感染力が非常に強いはしか(麻疹)の感染者数は、国立感染症研究所のまとめで、5月14日の時点で今年は7人で、昨年や一昨年の1年間の感染者6人を上回りました。
発症すると重症化することもあるとして、専門家は抗体検査やワクチン接種を呼び掛けています。
はしかは空気感染などで広がり、予防接種を受けておらず抗体を持たない人の発症率は非常に高くなっています。10~12日間の潜伏期間後、高熱やせき、たんといった風邪のような症状がみられます。一度熱が下がった後、再び高熱が出て耳や首に発疹が現れ、顔や手足などに広がります。肺炎や脳炎を引き起こして重症化したり、死亡したりする場合もあります。
国立感染症研究所が23日に発表した速報値によりますと、今年の感染者数は5月14日の時点で7人となりました。
都道府県別では、東京都で3人、茨城県、神奈川県、新潟県、大阪府でぞれぞれ1人となっており、このうち東京都の2人と新潟県の1人は5月14日までの1週間に確認されました。
はしかの感染者数は、新型コロナウイルスの感染拡大以降、海外との往来が減った影響などから減少し、昨年と一昨年は1年間で6人でしたが、今年はこれをすでに上回っています。
はしかはアジアなどで流行していて、国内でも4月にインドから帰国した茨城県の男性の感染が確認され、同じ新幹線に乗っていた東京都の男女2人の感染も確認されるなど、今後、さらに拡大する恐れがあります。
各地の自治体は、感染した人が利用していた公共交通機関を公表するなどして注意を呼び掛けています。
はしかに詳しい北里大学の中山哲夫特任教授は、「ここ数年、はしかの感染者数は少なかったが、流行の兆しが見えてきた。はしかの恐ろしさを再認識し、免疫のない人はワクチンで予防してほしい」と話し、抗体検査やワクチン接種を促しています。
2023年5月23日(火)
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