武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長は12日までにインタビューに応じ、同社が開発し、インドネシアで8月に承認を受けたデング熱ワクチン「QDENGA(キューデンガ)」について、将来的に日本でも承認申請する方針を明らかにしました。
ウェバー社長は「まずブラジル、フィリピンなどの流行国を優先する」とした上で、その後日本でも「ヨーロッパと同じような形で、海外旅行者を対象とした承認を取っていきたい」と語りました。
QDENGAは、感染歴などの事前検査が不要な世界初のデング熱用ワクチン。8月23日にインドネシアで初めて6〜45歳を対象に承認され、東南アジアや中南米、ヨーロッパ連合(EU)でも承認申請中で、最盛期に年16億ドル(約2200億円)の売り上げを目指します。
デング熱は蚊が媒介する感染症で、熱帯、亜熱帯地域を中心に発生します。世界の人口の約半数は、感染可能性のある地域に住んでいます。世界保健機関(WHO)によると、世界の感染者は年3億9000万人と推定され、近年は発症率が高まっています。インドネシアでは、2022年上半期だけでもデング熱の感染者が6万3000人を超え、34州の455都市で600人近くが死亡したと報告されています。
ウェバー社長は「ワクチンは必ず適正価格で患者に届ける」と述べ、供給国の経済力に応じて価格を設定し、普及を目指す考えを示しました。
武田薬品工業が海外でワクチンを販売するのは初めてで、ドイツに建設した工場で製造し、輸出します。
2022年11月13日(日)
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