東京都内の梅毒感染者数が、過去最多だった昨年とほぼ同水準で増加し、今年1月から9月1日までの累計が2400人(速報値)を超えたことが、東京都感染症情報センターの集計でわかりました。東京都では「2021年以降、梅毒感染者は増加傾向にあり、予防を心掛けてほしい」と注意を呼び掛けています。
東京都感染症情報センターによると、今年に入って梅毒感染者は、年始から35週目に当たる9月1日までに累計2460人。感染者数が過去最多だった昨年は、1年間で3701人に上りましたが、すでにその7割に迫る勢いで、同センターでは「過去最多だった昨年同時期(2526人)には及ばないものの、今年もハイペースで増えている」と感染の広がりを懸念しています。
感染者の内訳をみると、7割が男性で、年代は20~50歳代、女性は20歳代で増加が目立ちます。都内の梅毒感染者は2020年まで抑制傾向にあったものの、2021年から増加に転じ、2023年に過去最多を更新しました。全国的にも2023年は感染者数が1万4906人と今の制度で統計を取り始めてから最多になり、特に東京都が突出しています。
梅毒は主に性的接触により感染し、体にしこりや発疹などさまざまな症状が出ます。ただし、感染しても無症状の場合もあり、無自覚のまま他人にうつすことも多くなっています。治療が遅れると、脳や心臓などに重い症状が出ることもあります。妊娠中の女性が感染すると胎児に感染し、早産や新生児死亡の原因になる恐れがあります。
同センターでは、「梅毒は昔の病気と思われがちだが、近年は感染者が増えている。パートナー同士で感染の有無を確認し、また感染が疑われる場合は、早めに保健所や医療機関で検査をしてほしい」としています。
2024年9月10日(火)