2022/08/21

💅爪甲層状分裂症

爪の甲の先端の部分が、薄く層状にはがれたり、割れたりしていく状態

爪甲(そうこう)層状分裂症とは、爪(つめ)の甲の先端部分が薄く層状にはがれたり、割れたりしていく状態。二枚爪とも呼ばれ、爪が下の皮膚である爪床からはがれる爪甲剥離(はくり)症の一種に分類されています。

爪の甲は三枚の層からなっており、表面を覆う第一層のエナメル質や第二層が少しずつはがれたり、割れたりしていく爪甲層状分裂症は、さほど珍しくはなく、女性によく起こる一般的な爪のトラブルです。

痛みはありませんが、爪の先端がもろくなるため、外見上に問題が出てきます。また、一度治っても、何度も同じ症状が現れることがよくあります。

爪甲層状分裂症になる原因は、いくつかあります。

まず、爪の乾燥が原因になります。つまり、爪の甲の水分含有量が低下することによって生じるため、日本では空気が乾燥している冬に爪甲層状分裂症になりやすいといえます。正常な爪の甲の水分含有量は16パーセントほどですが、爪は成長するに従い、先端に向かって伸びていくと水分量は減っていき、爪の甲の先端部分の水分含有量が12パーセント以下になると、二枚爪が起りやすくなります。

また、水仕事の多い主婦、手の爪に施すマニキュアや、足の爪に施すペディキュア、除光液(エナメルリムーバー)を使用する機会の多い女性では、爪の甲の水分保持能力が低下して、爪甲層状分裂症が起こりやすくなります。洗剤や、マニキュアなどを落とす除光液に含まれるアセトンが外的刺激になって、爪甲層状分裂症を誘発することになります。

次に、食事での栄養バランスの偏りやダイエットなどで蛋白(たんぱく)質不足になることが、爪甲層状分裂症の原因になります。爪の主成分は蛋白質の一種のケラチンなので、体調が悪かったり栄養バランスが悪いと、爪の色が変色したり線が入ったり、爪甲層状分裂症になります。

偏った食生活や過度なダイエットによって鉄欠乏性貧血になり、これが原因で爪甲層状分裂症になることもあります。血行不良や、甲状腺(こうじょうせん)機能高進症の発症も、爪甲層状分裂症の原因になります。

爪切り、爪やすりの使いすぎ、間違った使い方の継続が、二枚爪の原因となる場合もあります。爪切りなどを使用したショックで、三枚の層からなっている爪に目に見えないヒビが入り、何か力が加わった時に爪甲層状分裂症になったりします。

水をよく使ったり、指先の細かい操作を必要とする職業も、爪甲層状分裂症の原因になります。職業は、料理人、理髪師、美容師、庭師、パソコンのオペレーター、ギタリスト、ピアニストなど。

爪甲層状分裂症の検査と診断と治療

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、爪の甲の先端部分に層状の剥離を起こし得る外的物質や薬品、あるいは皮膚疾患や全身疾患を検査して、原因がわかるようであれば、それを除去ないし治療します。

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療では、一般的には、爪の角質に浸透しやすい保湿剤やステロイド剤(副腎〔ふくじん〕皮質ホルモン)をこまめに塗ったり、ビタミンEの飲み薬を使用する場合があります。

爪の乾燥が原因で爪甲層状分裂症を発症している場合は、日常生活で爪の乾燥を避けるようにしてもらいます。例えば、水仕事の多い人は、水を使う回数を減らしたり、使い終わったらきちんと水分をふき取り、保湿剤を塗ることです。

蛋白質不足が原因の場合は、まずは爪に必要な栄養をしっかり摂取してもらいます。いくら爪の保湿ケアを行っていても、栄養不足のままでは二枚爪を繰り返すだけなので、蛋白質、コラーゲン、さらに野菜や海藻類に多く含まれるミネラル類をしっかり摂取してもらいます。

鉄欠乏性貧血が原因の場合は、鉄剤を内服してもらったり、食べ物やサプリメントから鉄分を摂取するように心掛けてもらいます。ただし、手の爪が新しくなるまでに3カ月~6カ月かかりますので、すぐに効果を実感することは難しいでしょう。

血行不良や甲状腺機能高進症が原因の場合は、その治療を行えばよくなります。

日常では、保湿剤などを使ったネイルケアにより治療、ないし予防することが、重要となります。爪も皮膚の一部であり、主に蛋白質の一種のケラチンが角質を構成しているのですから、マニキュア、ペディキュア、除光液、洗剤などを使いすぎるとダメージを受けるので、その使用を控えます。

爪切り、爪やすりの使いすぎ、間違った使い方で爪甲層状分裂症になることもあるので、まずは使用をやめます。入浴後や指を温めるなどした後に、紙やすりで丁寧に爪の甲の先端部分を削り、爪にハンドクリームやキューティクルオイルなどの保湿剤を塗って、擦り込むようにマッサージします。

足の爪は爪切りで切っても構いませんが、その後で爪の先を紙やすりで削って形を整え、爪にハンドクリームやキューティクルオイルなどの保湿剤を塗って、擦り込むようにマッサージします。また、足の爪の伸ばしすぎも爪の先に衝撃を与える原因になったりしますので、適度な長さを保ちます。

爪甲層状分裂症の進行中は、水仕事の際にはゴム手袋の着用を心掛けます。

💅爪甲脱落症

爪の甲の一部、もしくは全体が脱落する状態

爪甲(そうこう)脱落症とは、爪(つめ)の甲の一部、もしくは全体が爪床から離れて浮き上がり、やがては脱落する状態。オニコプトーシス、オニコマデシスとも呼ばれます。

手や足の爪の1本だけに起こることもあり、多くの爪に起こることもあります。また、爪の色が変わって、白色もしくは黄色になることもあります。

爪甲脱落症の原因は、かなり広範囲に及んでいます。先天性、遺伝性、後天性とさまざまであり、外傷や高熱、皮膚の疾患、全身の疾患、梅毒、薬、体調不良、ストレスと数え切れないほどの原因があります。

打撲などの外傷で内出血を起こして、脱落することがあります。風邪などで非常に高熱が出た時などに、脱落することもあります。

皮膚の疾患では、化膿(かのう)性爪囲炎(ひょうそう)や、カンジタ菌という真菌による爪囲炎、乾癬(かんせん)、扁平苔癬(へんぺいたいせん)、紅皮症(剥脱〔はくだつ〕性皮膚炎)、爪甲横溝などで、脱落することがあります。

全身の疾患では、甲状腺(こうじょうせん)機能高進症(バセドウ病)、甲状腺機能低下症、ペラグラ、糖尿病、鉄欠乏性貧血、さらには黄色爪症候群、肺がんなどの肺疾患、強皮症、全身性エリテマトーデスなどの膠原(こうげん)病、手足口病、ヘルパンギーナなどで、脱落することがあります。

性病である梅毒に感染している場合や、治療中、治療後に、脱落することもあります。

薬によるものとしては、内服するだけで爪甲脱落症を起こす薬もありますが、多くの場合は薬だけではなく、薬を内服した人の爪に日光の紫外線が作用することで生じる薬剤性光線過敏症、ポルフィリン症などの光線過敏症に伴うものです。多くは日光によるものですから、夏に悪化し、冬に軽快するのが特徴です。

また、体調が悪かったり、強いストレスを感じている際に、爪に出る症状の1つとして脱落することもあります。

爪が健康なピンク色のまま爪床から脱落するのは軽症といえますが、爪の変色が伴うようであれば何らかの疾患のサインかもしれません。疾患が疑われる場合や、症状がひどい場合は、皮膚科、ないし皮膚泌尿器科を受診することが勧められます。

爪甲脱落症の検査と診断と治療

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、爪の甲の剥離、脱落を起こし得る外傷や外的物質、薬、あるいは皮膚疾患や全身疾患を検査して、原因がわかるようであれば、それを除去ないし治療します。

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療では、すべての爪に変化がみられる全身疾患があれば、その治療を行います。一部の爪の変化がみられる皮膚疾患があれば、その治療を行います。

カンジダ菌の感染の可能性の強い時には、抗真菌剤の外用を行います。ビオチンやビタミンEを含んだ飲み薬の内服、副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)の局所注射、抗生剤(抗生物質)の内服などが行われることもあります。

打撲などの外傷で軽度の出血である場合、爪の生え替わりを待つだけでかまいません。爪が作られる爪母の機能が正常であれば、新しい爪は生えてきますが、部位により半年から1年の期間はかかります。

ストレスが原因であれば、心療内科での治療が必要になってきます。皮膚科に通っているのに、一向によくならず、周期的に脱落するのであれば、原因の再確認が勧められます。

💅爪甲軟化症

ケラチン不足のために、つめが異常に軟らかい状態

爪甲(そうこう)軟化症とは、成人のつめの甲が異常に軟らかい状態。

つめは皮膚の付属器で、皮膚の最も表面にあって、軟ケラチンからなる角層が変化したもので、硬ケラチンで主に形成されています。ケラチンとは20種類のアミノ酸が結合してできた蛋白(たんぱく)質で、水分をよく含んで弾力性に富み、紫外線や衝撃など外部刺激から指先を守るクッション効果やバリア効果があります。

そのつめの硬さは、人によってかなり違います。赤ん坊のつめは大変軟らかく、年齢を増すごとにだんだんと硬い、弾力のあるつめとなってくるものです。そして、さらに年を重ねると弾力のない、硬いつめに変わっていきます。つめは指先の保護の役割と細かい作業をするために必要で、もしも成人で赤ん坊のつめのように軟らかいつめをしていると、細かい指先の仕事は難しくなってしまいます。

成人の爪甲軟化症では、つめを構成している成分の一つであるケラチンが不足することから、徐々につめの甲が薄く、軟らかくなります。色は青白く、曲がりやすくなります。よくカルシウム不足だとつめが軟らかくなどといわれますが、カルシウムの不足とは関係ないようです。

爪甲軟化症は手や足に汗を多くかく人に起こりやすく、多汗のために、つめの甲の中の水分が多くなってしまうためと考えられています。若い女性に比較的多くみられます。また、クリーニング業の人などで、アルカリ性の薬品が長くつめに作用した場合、爪の甲がへこむ匙状(さじじょう)づめと一緒に生じることもあります。その他、マニキュアを多用する人、リウマチのある人にも多く見受けられます。

全身的な栄養状態とは、無関係です。 ほとんどの場合、内臓の疾患とは関係ないようです。

爪甲軟化症の検査と診断と治療

爪甲軟化症を起こし得る外的物質や薬品、あるいは皮膚疾患、多汗症などを検査して、原因がわかるようであれば、それを除去ないし治療します。

クリーニング業の人などに生じる匙状づめの治療では、鉄剤を内服します。仕事上、どうしても薬品を使用しなければいけないという人にとっては、食事で鉄分を意識的に摂取することがお勧めです。また、指を保護するアイテムを使用するのもお勧めです。

💅爪甲白斑症

爪の甲が点状、横帯状、あるいは全体に白くなる疾患

爪甲白斑(そうこうはくはん)症とは、爪(つめ)の甲が白くなる疾患。白くなる様子は、点状のもの、横帯状のもの、爪の甲の全体が白くなるものなどさまざまです。

点状になるものが最も多く、次いで多いのは横帯状になるもので、爪全体が白くなるものは極めてまれです。

点状になる爪甲白斑症では、爪半月の近くに小さな点状白斑が現れ、その後、爪の先端に移動し遊離縁に向かう途中で消えていきます。爪母で作られる爪は皮膚の表面のケラチンからなる角層が変化したものですが、爪甲の不全角化という爪の成長異常によって、主に生じます。また、爪の甲の透き間に空気が入ることでも生じます。健康な若い人や子供に多くみられ、俗に「幸運の星」などと呼ばれています。

横帯状になる爪甲白斑症では、爪の甲に幅1〜2ミリの白い帯状の変化が1〜数本現れ、その白い帯状が波打つように重なり合ってみられます。遺伝によって起きる先天性のものもありますが、多くは後天性で、低蛋白(たんぱく)血症(低アルブミン血症)や砒素(ひそ)中毒、腎(じん)臓障害が生じた際に、それらの症状の一つとして現れます。また、マニキュアなどが原因となることもあり、やめることで回復するということもあります。

爪の甲の全体が白くなる爪甲白斑症では、爪の甲全体が不透明な白、ないし乳白色になります。多くは遺伝によって起きる先天性のものであり、生まれた時または乳児期から始まります。発症する根本的なメカニズムは、いまだ判明していません。

爪甲白班症の検査と診断と治療

点状になる爪甲白斑症は、特に治療の必要はありません。自然に完治するのを待ちます。

横帯状になる爪甲白斑症は、原因となり得る疾患などを確認し、それを除去ないし治療します。例えば、砒素、鉛などの中毒、麻疹(ましん)、肺炎などの感染症、乾癬(かんせん)、円形脱毛症などの皮膚疾患、そのほかの心筋梗塞(こうそく)、腎不全などの疾患、あるいは月経、手術、マニキュア使用などが、原因となり得ます。

爪の甲の全体が白くなる爪甲白斑症も、特に治療の必要はありません。自然に完治するのを待ちます。ただし、爪の水虫や爪半月の拡大、あるいは肝硬変、慢性腎不全、糖尿病などの全身疾患でも爪は白くなり、よく似た外観をみせますので、注意して鑑別しなければいけません。

💅爪甲剥離症

爪の甲が爪床から離れて、浮いてくる状態

爪甲剥離(そうこうはくり)症とは、爪(つめ)の甲が爪床からはがれる状態。爪の半分くらいまでははがれてくることがありますが、爪が抜け落ちることはありません。

爪は本来、先端部以外は爪の下の皮膚とよく付着しているものですが、爪甲剥離症では爪が下の皮膚である爪床から遊離します。爪が爪床から離れて、浮いてくる状態は爪の先端から始まり、根元に向かって徐々に進行して、剥離した爪は白色ないし黄色に変化します。

また、指と爪の透き間にゴミが入り、しばしば部分的に汚い褐色調を呈することもあります。こういう状態の時、爪の下をつまようじなどで掃除するのはよくありません。皮膚を痛めて、ますます悪化することになります。

爪甲剥離症の原因としては、ごくまれに先天性ないし遺伝性の爪甲剥離症もありますが、多くは後天性で、外因、感染症、薬、あるいは皮膚疾患や全身疾患などに伴って生じます。最も多いのは、原因のはっきりしない特発性のもので、この場合、症状は軽くあまり進行するということもありません。

外因によるものとしては、爪と爪床の間にトゲや鉛筆の芯(しん)などが入るなどのけが、あるいは、指先の細かい操作を必要とする職業によるものがあります。職業は、料理人、理髪師、美容師、庭師、パソコンのオペレーターなど。また、マニキュアや洗剤、さらには有機溶剤やガソリンなども原因になります。極めて軽い湿疹(しっしん)やかぶれが起こった場合、手の皮膚ではわずかに皮がむけるだけで治っていきますので、気付かずにすむことが多いのですが、爪の下ではほんのわずかに皮がむけた状態でも、爪ははがれて浮いた状態となります。

感染症によるものは、カンジダという真菌、一種のカビの爪床部への感染によるものがほとんどです。この場合は、爪の下の皮膚がガサガサした感じになります。

薬によるものとしては、内服するだけで爪甲剥離症を起こす薬もありますが、多くの場合は薬だけではなく、薬を内服した人の爪に日光の紫外線が作用することで生じる薬剤性光線過敏症、ポルフィリン症などの光線過敏症に伴うものです。多くは日光によるものですから、夏に悪化し、冬に軽快するのが特徴です。

皮膚疾患に伴うものは、乾癬(かんせん)、接触皮膚炎、掌蹠(しょうせき)多汗症、扁平苔癬(へんぺいたいせん)、尋常性天疱瘡(てんぽうそう)、薬疹などがあります。

全身疾患に伴うものとしては、甲状腺(せん)機能高進症(バセドウ病)に伴う爪甲剥離症(プランマーズ・ネイル)が最も有名です。この場合、爪は平らになることが多く、時に反り返ったようになることもあります。最初1本の指から始まり、次第に他の指にも進行していきます。甲状腺機能高進症以外にも甲状腺機能低下症、ペラグラ、糖尿病、鉄欠乏性貧血、さらには黄色爪症候群、肺がんなどの肺疾患、強皮症、全身性エリテマトーデスなどの膠原(こうげん)病、梅毒などの感染症でみられます。

爪甲剥離症の検査と診断と治療

念のために、皮膚科で診察を受けます。特に、1カ所または数カ所の爪だけが剥離を起こす通常の爪甲剥離症と異なって、手足すべての爪に変化がある場合は、甲状腺機能高進症を始めとする全身的な疾患が原因かもしれませんので、早めに受診するようにしましょう。

よい治療方法はないのですが、カンジダ菌の感染の可能性の強い時には、抗真菌剤の外用を行います。一般的には、角質に浸透しやすい保湿剤やステロイド剤をこまめに塗ったり、ビタミンEの飲み薬を使用する場合もあります。爪の治療には、非常に時間がかかります。甲状腺機能高進症に伴うものは、その治療を行えばよくなります。

日常では、保湿剤などのスキンケア、ネイルケアにより予防することが、重要となります。爪も皮膚の一部であり、角質を構成するケラチンという蛋白(たんぱく)質が変化したものですから、マニキュア、除光液、洗剤などを使いすぎるとダメージを受けるので、その使用を控えます。進行中は、水仕事を避けたほうが安全のようです。

🇮🇳増殖性咽頭扁桃肥大症

咽頭扁桃ともいわれるアデノイドが極端に大きい状態

増殖性咽頭扁桃(いんとうへんとう)肥大症とは、鼻と咽頭の間にあるリンパ組織で、咽頭扁桃ともいわれるアデノイドが極端に大きい状態。単にアデノイドとも、アデノイド増殖症、アデノイド肥大症、咽頭扁桃炎などとも呼ばれます。

アデノイドは誰にでもある組織で、外界から細菌やウイルスが体に侵入しようとするのを防御する役割を果たしていますが、特に幼児期に生理的に大きくなります。アデノイドの大きくなるピークは5歳ころで、その年齢を過ぎると大抵の場合は委縮して、大人ではほとんど表面から見てもわからないくらいになります。

アデノイドが極端に大きいと、いろいろな症状がみられるようになります。まず、鼻からの吸気の流れが遮断されます。これにより、鼻呼吸ができなくなり、口で息をするようになります。夜にはイビキをかいたり、呼吸が止まることもあります。一言でいえば気道閉塞(へいそく)ということになりますが、長く続くと漏斗胸といって胸が変形したり、アデノイド顔貌といって、いつも口を開けている締まりのない顔になったり、歯並びが悪くなったりします。

そのほかには、合併症として急性中耳炎や滲出(しんしゅつ)性中耳炎を起こしやすくなったり、難聴になったりします。これは、アデノイドが直接、中耳と咽頭をつなぐ耳管開口部をふさいでしまうことと、アデノイドに起こった炎症の耳管に波及することが原因と考えられます。

また、アデノイドが大きいと、高率に副鼻腔(ふくびくう)炎も合併します。これは、アデノイドにより鼻から咽頭への空気の行き来が遮断されるため、あるいはアデノイドからの細菌感染が原因と考えられます。

逆にいえば、3〜6歳ぐらいの子供で、急性中耳炎、滲出性中耳炎、副鼻腔炎を繰り返していて、よく口で息をしている場合は、増殖性咽頭扁桃肥大症が高い確率で疑われるということになります。鼻呼吸がしにくいために、注意力が散漫になって、学業に身が入らなくなったりすることもあります。

症状が多様であるため、原因が増殖性咽頭扁桃肥大症と気付かないことも少なくありません。疑わしい症状があれば、耳鼻咽喉(いんこう)科を受診するようにします。

増殖性咽頭扁桃肥大症の検査と診断と治療

耳鼻咽喉科の医師による診断では、内視鏡やレントゲン検査でアデノイド(咽頭扁桃)の大きさを確認します。まれですが、腫瘍(しゅよう)が疑われる場合には、組織を一部とって検査をすることもあります。

イビキがひどかったり、寝起きが悪い、寝ている間に呼吸が止まるなどの症状があれば、寝ている間の呼吸の状態をモニターして、後日コンピュータで解析する検査をします。携帯型の装置で行う場合は、自宅で可能です。

検査の結果、アデノイドが極端に大きい場合や、睡眠時の低酸素血症などが認められる場合には、手術が必要になることもあります。全身麻酔をかけた上、口の中から機械を入れてアデノイドを切り取る手術ですので、入院も1週間前後必要ですが、多くの場合は目に見えて効果があります。

アデノイドの大きさがそれほど極端でなく、睡眠時の低酸素血症などがなければ、アデノイドが年齢とともに徐々に小さくなることに期待して、中耳炎や副鼻腔炎などの合併症を治療しながら、様子をみることになります。

💅爪真菌症

カビの仲間である真菌の感染によって、爪に炎症が生じる疾患

爪(そう)真菌症とは、カビの仲間である真菌の感染によって、爪(つめ)に炎症が生じる疾患。

真菌は、カビ、酵母(イースト)、キノコなどからなる微生物の総称であり、菌類に含まれる一部門で、細菌と変形菌を除くものに相当します。葉緑素を持たない真核生物で、単細胞あるいは連なって糸状体をなし、胞子で増えます。主な真菌は、カンジダ、アスベルギルス、クリプトコックス、ムコールなど。

これらの真菌が、爪の甲や、爪の基底部である爪床に感染して、爪真菌症を引き起こします。

爪真菌症のうち最も多くみられる疾患は、皮膚糸状菌、特にトリコフィトンールブルムなどの白癬(はくせん)菌と呼ばれる一群の真菌の感染により生じる爪白癬で、爪真菌症の60〜80パーセントを占めるといわれています。

残りの爪真菌症の多くは、皮膚糸状菌に属さないアスペルギルス、スコプラリオプシス、フサリウムなどの真菌で生じます。免疫の低下している人や慢性皮膚粘膜カンジダ症を発症している人では、カンジダ性の爪真菌症であるカンジダ性爪囲炎、カンジダ性爪炎、爪カンジダを生じることがあります。

爪白癬は、いわゆる水虫、足白癬や手白癬が爪に発生したもの。爪の甲が白く濁り、爪の下が厚く、硬くなります。

白癬は、皮膚糸状菌が皮膚に感染して起こる疾患。皮膚糸状菌の多くは一群の真菌である白癬菌で、高温多湿を好み、ケラチンという皮膚の蛋白(たんぱく)質を栄養源とするため、足の裏、足指の間などが最も住みやすい場所になり、足白癬を始めとして手白癬、頭部白癬、体部白癬などを生じます。

この足白癬や手白癬を放置していると、白癬菌が爪の中に感染して、爪白癬になります。爪は表皮が変化して硬くなった皮膚の一部であり、白癬菌の栄養源となるケラチンでできていますから、爪もまた水虫にかかるというわけです。

爪白癬は足指に多いのですが、手指の爪に生じることもあります。最近の統計によると、足白癬を持つ人の半分が爪白癬も持っていることがわかりました。日本国内に500万~1000万人の発症者がいるという統計も報告され、60歳以上の人の4割が発症しているとも推計されていますが、治療されずに放置されたままのケースがほとんどです。

爪の症状の現れ方には、いくつかあります。最も多いのは、爪の甲の先端部が白色から黄色に濁って、爪の甲の下の角質部分が厚くもろくなり、全体として爪が厚くなるものです。爪の甲の先端部が楔(くさび)状に濁って、角質部分が厚くもろく全体として爪が厚くなるものも、よくみられます。そのほかに、爪の甲の表面が点状ないし斑(まだら)状に白濁するのみのものもあります。まれに、爪の甲の付け根が濁ることもあります。

かゆみ、痛みなどの自覚症状は、ありません。陥入爪(かんにゅうそう)の原因の一つにもなりますが、爪の爪囲炎の合併はまれです。

カンジダ性爪囲炎、カンジダ性爪炎、爪カンジダは、もともと人間が持っている常在菌で、腸管や膣(ちつ)内、口腔(こうこう)、皮膚などに存在している真菌の一つのカンジダが感染して生じます。

健康であれば、体には何の影響も与えないカンジダですが、抵抗力や免疫力の低下、抗生物質の投与などによって増殖すると、さまざまな部位に炎症を引き起こし、爪や爪の周辺にも炎症を引き起こします。

爪の回りに炎症が起きるカンジダ性爪囲炎の場合、症状が軽く、痛みも出ないことが多いものの、爪の生え際が赤みを帯びだり、はれたりします。この爪囲炎を繰り返していると、カンジダ性爪炎に移行し、爪が変色し、表面に凹凸ができる、横にすじができる、赤くなってはれ、痛むといった症状がみられます。

カンジダ性爪囲炎とカンジダ性爪炎は、爪の表面だけがカンジダに感染している状態ですが、カンジダが爪の内部にまで寄生すると、爪カンジダになります。爪の先が皮膚から離れて浮き上がったような状態になり、爪が変形します。また、爪が厚くなることもあれば、逆にボロボロになって先端が欠けたりすることもあります。

カンジダ性爪囲炎、カンジダ性爪炎、爪カンジダは、糖尿病患者、免疫機能が低下している人、または健康に問題はなくても手を頻繁にぬらしたり洗ったりする人によくみられます。

爪真菌症のうち、成人の爪白癬の発症率は、かなり高いとされています。爪の肥厚や変形が高齢者の起立、歩行障害、転倒事故の原因になることも、指摘されています。重症になるとますます治療が難しくなるため、なるべく早く皮膚科、ないし皮膚泌尿器科の医師による治療を受けます。

爪真菌症の検査と診断と治療

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、通常、爪の外観に基づいて判断します。診断の確定には、爪の破片を顕微鏡で調べ、培養してどんな真菌による感染かを判断します。爪では皮膚と違って真菌を見付けにくく、真菌の形態が不整形で判定しにくいことが多いので、注意が必要です。

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療は、爪真菌症は完治が難しいため、症状の重症度と本人が感じる不快さの程度に基づいて行われます。

治療が望まれる場合は、内服薬のイトラコナゾールやグリセオフルビンなどを処方します。このような薬は、約3〜6カ月服用します。硬く厚くなった爪の外側から外用薬を塗っても、奥深く潜んでいる真菌まで薬の有効成分が行き渡りませんが、内服薬ならば血流に乗って直接真菌にダメージを与え、体の内側から治すことができるわけです。

従来の内服薬は、1年以上服用しなければなりませんでした。近年開発された薬は、内服をやめた後も有効成分が爪の中にとどまって効果が持続しますので、従来に比べ治療期間が大幅に短縮されました。しかし、肝臓に負担がかかることもあるため、肝臓の弱い人は内服できません。内服中は1カ月に1回、肝機能検査を行います。

マニキュア型製剤に含まれる抗真菌薬であるシクロピロクスは、単独で使った場合はあまり効果がありませんが、特に抵抗性の感染症の場合、内服薬に加えて使った場合は治癒率が高まることがあります。シクロピロクスは、ほかの健康上の理由により内服薬を服用できない人に役立つこともあります。

再発の可能性を下げるためには、爪は常に短く切り、入浴後は足を乾いた状態に保ち、吸収性のよい靴下を履き、抗真菌薬の足用パウダーを使用するとよいでしょう。古い靴には真菌の胞子が多数いることがあるため、できれば履かないないようにします。

🟥千葉県旭市の農場のうずら10万羽余り、鳥インフルエンザで処分

 千葉県旭市にある農場で死んだうずらから「高病原性」の疑いがある鳥インフルエンザウイルスが検出され、県はこの農場で飼育されているおよそ10万8000羽の処分を始めた。千葉県内で鳥インフルエンザの感染が確認されたのは今シーズン初めてである。全国では18例目。  千葉県によると、2...