熱い食べ物の摂取などによる、食道粘膜の急な炎症
急性食道炎とは、食道の内面を覆う粘膜に、急に起こって悪化する炎症が起こった疾患。炎症が粘膜の下にまで深く及び、強いただれの起こった食道潰瘍(かいよう)も、本質的には食道炎に含みます。
この急性食道炎は、熱い食べ物、冷たい食べ物を摂取した時や、魚の骨、義歯といった異物を飲み込んだ時、抗生物質、鎮痛剤、鉄剤、カリウム錠を就寝前に水なしで服用した時に起こります。
さらに、全身衰弱のある時にはウイルス性食道炎があり、抗生物質、抗がん剤の服用時には、かびの一種が繁殖して起こるカンジダ食道炎もあります。そのほか、酸性やアルカリ性の液体を誤って飲み込んだり、自殺の目的で飲み込んで起こることもあります。特殊なものとして、腸チフスなどの重い伝染病や、がんの末期などに、食道壁が腐るほどの急性食道炎が起こることもあります。
軽いものは特に症状がないこともありますが、通常は食道に沿って灼熱(しゃくねつ)感があったり、胸焼けが起こります。食べ物が食道に残留している感じを伴うこともあります。
急性食道炎の検査と診断と治療
急性食道炎の診断に際しては、内視鏡検査が最も重要な検査の一つです。急性食道炎による特徴的な内視鏡像を呈するからです。
急性食道炎の治療では、原因となっているものをやめ、重症の初期には絶食も必要です。軽ければ流動食を取ったりして、食道粘膜を保護するように心掛けます。また、傷を治す薬を内服します。
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