女性性管の膣が狭窄を来した状態
膣狭窄(ちつきょうさく)症とは、先天性あるいは炎症や外傷などによって、女性性管の膣が狭窄を来した状態。
膣狭窄症には、胎児期におけるミュラー管という組織の発生障害によって生じる先天性のものと、小児期のジフテリアや、はしか(麻疹〔ましん〕)などによる膣炎の後遺症として生じた癒着による後天性のものとがあります。
狭窄の程度によって全く症状を欠く場合もありますが、高度の場合は月経血の排出障害、分泌物の貯留を起こしたり、膣炎が起きたり、異常な下り物があることもあります。月経血の排出障害により、下腹部痛を感じたり、子宮機能に異常が現れることもあります。
膣が狭いために、性交渉に問題を抱えます。
思春期に初経がこないため婦人科を受診し、発見される例がほとんどです。
膣狭窄症の検査と診断と治療
婦人科、産婦人科、あるいは小児科の医師による診断は、内診を中心に、超音波検査やCT検査で腟や子宮に液体がたまっていないかどうかを検査します。血液中ホルモン検査、腎臓(じんぞう)と尿管の検査などを行うこともあります。
婦人科などの医師に膣狭窄症の治療は、程度に応じて頸管(けいかん)拡張器による膣腔(ちつくう)の拡大、狭窄部の小切開、さらに全体的膣形成までさまざまな手術が行われます。
頸管拡張器は、医師の指導の元に患者自身が使用する医療器具であり、腟部分の皮膚に圧力を加えて伸展させ、徐々に腟腔を形成するため、当初は幅1・5センチ、長さ2、3センチ程度のごく小型のものを用い、サイズを増していきます。使用前に入浴して、伸展部の皮膚を軟らかくすると効果的。
使用の開始年齢は、自分の状態を理解して使用できる年代が好ましく、思春期以降の性的関係を持つ時期が適切です。
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