2022/08/16

🇲🇭副腎性器症候群

男性ホルモンが過剰に分泌するために、男性化症状を起こしてくる疾患

副腎(ふくじん)性器症候群とは、副腎皮質から男性ホルモンが過剰に分泌するために、男性化症状を起こしてくる疾患。

副腎皮質からは、コルチゾール(糖質ホルモン)とアルドステロン(鉱質ホルモン)という生命の維持に必要な2種類のホルモンのほかに、男女を問わず、男性化作用のあるアンドロゲンというホルモンもわずかに分泌されています。副腎性器症候群では、副腎皮質の働きの異常により、コルチゾールやアルドステロンの分泌が低下し、アンドロゲンが過剰に分泌されます。

この副腎性器症候群には、先天性のものと後天性のものとがあります。先天性のものは、コルチゾールの合成に必要な酵素が生まれ付き欠けているために、下垂体(脳下垂体)から副腎皮質刺激ホルモンが多量に出るようになり、副腎が過形成を起こします。その結果、アンドロゲンが過剰に分泌されるようになります。これを先天性副腎過形成症といいます。

コルチゾールの合成にかかわる酵素は数種類あり、欠ける酵素の種類により疾患のタイプが分かれ、症状も少しずつ違っています。いずれも常染色体劣性遺伝による異常です。日本では、21ー水酸化酵素の欠損が最も多く認められます。

後天性のものは、副腎皮質の腺腫(せんしゅ)やがんなどが原因で起こるもので、副腎皮質の機能が低下して、アンドロゲンが過剰に分泌されます。

男女にかかわりなく、副腎性器症候群は発生します。女児では、陰核の肥大や陰唇の癒合がみられ、性器はどちらかというと女性よりも男性的な外見になり、男児と間違えられることが多いものです。子宮、卵巣、卵管などの生殖器官の構造は、正常です。

成長するに従って男性化が顕著になり、成人の女性では、ひげが生え、手足の毛が濃くなり、陰核が大きくなり、声変わりや月経不順、不妊、乳房の委縮が起こります。

男児では、出生時には特に異常はみられませんが、幼少時から陰茎が発育し、陰毛が生えて声が太くなります。男女児とも、早い時期に発育が停止します。

また、副腎性器症候群の中でも重症のタイプでは、新生児期から副腎不全が発生します。嘔吐(おうと)、脱水、酸・塩基などの電解質の異常、不整脈などの症状が現れ、適切な治療をしないと生後数日で死亡します。

なお、家系に副腎性器症候群の遺伝がある人や、副腎性器症候群の子供を持つ人には、内科、ないし小児科で遺伝相談を受けることが勧められます。

副腎性器症候群の検査と診断と治療

現在日本では、21ー水酸化酵素欠損症を見付けるため、新生児スクリーニング検査を行っています。尿中の副腎皮質ホルモンと、その代謝物質を測定することで、どの酵素が欠けたのか推定することができます。症状の軽い不完全型の副腎性器症候群の場合は、副腎皮質刺激ホルモンの負荷後にこれらを調べることで、ようやく診断できることもあります。

内科、ないし小児科の医師による先天性の副腎性器症候群の治療の目的は、分泌が低下したコルチゾールやアルドステロンを補い、アンドロゲンの値を正常に戻すことです。下垂体からの副腎皮質刺激ホルモンが出すぎないように、副腎皮質ステロイド剤の一種であるコルチゾンを投与します。

女児で陰核の大きいものや、陰唇の閉鎖がみられるものは、1~3歳の間に形成手術を行って、形状の異常を矯正します。成人のがん性のものは、早期に副腎摘除の手術をしたり、コルチゾンの投与を行います。

子供が副腎性器症候群を持つ両親は、副腎皮質ステロイド剤の飲み方と副作用について説明を受けて下さい。けがや発熱で強いストレスを受けた時は医師に報告し、薬の量を増やしてもらいます。副腎皮質ステロイド剤の服用を突然やめると、急性副腎不全を起こしますので、注意が必要となります。

🇲🇭副腎性男性化症

男性ホルモンが過剰に分泌するために、男性化症状を起こしてくる疾患

副腎(ふくじん)性男性化症とは、副腎皮質から男性ホルモンが過剰に分泌するために、男性化症状を起こしてくる疾患。副腎性器症候群とも呼ばれます。

副腎皮質からは、コルチゾール(糖質ホルモン)とアルドステロン(鉱質ホルモン)という生命の維持に必要な2種類のホルモンのほかに、男女を問わず、男性化作用のあるアンドロゲンというホルモンもわずかに分泌されています。副腎性男性化症では、副腎皮質の働きの異常により、コルチゾールやアルドステロンの分泌が低下し、アンドロゲンが過剰に分泌されます。

この副腎性男性化症には、先天性のものと後天性のものとがあります。先天性のものは、コルチゾールの合成に必要な酵素が生まれ付き欠けているために、下垂体(脳下垂体)から副腎皮質刺激ホルモンが多量に出るようになり、副腎が過形成を起こします。その結果、アンドロゲンが過剰に分泌されるようになります。これを先天性副腎過形成症といいます。

コルチゾールの合成にかかわる酵素は数種類あり、欠ける酵素の種類により疾患のタイプが分かれ、症状も少しずつ違っています。いずれも常染色体劣性遺伝による異常です。日本では、21ー水酸化酵素の欠損が最も多く認められます。

後天性のものは、副腎皮質の腺腫(せんしゅ)やがんなどが原因で起こるもので、副腎皮質の機能が低下して、アンドロゲンが過剰に分泌されます。

男女にかかわりなく、副腎性男性化症は発生します。女児では、陰核の肥大や陰唇の癒合がみられ、性器はどちらかというと女性よりも男性的な外見になり、男児と間違えられることが多いものです。子宮、卵巣、卵管などの生殖器官の構造は、正常です。

成長するに従って男性化が顕著になり、成人の女性では、ひげが生え、手足の毛が濃くなり、陰核が大きくなり、声変わりや月経不順、不妊、乳房の委縮が起こります。

男児では、出生時には特に異常はみられませんが、幼少時から陰茎が発育し、陰毛が生えて声が太くなります。男児、女児とも、早い時期に発育が停止します。

また、副腎性男性化症の中でも重症のタイプでは、新生児期から副腎不全が発生します。嘔吐(おうと)、脱水、酸・塩基などの電解質の異常、不整脈などの症状が現れ、適切な治療をしないと生後数日で死亡します。

なお、家系に副腎性男性化症の遺伝がある人や、副腎性男性化症の子供を持つ人には、内科、ないし小児科で遺伝相談を受けることが勧められます。

副腎性男性化症の検査と診断と治療

現在日本では、21ー水酸化酵素欠損症を見付けるため、新生児スクリーニング検査を行っています。尿中の副腎皮質ホルモンと、その代謝物質を測定することで、どの酵素が欠けたのか推定することができます。症状の軽い不完全型の副腎性男性化症の場合は、副腎皮質刺激ホルモンの負荷後にこれらを調べることで、ようやく診断できることもあります。

内科、ないし小児科の医師による先天性の副腎性男性化症の治療の目的は、分泌が低下したコルチゾールやアルドステロンを補い、アンドロゲンの値を正常に戻すことです。下垂体からの副腎皮質刺激ホルモンが出すぎないように、副腎皮質ステロイド剤の一種であるコルチゾンを投与します。

女児で陰核の大きいものや、陰唇の閉鎖がみられるものは、1~3歳の間に形成手術を行って、形状の異常を矯正します。成人のがん性のものは、早期に副腎摘除の手術をしたり、コルチゾンの投与を行います。

子供が副腎性男性化症を持つ両親などは、副腎皮質ステロイド剤の飲み方と副作用について説明を受けて下さい。けがや発熱で強いストレスを受けた時は医師に報告し、薬の量を増やしてもらいます。副腎皮質ステロイド剤の服用を突然やめると、急性副腎不全を起こしますので、注意が必要となります。

🇹🇻副腎皮質機能高進症

副腎皮質から分泌されるグルココルチコイドの過剰分泌によって、引き起こされる疾患

副腎(ふくじん)皮質機能高進症とは、副腎皮質から分泌されるホルモンのうち、グルココルチコイド(糖質コルチコイド)の過剰分泌によって起こる疾患。クッシング症候群とも呼ばれます。

アメリカの脳神経外科医ハーヴェイ・ウィリアムス・クッシングによって、初めて報告されました。

下垂体(脳下垂体)に腫瘍(しゅよう)ができ、そこから副腎皮質刺激ホルモンがたくさん出るために起こる場合と、副腎皮質に腫瘍(しゅよう)ができて起こる場合が主なものです。前者は下垂体依存性副腎皮質機能高進症、ないしクッシング病と呼ばれ、後者は副腎性副腎皮質機能高進症と呼ばれます。

副腎皮質機能高進症の原因としては、下垂体依存性副腎皮質機能高進症が約35パーセント、副腎性副腎皮質機能高進症が約50パーセントを占めるほか、時には、肺や膵(すい)臓、消化管にできた腫瘍から副腎皮質刺激ホルモンが多量に分泌され、副腎に働いてグルココルチコイドが過剰に分泌される場合もあります。女性に多くみられます。

近年、ステロイド剤(副腎皮質ホルモン)がネフローゼや白血病などの治療に、大量に用いられるようになったために人工的な副腎皮質ホルモン過剰が起こり、同じ症状を起こすことがあります。

副腎皮質機能高進症の症状としては、顔が丸くなり、にきびができやすくなります。肥満を起こしてきますが、手足はあまり太くならず、胴体が太いのが特徴です。また。肩や尻(しり)、太ももの筋肉が薄くなり、階段の上りなどがつらくなります。

そして、腹や太ももなどに皮膚伸展線である赤紫色のすじがみられ、皮膚が薄くなって、ちょっとしたことで青あざができやすくなります。高血圧、糖尿病が起こることもあります。骨が薄くなって背骨の圧迫骨折を起こし、身長が低くなったり、背部痛が起こることもあります。

女性では、月経が不順になったり、無月経になったり、毛深くなります。

副腎皮質機能高進症の検査と診断と治療

内科、内分泌代謝内科の医師による診断では、副腎からグルココルチコイド(糖質コルチコイド)が過剰に分泌されていることを確認するために、血液検査や尿検査を行います。

下垂体の腫瘍や肺、膵臓などの腫瘍から副腎皮質刺激ホルモンが出て起こっている場合は、副腎皮質刺激ホルモンが増えています。一方、副腎の腫瘍からグルココルチコイドが出ている場合は、副腎皮質刺激ホルモンはかえって減っています。このどちらであるかを調べて、どこに原因があるかを明らかにします。

下垂体の腫瘍の場合は、頭部のMRI(磁気共鳴画像撮影)検査を行います。副腎の腫瘍の場合は、腹部のCT(コンピュータ断層撮影)検査などを行います。

医師による治療としては、腫瘍の場合は下垂体でも副腎でも、手術を行って過剰なホルモンを作っている腫瘍を摘出することが最もよい方法です。

下垂体の腫瘍の場合は、経蝶形骨洞(けいちょうけいこつどう)手術という、鼻の穴から下垂体に達し頭を開けずに、顕微鏡や内視鏡で見ながら腫瘍を摘出する方法によって、以前に比べ楽に手術できるようになっています。手術で摘出し切れない場合や、体力的に手術が困難な人の場合は、注射や内服薬による治療、放射線療法などが行われます。

副腎の腫瘍の場合は、大きくなくて適応できれば、開腹せずに腹部に小さい穴を3カ所くらい開けて内視鏡と手術の道具を通し、副腎を摘出する内視鏡手術が数多く行われています。内視鏡手術の適応ができない時は、開腹や背中を開けて副腎を摘出します。体力的に手術が困難な場合などは、グルココルチコイドを作る副腎の働きを抑える薬を内服します。

🇹🇻副腎皮質機能低下症

副腎が損傷を受けて、副腎皮質ホルモンの分泌量が低下する疾患

副腎(ふくじん)皮質機能低下症とは、副腎機能の低下によって、すべての副腎皮質ホルモンが不足する疾患。アジソン病、慢性副腎皮質機能低下症、慢性原発性副腎皮質機能低下症とも呼ばれます。

副腎皮質ホルモンは、生命の維持に必要なホルモンで、健康な人では体の状態に合わせて適切に分泌されています。この副腎皮質ホルモンには、グルココルチコイド(糖質コルチコイド)、アルドステロン(鉱質コルチコイド)、アンドロゲン(男性ホルモン)があり、副腎皮質機能低下症では、主にグルココルチコイド、アルドステロンの欠損症状が現れます。

副腎自体の疾患による場合と、副腎皮質ホルモンの分泌を調節する下垂体の疾患による場合とで、副腎皮質ホルモンの不足は起こりますが、このうち副腎自体の疾患が原因で慢性に経過したものが副腎皮質機能低下症です。下垂体の疾患で副腎を刺激しないために副腎の機能が低下するものは、続発性副腎皮質機能低下症(続発性副腎機能不全症)という副腎皮質機能低下症に似た疾患です。

副腎は両側の腎臓の上、左右に2つあり、両側の副腎が90パーセント以上損なわれると副腎皮質機能低下症になります。副腎が損なわれる原因として最も多いのは、副腎結核と自己免疫によるものです。まれに、がんの副腎への転移によるもの、先天性のものなどがあります。

副腎皮質機能低下症は1855年に、英国の内科医トーマス・アジソンによって初めて報告されました。あらゆる年齢層の人に、また男女いずれにも同じように発症します。乳児や小児の場合は、副腎の遺伝子の異常が原因です。

現れる症状はさまざまですが、主なものとして、色黒、倦怠(けんたい)感、脱力感、体重減少、食欲不振、便秘、下痢、低血圧、低血糖などが挙げられます。また、不安、集中力の低下などの精神症状や、腋毛(えきもう)、恥毛の脱落などもしばしば認められる症状です。体内のナトリウムイオンとカリウムイオンのバランスが崩れるので重症の場合、心停止を起こして死ぬこともあります。

自己免疫が関係する特発性の副腎皮質機能低下症の場合、甲状腺(せん)疾患や糖尿病、貧血、真菌症などを合併することが多く、これらの症状が現れることもあります。

副腎皮質機能低下症の初期では副腎皮質の障害が軽度なので、ホルモンの分泌も生活に支障を来さない程度に保たれています。自覚症状もはっきりしたものではなく、気が付かないことがほとんどです。

しかし、この状態の時に、けが、発熱などで強いストレスがかかった場合、急性副腎不全を来して危険な状態になることがあります。副腎皮質機能低下症の症状があった場合、内分泌・代謝を専門とする内科、ないし内分泌代謝内科の専門医を受診し、一度精密検査をしておくことが望まれます。

副腎皮質機能低下症の検査と診断と治療

内科、内分泌代謝内科の医師による診断においては、一般的な血液検査、尿検査に加え、ホルモンの検査、腹部CTなどが必要になります。

ホルモンの検査は、血液中の副腎皮質ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、尿中に排出される副腎皮質ホルモンなどを測定するほか、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)や副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)放出ホルモン(CRH)を投与した後の副腎や下垂体の反応により、副腎の機能を評価します。

そのほか、副腎を損なう原因を調べるため、結核など感染症に対する検査、がんの検査、自己免疫疾患の検査などが行われます。

内科、内分泌代謝内科の医師による治療においては、疾患の程度、日常生活に合わせて、副腎皮質ステロイド薬を補充します。通常、1日1〜2回の内服ですみますが、けがや発熱などで体に強いストレスがかかる場合は、それに応じて内服量を増やす必要があります。筋力の低下や全身消耗の強い場合は、副腎性アンドロゲン(男性ホルモン)を補充することもあります。

🇹🇻フグ中毒

フグの臓器に含まれる毒素によって起こる食中毒

フグ中毒とは、海産魚のフグの臓器、ことに卵巣、肝臓に含まれる毒によって引き起こされる食中毒。他の食中毒に比べて、患者数のうちの死者数の割合を示す致死率が極めて高いのが特徴です。

日本ではここ10年間の統計上、年間33〜61人のフグ中毒患者と1〜6人の死亡者がみられます。その多くが、フグ調理の資格を持たない一般人がフグを調理した結果起きています。しかし、フグ中毒に対する知識が高まったため、発生件数は減少傾向を示しています。

地域的には、近畿、中国、九州などの西日本、特に兵庫、大阪、広島、山口、岡山、愛媛など瀬戸内海沿岸の府県で多発しているのが特徴で、神奈川県でやや多い程度で他の東日本ではまれです。季節的には、冷凍フグの流通のために年間を通して食べられるようになっているものの、フグは鍋(なべ)を中心とする冬の季節料理であるために、冬期に多発しています。

フグ毒はテトロドトキシンと呼ばれ、神経刺激の伝導を遮断する作用を持っており、熱に強く、アルカリに弱いという性質があります。テトロドトキシンは、フグの卵巣、肝臓、腸管などに多く含まれていますが、毒フグの種類によって含有量の多少があります。

日本で最もよく食用にされるフグはトラフグで、そのほかマフグ、ヒガンフグ、ショウサイフグなどもありますが、ショウサイフグ以外はいずれも有毒なフグ。

フグ中毒は、食後20〜30分、遅くても4時間くらいで発症します。吐き気、嘔吐(おうと)に続いて、唇、舌のしびれ感が起こり、上肢、下肢の知覚まひ、さらに運動まひ、発声困難、呼吸困難を起こします。血圧が低下し、意識が混濁し、重症例では4時間くらいで呼吸停止を起こし死亡します。

なお、フグを食べた時に口の中がピリピリとしびれたりしたら、フグ毒の作用と考えられので口中を洗うなどの応急処置をすることが大切です。

フグ中毒の検査と診断と治療

フグの毒に対して、解毒剤や血清など特異療法は開発されておらず、神経毒であるテトロドトキシンによる呼吸困難が収まるまで人工呼吸器をつなげることが唯一の治療法となります。テトロドトキシンの解毒、排泄(はいせつ)に要する時間は8〜9時間とされており、その間呼吸を保てば、大部分は救命できます。

とりあえずの救急処置としては、テトロドトキシンがアルカリに弱いことを利用して、アルカリ製剤である炭酸水素ナトリウム(重曹)で胃洗浄を行ったり、活性炭末などの吸着剤の投与や、下剤、利尿剤の投与をしたりします。輸液も行われますが、心臓への負担に注意しなければなりません。

治療で最も重要なことは呼吸の管理なので、高濃度の酸素を用いた気管内チューブによる人工呼吸や、呼吸中枢刺激剤も積極的に使用されます。そのほか、血圧を上げる昇圧剤や強心剤なども対症的に投与されます。

フグ中毒の予防法は、死亡事故のほとんが素人料理によって発生しているため、釣ったフグを自分で調理して食べるのをやめることに尽きます。フグには種類鑑別の難しさや毒カの季節による変動、個体差などがあり、食用にするためには専門的な知識と技術が必要です。一般に、テトロドトキシンの毒力は猛毒の青酸カリの約1000倍で、100℃30分以上の加熱でもほとんど分解しないので、煮たり焼いたりの調理ではなくなりません。

特に、卵巣、肝臓などの内臓は、フグの種類にかかわらず決して食べてはいけません。一般消費者に販売されているフグでは、保健所に届出をした施設で卵巣や肝臓などの有毒部位を除去する処理が行われています。フグを取り扱う営業をするには、フグ処理者の資格を持ち、営業施設ごとに保健所長への届出が必要となっています。

🇯🇲副乳

正常とは異なった部位に退化した乳房が存在する状態

副乳とは、乳房の通常の存在部位である両側前胸部とは異なった部位に、乳頭、乳輪、あるいは乳腺(にゅうせん)組織が存在する状態。

副乳の多くは、わきの下や、通常の乳房の下内側に存在します。これは生まれ付きのものであり、そのうち乳頭だけが存在するものは副乳頭(多乳頭症)、乳腺組織が存在するものを副乳腺(多乳房症)と呼びます。

副乳の起源は、胎児期にあります。胎生6週ころに、両わきの下から乳頭、腹部の左右、ももの内側に至る乳腺提という表皮の堤状の肥厚ができ、この乳腺提に7~9対の乳腺元基という乳腺の基が現れます。胎生9週には、1対は通常の乳房になり、残りは退縮します。しかし、いくつかの乳腺元基が残って、発育することがあります。これが副乳であり、乳腺提の線上のどこにでも発育する可能性があります。

そもそも、人間や象のような少産種のほ乳動物では、1対のみの乳房を発育させるのに対して、ネズミやイノシシのような多産種のほ乳動物では、前足の両わきの下から後ろ足の間に至る乳腺提の線上に、複数対の乳房を発育させます。人間も胎児期には、通常の乳房以外の部位に乳房を発育させる要素を持っているため、副乳はそれほど異常な存在ではありません。

実際、左右ともに、あるいは片側だけに副乳のある人は、女性の5パーセント、男性の2パーセントに認められるといわれています。

副乳は不完全で退化した乳房であるため、外から見てわかる乳首、乳輪を備えていることは少なく、副乳があっても気付かないこともあります。目立たないため、ほくろやいぼと認識されることも多く、乳腺提の線上に対になったほくろがある場合、副乳の可能性もあります。まれに乳腺組織が存在し、少し発育して膨らみを生じる場合もあります。

女性が妊娠時に、わきの下に違和感を覚え、熱く感じたり、その部分の色が濃くなってきて、副乳の存在に初めて気が付くことがしばしばあります。

乳腺組織が存在する場合、通常の乳腺と同様にホルモン分泌に反応するため、女性では生理前のホルモン分泌の多い黄体期に副乳がはれてきたり、痛みを伴うことがまれにあります。

また、妊娠授乳期にも正常な乳腺と同様に乳腺も発育するため、乳汁(母乳)が出てくる産後3~4目ころからゴルフボールのようなしこりになって、はれたり、痛みを伴うことがあります。乳腺自体から乳汁が出てくることもありますが、副乳には乳汁が出る乳口がないことも多いので、中に乳汁がたまって乳腺炎を起こすこともあります。

妊娠授乳期においてのはれ、痛みの多くは、一時的なものであり、間もなく自然に消失します。しかし、強い痛みが生じたり、痛みが持続することもあります。妊娠ごとに、はれ、痛みを繰り返し生じることもあります。

副乳の乳腺がはれた場合は、局所を冷却し炎症を抑えることで少しずつ治めることができます。保冷剤をガーゼで包み、冷湿布することを何回か繰り返すと、はれも引き、しぼむような形になります。熱感がある場合は、洗面器の水にペパーミントの精油を5、6滴垂らし、おしぼりを数本入れて絞って冷蔵庫で保存、これで冷湿布することを何回か繰り返すと、かなり楽になるでしょう。

ちなみに、副乳にできる乳がん(異所性乳がん)は極めてまれであり、乳がん全体の0・4パーセントほどの頻度で生じ、そのうち3分の2はわきの下にできます。また、乳房の痛みを伴う乳がんは、あまり多いものではありませんので、副乳が痛んでも心配はいりません。

乳頭を備えていないけれど、わきの下に違和感を覚え、熱く感じたり、副乳が異常に大きいようで心配な場合は、婦人科、産婦人科、あるいは乳腺科、乳腺外科を受診することが勧められます。

副乳の検査と診断と治療

婦人科、産婦人科、あるいは乳腺科、乳腺外科の医師による診断では、わきの下のしこりが疾患によって生じていないかどうか検査します。

考えられるものとして、乳がん、リンパ腺(せん)の炎症、ほかの臓器のがんからの転移、リンパの悪性腫瘍(しゅよう)、汗腺や皮脂腺の疾患などがあり、副乳との見分けがつきにくい場合には、しこりの一部を採取して顕微鏡で調べる生検を行うこともあります。

婦人科、産婦人科、あるいは乳腺科、乳腺外科の医師による治療では、副乳に強い痛みが生じたり、痛みが持続する場合、ホルモン剤を投与し、ホルモン分泌を抑えます。

副乳に乳腺炎が起きた場合は、初期には冷湿布して、乳汁は注射針を刺して吸引した上、抗生物質を注射か内服で投与し、鎮痛消炎剤を内服で投与します。

婦人科、産婦人科、あるいは乳腺科、乳腺外科の医師による治療では、副乳に強い痛みが生じたり、痛みが持続する場合、ホルモン剤を投与し、ホルモン分泌を抑えます。

副乳に乳腺炎が起きた場合は、初期には冷湿布して、乳汁は注射針を刺して吸引した上、抗生物質を注射か内服で投与し、鎮痛消炎剤を内服で投与します。

副乳が乳首や乳輪だけの場合には、外科的手術でほくろやいぼを切除するような要領で切除して、皮膚を縫合することも可能です。

副乳に乳腺もある場合には、皮膚切除に加えて乳腺もくり抜いて切除することも可能です。くり抜いた部分が陥没しないように修正して、皮膚を縫合します。通常の乳腺と副乳の乳腺はつながっていないことがほとんどのため、外科的には乳房温存治療ができる可能性が高いといえます。

🇯🇲副鼻腔炎

副鼻腔に炎症が起き、鼻詰まりや鼻水、頭痛などの症状が起こる疾患

副鼻腔(ふくびくう)炎とは、鼻腔の周りにある副鼻腔の粘膜に細菌やウイルスが感染することなどによって炎症が起こり、鼻詰まりや鼻水、頭痛、歯の痛みなど、さまざまな症状が起こる疾患。

鼻の穴である鼻腔の周囲には、骨で囲まれた空洞部分である副鼻腔が左右それぞれ4つずつ、合計8つあり、鼻腔とつながっています。4つの副鼻腔は、目と目の間にある篩骨(しこつ)洞、その奥にある蝶形骨(ちょうけいこつ)洞、目の下にある上顎(じょうがく)洞、鼻の上の額にある前頭(ぜんとう)洞です。

4つの副鼻腔は、強い力が顔面にかかった時に衝撃を和らげたり、声をきれいに響かせたりするといわれますが、その役割ははっきりとはわかっていません。鼻腔や副鼻腔の中は、粘膜で覆われており、粘膜の表面には線毛と呼ばれる細い毛が生えています。線毛は、外から入ってきたホコリや細菌、ウイルスなどの異物を粘液と一緒に副鼻腔の外へ送り出す働きを持っています。

副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎に大きく分けることができます。

急性副鼻腔炎は、風邪などで、ウイルスや細菌が鼻腔に感染して炎症を起こし、それが副鼻腔にまで及ぶことなどで起こる急性の炎症で、通常は1~2週間で治ります。頭痛や顔面痛などの急性炎症症状が、起こります。

痛みの出る部位は、炎症の起こっている部位によって異なります。篩骨洞に炎症が起きた時は目のあたりに、上顎洞の炎症では頬(ほお)や歯に、前頭洞の炎症では額に痛みを感じ、蝶形骨洞の炎症では頭痛や頭の重い感じが現れます。

慢性副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎が長引いたり、繰り返したりすることによって3カ月以上症状が続いているもので、蓄膿(ちくのう)症とも呼ばれます。炎症が長引くと、副鼻腔の分泌液の量が増えたり、その粘度が高くなったりして、自然孔より排泄されずにたまり、状態を悪くすることにつながります。さらに、たまった分泌液により粘膜肥厚が起こると、排泄がより困難となる悪循環に陥ります。

症状には、鼻詰まり、鼻水、頭重感などがあります。鼻水は粘液性のものや、膿性のこともあります。また、後鼻孔からのどへ鼻水が多く回り、これを後鼻漏(こうびろう)と呼びます。朝起きて、せきや、たんがやたらに出る人は、その可能性が高くなります。鼻詰まりのため口呼吸となり、のどへ回った鼻水が気管支へ入り、気管支炎を起こすこともあります。

頭重感は前頭部に起こることが多いのですが、頭全体が重苦しいこともあります。このほか、嗅(きゅう)覚障害を起こしたり、精神的に落ち着かず、集中力が低下することもあります。

鼻の炎症だけでなく、咽頭(いんとう)炎や扁桃(へんとう)炎などののどの炎症、カビの仲間である真菌、虫歯なども、副鼻腔炎の原因となることがあります。また、細菌感染のないアレルギー性鼻炎や気管支喘息(ぜんそく)、アスピリン喘息などのアレルギーによって起こる病気が、原因となることもあります。

両親が副鼻腔炎の場合は、子供も副鼻腔炎になることが多いという研究結果もあり、遺伝的な原因もあると考えられています。

副鼻腔炎を風邪や花粉症だと思って放置しておくと、慢性化して治療に時間がかかるようになります。薬などでの治療が難しくなると、手術が必要になります。また、副鼻腔炎は重症化すると目の合併症を生じ失明したり、脳膿瘍(のうよう)や髄膜炎を生じたりと重大な合併症を来すこともまれにあります。

副鼻腔炎の自覚症状があった場合は、重症化する前に耳鼻咽喉科、耳鼻科を受診することが勧められます。

副鼻腔炎の検査と診断と治療

耳鼻咽喉科、耳鼻科の医師による診断では、X線(レントゲン)検査を行います。通常であれば、空洞であるはずの副鼻腔は黒く映り、骨は白く映りますが、副鼻腔炎になると、黒く映るはずの副鼻腔が白く映ります。これは、粘膜がはれたり、膿(うみ)がたまったりして空洞が埋まっているためです。さらに、手術をする前などにはより詳しく調べために、CT(コンピュータ断層撮影)検査を行うこともあります。

内視鏡を使って、粘膜がはれて鼻腔が狭くなっていないか、副鼻腔から膿が出ていないかなど、副鼻腔の状態を確認する場合もあります。

耳鼻咽喉科、耳鼻科の医師による治療では、急性副鼻腔炎の場合、症状を抑える消炎酵素薬、解熱鎮痛薬などとともに、抗菌薬を服用することが一般的です。抗菌薬を続ける期間は、一般的に2週間以内です。

そのほかに、たんや鼻水を出しやすくする気道粘液修復薬、気道粘液溶解薬、気道潤滑薬などが使われます。

慢性副鼻腔炎の場合、副鼻腔の洞内の粘液を排出しやすくして、粘膜のはれをとるために、鼻腔内に血管収縮薬をスプレーします。次いで、粘液を出してきれいになった鼻腔、副鼻腔に抗菌薬、副腎(ふくじん)皮質ホルモン薬などの薬液を吸入するネブライザー療法を行い、炎症やはれを抑えます。

また、蛋白(たんぱく)分解酵素薬を内服することで、粘液、膿汁を少なくします。近年、マクロライド系抗菌薬の少量長期間内服が、効果的と判明し行われています。

これらの治療が有効なのは軽度の場合で、程度によっては手術をします。手術には、鼻腔内から副鼻腔を開放して、膿や粘膜を取り除く方法、上唇の内側と歯肉の境目の口腔粘膜を切開し上顎洞を開放する方法があります。篩骨洞や前頭洞では、鼻外からの手術も行われます。多くは局所麻酔で行われ、1~2週間の入院が必要です。最近では、内視鏡を用いる手術が盛んになっています。

子供の場合、副鼻腔は発達段階にあり、手術をすると歯の発育や顔の形に影響を与えることもあり、原則として手術は行いません。どうしても手術が必要な場合は、15歳ぐらいになってからがよいでしょう。

🟥インフルエンザ感染者、2週連続増加 1医療機関当たり11・33人

 厚生労働省は23日、全国約3000の定点医療機関から12~18日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数は計4万3027人で、1医療機関当たり11・33人だったと発表した。前週比1・07倍で、2週連続の増加となった。全国平均で警報レベルとされる1医療機関当たり30人を下回...