2023/05/28

🟧東京都内の梅毒患者、今年に入って1422人 過去最多ペースで増加 

 性感染症の「梅毒」と診断された東京都内の患者数が、過去最多のペースで増えています。今年に入って1422人(5月21日時点)に達し、年間の患者数が最多だった昨年の同時期(1188人)より約2割多くなっています。東京都は検査態勢を強化して、注意を呼び掛けています。

 東京都によると、昨年の年間患者報告数は3677人で、現在の調査方法となった1999年以来、最多で、前年の1・5倍、2年前の2・3倍と右肩上がりに増えています。性別や年代別でみると、男性は年代にばらつきがあるものの、女性は約7割が20歳代でした。

 梅毒は全国的にも増加傾向で、国立感染症研究所によると、14日時点の報告数は5164人と、前年同期より4割以上増えています。性的な接触で感染する疾患ですが、患者の中には、性風俗店の利用歴や勤務歴がない人が3割程度おり、市中で感染が広がっている可能性があるといいます。

 典型的な初期症状は、性器や口内のしこりです。ただ、痛みを伴わないため気付かない人も多くいます。数週間で症状がいったん消えた後、しばらくして全身に発疹ができ、放置しておくと内臓や神経に異常が現れることもあります。

 妊娠中の女性が感染すると、胎盤を通じて胎児が感染する「先天梅毒」が起こることがあります。死産や障害を持って生まれるリスクが高まり、流産や早産になることもあります。

 日本性感染症学会理事長の高橋聡・札幌医大教授は、「感染者の増加とともに、先天梅毒が増える可能性がある。梅毒は治る病気なので、気になる症状や不安があったら、ためらわずに検査を受けてほしい」と話しています。

 東京都は「新宿東口検査・相談室」(新宿区、03・6273・8512)や「多摩地域検査・相談室」(立川市、080・2022・3667)などで、匿名で受けられる予約制の無料検査を実施してきました。患者の急増を受け、来月、区立を含む計8カ所の保健所で臨時の検査日を設けることを決定。医療従事者向けの研修会も開催します。

 性感染症に詳しい「プライベートケアクリニック東京」(新宿区)の尾上泰彦院長は、「今や梅毒は誰でも感染する可能性のある病気。治療薬があるので、不安があればすぐに検査してほしい」と呼び掛けました。

 2023年5月28日(日)

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