乳房全体から比べて乳輪の面積が大きすぎる状態
乳輪肥大とは、乳房全体から比べて乳輪の面積が大きすぎる状態。乳暈(にゅううん)肥大とも呼ばれます。
乳輪の大きさは、乳房と同じように個人差があるので、明確な標準はありません。一般的には、乳輪の標準的な大きさは、4センチから5センチといわれています。そのため、5センチ以上になると、乳輪としては大きいといえるかと思われます。乳輪が大きい人だと7センチから8センチほどで、10センチ以上の人もおり、小さい人ならば3センチくらいです。
また、同じ人だから左右の乳房の乳輪が同じ大きさとも限りません。乳房の大きさ自体が左右対照的ではなく、それに比例して乳輪も右と左で大きさが違うことがあります。そのため、片方だけ大きいのがかえって気になるということも起こり得ます。
一概にはいえないものの、乳房が大きいほど、乳輪も大きくなる傾向があります。
遺伝的な要素も乳輪の大きさに関係しています。そのため、両親どちらか、または祖父母など直系の親族に乳輪の大きい人がいれば、生まれ付きで乳輪が大きくても何ら不思議はありません。
しかし、年齢とともに乳輪が大きくなる場合もあります。その原因はいくつかあります。
まずは、乳房が発育して大きくなるにつれ、一緒に乳輪が大きくなるなることが1つ。
もう1つが、妊娠による乳輪の大きさの変化です。妊娠すると女性の体は変化していき、乳輪が大きくなったり黒ずんできたりもします。
妊娠すると、母乳が出るように体が準備を始めることで乳房が大きくなるのですが、乳房が大きくなるほど乳輪も大きくなりがちです。また、新生児が確実に乳房を探せるように、乳首や乳輪の色が濃くなります。乳輪の色が濃くなることで、実際に大きくなったわけではなくても、乳輪が目立って大きくなった感じを受けることもあります。
大半の人は、出産、授乳時期をすぎると、乳輪の大きさや色が元に戻ります。ただし、妊娠前より大きくなった、あるいは大きくなったまま戻らないという人も中にはいます。
さらに、自律神経の乱れも、乳輪が大きくなる原因の一つだと考えられています。自律神経というのは1日中休まず働いている神経で、交感神経と副交感神経が昼夜交互に活動的になります。不規則な生活習慣や、過度なストレスを抱え込むことによって、その2つの神経がうまく機能しなくなると体内のホルモンバラスが崩れ、それが乳輪の肥大化につながります。
乳輪が大きいことで悩んでいる人は、少なくありません。乳輪が大きいと温泉など人前で裸になる場面で気になる、性パートナーと結ばれる時に相手の反応が気になるなどの悩みがあり、本人にとっては深刻で強いストレスになっていることもあります。
美容的な問題により乳輪を小さくしたいと望むのであれば、乳腺(にゅうせん)外科、形成外科、あるいは美容整形外科を受診し、乳輪縮小術という形成手術によって整えることを考えてみてもよいのではないかと思われます。
乳輪肥大の検査と診断と治療
乳腺外科、形成外科、美容整形外科の医師による診断では、視診、触診で判断します。
乳腺外科、形成外科、美容整形外科の医師による乳輪縮小術には、乳輪外側をドーナツ型に丸く切除して乳輪のサイズを調整する外側法と、乳頭基部の円周を切開して乳輪を縮める内側法の2つがあります。
手術後の傷が目立ちにくいのは内側法ですが、外側法でも時間の経過で次第に目立たなくなります。内側法では切除できる乳輪の範囲が限られているのに対して、外側法では比較的広範囲の乳輪を切除することが可能なので、乳輪のサイズを希望通りに調整しやすいという違いがあります。
現在の乳房、乳輪、乳頭の大きさや状態から、医師の側が適した方法を提案します。どちらの方法も、乳腺を傷付けることもなく、授乳にも影響ありません。
手術は1時間ほどで、局部麻酔を行うため痛みを感じることはありません。眠っている状態での手術を希望する場合は、静脈麻酔も行っています。
手術当日は、患部を濡らさないようにすれば、シャワーが可能です。1週間から10日後に抜糸を行い、その後は入浴が可能です。
乳輪を縮める際に皮膚を寄せ集めて縫合しますので、2カ月程度、傷の赤みや突っ張り感を伴う場合があります。数カ月かけて、薄茶色から白っぽい線と変化し改善します。乳頭や乳輪は、人体の中でも傷跡が目立ちにくい部位の一つのため、ほかの部位に比べて、手術後比較的短い時間で傷跡がほとんどわからなくなります。
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