で調整する腕当てを毎日着用して、むくみを軽減します。弾性の腕当ても使えます。象皮病の場合は、広範囲な手術を行って皮下の腫れた組織のほとんどを切除します。皮膚が線維化し、組織の炎症を繰り返して、腕や脚が赤くなったり熱を持つ例では、リンパ誘導手術、リンパ管静脈吻合(ふんごう)手術などを行う場合があります。

日常生活では、腕や脚を高く上げておいたり、マッサージ、軽い運動、温浴などを心掛けることが大切です。むくみのない場合は、弾性ストッキングや弾性腕当ては一般的に必要ありません。

🟧アメリカの病院でブタ腎臓移植の男性死亡 手術から2カ月、退院して療養中 

 アメリカで、脳死状態の患者以外では世界で初めて、遺伝子操作を行ったブタの腎臓の移植を受けた60歳代の患者が死亡しました。移植を行った病院は、患者の死亡について移植が原因ではないとみています。  これはアメリカ・ボストンにあるマサチューセッツ総合病院が11日、発表しました。  ...