製薬大手の第一三共は10日、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの両方に効果がある混合ワクチンの開発を始めると発表しました。遺伝物質「メッセンジャーRNA(mRNA)」を使ったタイプで、同時流行の際、より大勢の感染予防効果を高められるほか、医療従事者の負担軽減も期待されます。
新型コロナとインフルの混合ワクチンは、冬季に流行しやすい2種類の感染症の予防が1度の接種ですみます。mRNAワクチンの開発を独自に進める同社は、新型コロナのオミクロン型から派生した「XBB」系統に対応するタイプの製造販売の承認を厚生労働省に申請中。新たに開発する混合ワクチンもmRNAを使う方針で、政府のワクチン推進事業に採択されたことで、政府のワクチン開発の司令塔「先進的研究開発戦略センター( SCAスカRDAーダ )」が開発費を支援します。
mRNAを使った混合ワクチンの開発を巡っては、アメリカのモデルナ社とアメリカのファイザー社が先行しています。このうちモデルナ社は10月4日、初期の臨床試験で安全性と有効性が確認できたと発表。年内にも最終段階の試験を開始し、2025年の承認を視野に入れています。
2023年10月11日(水)
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