2022/08/17

🇲🇹後天性膀胱憩室

膀胱の壁の弱い部分が、尿が通過する際の圧力により膨らんで袋状の憩室ができ、外側に突出する疾患

後天性膀胱憩室(ぼうこうけいしつ)とは、膀胱の内腔(ないくう)の壁の一部の弱い部分が排尿の圧力によって膨らみ、袋状の憩室ができて外側に突出する疾患。

膀胱から尿道口までに、何らかの通過障害があって、排尿に際して膀胱内の圧力が高まった時に、後天性膀胱憩室の状態になります。通常、膀胱粘膜が筋層を貫いています。

膀胱憩室は、その成因から先天性膀胱憩室と後天性膀胱憩室に分けられます。先天性は男児に多く、後天性は中高齢の男性に多くみられます。

先天性膀胱憩室は、先天的な発育障害で膀胱壁に弱い部分があるために生じ、尿管が膀胱壁を通過する部分や、膀胱頸部(けいぶ)に憩室が好発し、尿路感染の素因を作り、膀胱尿管逆流を伴いやすくなります。通常は幼児期に、繰り返す尿路感染症の検査の際に発見されます。

後天性膀胱憩室は、前立腺(ぜんりつせん)肥大症、神経因性膀胱、尿道狭窄(きょううさく)などによる下部尿路の通過障害の影響が最も多く、そのほか膀胱損傷の後遺症、膀胱手術の合併症などで発症します。

憩室の内部には尿がたまるため、尿路感染が発生しやすく、繰り返す膀胱炎、憩室炎、結石、腫瘍(しゅよう)などの原因となり、頻尿、排尿時の痛み、尿の混濁、残尿感、下腹部違和感などの症状が出ることもあります。

憩室は長い時間をかけて次第に大きくなるため、排尿後、時間がたっていないのにもう一度ある程度の量の排尿がある二段排尿がみられたり、尿道を圧迫して排尿困難を来すこともあります。

膀胱炎の症状が長く続く時や、膀胱炎を繰り返す時には、泌尿器科を受診することが勧められます。

後天性膀胱憩室の検査と診断と治療

泌尿器科の医師による診断では、超音波検査、排せつ性尿路造影、膀胱造影などを行います。

排せつ性尿路造影では、膀胱頸部以下の尿道通過障害や、憩室の拡大の程度などを知ることができます。膀胱造影では、前後方向に加えて斜め方向から撮影することで、憩室の位置と大きさをより正確に知ることができます。

膀胱憩室が認められた場合には、膀胱鏡検査で憩室の入り口や、可能であればその内部を観察し、結石、腫瘍が発生していないか確認します。

泌尿器科の医師による治療では、憩室が小さくて自覚症状もなく、膀胱炎、憩室炎、内部の結石などの合併症がなければ、経過観察します。

憩室がある程度大きい時や、強い自覚症状、合併症のある時には、内視鏡を尿道から入れて憩室を電気凝固します。憩室が大きい時や、悪性腫瘍を合併している時には、開腹して憩室を切除する手術を行うことになります。

🇬🇮喉頭(こうとう)炎

首の真ん中にある喉頭に炎症が起こる疾患

喉頭(こうとう)炎とは、咽頭(いんとう)の奥にある喉頭に炎症が起こる疾患。鼻炎や咽頭炎などに引き続いて起こる場合と、単独に起こる場合とがあります。

喉頭とは、空気の通り道である気道の一部で、首の真ん中にある器官。その一部が、のど仏として触れます。喉頭には、声帯を振動させて声を出す発声機能と、食べ物を飲み込む時にむせないようにする嚥下(えんげ)機能とが備わっています。

喉頭炎は、急性喉頭炎と慢性喉頭炎とに分けられます。

急性喉頭炎

急性喉頭炎とは、喉頭の粘膜に起こる急性の炎症です。風邪の部分症状として現れることもありますが、鼻炎、副鼻腔(ふくびくう)炎、扁桃(へんとう)炎、咽頭炎などを合併することもあります。

パラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルスなどの感染や、A群溶血性連鎖球菌、肺炎球菌、ブドウ球菌、インフルエンザ球菌などの感染が多くみられます。感染以外の原因としては、のどの酷使、たばこの煙の吸入などがあります。

声がれ、乾いたせき、のどの乾燥感、異物感などが急性喉頭炎の症状です。また、声が出しにくくなり、喉頭、特に声帯が赤くはれます。鼻炎、副鼻腔炎を合併した場合は、鼻汁や頭痛などの症状を伴います。扁桃炎や咽頭炎を合併した場合は、のどの痛みや発熱などの症状を伴います。逆に、これらの症状に続いて、急性喉頭炎の症状が出てくることもあります。

慢性喉頭炎

慢性喉頭炎とは、喉頭粘膜の軽い炎症が長期間持続している状態です。急性喉頭炎の反復、あるいは上気道や下気道からの炎症の波及、蓄膿(ちくのう)症のうみが鼻からのどに垂れてくることが、原因になります。

のどを酷使する政治家、教師、声楽家、バスガイドなどの職業や、ほこりや刺激ガスに慢性的にさらされる職業も原因になります。また、喫煙習慣による慢性喉頭炎も多くみられます。

声帯の粘膜が肥厚し、振動しにくくなり、声帯の合わさり具合が悪くなるため、声がかれ、声が出しにくくなります。のどの異物感、せきなどの症状も現れます。

また、声帯筋まひ(内筋まひ)といって、声帯の筋肉の委縮、疲労により、声が出しにくく、声が割れたり、かれることがあります。これは中年の女性や老人に多く、朝は異常がないのに夕方になると声が出なくなったりします。声帯を見ると、ふちが薄く、発声時の合わさりが悪いのがわかります。

喉頭炎の検査と診断と治療

急性喉頭炎

急性喉頭炎の症状が現れたら、安静にして声をなるべく出さないようにします。たばこや酒も、慎みます。軽いものであれば、風邪が治るように自然に治りますが、症状が重い時や、2週間以上の長期に渡るようであれば、耳鼻咽喉科を受診します。

医師による診断では、間接喉頭鏡検査や喉頭ファイバースコープ検査で喉頭を観察します。急性喉頭炎であれば、喉頭の粘膜と声帯が赤くはれている像がみられます。

治療では、消炎薬や鎮咳(ちんがい)薬が投与されますが、細菌感染が疑われる場合は抗生剤の投与が有効です。多くの場合、数日から数週間で治ります。抗生剤やステロイドホルモンなどをネブライザー吸入する治療も行われます。声がれを伴う場合は、発声を制限すると声の改善に有効です。

慢性喉頭炎

慢性の刺激が原因になっているので、治るまでに時間を要することが多いのが現状です。また、似た症状を示す喉頭がんや声帯ポリープなどの他の疾患との区別も重要です。特に2週間以上声がれなどの症状が続く場合は、耳鼻咽喉科を受診します。

医師による診断では、急性喉頭炎と同様に、間接喉頭鏡検査や喉頭ファイバースコープ検査で喉頭を観察します。慢性喉頭炎であれば、喉頭粘膜の発赤、むくみなどが確認されます。しかし、慢性喉頭炎と似た症状を示すものに喉頭がん、喉頭結核、声帯ポリープなどがあり、これらの疾患と区別することも重要です。とりわけ、ヘビースモーカーの人は喉頭がんとの区別が必要です。

治療ではまず、原因の除去が大切です。上気道炎や下気道炎が原因であればその治療、喫煙が原因であれば禁煙、のどの酷使やほこりにさらされるなどが原因であればそれらへの対策や生活環境の改善が必要です。薬物治療は、症状が強い場合や急性の増悪が認められた時に行われます。消炎薬、鎮咳薬、抗生剤の経口投与や、抗生剤、ステロイドホルモンなどのネブライザー吸入が行われます。声帯筋まひの治療では、発声を制限し、ビタミンB剤や女性ホルモン薬が使われます。

🇬🇮喉頭(こうとう)がん

声帯を中心に発生するがん

喉頭(こうとう)がんとは、喉(のど)の奥の、いわゆる喉仏(のどぼとけ)に当たる声帯を中心に発生するがんです。病因は明らかではありませんが、遺伝的素因のほかに、喫煙、大気汚染、飲食物による機械的刺激、声帯の酷使、ウイルスや細菌の感染などが挙げられます。

罹患(りかん)者は50~60代のヘビースモーカーに多く見られ、アルコールの多飲は、その頻度を増加させます。男女比は10:1で、圧倒的に男性に多く見られます。

その発生の場所により、声帯に発生する声門がん、声帯の上方に発生する声門上(じょう)がん、声帯の下方に発生する声門下(か)がんに分けられます。日本人では、声門がんが最も多い60~65パーセント、次いで声門上がんが30~35パーセントで、声門下がんはめったにみられません。

声門がんの場合、がんが米粒大程度のごく早い段階で、声がかれてきます。このため、早期に発見されることが多いのですが、適切な治療を受けずに進行すると、ますます声がかれてきて、ほとんど声が出なくなってしまうこともあります。声門が狭くなると、喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難が生じます。

声門上がんの場合、声の異常はすぐには現れず、最初の自覚症状は喉の違和感や異物感、咳(せき)、痰(たん)、食べ物を飲み込む時の痛みとして出てきます。腫瘍(しゅよう)が大きくなって、声帯の振動に影響を与えるようになりますと、声がかれてきます。さらに腫瘍が増大して、気道をふさぐと、呼吸困難に陥ることもあります。また、首のリンパ節に、がんの転移が生じてきます。

声門下がんの場合、早期にはほとんど症状がなく、たまに咳や痰が出る程度です。しかし、腫瘍が声帯に達すると、かれ声が起こり、腫瘍面が露出して潰瘍(かいよう)ができると、血痰が出ることがあります。

とりわけ中高年の男性で、しゃがれ声、喉の異常感が2週間以上続く時は、単なる風邪と思わず、一度、耳鼻咽喉(いんこう)科で診てもらいましょう。

早期の喉頭がんには放射線治療

耳鼻咽喉科では、喉頭鏡や内視鏡で喉頭内を観察し、腫瘍性病変を見付けます。組織の一部を採取し、顕微鏡で調べる生検で、確定診断となります。X線検査、CT検査、MRI検査などを行い、腫瘍の大きさと広がりを検査します。

早期の喉頭がんの治療では、放射線治療、レーザー手術が試みられ、非常によい治療成績が得られています。放射線と多剤化学療法との同時併用治療を行い、喉頭の温存をはかる治療も行われています。

外科療法では、限られた部位のがんなら声帯を残せる喉頭部分切除術が、進行がんでは喉頭をすべて摘出する喉頭全摘出術が行われます。いずれを選ぶかは、医師によって意見が多少異なるのが現状です。適切な治療が行われれば、一般に予後は良好です。

喉頭全摘出術を行った場合は、音声機能を喪失することになりますので、コミュニケーションの障害に対する配慮が必要になってきます。

喉頭をなくした時の代用音声は、食道発声、人工喉頭、電気喉頭が主なものです。音声の性質からみて、優れているのは食道発声です。そこで、手術後は食道音声を獲得するためのリハビリテーションが指導され、肺からの空気を食道へ直接送る音声再建手術も試みられています。

喉頭がんの予防法

喉頭がんの予防法としては、まずタバコを吸う人は禁煙、そして、お酒を飲みすぎないことです。1日平均で男性は日本酒で1合、女性は0・5合までに抑えましょう。

仕事でよく声を出す人は、なるべく仕事以外では声帯を休ませる工夫も必要です。新鮮な空気の下で、皮膚や体を鍛えることも、気道粘膜の抵抗力の強化につながります。室内の換気や湿気の調節など、環境にも配慮して、日ごろから喉をいたわるように心掛けることが必要です。

バランスのとれた食事を取ることも大切。がんのリスクが上がる肉類を控えめに、あるいは魚や鶏肉を食べるようにしましょう。 色々な種類の野菜、果物、豆類や、なるべく精製度を抑えたでんぷん質、例えば胚芽米、玄米、全粒粉のパンなどを食べることで、がんを予防するさまざまな成分を取り入れましょう。

がんの発生要因とされている活性酸素を抑える物質を多く含む食品を取ることも、有効ながん予防法です。食事等から摂取する抗酸化力のある物質としては、ビタミンA(β―カロチン)・C・E・B群や、ポリフェノール、カロチノイド、イソフラボン、カテキンなどがあります。

🇬🇮喉頭腫瘍

のどの奥の喉頭に発生する腫瘍で、良性と悪性に大別

喉頭腫瘍(こうとうしゅよう)とは、のどの奥の喉頭に発生する腫瘍。

嚥下(えんげ)、発声、呼吸機能などを併せ持つ多機能な器管がある喉頭には、さまざまな腫瘍が発生し、良性腫瘍と悪性腫瘍に大別されます。

良性腫瘍には、声帯のふちに小さな、いぼのような突起ができる声帯結節、声帯結節が大きくなってキノコ状になる声帯ポリープ、声帯全体が病変になり、水膨れのようにむくんで、はれた状態になるポリープ様声帯、喉頭のあらゆるところに生じ、声帯や仮声帯に好発する乳頭腫などがあります。悪性腫瘍は、ほとんどが扁平上皮細胞から発生する喉頭がんです。

良性腫瘍のほとんどは原因が不明で、乳頭腫の場合はヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因であることがわかっています。

悪性腫瘍の喉頭がんの場合は、特殊なタイプのがんを除けば喫煙が主原因です。たばこに含まれているニコチンなどにより、喉頭粘膜の遺伝子が傷付き、がんが発生します。

若いうちは遺伝子に傷ができても修復可能ですが、年齢とともに修復力が弱くなり、修復が間に合わなくなりがんが発生します。また、1日に吸うたばこの本数が多ければ多いほど、喫煙期間が長ければ長いほど、がんの発生率は確実に高くなります。

喫煙のほかに、遺伝的素因、大気汚染、飲食物による機械的刺激、声帯の酷使、ウイルスや細菌の感染などが関係しているともいわれています。

声帯ポリープ、声帯結節、ポリープ様声帯、乳頭腫などの良性腫瘍が声帯にできれば、声がれ、すなわち嗄声(させい)で発症します。声帯以外にできた場合では、のどの入り口あたりの咽頭(いんとう)の違和感、咽頭痛を生じます。腫瘍が大きくなると、息苦しさなどの呼吸困難を起こすようになります。

悪性腫瘍である喉頭がんはその発生の場所により、声帯に発生する声門がん、声帯の上方に発生する声門上(じょう)がん、声帯の下方に発生する声門下(か)がんに分けられ、症状の現れ方が異なります。日本人では、声門がんが最も多い60~65パーセント、次いで声門上がんが30~35パーセントで、声門下がんはめったにみられません。

声門がんの場合、がんが米粒大程度のごく早い段階で、声がかれてきます。このため、早期に発見されることが多いのですが、適切な治療を受けずに進行すると、ますます声がかれてきて、ほとんど声が出なくなってしまうこともあります。声門が狭くなると、喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難が生じます。

声門上がんの場合、声の異常はすぐには現れず、最初の自覚症状はのどの違和感や異物感、咳(せき)、痰(たん)、食べ物を飲み込む時の痛みとして出てきます。腫瘍が大きくなって、声帯の振動に影響を与えるようになると、声がかれてきます。さらに腫瘍が増大して、気道をふさぐと、呼吸困難に陥ることもあります。また、首のリンパ節に、がんの転移が生じてきます。

声門下がんの場合、早期にはほとんど症状がなく、たまに咳や痰が出る程度です。しかし、腫瘍が声帯に達すると、かれ声が起こり、腫瘍面が露出して潰瘍(かいよう)ができると、血痰が出ることがあります。

とりわけ中高年の男性で、声がれ、のどの異常感が2週間以上続く時は、単なる風邪と思わず、一度、耳鼻咽喉科で診てもらいましょう。

喉頭腫瘍の検査と診断と治療

耳鼻咽喉科の医師による診断では、喉頭に小さな鏡である喉頭鏡を入れたり、鼻からファイバースコープを入れて、腫瘍の有無を確認した上、腫瘍の性状を観察し、頸部(けいぶ)の触診を行えば、おおよその判断をつけることが可能です。

しかし、炎症によって起こるポリープや肉芽腫との鑑別、良性腫瘍と悪性腫瘍の鑑別が難しいケースもあり、診断を確実にするためにCT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像撮影)検査などの画像診断を行います。悪性腫瘍を疑う場合はさらに、腫瘍の一部を採取して良性腫瘍と悪性腫瘍の鑑別、腫瘍の種類を確定する病理組織検査を行います。

耳鼻咽喉科の医師による治療では、良性腫瘍の場合、比較的簡単な手術を行い、腫瘍を切除します。中には手術の必要もなく、経過観察のみで大丈夫なタイプの腫瘍もあります。

早期の喉頭がんの場合、放射線治療、レーザー手術が試みられ、よい治療成績が得られています。放射線と多剤化学療法との同時併用治療を行い、喉頭の温存を図る治療も行われています。

外科療法では、限られた部位のがんなら声帯を残せる喉頭部分切除術を行い、進行がんでは喉頭をすべて摘出する喉頭全摘出術を行います。いずれを選ぶかは、医師によって意見が多少異なるのが現状です。適切な治療が行われれば、一般に予後は良好です。

喉頭全摘出術を行った場合は、音声機能を喪失することになりますので、コミュニケーションの障害に対する配慮が必要になってきます。

喉頭をなくした時の代用音声は、食道発声、人工喉頭、電気喉頭が主なものです。音声の性質からみて、優れているのは食道発声です。そこで、手術後は食道音声を獲得するためのリハビリテーションを指導し、肺からの空気を食道へ直接送る音声再建手術も試みることもあります。

🇨🇾後頭神経痛

後頭部や耳の後ろに刺すような、うずくような痛みが発作的に出現する神経痛

後頭(こうとう)神経痛とは、後頭部を通る末梢(まっしょう)神経に沿った形で、後頭部や耳の後ろに刺すような、うずくような痛みが発作的に出現する神経痛。

特定の末梢神経の支配領域に発作性、反復性に痛みがみられる場合が神経痛で、筋緊張性頭痛とは区別されます。痛みは不規則な間隔で繰り返し起こりますが、長時間持続することはありません。

後頭神経痛は第2(C2)頸(けい)神経、第3(C3)頸神経領域の神経痛で、後頭部に分布する大後頭神経や、耳の後ろに分布する小後頭神経の支配領域に痛みが認められます。

普通は前触れなしに、突発的に後頭部から頭頂部の頭皮の表面、耳の後ろに、ピリピリと刺すような、ズキズキとうずくような痛みが発生します。痛みの強さは個人差があり、何もできなくなるような痛みから、髪の毛を触ると痛いというものまであります。通常は後頭部などの片側が痛み、まれに全体が痛みます。

痛みが数分おきに突発的に発症し続ける場合もあり、夜中も寝れないほどの痛みが発症する場合もあります。痛みが発症する部位や痛みの程度が、日によってや時間によって微妙に変化する場合もあり、目の奥に痛みを感じることもあります。

軽度の後頭神経痛はしばらく安静にすれば治まりますが、まれに後頭神経痛が発症した部分に違和感が残ることもあります。

後頭部にある筋の過緊張が主原因と見なされていますが、頸部(けいぶ)から後頭部にかけての脊椎(せきつい)の関係、肩凝り、外傷、ストレス、風邪なども誘因になると見なされています。また、糖尿病など神経への栄養血管が障害された場合でも発症しますし、顔面神経まひ、突発性難聴、ラムゼーハント症候群の前駆症状として現れることも珍しくありません。

近年では、ウイルス感染説も浸透しており、後頭神経節に潜伏していたヘルペスウイルスが体力や免疫力の低下した状態で活性化し、痛みを引き起こすからとも考えられています。

後頭神経痛に気付いたら、神経痛の原因になっている炎症や腫瘍(しゅよう)、血管による圧迫の有無などをよく調べることが必要です。そのためには、まず神経内科、内科、脳神経外科の医師に相談して適切な診断をしてもらい、その原因に対して適切な治療を行ってもらうことが大切です。

後頭神経痛の検査と診断と治療

神経内科、内科、脳神経外科の医師による診断では、大後頭神経や小後頭神経に炎症や圧迫などがみられるかどうかを調べるため、CT検査やMRI検査などを行います。また、神経の電気的診断のため、筋電図検査も行います。

神経内科、内科、脳神経外科の医師による治療は、薬物療法が基本になり、鎮静剤やビタミンB12剤を処方します。精神的なストレスが主な原因であれば、緊張を和らげる薬を処方します。一部の医師では、抗ウイルス剤を処方こともあります。

薬物療法があまり有効でない場合には、神経ブロック療法や外科療法を行います。

🇨🇾喉頭乳頭腫

声帯や仮声帯に好発する良性の腫瘍で、声がれが発生

喉頭乳頭腫(こうとうにゅうとうしゅ)とは、ヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス)の感染によって、のどの奥の喉頭に発生する良性の腫瘍(しゅよう)。

喉頭には、良性腫瘍の発生がほとんどみられない中で、比較的多く発生がみられるのが喉頭乳頭腫です。喉頭のあらゆるところに生じ、声帯や仮声帯に好発します。

ヒト乳頭腫ウイルス6型および11型が乳頭腫の形成に関与していると見なされ、生まれた直後の新生児や乳幼児に喉頭乳頭腫が発生した場合は、出生時の母親からの産道感染であると推定されています。通常の生活では、周囲の人へ感染することはありません。

ほとんどが乳頭腫により声帯の振動が妨げられ、声がれ、すなわち嗄声(させい)が起こります。徐々に症状が出ますが、声帯全体に腫瘍が広がった場合には、全く声が出なくなることもあります。

幼児では、放置していると腫瘍の増殖から気道狭窄(きょうさく)を起こし、ゼーゼー、ヒューヒューといった音を伴う呼吸となったり、呼吸困難を来すこともあり、注意が必要です。

乳頭腫自体は本来良性の腫瘍ですが、再発することが多く、治療が長期戦となることが多い厄介な疾患です。従って、幼児期に発症すると、成人になるまで付き合わざるを得ない場合もあります。また、成人の場合は、悪性化することもまれにあります。

喉頭乳頭腫に気付いたら、速やかに耳鼻咽喉科の医師の診察を受け、焦らずに治療を進めることが勧められます。

喉頭乳頭腫の検査と診断と治療

耳鼻咽喉科の医師による診断では、喉頭ファイバースコピー検査、喉頭ストロボスコピー検査、発声機能検査などを行います。組織を採取して調べる病理組織検査や、ヒト乳頭腫ウイルス検査を行うこともあります。

耳鼻咽喉科の医師による治療では、乳頭腫が限局した腫瘍を形成している場合には、レーザー照射で腫瘍を蒸散します。再発を繰り返す場合には、インターフェロンの局所注入を行うこともあります。また、抗腫瘍効果、抗ウイルス効果、免疫力高進を期待して、漢方療法を行うこともあります。

治療の基本となっているのは、炭酸ガスなどを用いた喉頭内視鏡下レーザー手術により、腫瘍を切除することです。一度発症すると再発率が高いため、複数回の手術を行うなど長期治療が必要となります。

一部の医療機関では、原因となるヒト乳頭腫ウイルスの感染予防のために、ガーダシルというワクチンを注射し、手術後の再発を抑制できる可能性を探っています。

🇨🇾高トリグリセライド血症

血液中に含まれる脂質成分である中性脂肪が多く存在するタイプの脂質異常症

高トリグリセライド血症とは、血液中のトリグリセライド(中性脂肪)が高いタイプの脂質異常症。高中性脂肪血症とも呼ばれます。
 血液中に含まれる脂質成分であるトリグリセライド(中性脂肪)が高いと、動脈硬化が進みやすくなると考えられ、極端に高くなると急性膵(すい)炎を引き起こす危険性もあります。
 健康な人のトリグリセライド(中性脂肪)は、50~149mg/dlですが、150mg/dl以上と多く存在する状態になると、高トリグリセライド血症と診断されます。500mg/dl以上になると急性膵炎のリスクが上がり始め、1000mg/dl以上になるとかなりリスクは高くなるとされています。
 脂質異常症は、血液の中を流れる脂質成分である総コレステロール、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)、トリグリセライド(中性脂肪)が高く、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低い状態が継続する疾患。2007年以前は、高脂血症と呼ばれていました。
 脂質異常症は、動脈硬化症などの危険因子の一つです。動脈硬化は血管壁が分厚くなり、血管の柔軟性が失われた状態で、血管が損傷したり、血液の流れが滞ったりして、最後には脳卒中や心筋梗塞(こうそく)など、命にかかわる重大な病気を引き起こす可能性があります。
 悪者と思われがちなトリグリセライド(中性脂肪)は、実は体にとって重要なものです。中性脂肪はエネルギーの貯蔵庫であり、中性脂肪を蓄えた脂肪細胞には、衝撃から内臓を守るクッション役、寒さや暑さから身を守る断熱材などの役割があります。
 しかし、不適切な食生活や運動不足などによって、体内の中性脂肪が過剰になると、血管の健康が損なわれます。必要なものであっても、多すぎれば問題を起こすので、適量を保つことが大切。
 コレステロール値と同様に、中性脂肪も数値が高い場合では健康に影響を及ぼし、さまざまな疾患を引き起こします。
 トリグリセライド(中性脂肪)自体は、動脈硬化の原因にはなりません。ただし、中性脂肪が多い状態では、余剰なLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を除去するHDLコレステロール(善玉コレステロール)が減少するため、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増えやすくなります。そのため、トリグリセライド(中性脂肪)自体が動脈硬化の原因にならなくても、数値が高い状態であることが動脈硬化へとつながるといえます。
 高トリグリセライド血症では、高血圧や肥満、糖尿病、高尿酸血症などさまざまな疾患を合併する危険性があります。トリグリセライド(中性脂肪)の数値が高いことにより、エネルギーに変換されない中性脂肪がたまっていきます。LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増えやすいこの状況では、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の中でも小型の粒子である小型LDLコレステロール(超悪玉コレステロール)が増え、動脈硬化の進行を早めます。
 このような状態では、血液の粘度が高まり、スムーズに流れにくくなります。血液を流すために強い圧力がかかるために、血管に傷が付いたり、その傷が原因となって動脈硬化が進行し、血液を循環させるために、より大きな力が必要となります。この状態が、高血圧です。
 また、高トリグリセリド血症では、ブドウ糖をエネルギーに変換するインスリンの効きが悪くなることから、血糖値が下がりにくくなり、糖尿病につながることもあります。糖尿病は体のさまざまな器官に影響を及ぼし、多くの合併症を引き起こします。
 そのほかにも、心筋梗塞や脳梗塞など、生命にかかわるさまざまな疾患を引き起こす可能性があります。
 高トリグリセリド血症や動脈硬化の段階では、痛いや、息切れなど異常を感じることは少ないものの、年齢が高くなるにつれて脳梗塞などの発症で初めて、危険な状態と認識するというパターンが多いようです。
 血液検査で初めて高トリグリセライド血症とわかった場合は、動脈硬化を予防する正しい治療が必要なので、自己判断せずに医療機関に相談して下さい。内科、ないし内分泌・代謝科が、担当の診療科です。

高トリグリセライド血症の検査と診断と治療

内科、内分泌・代謝科の医師による診断では、血液検査で血中のコレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)の値を測定します。朝食前の空腹時に採血します。LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の値は、これらから計算することもできますが、直接、測定する方法もあります。
 脂質異常症の診断基準では、トリグリセライド(中性脂肪)が150mg/dl以上を高トリグリセライド血症(高中性脂肪血症)とし、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が140mg/dl以上を高LDLコレステロール血症、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が120〜139mg/dl以上を境界域高LDLコレステロール血症、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が40mg/dl以下を低HDLコレステロール血症とします。
 内科、内分泌・代謝科の医師による治療では、食餌(しょくじ)療法、運動療法、薬物療法を行ない、トリグリセライド(中性脂肪)値を下げます。  食餌療法では、欧米風の高カロリー食品やコレステロール値の高い食品、脂分の多いファーストフードの過剰な摂取を制限します。そして、野菜や果物、魚といった低カロリー食や低脂肪食、低炭水化物食を中心とした食生活に切り替えます。
 運動療法では、積極的にウォーキングや水中歩行などの適度な有酸素運動を行ないます。適切な体重の維持につながるばかりか、適度な運動を行なうことで基礎代謝の向上効果が期待できます。
 また、喫煙、ストレス、過労、飲酒、睡眠不足など生活習慣全般の見直しも、高トリグリセライド血症の改善法、予防法として効果的です。
 薬物療法では、フィブラート系薬剤(中性脂肪合成阻害薬)のベザフィブラートやフェノフィブラート、ニコチン酸誘導体を使います。EPA(エイコサペント酸エチル)を使うと、血管に直接働いて抗動脈硬化作用を示すともいわれています。
 このほか、高コレステロール血症を伴う場合は、トリグリセライド(中性脂肪)の低下作用もあるスタチン系薬剤(コレステロール合成阻害薬)を使うこともあります。ただし、フィブラート系薬剤とスタチン系薬剤との併用は、原則禁忌になっているので、これら2薬剤の飲み合わせには注意が必要です。

🟥インフルエンザ感染者、2週連続増加 1医療機関当たり11・33人

 厚生労働省は23日、全国約3000の定点医療機関から12~18日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数は計4万3027人で、1医療機関当たり11・33人だったと発表した。前週比1・07倍で、2週連続の増加となった。全国平均で警報レベルとされる1医療機関当たり30人を下回...