2023/09/19

🟧プール熱の流行拡大、過去10年で最多の患者報告数に 大阪府と福岡県で警報レベル

 足元で、のどの炎症や結膜炎などの症状が出る「咽頭結膜熱」、いわゆるプール熱の流行が拡大しています。国立感染症研究所がまとめた4日から10日までの1週間(第36週)の定点医療機関当たりの報告数は、過去10年間で最も多くなっています。患者が増加傾向の自治体では、手洗いなどの感染予防の徹底を求めています。

 国立感染症研究所によりますと、9月10日までの1週間に全国約3000の小児科の定点医療機関から報告された患者の数は、前の週から900人余り増え、3964人でした。

 1医療機関当たりの患者数は1・26人と、前の週よりも0・29人増え、過去10年で最も多くなっています。

 都道府県別では、大阪府が3・92人で最も多く、福岡県(3・72人)、沖縄県(2・65人)、奈良県(2・59人)、茨城県(2・53人)、京都府、愛媛県(ともに2・49人)、佐賀県(2・17人)、兵庫県(2・12人)、大分県(1・81人)などが続きました。

 大阪府では2週連続で警報基準値(3・0人)を上回りました。福岡では3週連続で増加し、第36週に警報基準値を超過しました。福岡県感染症情報センターは週報で、手洗いやうがいをしたり、感染した人との密接な接触(タオルなどは別に使う)を避けたりするといった感染予防を呼び掛けています。

 咽頭結膜熱は、アデノウイルスによる急性ウイルス性感染症で、のどの炎症や発熱、結膜炎の症状が出ます。プールでの感染も多いことから「プール熱」とも呼ばれ、主に夏場に流行します。感染経路は主に接触感染や飛沫感染で、タオルやドアの取っ手、エレベーターのボタンなど患者が触れたものを介してうつり、保育園、幼稚園、小学校などで小児の集団発生も少なくありません。

 子供の感染症に詳しい、国立病院機構三重病院の谷口清州院長は、「夏休みの時期にウイルスが全国に広がり、その後学校が再開したことで急増しているとみられる。流行はしばらく続く可能性があり、おう吐や強い頭痛の症状や、食事や水分がとれないなどの様子がある場合は医療機関を受診してほしい」と話しています。

 2023年9月19日(火)

🟧アイリスフーズ、パック入り「もち麦ごはん」30万食を自主回収 材料に菌が残っている恐れ

 アイリスオーヤマのグループ会社「アイリスフーズ」(仙台市)は19日、製造・販売しているパックご飯「もち麦ごはん」約30万食を自主回収すると発表しました。 

 対象商品は「国産もち麦ごはん」「ビオラル 新潟県産コシヒカリと国産もち麦のごはん」「もち麦ごはん」「セブンプレミアム 国産もち麦使用もち麦ごはん」の4品目。

 回収対象は賞味期限が2024年6月で、ロット番号の右端の記号が以下の製品。「国産もち麦ごはん 150グラム」は記号「BE」、「ビオラル 新潟県産コシヒカリと国産もち麦のごはん 150グラム」と「もち麦ごはん 150グラム」は記号「BD」、「セブンプレミアム 国産もち麦使用もち麦ごはん 150グラム」は記号「BH」が該当します。

 現時点で健康被害の報告はないといいます。 取引先から「商品が液状化し変色している」と問い合わせがあり、発覚しました。

 原料のもち麦由来の菌が残っている可能性があることが確認されたといいます。 詳細な結果が判明する9月末までは対象商品の製造は中止します。

 アイリスフーズは、「お客様にはお手数とご迷惑をお掛けしますことを深くお詫び申し上げますとともに、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。再発防止に努めてまいります。」としています。 

 問い合わせ先 アイリスフーズコール 0800ー888ー6060(通話料無料) 受付時間 平日:9:00~17:00 土・日・祝:9:00~12:00/13:00~17:00 

 2023年9月19日(火)

2023/09/18

🟧男性でも乳がんの可能性、2019年は全国で748人が罹患

 日本で活動する男性歌手・テレビタレントのブラザー・コーンさん(67)が、自身のSNSで乳がんを公表しました。早期に発見できたため命に別状はないと医師から告げられているということですが、治療に専念するため年内は活動を休止するということです。

 女性の乳がんは乳房にある乳腺にできますが、福井赤十字病院(福井県)の外科部長で、がん診療センター副センター長の田中文恵医師は「男性にも乳頭の奥に乳腺のもとがあり、誰でも乳がんになる可能性はある」と説明。症状として乳頭近くの痛みを伴わないしこりを挙げ、自覚した時は早期に受診するように呼び掛けています。

 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)によると、2019年の男性の乳がん(上皮内がん含む)の罹患(りかん)者は全国で748人、福井県内では4人でした。田中医師によると一般的に50~70歳代の患者が多く、なりやすい年齢は女性よりもやや高めといわれています。

 早期発見のためには、乳頭付近を触ってしこりがないかをチェックすることが勧められ、女性のように乳房がないため、小さなしこりでも発見できるケースがあるといいます。田中医師は「乳がんのしこりはできても痛くない。痛くない時こそ放置せず、しっかり調べたほうがいい」と訴えています。

 男性乳がんの治療法は女性の場合とほぼ同じ。外科手術やホルモン治療、抗がん剤治療などを腫瘍の状態に応じて選択します。男性だからといって予後が悪いということはありません。

 気になる症状があれば乳腺外科を受診します。同科の受診者は女性が多いため、抵抗のある人はまず、かかりつけ医に相談してみます。田中医師は「可能性は低いが男性でも乳がんになることを知っておいてほしい。乳がんに限らず、自分の体に関心を持ち、変化に気付くことが大事」と呼び掛けました。

 国立がん研究センター中央病院、腫瘍内科の米盛勧科長によりますと、国内では、年間およそ10万人が乳がんと診断され、このうち男性は年間およそ600人と全体の1%未満だということです。

 男性では、60歳代から70歳代で見付かることが多いということで、胸や脇にしこりを感じたり、乳頭の出血や皮膚の潰瘍などに気が付いたりして、医療機関を受診するケースが多いということです。

 ただ、男性は乳がんの検査を受ける機会が少ないため、女性に比べるとやや進行した状態で見付かることが多いという報告があるということです。

 早期発見のためには、男性でも時々、入浴の際などに鏡で自分の胸の形を見たり、柔らかさに異常がないかなどを、確認してみることが大切だとしています。

 米盛医師は、「男性の乳がんは非常に少なく、女性より見つけるのが遅れる傾向がある。早期であれば治る可能性は十分あるので、胸や脇にしこりが触れたり、乳頭からの出血や皮膚の変色などの異常を認めたりした場合には、速やかに医療機関に相談してほしい」と話しています。

 2023年9月18日(月)

🟧45・5%の人が睡眠6時間未満、理想と差があると「うつ」増加傾向 「過労死等防止対策白書」概要判明

 過労死や労働実態を検証した政府の2023年版「過労死等防止対策白書」の概要が17日、判明しました。理想の睡眠時間を6時間以上とした人の合計が91・4%を占めた一方、実際に6時間以上確保できた人は全体の計54・4%しかいませんでした。6時間未満の人は計45・5%に上りました。

 白書は、労働時間が増えるほど睡眠の不足感が増えるとの分析結果から、深い眠りにつく時間を十分に確保する必要性を訴えました。白書は2016年から毎年まとめているもので、10月にも閣議決定されます。

 2022年度に認定された民間の労災件数は、脳・心臓疾患による件数が194件(前年度比22件増)で6年ぶりに増え、精神障害による件数は710件(同81件増)で4年連続で増加しました。

 白書では、労働安全衛生総合研究所が行った全国の自営業者や会社役員を含む就業者9852人への調査を分析。理想の睡眠時間より実際に確保できた時間が全体的に少ない傾向がありました。1週間に働く時間が20時間未満の人は、理想の睡眠時間よりも「1時間不足している」か「2時間不足している」と計53・4%が回答。この割合は労働時間が多い人ほど増加し、週60時間以上では計62・3%でした。

 また、分析結果では、働く時間が長いほど前日の疲労を翌朝に持ち越す頻度が増え、疲労を持ち越す頻度が増えるほど、うつ病や不安を感じる人の割合が増える傾向も出ました。

 白書は、企業で社員の健康管理を行う産業医の視点から、「過労の症状で一番危険なのは睡眠がとれなくなること」として睡眠の質向上を求めました。

 このほか白書では、総務省の労働力調査などを基に、労働時間や心の健康対策などの現状についても分析しました。週労働時間が60時間以上の雇用者が全雇用者に占める割合は、2022年は5・1%で、2012年の9・1%に比べて4・0ポイント低下しました。2021年の年次有給休暇の取得率は58・3%と、7年連続で上昇しました。

 2023年9月18日(月)

🟧東北地方、新型コロナ感染者高止まり 宮城県と岩手県が全国ワースト1、2位

 新型コロナウイルス感染症の定点把握で、1医療機関当たりの感染者数は9月4~10日の週で宮城県が32・47人、岩手県が29・87人となり、都道府県でワースト1、2位を占めました。東北では7月から患者数が増え始め、高止まりが続いています。若者を中心に感染が広がり、小中学校や高校の学級閉鎖に加え、入院や面会の制限に踏み切る病院も。専門家は屋内でのマスク着用など感染対策の継続を訴えています。

 東北各県では福島県で24・13人、秋田県で23・88人などとなっていて、山形県を除いては全国平均(20・19人)を上回っています。

 宮城県の保健所別では、仙南(57・57人)、大崎(42・70人)、石巻(42・30人)が突出しています。県医師会の佐藤和宏会長は12日の記者会見で、「仙南地方の基幹病院で入院を制限するなど、医療逼迫(ひっぱく)が深刻化している」と危機感を示しました。

 関係者が懸念するのが若年層の感染拡大。厚生労働省によると、4~10日の週は、全国の感染者数のうち19歳以下が全体の47・9%を占めました。

 学校現場にも影響が及んでいて、宮城県内の県立高校では8月28日~9月1日の週に3校、4~8日の週に8校が学年閉鎖や学級閉鎖の措置を講じました。

 石巻保健所管内の小中学校では、夏休み明けから9月15日までに石巻市で3校、登米市で8校、東松島市で2校が休校や学級閉鎖になりました。石巻市ではインフルエンザによる学年閉鎖も3校あり、うち1校はコロナでも学年閉鎖を余儀なくされました。

 石巻赤十字病院(石巻市)は9月7日から入院患者との面会の制限を厳格化し、当面は18歳以下による面会を不可としました。呼吸器内科が専門の矢内勝院長補佐は「院内感染のリスクを減らし、病院機能を維持するために実施した。状況が落ち着くまで、不要不急の面会を控えるようお願いしたい」と協力を求めます。

 現在の流行第9波について、矢内氏は「これまでと比べて今回は最大規模だとの認識を地域の各医療機関と共有している」と指摘。「重症化しづらいものの、感染が切っ掛けで誤嚥(ごえん)性肺炎や脱水などになった高齢者の入院が目立つ」と説明しています。

 新型コロナに関する厚労省参与の小坂健東北大大学院歯学研究科長(公衆衛生学)は「東京都のデータでは10歳代の感染拡大が家庭内感染の増加を招いており、東北も似た状況だろう。夏休み中に若者の交流が活発化し、学校の再開でさらに感染が広がった」と解説しています。

 「猛暑で換気の少ない室内の滞在時間が増えた影響もあるが、多くの人が『新型コロナは終わった』と考え、行動した影響が大きい」と小坂氏。屋内でのマスク着用や換気など、空気中を漂う微粒子「エアロゾル」対策の必要性を訴えます。

 一方、岩手県は1医療機関当たりの患者数が前の週まで2週連続で全国最多でしたが、9月4~10日の週は32・47人の宮城県に次いで全国2番目となっています。 

 9月10日までの1週間に岩手県内で報告された新型コロナウイルスの新規患者数は1医療機関当たり29・87人で、前の週を5・37ポイント下回っています。

 岩手県の医療政策室では県内では依然多くの患者が確認されているとして、場面に応じた適切な感染対策をするよう呼び掛けています。

 2023年9月18日(月)

🟧65歳以上の就業者912万人、1968年以降過去最多 全就業者の7人に1人が高齢者

 18日の敬老の日を前に総務省が17日発表した統計によると、2022年の65歳以上の就業者数は2021年より3万人増えて912万人でした。1968年以降で過去最多を更新しました。少子高齢化で生産年齢人口が減り、高齢者の働き手が人手不足を補っています。

 就業者数に占める働く高齢者の割合は2021年比0・1ポイント上昇の13・6%で、過去最高になりました。就業者の7人に1人を高齢者が占めます。

 65歳以上の就業率は25・2%でした。年齢別では65〜69歳は50・8%、70〜74歳は33・5%と上昇を続けています。

 定年延長や継続雇用などの雇用制度が充実し、高齢者が働きやすい環境が整ってきたことが影響しています。年齢別の就業率はこの10年間で、65〜69歳は13・7ポイント、70〜74歳は10・5ポイント、75歳以上は2・6ポイントそれぞれ上がりました。

 15日時点の人口推計によると、65歳以上の高齢者は3623万人で2022年に比べて1万人減りました。1950年以降で初めて減少に転じました。総人口に占める割合は29・1%と0・1ポイント高まり、過去最高を記録しました。

 1947〜49年生まれの「団塊の世代」が70歳代半ばに差し掛かり、後期高齢者の75歳以上は2005万人と初めて2000万人を超えました。総人口の16・1%を占めます。80歳以上は1259万人で10・1%となり、10人に1人の割合。

 日本は総人口に占める高齢者の割合が世界で最も高くなっています。人口10万人以上の200カ国・地域で比べると、日本は1位の29・1%、次いでイタリアの24・5%、フィンランドの23・6%と続きます。

 2023年9月18日(月)

2023/09/17

🟧コロナ感染が不安な父親はうつ病のリスク2倍に パートナーが出産前後の男性調査

 パートナーの女性が出産前後の男性が新型コロナウイルス感染症に強い不安を感じていたり、家族や周囲のサポート体制が不足していたりする場合、うつ病のリスクが約2倍に高まるとの調査結果を国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)などの研究チームが発表した。

 同センター社会医学研究部の帯包エリカ研究員は、「父親は支援を求めにくい傾向がある。父親もメンタルに不調が出やすいことを認識して予防や対策に役立ててほしい」と述べました。

 研究チームは新型コロナ流行中の2021年8月、パートナーの女性が出産前後の男性約1700人に調査。産前産後ともに「新型コロナへの強い不安」があると最も高リスクで、強い不安がない人と比べて発症リスクが2倍超でした。また、困った時に家族の助けが得られにくい「家族機能の低さ」があると2倍弱でした。

 産前は医療や行政などの「ソーシャルサポートの低さ」があると約2倍、「子供時代の困難な体験」があると約1・6倍などが、高リスクでした。産前産後ともにうつ病既往歴がある男性も、高リスクでした。

 父親の産前産後のうつ病発症率は約10%前後といわれ、母親と同様な頻度で起こり、自身や子供の健康に影響を与える重要な問題ですが、父親に関する要因については明確になっていないことが多くあります。

 2023年9月17日(日)

🟩岐阜県本巣市の養鶏場で鳥インフルエンザ検出、1万5000羽を殺処分へ 今季全国で9例目

 岐阜県本巣市の養鶏場で、死んでいた鶏から検出されたウイルスが、致死率の高い高病原性鳥インフルエンザ(H5亜型)と判明し、殺処分が行われることが決まりました。  岐阜県によりますと、18日午前、本巣市にある養鶏場から「死ぬ鶏が増えている」などと県に通報があり、簡易検査で鳥インフ...