指の爪の根元が赤くはれて、爪がでこぼこになる皮膚疾患
オニキアとは、指の爪(つめ)の根元が赤くはれて、爪がでこぼこになる皮膚疾患。爪郭炎(そうかくえん)とも呼ばれます。
爪の甲の表面と、爪の甲を根元で固定している皮膚である後爪郭の間に透き間ができて、そこに、かびの一種である真菌のカンジダなどや、そのほかの細菌が入り込んで、増殖することで炎症が起き、オニキアを生じます。
ほとんどが手の指の爪に起こり、中指、薬指の爪に多くみられます。最初は爪の根元が白く濁り、周囲の皮膚が赤くはれ上がり、押すと圧痛があります。悪化すると、爪と皮膚の間が化膿(かのう)して、うみが出たり、痛みが生じます。
非常に治りにくく、爪の根元の後爪郭に炎症が起きるために、新しく生えた爪が変形して、爪の表面がでこぼこになり、横に筋(横溝)がみられたり、爪が褐色や灰色に変色することがあります。
オニキアは、指先が湿る水仕事の機会の多い中年女性や料理人に起こりやすいものです。マニキュアを不適切に行ったり、不衛生な器具を使って行った後にも、しばしば起こります。
感染している指で食品を触ると、カンジダなどの真菌や、そのほかの細菌が移り、調理後食べるまでの時間が長い場合には、食中毒の原因となる可能性もあります。
オニキアの症状に気付いたら、皮膚科、ないし皮膚泌尿器科を受診することが勧められます。
オニキアの検査と診断と治療
皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、病変部の皮膚の表面をピンセットで軽く引っかき、採取した角質を顕微鏡で見る直接鏡検法KOH(苛性〔かせい〕カリ)法で真菌や細菌を検出することで、確定します。真菌や細菌の種類を特定するために、培養検査を行うこともあります。
皮膚科、ないし皮膚泌尿器科の医師による治療では、カンジダなどの真菌が原因となっているオニキアの場合、1日1回、外用抗真菌剤を後爪郭から爪甲表面に塗布し、内用抗真菌剤の内服を行います。
黄色ブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌などの細菌が原因となっているオニキアで軽い場合は、外用抗生物質を後爪郭から爪甲表面に塗布します。治りが悪い場合には、内用抗生物質の内服と、局所の安静が必要となります。
それと同時に、患部を濡らさないように水から避けて、手を乾燥した状態に保つことが大切です。指先の炎症が治まっても、爪が正常の状態に戻るにはさらに数カ月かかります。
また、化膿が強い場合は、切開排膿が必要となります。メスで皮膚を切開して、たまっているうみを排出すると、痛みは弱まります。
予防法としては、オニキアは水仕事の機会の多い中年女性や料理人などがかかりやすく、特にささくれ、小さい傷がある時に真菌や細菌が入りやすくなりますので、指先に小さい傷がある時には、まめに消毒を行い、水などに指先をつける時には、手袋をして直接、触らないように注意する必要があります。
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