2022/08/21

🇧🇩先天性魚鱗癬様紅皮症

全身の皮膚の表面が魚の鱗のように硬くなり、赤みを伴う遺伝性角化異常症

先天性魚鱗癬様(ぎょりんせんよう)紅皮症とは、全身の皮膚にさまざまな厚さの鱗(うろこ)状ないし鮫肌(さめはだ)状の皮膚を生じ、さまざまな程度に全身の皮膚の赤みを伴う遺伝性角化異常症。

皮膚の表面は表皮細胞が細胞核を失って死んで作られる角質層で覆われていて、この角質層は皮膚のバリア機能に重要な役割を果たしています。角質層には、垢(あか)になって自然にはがれ落ちては作られる一定のサイクルがあり、その際、皮膚には古い角質層がスルリと落ちる巧みなメカニズムが備わっています。ところが、先天性魚鱗癬様紅皮症においては、その機能がおかしくなって角質層がうまくはがれ落ちないために異常な角質層、すなわち魚の鱗のようにカサカサした鱗屑(りんせつ)がみられるようになります。

先天性魚鱗癬様紅皮症はいくつかの種類があり、水疱(すいほう)を伴う水疱型先天性魚鱗癬性紅皮症、水疱を伴わない非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症、紅斑(こうはん)がなく大型の鱗屑を生じる葉状魚鱗癬、よろい状の非常に硬い皮膚を持つ道化師様魚鱗癬、皮膚以外の症状を持つ魚鱗癬症候群があります。いずれもまれな先天性の皮膚疾患です。遺伝しますが、両親に症状がなくても子供に現れることがあります。多くは出生時より、全身の皮膚症状が見られます。

水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症は、10万人に1人の頻度で発症します。ケラチン1、ケラチン10という蛋白(たんぱく)の遺伝子の異常により、常染色体優性遺伝します。全身の皮膚が赤くなって、古い角質層が厚い鱗状に硬くなり、硬くてゴワゴワした水疱を伴うのが特徴。出生の際、全身が半透明の薄膜で包まれているケースもあり、これをコロジオン児といいます。

乳幼児期には、全身の皮膚のびまん性潮紅、水疱形成を繰り返しますが、次第に水疱の形成はまれとなり、学童期には高度の角化が固定します。また、角化性局面には特徴的な悪臭も伴います。生命予後は良好ですが、ウイルスなどから体を守る皮膚のバリア機能の低下で、感染症にかかりやすく体温調節も難しくなります。

水疱を伴わない非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症は、常染色体劣性遺伝し、30〜50万人に1人の頻度で発症するとされている。全身の皮膚が赤くなって、古い角質層が厚い鱗状に硬くなりますが、水疱を伴うことはありません。眼瞼(がんけん)外反、口唇突出、手足の角化などを生じることがあります。

水疱型と非水疱型の先天性魚鱗癬様紅皮症は、国の小児慢性特定疾患研究事業に認定されており18歳未満、治療継続の場合は20歳未満まで、医療費補助を受けることができます。伝染性は全くありませんが、外見の印象が強い症状であるため、差別や偏見の対象となる問題があります。

葉状魚鱗癬は、ケラトヒアリンという蛋白の遺伝子の異常により常染色体劣性遺伝し、生まれた時より発症します。全身が赤くなることはなく、大形の鱗屑が皮膚に生じます。眼瞼外反、口唇突出、手足の角化などを生じることがあります。

道化師様魚鱗癬は、常染色体劣性遺伝し、よろい状の非常に硬くて厚い皮膚を生じる最重症型で、死亡することもあります。

魚鱗癬症候群は、皮膚症状に加え、神経を中心とするさまざまな臓器に異常を生じます。

先天性魚鱗癬様紅皮症に気付いたら、皮膚科、皮膚泌尿器科を受診して正しい診断を付けてもらい、適切な治療を受けるようにします。

先天性魚鱗癬様紅皮症の検査と診断と治療

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師は、皮膚の症状から診断します。特効的治療法はなく、対症療法が行われています。軽症の先天性魚鱗癬様紅皮症には、皮膚の表面を滑らかにする尿素含有軟こう、ビタミンA含有軟こう、サリチル酸ワセリンが効きます。重症の場合は、エトレチナート剤(ビタミンA誘導体)を内服します。各々特有の副作用に注意が必要です。

現在のところ、終生その症状は続きます。重症例では合併症などにより死亡することがあります。

💅先天性厚硬爪

爪の甲の先が異常に厚く、硬くなる先天性疾患

先天性厚硬爪(こうこうそう)とは、爪(つめ)の甲の先が不透明で異常に厚く、硬くなる先天性疾患。先天性厚硬爪甲とも呼ばれます。

多くは常染色体優性遺伝を示し、ケラチン6、16、17という蛋白(たんぱく)の遺伝子のいずれかの変異が原因で、発症します。男児に多いとされています。

生まれた時は正常な爪の甲であることが多いのですが、3カ月から6カ月ほどすると徐々に変形していきます。

爪の甲の変形は、爪の甲の裏側と密着している指先の皮膚である爪床部の角化異常によります。普通なら角化しない爪床部で過度の角化が起きて硬くなるため、爪床から押し上げられた爪の甲が斜め上方に伸びて過度に湾曲して厚く、硬くなり、爪床からの水分補給もなくなるため、不透明で混濁した爪の甲になります。

足指および手指のすべての爪に変形が現れ、爪の成長はとても遅くなります。

爪の症状に加えて、舌の白色化、手のひらと足の裏の角化、発汗過多、身体突出部の水疱(すいほう)、四肢の毛包一致性の角化が現れることもあります。

先天性厚硬爪で生命が脅かされることはありませんが、手足の指の爪が厚く、硬く変形していると心配な場合は、皮膚科や皮膚泌尿器科を受診します。

先天性厚硬爪の検査と診断と治療

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断は、症状や問診で先天性厚硬爪と判断します。

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療は、先天性厚硬爪に対する根治的な治療法は現時点では存在しないため、厚く、硬く変形した爪を専用の爪切りで処置したり、爪やすりでできるだけ薄くなるように削る、あるいは溶かして薄くするといった対処療法になります。

手のひらと足の裏の角化、四肢の毛包一致性の角化に対しては、サリチル酸ワセリン、尿素、活性型ビタミンD3などの外用剤を塗ります。重症の場合は、エトレチナート剤(ビタミンA誘導体)の内服を行うこともあります。

🇧🇩先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)

●生まれつき甲状腺の働きが弱い疾患

先天性甲状腺(せん)機能低下症とは、生まれつき甲状腺の働きが弱いために、甲状腺ホルモンの分泌が不足している疾患。知能低下や発育障害が起こる重症から軽症まで、症状の出方はさまざまです。別名、クレチン症。

発生頻度は、出生児5000~6000人に1人の割合と推測されています。男女比は1:2で、女児が多いようです。

胎児期における発生の異常によって、甲状腺そのものが形成されていない、甲状腺があっても十分な大きさがない,甲状腺が舌根部など別の場所にあって働かない、甲状腺があっても甲状腺ホルモンの合成に障害があるなどのために、甲状腺ホルモンが不足の状態になります。まれに、中枢性(下垂体性)、視床下部性の機能障害に、原因があるケースもあります。

出生時体重は正常ですが、次第に成長、発達が遅れてきます。新生児黄疸(おうだん)から引き続き、黄疸がなかなかとれません。

顔つきは特徴があり、まぶたがはれぼったく、鼻は低く、いつも口を開け、大きな舌を出しています。これをクレチン顔貌(がんぼう)と呼びます。皮膚は乾燥し、あまり汗をかかず、腹部は大きく膨れています。また、臍(さい)ヘルニア、頑固な便秘があります。

また、四肢、特に手足の指が短いことが特徴的です。周囲に興味を示さず、あまり泣かずによく眠ります。体動も不活発で、おとなしい子供です。

これらの症状は乳児期以後に認められるものが多く、新生児期にははっきりした症状を示しにくいものです。

そのまま放置しておくと、運動機能の発達の遅れ、発育障害がみられ、おすわりや歩行が遅れ、知能も障害されます。また、骨の成熟が著しく遅れ、身長が伸びずに小人症になります。

●先天性甲状腺機能低下症の検査と診断と治療

現在の日本では、新生児の集団スクリーニングが全国的に行われており、先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)の症状が現れる前に、ほとんどが発見されます。

この集団スクリーニングは生後5~7日に、足の裏から一滴の血液を濾(ろ)紙で取り、血液中の甲状腺刺激ホルモン(TSH)の測定によって行われます。このスクリーニングのみでは、甲状腺刺激ホルモン(TSH)遅発上昇型などの症例や、中枢性(下垂体性)、視床下部性の機能障害に原因があるケースが見逃されますので、症状があれば要注意です。地域によっては、遊離サイロキシン(FT4)の測定を同時に行っています。

甲状腺刺激ホルモン(TSH)が高値であると、再採血あるいは精密検査になります。集団スクリーニングで精密検査の通知が届いたら、速やかに指定された医療機関を受診します。

医療機関によっては、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、遊離サイロキシン(FT4)などの再検査、大腿(だいたい)骨遠位骨頭核のX線検査、甲状腺の超音波検査などを行います。一般に、先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)では骨の発育が遅延し、大腿骨遠位骨頭核が出現していないか、小さいと見なされています。

一過性甲状腺機能低下症、一過性高TSH血症、ごく軽度の先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)との区別のため、母親の甲状腺疾患、母親がバセドウ病の場合には抗甲状腺薬内服、胎児造影、イソジン消毒などによるヨード大量曝露(ばくろ)の有無などが、確認されます。

症状がそろっていて、甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が高く、甲状腺ホルモン値が低いと、診断が確定します。 

診断が確定したら治療を開始し、1日1回、甲状腺ホルモン剤の内服を行います。一般に、生後3カ月以内に薬剤の内服が開始できれば、知能障害や発育障害を残さずに正常の発達を期待できますので、経過を見ながら薬剤の量を加減します。生後12カ月以後では、知能障害を残してしまいます。

🇧🇩先天性再生不良性貧血

重要な造血器である骨髄に、先天的な障害があるために起こる貧血

先天性再生不良性貧血とは、重要な造血器である骨髄に先天的な障害があるために、血液中の血球が減少して起こる貧血。常染色体劣性遺伝をする、まれな疾患です。

この先天性再生不良性貧血には、血液中の赤血球、白血球、血小板のすべての血球が減少するファンコニー貧血、血液中の赤血球だけが減少するダイヤモンドブラックファン貧血などがあります。

ファンコニー貧血の症状としては、頻繁な感染症、出血を起こしやすい、極度の疲れなどがみられます。しばしば、発症者は小柄な体形になったり、皮膚に褐色の斑点(はんてん)ができたりします。さらに、特定の種類のがんの発生リスクが高くなります。

通常は、2歳から15歳までの乳幼児期から小児期に発症します。その原因遺伝子は相次いで同定され、これまでのところ少なくとも13の原因遺伝子の関与が考えられています。

ダイヤモンドブラックファン貧血は、先天性赤芽球癆(せきがきゅうろう)とも呼ばれ、強い貧血を起こします。赤血球が減るほど、息切れ、動悸(どうき)、めまい、ふらつきなどの症状が強く出ます。母指または他の指の骨の異常、および低身長を伴うこともあります。通常は乳児期に発症しますが、成人期に発症することもあります。

先天性再生不良性貧血は治療の難しい疾患とされていますが、最近では骨髄移植が有効で、骨髄移植した子供の90パーセント以上が成功しています。そのほか、薬物療法として、蛋白(たんぱく)同化ホルモン剤や、ステロイド剤(副腎〔ふくじん〕皮質ホルモン剤)が併用されます。

ステロイド剤のメチルプレドニゾロンの大量使用や、免疫抑制療法も行われています。その際には、薬の副作用や感染症、合併症に十分注意します。

💅爪異栄養症

複数の爪の甲の表面に、波打つようなでこぼこが現れた状態

爪異栄養(そういえいよう)症とは、複数の爪(つめ)の甲の表面に、波打つようなでこぼこが現れた状態。二十爪発育異常症粗造爪と呼ばれることもあります。

爪は、爪の甲と、爪の根元の皮下にあって爪を作り出している爪母、爪の甲を下で支える爪床から成り立っています。複数の爪の甲の表面に、波打つようなでこぼこが現れるのは、爪の甲のその部分が爪母で形成された時に、発育を抑制するような刺激が加わったせいです。爪の甲が根元から伸びるのに伴って、その刺激によって生じたでこぼこが次第に爪先へと移行して現れます。

食事による栄養不足や水分不足により、爪に必要な蛋白(たんぱく)質、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ビタミンBなどが足りないと、爪の甲の表面にでこぼこが現れることがあります。過労や睡眠不足、不規則な生活が連続することにより、爪の甲の表面にでこぼこが現れることもあります。

環境におけるストレスが多いことにより、爪の甲の表面にでこぼこが現れることもあります。ストレスとの因果関係が高いため、爪の甲の表面にでこぼこが見られる人は、円形脱毛症になる可能性が高いといわれています。

うつ病を患っていることにより、爪の甲の表面にでこぼこが現れることもあります。

また、爪の甲の表面にでこぼこが現れるだけでなく、縦方向や横方向の線や溝が現れたり、爪の甲が薄くなり、光沢が消え、もろくなることもあります。

爪異栄養症の症状が手足の複数の爪に現れた場合は、心身ともに疲れがたまっているサインと見なし、食事による栄養不足を解消し、ゆっくり体を休めたり、リフレッシュして心をすっきりさせることを心掛ければよいでしょう。

ただし、いくつかの疾患が合わさって爪異栄養症を生じていることもあり、見た目で扁平苔癬(へんぺいたいせん)や爪乾癬(つめかんせん)、アトピー性皮膚炎と区別が付かないこともあるので、皮膚科、ないし皮膚泌尿器科を受診して、確認してもらうことが勧められます。

爪異栄養症の検査と診断と治療

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、症状と問診から判断します。確定診断には、爪床や爪母を含めて爪組織の一部を切って顕微鏡で調べる組織検査を行い、扁平苔癬や爪乾癬などと鑑別します。

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療では、基本的には外用ステロイド剤を患部に塗ります。内用ステロイド剤の内服で軽快することもあります。治りにくい場合には、光線療法も行います。

光線療法は、紫外線の増感剤であるメトキサレン(オクソラレン)を患部に塗り、長波長紫外線UVAを当てる治療で、PUVA(プーバ)療法といいます。近年、PUVA療法に代わる光線療法として、特定の紫外線波長を利用したナローバンドUVB療法も利用されるようになってきています。

🇲🇻騒音性難聴

騒音の出る職場で長期にわたって過ごすことが原因になって起こる難聴

騒音性難聴とは、騒音の下で長時間就業することにより起こる難聴。職業性難聴とも呼ばれます。

騒音性難聴を引き起こす騒音の大きさは80デシベル以上と定義されており、就業期間が長くなるとともに、難聴の症状も進行することになります。

騒音の激しい工事現場、機械の作動音の大きい工場、機械音や音楽に満ちたパチンコ店、あるいはカラオケ店などで働く人は、長年繰り返して騒音を聞き続けることで騒音性難聴になることがあります。騒音性難聴になるかどうかは個人差が大きく、同じような状況下にいても難聴になる人とならない人がいます。

また、ヘッドホンやイヤホンでいつも音楽を聞いている人や、オーケストラや吹奏楽などでトロンボーンの直前にいる奏者が、騒音性難聴になるといったことも起きています。

異なる周波数の音が混じった騒音の下で就業した人を比較すると、疾患の初期には4000ヘルツ付近の高音部を中心とする類似した聴力低下を示します。従って、騒がしく、大きな音により内耳の蝸牛(かぎゅう)内の限られた部位に感覚器障害が発生することが、疾患の発生原因と考えられています。感覚器を障害するのは、同じ大きな音でも、低音よりも3000ヘルツを超えるような高音のほうが強いといわれています。

しかし、初期には4000ヘルツより低い日常会話音域は問題なく聞き取れるため、異常に気付かない人も多くなっています。

そのまま騒音を聞き続けると、高音部から低音部も聞こえにくくなり、会話音域の500〜2000ヘルツまで聴力低下が及んだ時に、初めて難聴を自覚することになります。

異常に気付いた時には取り返しがつかなくなっているという例が、後を絶ちません。また、発症者の中には、耳鳴り、めまいなどの症状を訴える例も多くなっています。

騒音性難聴は左右両側の耳に起こることが多く、両側の耳が同程度の難聴になります。

騒音のある職場では特殊健康診断が行われており、難聴が発生した場合には、その障害の程度に応じて労働者災害補償保険法による補償が行われています。申請書類の記入のために耳鼻咽喉(いんこう)科への受診が必要です。

騒音性難聴の検査と診断と治療

耳鼻咽喉科の医師による診断では、難聴の程度を調べるために純音聴力検査を行います。疾患の初期には、4000ヘルツ付近の高音部を中心に特徴的なC5dipと呼ばれる聴力低下像がみられ、比較的容易に診断できます。

しかし、進行すると老人性難聴や薬剤性難聴と似た聴力像を示すようになります。従って、騒音下での作業の職歴の有無が、職業性難聴の診断には極めて有用です。

耳鼻咽喉科の医師による治療では、慢性の難聴のため、現時点では有効な治療手段はありません。対症療法として、循環改善薬やビタミン薬などが用いられる場合もあります。

難聴を自覚した時には、すでに疾患はかなり進行しており、元に戻すことは困難です。従って、騒音の下で長時間就労する場合には、耳栓、イヤーマフなどの防音具の装着による予防が必要です。騒音過多の職場の環境を変えることができれば、何よりの予防になります。

💅爪郭炎

指の爪の根元が赤くはれて、爪がでこぼこになる皮膚疾患

爪郭炎(そうかくえん)とは、指の爪(つめ)の根元が赤くはれて、爪がでこぼこになる皮膚疾患。オニキアとも呼ばれます。

爪の甲の表面と、爪の甲を根元で固定している皮膚である後爪郭(こうそうかく)の間に透き間ができて、そこに、かびの一種である真菌のカンジダなどや、そのほかの細菌が入り込んで、増殖することで炎症が起き、爪郭炎を生じます。

ほとんどが手の指の爪に起こり、中指、薬指の爪に多くみられます。最初は爪の根元が白く濁り、周囲の皮膚が赤くはれ上がり、押すと圧痛があります。悪化すると、爪と皮膚の間が化膿(かのう)して、うみが出たり、痛みが生じます。

非常に治りにくく、爪の根元の後爪郭に炎症が起きるために、新しく生えた爪が変形して、爪の表面がでこぼこになり、横に筋(横溝)がみられたり、爪が褐色や灰色に変色することがあります。

爪郭炎は、指先が湿る水仕事の機会の多い中年女性や料理人に起こりやすいものです。マニキュアを不適切に行ったり、不衛生な器具を使って行った後にも、しばしば起こります。

感染している指で食品を触ると、カンジダなどの真菌や、そのほかの細菌が移り、調理後食べるまでの時間が長い場合には、食中毒の原因となる可能性もあります。

爪郭炎の症状に気付いたら、皮膚科、ないし皮膚泌尿器科を受診することが勧められます。

爪郭炎の検査と診断と治療

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、病変部の皮膚の表面をピンセットで軽く引っかき、採取した角質を顕微鏡で見る直接鏡検法KOH(苛性〔かせい〕カリ)法で真菌や細菌を検出することで、確定します。真菌や細菌の種類を特定するために、培養検査を行うこともあります。

皮膚科、ないし皮膚泌尿器科の医師による治療では、カンジダなどの真菌が原因となっている爪郭炎の場合、1日1回、外用抗真菌剤を後爪郭から爪甲表面に塗布し、内用抗真菌剤の内服を行います。

黄色ブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌などの細菌が原因となっている爪郭炎で軽い場合は、外用抗生物質を後爪郭から爪甲表面に塗布します。治りが悪い場合には、内用抗生物質の内服と、局所の安静が必要となります。

それと同時に、患部を濡らさないように水から避けて、手を乾燥した状態に保つことが大切です。指先の炎症が治まっても、爪が正常の状態に戻るにはさらに数カ月かかります。

また、化膿が強い場合は、切開排膿が必要となります。メスで皮膚を切開して、たまっているうみを排出すると、痛みは弱まります。

予防法としては、爪郭炎は水仕事の機会の多い中年女性や料理人などがかかりやすく、特にささくれ、小さい傷がある時に真菌や細菌が入りやすくなりますので、指先に小さい傷がある時には、まめに消毒を行い、水などに指先をつける時には、手袋をして直接、触らないように注意する必要があります。

🟥千葉県旭市の農場のうずら10万羽余り、鳥インフルエンザで処分

 千葉県旭市にある農場で死んだうずらから「高病原性」の疑いがある鳥インフルエンザウイルスが検出され、県はこの農場で飼育されているおよそ10万8000羽の処分を始めた。千葉県内で鳥インフルエンザの感染が確認されたのは今シーズン初めてである。全国では18例目。  千葉県によると、2...